私の転職体験談:カスタマーサービスから未経験で保険営業に転職。仕事と忍耐について。
転職前
- 職業
- ITサービス
- 職種
- カスタマーサービス
- 従業員規模
- 約120名
- 年収
- 非公開
転職後
- 職業
- 保険代理店
- 職種
- 営業
- 従業員規模
- 約20名
- 年収
- 非公開
目次
moyoさんの転職ストーリー
1これまでの私
「ワークライフバランス」を大切に──、それが私の信条でした。

当時私は41歳で、都内のIT系の会社で、自社運営のサービスに関連した、カスタマーサービスを担当する部署に所属していました。
入社以来、仕事は多忙を極めましたが、管理職に昇進するまでは、有給が多く、休暇も普通に取れる環境だったので、オンとオフの切り替えはしっかりできていました。
休みの日は、趣味の時間も持てましたし、リラックスした時を過ごせていました。
一方で、当時まだ娘が小さく、共働きだったので、送迎や家事は妻と協力して何とか乗り切っていましたが、平日は私も妻も仕事と育児とでくたくたな毎日でした。
元々カスタマーサービス系の仕事を選んだのも、ある程度子育てと両立してワークライフバランスを保てる環境を求めていたからです。
残業はあまり多くありませんでしたし、休日もしっかり休みを取れましたし、(給料はやや低かったですけれど)仕事に対しての不満は殆どありませんでした。
2転職のきっかけ
気付いたら、入社時の何倍もの業務量を抱え込むようになって──

入社してから3年ほど経ったタイミングで、私は管理職への昇進を打診されました。
上司から昇進の話をもらった時は、素直に嬉しかったのですが、当時はまだまだスキル不足を実感していた時期で、一旦は時期尚早という理由でお断りしました。──ですが、
- 上司
-
「何言ってるんだ。皆、そうやって上に登りつめていくんだから」
そう上司は言ってきまして、結果として、上司の押しに負けて管理職を引き受けることになりました。
就任当初は、大きな不安に襲われながらも、従来の楽観的な性格もあり、「何とかなるさ」の精神で、周囲の協力も得ながら、何とか幾多の困難も乗り越えられました。
しかしやがて、自分の部署で退職者が相次ぐようになりました。
IT業界という特性もあるのでしょう、労働環境の悪さや、従来のカスタマーサービスの給与の低さも手伝って、若い方がどんどん辞めていって。
離職率の高さが問題点として認識されながらも、組織としては(もちろん私も含めてですが)何も対策を講じられないまま、月日が経っていきました。
気付いたときには、既存のスタッフの業務量は退職者分のしわ寄せで、何倍にも膨れ上がっていました。
連日が終電に間に合うかどうかという時間帯までの残業でした。──時には、会社に泊まることもありました。
そうなると、自然と家庭にも影響が出てきます。同じく仕事を持つ妻に、家事や育児の負担がかかってしまい、私は私で毎日の仕事の疲れが取れずに、お互いイライラして、家の中の雰囲気も悪くなりました。
仕事は変わらず忙しく、上司からの重圧も強く、心身ともに疲弊し切っていた私は、やがて体調にも支障をきたすようになり、睡眠障害や心臓の痛みなどを発症するようになりました。
仕事へのモチベーションも急速に下がっていき、
- 私
-
(転職したほうが良いかもしれない・・・)
私は、そう考えるようになりました。
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3転職中
「なるようにしかならない」──そう思いつづけて活動した転職期

退職前は体もボロボロで、「とにかく辞めたい」の一心で、正常な判断力もなかったかもしれません。
ただ40歳を過ぎたタイミングで、子供も小さいということで、転職のリスクは当然頭をよぎりました。ただ、そんなボロボロの状況を見かねた妻が、
- 妻
-
「体を壊してまでやらなくていいよ、辞めても、きっとなんとかなるから」
と前向きな言葉をかけてくれたことは、とても有難かったです。
私は、思い切って転職を決断しました。
転職活動は、予想通りとても厳しいものでした。
主に転職エージェントを利用していましたが、応募しても、ほとんどが年齢がネックとなり、書類審査で落ちるパターンの繰り返しでした。
途中で給与や待遇の希望レベルを落として応募しましたが、状況はあまり好転しませんでした。
焦りはとてもありました。
ですが、退職した後は段々と身体のコンディションも整ってきたのが救いでしたね。
- 私
-
「なるようにしかならない…!」
と、私は腹をくくりました。体調が良ければ気持ちも強く持てるものです。芳しくない転職活動でしたが、前向きにやろうと、とにかく行動を停めずに活動し続けました。
そのうち知り合いのつてで、保険代理店の営業職を紹介されました。
過去に保険関係の仕事をしていたこともあって、それが評価され、そして私は、なんとか無事に転職できたのです。
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4転職後
転職後に感じられたことは、「人との出会い」への感謝

転職先は、前職に比べると、会社の規模も小さく、社員の人数も少ないアットホームな環境でした。
そういうところで働くのははじめてだったので、最初は戸惑いましたが、仕事に慣れてくると、以前にはない居心地の良さを感じるようになりました。
私のメインの業務は「営業」です。営業はほとんど経験がありませんで最初はやはり苦労しました。
ですが、対面でのコミュニケーションが増えてきて、それに慣れてくると、日々の「人との出会い」自体に楽しめるようになってきまして。
仕事は忙しかったですが、充実感を持てるようになりました。
また同僚が、比較的年配の人が多かったので、いろいろ相談にも乗ってもらえましたし、仕事でもプライベートでもサポートしてもらえたのもありがたかったです。
ひとつだけ残念な点で言うと、古い体質の会社ということもあって、組織全体がやや保守的ということです。
業務改善のために何か新しいアイデアを提案しても、社長をはじめ社員の腰は重かったのは、「なんだかなあ」と思うこともあり、そこだけはちょっと不満でした。
5その後、どうなったか。
思い通りにいかないことも多い。でも、そこで「社会に貢献できているか」が大切。

今回の転職を通じて学んだことは、「仕事と忍耐について」です。
仕事に忍耐はつきものですが、前向きな、生産的な忍耐はいいとして、ストレスで体を壊してしまうほどの忍耐はもはや意味のないものだと感じています。
終身雇用の時代は終わりつつあるとはいえ、世界的にみると、日本人は転職することにあまり積極的でない国民性です。
努力や忍耐が美徳とされているので、どうしてもコロコロ職を変わったりするとマイナスイメージとして捉えがちです。
自分自身も今回の転職を決断するまでは、色んな葛藤もあってなかなか決断ができませんでした。
転職事情は人によって様々ですが、転職することで新たな自分の可能性に気づいたり、環境が変わるだけで全てが好転するケースもあります。そういった可能性を見失わないことも、とても大切だと思います。
もちろん、どこか困難から逃げているだけの逃避的な転職は、また同じことを繰り返して失敗に終わるケースもありますので、一概には言えないのでしょうけれど。
◇ ◇ ◇
実は現在は独立して、自分でビジネスをやっています。
困難なことも多々あり、なかなか思い通りにいかないことも多いです。
しかし、やりがいはあります。楽しいと思えることも沢山あります。
どんなに困難な状況にある時も、楽しむことを忘れず、初心を忘れず、これからもいろんなことにチャレンジしていきたいと思っています。
またこれまでのキャリアで、様々な業種の、様々な人達と出会えたことは、自分にとってかけがえのない財産になっています。
これからも、周囲の人達への感謝の気持ちを忘れずに、人とのつながりを大切にしながら、仕事に邁進していこうと思っています。
「今後の目標」ですか?──何かしら人の役に立ち、人を幸せにできるような仕事をする、ということですかね。
ちょっと漠然としているかもしれませんが、「社会に貢献できている」という実感は、人としてきっと、かけがいのないやりがいに繋がるものだと思っています。