東京から兵庫へのUターン転職。後悔もあるが、野望もある。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 児童福祉施設
- 職種
- 心理士
- 従業員規模
- 50名
- 年収
- 650万円
転職後
- 職業
- 児童福祉施設
- 職種
- 心理士
- 従業員規模
- 20名
- 年収
- 450万円
目次
たかさんの転職ストーリー
1これまでの私
児童心理治療施設の心理士の仕事。
43歳まで、東京の児童心理治療施設で、主任心理士として働いていました。
児童心理治療施設とは
児童心理治療施設は、心理的な問題や行動上の困難を抱える子どもたちを対象に、専門的な治療やサポートを提供する施設です。
心理士やカウンセラー、教育者などの専門家が、個別またはグループでのカウンセリングや療育プログラムを通じて、子どもたちの心の健康を支援します。
心理士とは
心理士は、心の健康や発達に関する専門的な知識を持ち、カウンセリングや心理療法を通じて、個人の心理的な問題の解決を支援する専門職です。
クライアントの話を傾聴し、適切な治療計画を立て、精神的なサポートを提供します。
児童心理治療施設の心理士の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
個別カウンセリング | 子どもたちと一対一で面談を行い、心理的な問題を把握し、解決に向けた支援を行います。 |
グループセラピーの実施 | 複数の子どもたちを対象に、グループセラピーを通じて社会性やコミュニケーション能力の向上を図ります。 |
心理評価と診断 | 各種心理テストや観察を通じて、子どもの心理状態や問題の原因を評価・診断します。 |
治療計画の作成と実施 | 子ども一人ひとりの状況に合わせた治療計画を立て、それに基づいてカウンセリングや療育を行います。 |
家族支援と連携 | 子どもたちの治療において、家族との連携を図り、家庭でのサポート方法についても指導します。 |
仕事はシフト制で、早朝からの勤務の時もあれば、午後から行って深夜までの時もあり、さらには宿直もありました。
私はもともと子どもが好きで、心理学の分野にも興味が強かったので、仕事へのやりがいも十分に感じられていました。
家庭は妻と、保育園に通っている娘の3人暮らし。
妻は育児から徐々に働き始めていたところで、私の収入と合わせるとそれなりの生活はできていました。
ただ、東京の暮らしは私にとっても妻にとっても、縁もゆかりもない場所でした。
(このままこの土地で、年を重ねていって良いのか)という疑問は常に抱いていました。
2転職のきっかけ
妻からの「地元に戻りたい」という話を受けて。
娘が小学校に上がるタイミングが近づいてきた時に、私も妻も「この子がこの土地で小学校に通うことがどうしてもイメージできない」という意見で一致しました。
発端は、妻から「地元に戻りたい」という話があったからです(妻も私も、もとは兵庫の出身でした)。
私自身はそこまで強い思いはありませんでしたが、気になっていることはほかにもありました。
それは、前回帰省したときのこと。
夏の暑い日なのに、両親は窓を閉め切って、クーラーもつけずにいたのです。
とうぜん、部屋は蒸し風呂のような暑さでした。
歳を取ると、人は暑さに鈍感になるのです。そして、ときにその鈍感さが熱中症などの事故にも繋がってしまう。
(近い将来、誰かが両親を介護しなくてはいけないだろう)と、感じていました。
妻からは、
「なんとなく、このままでは嫌だ」
「地元の兵庫に帰った方が、娘の成長にも良いと思う」
「生活も、落ち着くと思う」
と言われました。
そして、それを聞いて(たしかにそうだな)と納得している自分がいました。
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3転職活動中
兵庫への、Uターン転職活動。
2020年の6月頃から、私は徐々に仕事を探し始めました。
私が「譲れない条件」としたのは、児童相手の心理の仕事の軸はずらさないという点でした。
児童心理治療施設の心理士の仕事はやや特殊で、1つの施設につき1名ないしは2名しかいません。
そのため、ほとんどの場合は誰かが退職しても、その人の紹介や、その人の出身大学から新しい人が紹介されるという感じで、求人が公募されていることはほとんどないのです。
大手の転職サービスにも登録してみましたが、案の定求人はほとんど見つからず、引っ越し予定の地域から通える範囲の児童施設のホームページを1つずつ確認するという地道な作業となりました。
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採用募集をしていた施設があっても「できたらすぐに来て欲しい」と言われてどうしてもタイミングが合わないことも、何度かありました。
(このままでは、なかなか転職は決まらない)ということに気付き、給与面はかなり妥協した方がよいだろうと考えました(これが後になって後悔することにはなるのですが)。
活動を始めて3ヵ月経った頃、ちょうど私の地元から車で10分ほどの所に新しく施設ができることになり、そこで心理職を募集するという情報を入手して。
40代の応募者を果たして採用してくれるかがとても不安でしたが、私の地元がけっこうな田舎であったことが幸いしたようでした。
どうやら他に応募者があまり多くどいなかったようなのです。
これまでの経歴も評価いただき、無事に採用と至りました。
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた環境は。
新しい職場は、以前に別の場所にあった児童施設から分割されて、新設された児童施設です。
私の仕事は心理職として、入所している子どもへのカウンセリング、プレイセラピーをすることが主でした。
そのほか、保護者へのカウンセリング、職員へのコンサルテーションやメンタルケアも任されました。
かなり広範囲な業務でしたが、以前の職場でもかなり幅広く仕事をしていたこともあって、初めてする仕事は無く、仕事内容はすべて心理の専門業務に限られていたので、やりやすかったです。
職場の人たちは温厚な人が多く、私と一緒に新採用された人が多かったこともあり、職場環境にはすぐに馴染むことができました。
また、通勤がバイクで10分ほどで、田舎道をのんびり走ることができるので、ストレス解消にもなっています。
悩んだ点は、「心理士としての働き方」の意識の違いでした。
以前の職場は「治療施設」の要素が、一方の新しい職場は「養護施設」の要素が強めでした。その違いは、「専門性の高さ・低さ」に如実に現れていました。
特に職員の意識の差が大きく、本当に普通のおじさん、おばさんが子どもに接しているという感じでした。
コンプライアンス的なこともわかっていないことが多く、初めのうちは苦労しました。
そこで、入職して3ヵ月が経って一連の業務フローに慣れたあたりから、私は職員に向けての研修を定期開催することにしました。
まずは若手から意識改革をしていくことが大切だと考えたからです。
これは恐らくうまく行ったようで、4回目の研修を実施したあたりから施設全体のサービス品質は高まってきたように感じています。
ただ、施設の上層部の方々の反応はいま一つでした。「以前のやり方で問題ない」という考えの人が多く、そうした人たちとのコミュニケーションの難しさは、今も感じています。
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5その後、どうなったか。
転職を振りかえって、今思うこと。そして、これから目指したいこと。
今回の転職で得られた気づきは、「どうせ無理だろう」と思うのではなく、「とにかくチャレンジしてみること」で道は開けるということです。
東京から兵庫へのUターン転職への準備を始めたとき、「果たして、本当に実現できるだろうか」と思ったものです。
ですが、その気持ちは行動を続けるうちにどんどんなくなっていきました。
後悔している点は、「もっと前から入念に準備しておけばよかった」ということ。
仕事が見つからない状況が続けば、焦り・妥協はどうしても出てしまうでしょう。
私の場合は収入面での妥協でしたが、これが後になってから大きなプレッシャーとなりました。
転職前と比較して約200万円の年収ダウンで、今は生活費と家のローン支払いで本当にぎりぎりです。
救いだったのは、自分たちの近くに来てくれたと喜んでくれた両親が少しまとまったお金を援助してくれたこと。今はそのお金を切り崩しながら生活しています。
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◇ ◇ ◇
これから将来に向けて考えていることは、「今の職場をもっともっとよくしていきたい」ということです。
まだまだ経験も実績も浅い施設で、更には人材不足で、離職率も高めです。
改善できるところはたくさんあるのに、古い考え、非専門的な考えがのさばっているがためにうまく行っていないことも多いように感じます。
ですが、私自身の働きかけでよくして行ける余地はまだまだあります。
そのひとつが、職員研修や面談でしょう。
とても小さな一歩一歩ですが、大事なのは変化していくことですから。
まずは若手職員を育てて、離職しないようにサポートすること。それから、地域に施設の存在をアピールしていくこと。
いずれは施設のマネージメント職として、日本一の児童施設にしていきたい。「あの施設の職員になりたい」と思える施設にしていきたい。──今は、そんな野望を掲げています。
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