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社内SEは、その会社の「システム」より先に「人」を見ること|私の転職体験談

転職前

BEFORE
職業
商社
職種
ITエンジニア(社内SE)
従業員規模
60名
年収
350万円

転職後

AFTER
職業
商社
職種
ITエンジニア(社内SE)
従業員規模
100名
年収
450万円

目次

アセロラさんの転職ストーリー

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1これまでの私

コンピュータの知識で、「ありがとう」と言われる喜びを知って。

イメージ図:社内SEのデスク

子供のころから、コンピュータをいじるのが好きでした。

でもその頃は、周りにコンピュータで遊ぶ人はあまりいなくて、更には友人やクラスメイトのほうでは「コンピュータでいつも遊んでいる=オタク」といった風潮というか図式があって、たまに肩身の狭い思いをしたものでした。

「休日なにやってたの?」と訊かれて、「うん、一日中パソコンしてたよ」って言うのがはばかれるような、そんな感じです。でも実際、そうして過ごしてましたけど笑。

その後、社会人になってからは社内SEとして、自社内のシステムや、ネットワーク周りの管理を一手に引き受けていました。

社内SEとは

社内SE(しゃないエスイー)とは、社内SEとは、会社内の情報システムの開発・運用を担うくSE(システムエンジニア)のことを指します。

主な業務内容は基幹システムやサーバーの運用保守、社内ネットワークの管理、各種アカウントやライセンス管理、社員に対するサポート等が挙げられます。

時代は変わって、今は「コンピュータができる」というと周囲からかなり重宝されます。パソコンの操作や社内のシステム上の処理で分からないことがある人に教えたりした時に、

「ありがとう!助かった!」

──という声を貰える。

それは、私にとって大きなやりがいで、そして生きがいとなっていました。

2転職のきっかけ

自分はずっとこのままの生活で、歳を取っていってしまうのだろうか?

イメージ図:残業の多いオフィス

転職前の当時、就職した会社では残業もほとんど無く、自宅からも近かった為、ワークライフバランスの取れた生活ができていました。

──ですが、年月が経つとともに段々と業績不振の影が差すようになってきて。

いつしか、上司の人達が、

上司

「今の給与ベースのままだとまずい」

といった話題を口にすることを聴くようになりました。

要は、毎年積み重なる赤字に伴い人件費を減らさないとやっていけなくなるということです。

その取り組みは実現され、最初は少しずつ、やがて段々と給与削減や賞与カットの割合が増えてきました。

その甲斐あってか会社はなんとか存続しましたが、それからまた数年経ち、気づいたときに私の給与は年齢平均の給与額から大きく乖離する額となっていたのです。

そんな状態でしたから、社員の離職も多かったです。

仲の良かった同僚が1人、また1人と退職していき、ですがその穴を埋める社員を募集するだけの企業体力はいまだありませんでした。

その結果、残存の社員でこれまでの業務を担うことになり、更には他部門で抜けた社員を補いきれなかったところの作業もヘルプではいることも多くなりました。

自社が入っていたビルのシャッターが閉まる時間の関係で、幸いなことに深夜残業や徹夜になることはありませんでしたが、それでも仕事は変わらず膨大にありますので、必然的に「1日の仕事の密度」が以上に濃くなっていって。

仕事中は、「とにかく目の前にある業務を片付けないと」という意識のみでした。
それでも、業務は次から次にやってくる。

ある日、ふと気づいたんですよね。

(あれ、自分はずっと、こんな感じで仕事をして、歳をとっていってしまうんだろうか)

──と。

当時、私は36歳。そろそろ体力的にも厳しくなってくる時期です。今はまだなんとかやれたとしても、5年後、10年後はやっていけるだろうか──。

そんな想いがどんどん強まっていき、そして「退職」を思い立ったのです。

3転職活動中

現職を続けながらの、転職活動。

イメージ図:現職をつづけながらの、転職活動

転職活動を始めるにあたり、私は親しかった同僚にそのことを話しました。

すると、ちょうどその同僚も今の会社の状況を鑑みての転職を検討していたと打ち明けてくれて。

それからは、お互いに応援しつつ、状況報告や情報共有をしあっていきました。
このことが私の、転職のモチベーション維持になったと思います。

転職活動で大変だったことは、やはり「業務の傍らでの活動」であったため、忙しさが増したということです。

変わらず業務が山のようにある状態でしたので、有給を取ることはかなり憚られました。

それで、私のとった転職活動の方法はこうです──。

まず、リクナビNEXTエン転職を始めとした転職サイトに片っ端から登録する。
そして、求人情報が更新される曜日は朝一でチェックをします。

注意したことは、「いいな」と思った求人情報はすぐに応募しないと締め切られてしまうということです。だから、求人情報の確認はなるべくこまめに行いました。

「ITエンジニア」という職種自体が、そういった傾向が強かったのかもしれません。

それから、応募のための書類作成、そして面接のための時間の確保にいそしみました。

有難かったのは、大抵の求人企業のほうで、一次面接であれば業後に対応していただけたことです。

ですので、大変で体力は消耗しましたが、スケジュール自体はなんとか工面しつつ、活動を進めることができました。

4転職後

社内SEは、システムよりもまず人を見る。

イメージ図:社内SEは、システムよりもまず人を見る。

2ヵ月のほど転職活動を行い、ようやく私は転職先を決めることができました。
前職と同じ、社内SEとしてのポジションになります。

転職してから苦労したことは、新しい会社の人達との「コミュニケーション」でした。──いや、「信頼関係の構築」といったほうがしっくりくるかもしれません。

それから、まあこれは当然なのでしょうが、会社は私に「即戦力」としてのパフォーマンスを求めました。

ですが、社内SEはまずその会社の仕組み──システムだけでなく、人のことも含めて──を把握しなければ、パフォーマンスは出せません。

そこで、まず私が始めに行ったことは、各部門の業務と人の流れをきちんと把握することでした。

社内の全ての部門を訪れ、業務の流れや、どんな課題があるかをヒアリングをさせて頂こうとお願いして回りました。

丁寧に教えて頂ける部門の方々もいましたが、「すみませんが、忙しいので」と断られたり、「そういうのは、見て覚えるものですよね?」と言ってくる人もいました。

でも、そこで引き下がってしまっては私も仕事になりません。
彼らの反応はいわば「その部門の文化」と捉え、何度も通い、その部門の方々にヒアリングのお願いに伺いました。

──今では、大抵の人とはお酒を飲みに行けるくらいの仲にはなれましたが、そこまでに至るまでが、本当に大変でしたね。

もともと胃痛持ちだったのですが、かなり長い期間、その痛みに悩まされました。

5その後、どうなったか。

新しい環境での社内SEとして、これから目指したいこと。

イメージ図:新しい環境での社内SEとして、これから目指したいこと。

今回の転職活動を通して学べたことは、「職種は同じでも、持っている知識は職場が変わると更新が必要」ということでした。

技術的な知識はそのまま持ち越せる場合が多いですが、会社が違えば業務の流れは、たとえ同じ業界であったとしても、とても大きく変わります。

今後ITエンジニアとは異なる職種にチャレンジしたとしても、そこは同じだと思うので、これは大きな収穫(気づき)であったと思いました。

後悔していることといえば、最初に志望した会社の面接にて、給与交渉の機会があったときのことです。

私は「転職活動をはやく終わらせたい」という気持ちが勝ってしまい、思うように交渉ができず、結果的に折り合いがつかず辞退することになってしまったのです。

今後長く働くことを考えるなら、待遇については最初にしっかり交渉すべきだったと、今になって思います。


これからは、「ITエンジニア」や「社内SE」といった括りにこだわらずに、仕事をしていければと思っています。

そもそも、「社内SE」と一口に言っても、その業務の可能性は多岐に渡ります。

会社によっては間接部門でヘルプデスク業務がメインで、それ以外なにもしない場合もあるでしょう。

でも、自身にその意思さえあれば、社内SEはITエンジニアリングの観点から会社の広範囲を見ることができるはずです。

たとえば企業の情報戦略やマーケティングなど、色々なことを提案していくことが出来るでしょう。

私は現在、過去の蓄積データと、Web上に存在する大量のデータを元に、マーケティングに参画することにチャレンジしたいと考え、関係部署のメンバーと共にプロジェクトを開始したところです。

これからも、知識や経験を元に、色々な事項にチャレンジしたい!
そう思い続けようと考えています。

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