職場のパワハラ疑惑が晴れたとき私は転職を決意した|転職体験談
転職前
- 職業
- 製造業
- 職種
- 財務経理
- 従業員規模
- 約1,000名
- 年収
- 700万円
転職後
- 職業
- 物流業
- 職種
- 財務経理
- 従業員規模
- 約2,000名
- 年収
- 750万円
目次
安芸さんの転職ストーリー
1これまでの私
出向先の職場では、いつも一人だった。
転職をしたのは、今から3年前ですね。
当時、工場の経理責任者として地方の子会社に出向していました。
周囲のスタッフはみんな地元出身で、私だけが東京出身でした。まあそれだけが原因というわけではないんですが、正直周りとうまくいっていない状況でした。
ランチの時間は、いつも一人でしたし、飲みに誘われることなんかもありませんでした。
唯一の救いは、その出向先の土地で妻と知り合ったこと。
40手前の男やもめで休みの日もすることがなく引きこもってたのですが、街コンに参加した時に出会って、そのまま結婚へと至りました。
当時、妻も働いていましたが、将来子どもができたら退職する予定だと話していました。
また、「都会暮らしに憧れている」と言っていたので、それこそ「早く東京本社に戻りたい」と、その一心で職場に通っていました。
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2転職のきっかけ
職場のパワハラ疑惑。容疑者は、私。
職場の人間関係は、改善どころか悪化の一途を辿っていました。
きっと私にも問題があったのだと思いますが、スタッフたちはあからさまに私に距離を取るようになっていきました。
たまに本社から出張でやってくる上司に相談したのですが、「いずれ帰任するまでの辛抱だよ」と言うのみです。
ですが、帰任の話も一向にやってきませんでした。
そんなある日、内部監査部門が突然工場にやってきて、私が呼び出されました。
会議室では、こう言われました。
- 監査
-
工場内でパワハラが横行しており、複数人から君がその張本人だと本部の相談窓口に連絡が来ている。
──いやいや、何を言っているんだと。
最低限の業務連絡以外、完全に私とのコミュニケーションを断っている彼らが、どうやってパワハラを受けるんだと。
まったく身に覚えがありませんでしたし、詳しい話を聞くとそれは事実無根でしたので、私は一生懸命説明しました。
内部監査部門は、私の主張に納得して本社へと戻りました。
とうぜん、罰則などは一切ありませんでした。
ですが、私と現地メンバーの関係はこの事件をもって、決定的に絶たれました。
そして私は、本社への帰任を待つことなく、転職を決意しました。
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3転職活動中
とにかく、東京に帰ろう。
まず複数の転職サイトに登録し、一週間かけて履歴書・職務経歴書を整えました。
夜遅くまでリビングでパソコンをたたく私の姿に、妻は残務処理をしているのだと思っていたようです。
資料を提出すると、エージェントの方から面談のアポイントメールが来ました。
さすがに自宅でリモート面談するのに家族に内緒というわけにもいかず、このタイミングで妻に相談をしました。
反対されるかも、と思っていましたが、「辛い思いをしてまで仕事するもんじゃないし、東京での生活になってもいい」と妻は転職活動を後押ししてくれました。
おかげで自信をもって面談に臨め、いただいた求人案件もすぐに応募しました。
労働環境だけでなく生活環境も変わるので、家族の同意や応援も必要だなと改めて感じました。
転職活動において、活用したのは大きく2つです。
まずは転職サイト「ビズリーチ」へ登録。こちらは多くのエージェントが案件ごとに担当するので、自分で興味のある求人を探し、連絡をしていくというもの。
もう1つは「リクルートエージェント」。
こちらは、私の担当者が求人を紹介してくれるパターンで、週単位で紹介案件をいただいてました。
希望条件は、「東京」という場所で、これまで経験した「経理」のポジションで働ける職場、その2つのみでした。
というか、それ以上希望が増えるとハードルがどんどん高くなると感じたからです。
業種を選ばず、とにかくどんどんエントリーしていきました。
「経理なんてどの会社もあるから、すぐ転職できるだろう」と考えていましたが、現実はそんなに甘くなく、半年かけてようやく一社、内定をいただけました。
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4転職後
「3年でマネージャーを目指してほしい」と言われて。
内定をいただいたのは上場している物流会社の子会社で、都内に本社兼物流センターを持つ会社です。
オフィスは30人ほどの社員が働いていて、私の所属する経理部門はマネージャーと部員4人という構成でした。
マネージャーは親会社から出向されてくるのが習わしとなっているようで、これまでも3~4年で交代していたようです。
ただ親会社では給与体系が異なり、私のような経験者を直接雇用し経費削減や効率改善を図る目的だったようで、物流業未経験ながら、毎月・四半期の決算〆や経費精算を確認するポジションでした。
職場の雰囲気は良い意味で和気あいあいとしてたので安心しました。
私は経理部のマネージャー候補で採用されたのですが、実質はサブマネージャーのようなポジションでした。
人事部からは「最初の3年でアピールして昇格を狙ってほしい」と説明があり、それならとシャカリキになって働きました。
連結決算の確認もあり親会社の経理部門ともやりとりをしましたが、さすが上場企業の経理マンというエリート集団でした。
業界は異なりますが、業務の流れは同じなので勘定科目や計上基準さえ覚えてしまえば、そんなに苦労することはなく、数か月で業務は覚えました。
毎月の決算〆日は残業が終電間近になることもありますが、基本は定時から1時間以内に帰れるようになりました。
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5その後、どうなったか。
あとは、私が頑張るしかない。
業界が異なるので業界ルールになれるのに時間を要するのかな、と不安に思っていたのですが、経理部門は毎月毎年行う業務フローに大差がないため、比較的早く業務を覚えることができました。
社員同士の仲が良く、現場スタッフと事務スタッフも交流があるので困ったことがあれば現場スタッフの方に質問しやすい環境です。
数年ぶりの都内での生活でしたがすぐに適応できて、残業時間も減ったのでメリハリのある生活になったと実感しています。
以前は隔週で休日出勤していましたが、今の会社ではそんなこともなく、家族と過ごす時間を大切にしています。
後悔したことを強いてあげるとすれば、実績悪化に伴い賞与支給が減り、年収が想定していたよりも若干減ったことでしょうか。
ですが、それでも前職よりかは若干の給与アップとなりましたので、概ね満足しています。
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◇ ◇ ◇
転職して、30代から40代となり、4年の月日が経ちました。
ポジションは未だ、サブマネージャーです。
マネージャー昇格試験を受けられる評価レベルに至っておらず、給与も入社時と全く変わっていません。
「とにかくシャカリキに、仕事をする」というのは変わらずですが、まだまだ超えられてない壁がいくつかあることを感じています。
その一つが、部下のマネジメントです。
上長からは「もっと部下のところに踏み込んでいけ」とよく言われるのですが、それがなかなかできない。前職の地方工場で味わった部下からの突き上げというトラウマが、いまだに蘇ってきてしまうのです。正直、あんな思いはもうしたくないですから。
ですが、そんなことも言ってられません。
せっかく都内の生活に戻れて、家庭も築けたわけです。
あとは、私が頑張るしかない。
今はとにかく成果を出してマネージャーとなることを目標にしています。
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