不動産営業から事務職への転職。私の望む「充実した人生」とは|転職体験談
転職前
- 職業
- 不動産業
- 職種
- 営業
- 従業員規模
- 約300名
- 年収
- 350万円
転職後
- 職業
- 小売業
- 職種
- 事務職
- 従業員規模
- 約100名
- 年収
- 250万円
目次
寺子さんの転職ストーリー
1これまでの私
不動産営業職で、「自分に甘い」タイプ。

転職したのは、2021年の頃です。当時、私は33歳、独身でした。 不動産の営業として働いて、10年ほどが経過していました。
参考:不動産営業の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
物件の紹介と案内 | 不動産営業の基本的な業務は、顧客に物件を紹介し、実際に物件を案内することです。顧客の要望や条件をヒアリングした上で、最適な物件を提案します。 |
契約のサポート | 顧客が物件に納得したら、契約手続きのサポートを行います。契約書類の準備や説明、必要な手続きを案内し、スムーズに契約が進むようにサポートします。 |
物件の売却活動 | 不動産を売却したい顧客に対しては、物件の査定を行い、適正な価格を設定します。その後、広告やネット掲載などのマーケティング活動を通じて、購入希望者を探します。 |
顧客との関係構築 | 不動産営業では、顧客との長期的な関係構築が大切です。契約が終了した後も、アフターフォローや定期的な連絡を行い、次の取引につなげるための信頼関係を築きます。 |
市場調査と情報収集 | 不動産市場の動向を常に把握し、最新の情報を収集することも重要です。地域の不動産価格の変動や新しい物件の情報を常にチェックし、顧客に的確なアドバイスを提供できるようにします。 |
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営業の仕事は、正直自分にあまり合っていなかったです。
第一、忙しい仕事で残業も多かったですし、何年経っても毎月の売り上げ目標は人一倍プレッシャーに感じていましたから。
それでも、私は「自分に甘いタイプ」で放っておくとどんどん楽な方向へと行ってしまう傾向があるので、自分を律するためにも営業の仕事を続けるべきだと思っていました。
20代はずっと実家暮らしでしたが、「ちゃんと自立しないと」と思い、一人暮らしを始めました。
長年付き合っている男性がいて、「いつかこの人と結婚するんだろう」と思いつつもそれほどの焦りはありませんでした。
それよりも、自分一人の時間や友人と過ごす機会を大切にしたかったんですよね。
生きがいは、愛犬と過ごしたり一緒に旅行に行くことでした。
2転職のきっかけ
人生を、もっと充実させたい。

30歳を過ぎてからは、友人たちがどんどん結婚して子どもを産んでいくのを見て、だんだんと「このまま一人で良いのか」という焦りも出てくるようになりました。
そして、たまに実家に帰省したときに愛犬が年老いていっているのを目の当たりにして、どんどん時が流れていくことに改めて感じたこと。
──変な話ですが、それが私の「転職しよう」という気持ちを持ったきっかけでした。
最近ではどの会社も残業への取り締まりが厳しくなってきており、当時の会社も例外ではありませんでしたが、それでもやはり不動産営業で、月に40~50時間ほどの残業がありました。
パートナーと結婚するにも、今の働き方では家庭との両立はどうしてもイメージできず、とうとう私は転職活動へと踏み切ることにしたのです。
転職の目的は、「人生を、もっと充実させること」。
この一点に尽きました。
逆を言うと、それ以外はまったくのノープランでした。
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3転職活動中
結局、私は何の仕事がしたいのか。

はじめは「新たな働き先くらい、すぐに見つかるだろう」と軽い気持ちでいました。
ハローワークや転職サイトで求人を眺めて、たまに気に入った求人に応募する、そんな感じです。
ですが、応募した求人はそのほとんどが書類選考で落とされてしまい、私自身も「結局なにがしたいのか」がわからなくなって迷子状態になったりと、気づけば何も決まらないまま3ヵ月が過ぎてしまいました。
そこでdodaとリクルートエージェントの転職エージェントに登録して転職サポートを受けることにしたのですが、初めて面談をしたキャリアアドバイザーの人からこんなことを言われてしまいました。
- アドバイザー
-
結局、あなたは何のお仕事がしたいのでしょうか?
残業はしたくないので定時に帰れるところが良くて、売り上げ目標を立てられるとストレスが溜まるから営業もしたくない。「あれもヤダ、これもヤダ」状態だったんですよね。
アドバイザーの方はやんわりとした物言いでしたが、「このままでは、転職は決まりませんよ」という暗のメッセージがひしひしと伝わってきました。
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そこでパートナーとも相談して、「事務職だったら、プライベートの時間を確保したいという条件にも合うのでは」と、私は事務職をメインに働き先を探すことにしました。
転職エージェントのアドバイザーにも「事務職として働きたい」旨を伝え、そして「積極的に応募したいので、どんどん求人を紹介してほしい」とお願いしました。
そのなかでとくに親身になってくれるアドバイザーの方をメインにサポートを受け、10件ほどの求人に応募して、書類作成から面接対策までしっかりフォローしてもらいました。
応募した求人はほとんど不採用となってしまいましたが、そのなかで1社、小売業の事務職を募集していた会社から、「不動産営業を10年間経験していたのなら、きっと活躍できるでしょう」と言ってもらえて、そこで内定をもらえました。
転職活動にかけた期間は、6ヵ月です。
もっと早く転職エージェントを利用すべきでした。
また、自己分析や希望条件の整理をまったくせずに活動を始めてしまったことも、反省点でした。
でも、とにかく次の職場が決まったのはよかったです。ホッとしました。
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4転職後
はじめての、事務職の仕事。

新しい職場は、以前の職場よりも大分規模が小さく、アットホームな雰囲気がありました。
事務職の仕事は未経験でしたが、はじめに任された電話対応・受付対応の仕事は営業での経験もあってスムーズにできて、これが結構励みになりました。
慣れてくるとまた新しい仕事を任されるようになって、なかには「そんなことも事務職がやるの?」と思えるものもありました。
事務職というとずっと座りっぱなしでデスクワークをするイメージだったのですが、全然そんなことはなくいつも部署への連携や書類を取りに外出するなど、走り回る時間の方が多いくらいでした(私の職場がたまたまそうなのだと思いますが)。
参考:事務職の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
書類作成 | 見積書や納品書、請求書などの取引に関わる書類のほか、議事録や案内書といった社内向け文書も作成します。 |
書類のファイリング・整理 | 社内で作成または印刷された書類を分類(ファイリング)し、整理します。 |
データ入力 | 日々の売上、コスト管理、勤怠情報など、さまざまなデータをシステムに入力する業務です。 |
伝票処理・整理 | 入金、出金、振替などの伝票処理を行い、それらを整理します。 |
郵便物の発送・受け取り | 会社で発送する郵便物を準備・発送し、届いた郵便物を受け取り、社内で仕分けて配布する業務です。 |
備品管理・発注 | コピー機のインクや紙、文房具の在庫管理を行い、必要に応じて発注します。また、社員が使用する業務ツール(PCやカードキーなど)の備品も管理します。 |
電話・メール対応 | 会社の代表番号にかかってきた電話や、ホームページ経由の問い合わせメールに対応します。必要に応じて、担当者に取り次ぐ業務も含まれます。 |
来客対応 | 会社に訪れた来客を受付し、担当者に取り次ぎます。場合によっては、待合室や会議室への案内、お茶出しも行います。 |
その他 | 会社によっては、経理、総務、人事の業務を兼任したり、営業スタッフのサポート業務(営業事務)に従事することもあります。 |
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入社してから「前職が不動産の営業だった」ことを伝えると、周りの人たちはきまって「なぜ事務職に転職したの?」と訊いてきました。
年収も100万円ほど下げての転職でしたし、周囲からすると意外だったのでしょう。いちいち理由を話すのが面倒に感じることもありましたが、そうした世間話の機会もあったからか、半月もしないうちに職場に馴染めました。
「この人は、ちょっと苦手だな…」という人もいました。
同じ事務職の先輩で、いわゆる「お局さん」で、私より10歳ほど年上の方です。
なんとなく、仕事を依頼する際も「本当にこの業務できるの?」「まあ、とりあえず任せてみるけどね」という空気を感じて、それに対して私も変に意識して固くなったりすることもありました。
ですが、その人以外の人たちは温厚で物静かな方が多く、私が困っているときにも助けてくれたりと、総合するとよい人間環境に恵まれたと思っています。
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5その後、どうなったか。
どうやったら、自分の人生をより充実させていけるのか。

転職をしてまず思ったのは、「新しい環境に期待しすぎないことが、大事」ということです。
とくに前職と異なる職種の場合、実際に働いてみないことには見えてこない部分はたくさんあります。
私はちょっと事務職に対して良いイメージというかやや過剰な期待感があったので、はじめのうちは現実とのギャップを感じてしまうことが多かったです。
ですが、狙い通りに残業時間はかなり減ってプライベートの時間は確保できるようになりましたので、それで良しとしようと思うようにしました。
残念だったことは、給与が大幅に下がってしまったこと。
覚悟はしていましたが、はじめて給与明細を見たときに社会保険などを引かれた手取り額があまりにも少なく、がっかりしてしまいました。
転職してその1年後に、私は結婚をしました。
まだ新婚1年目ではありますが、今のところパートナーとの生活も順調で、平和な日々を送っています。
今回の転職で、私は「仕事と家庭のバランスを取れる働き方をする」という目標は果たせたことになるのでしょう。
ですが、最近不満に感じているのは「刺激のなさ」です。
仕事に慣れてきたせいか、毎日が単調になってしまっているようにも感じているんですよね。
その刺激を、仕事で求めるべきか、それともプライベートで求めるべきかを、よく考えます。
今はプライベート重視の気持ちが強いですが、いずれは仕事で「こんなことができたらいいな」と思えるものを見つけていきたいです。
どうやったら、自分の人生をより充実させていけるのか。
これはきっと、多くの人が同じように考えていることなのでしょう。
私なりの、もっとはっきりした答えが、きっともうすぐ見つかるはず。──そう、信じています。
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