新婚の訪問看護師。「こうでなくてはならない」固定観念に囚われていた私の体験談
転職前
- 職業
- 訪問看護ステーション
- 職種
- 看護師(パート)
- 従業員規模
- 20名
- 年収
- 180万円
転職後
- 職業
- 訪問看護ステーション
- 職種
- 看護師(パート)
- 従業員規模
- 20名
- 年収
- 150万円
目次
りすさんの転職ストーリー
1これまでの私
母も姉も、私も看護師。だけど、2人と私とでは情熱の度合いがけっこう違う。
これまでずっと、看護師をしていました。
母と姉も看護師で、夜勤もバリバリこなすタイプで、家族で集まった際はよく「看護師とは、こうあるべき」といった話をしていました。
一方の私は、看護師の仕事自体にそこまで情熱を持てずにいて、そうした話題の際はもっぱら聞き役で、若干の引け目も感じていました。
2022年になって、現在の夫に出会い、その半年後に入籍。
そのタイミングで、看護師は辞めて専業主婦になりました。
なにしろ出会って半年のスピード婚でしたので、夫婦の関係構築も大変だったのです。
「互いの常識が、相手にとっては非常識」ということがいくつもありました。
そうして新婚生活を2ヵ月、3ヵ月と継続していくなかで、少しずつお互いの価値観の共通項が見つかるようになって、生活習慣も形成しはじめて──。
そうしたら、新たな問題が発生しました。
-
「貯金が大分なくなってきちゃったよ」
結婚式からハネムーン、そして引っ越しと行事が重なって、出費が嵩む時期だったというのもあります。
ですが、このままだと何かあったときにお金が足りない事態になってしまうだろうと、私はまた働くことにしました。
選んだ仕事は、パートの訪問看護ステーションでした。
参考:訪問看護の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
健康状態の確認 | 訪問時に患者の体温、血圧、脈拍などのバイタルサインを測定し、健康状態をチェックする。 |
医療処置 | 傷の手当て、点滴、カテーテルの管理など、医師の指示に基づいて必要な医療処置を行う。 |
服薬管理 | 患者が適切に薬を服用できるように、薬の準備や服薬指導を行う。 |
リハビリテーション | 患者の身体機能の維持・向上を目的としたリハビリテーションの指導や支援を行う。 |
家族への指導・支援 | 患者のケアに関する知識や技術を家族に指導し、家庭でのケアが円滑に行えるよう支援する。 |
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2転職のきっかけ
あるとき、仕事でミスをしてしまって。
もともと、私はあまり仕事自体が向いていないのかもしれません。
仕事を始めると、一気にストレスが溜まるからです。
母からの教えで、「看護師の仕事は、ミスが絶対に許されない」、「常に勉強しなければならない」、「自分の時間を気にするのは、プロの仕事の仕方ではない」といったマインドが刷り込まれていましたので。
──まあたしかにその通りではあるのですが、どうしても気が張ってしまうんですね。
そんな風に取り組んでいたつもりでしたが、あるとき仕事でミスをしてしまったのです。
幸い大事にはなりませんでしたが、それで職場の管理者から目を付けられてしまいました。
その日以来、管理者からは度々小言を言われるようになって、ひどい時はあからさまに無視をされたりしました。
たしかにミスをしたのは私の責任でしたが、その一件のみで私という人間を全否定されるのは、──はじめのうちは我慢しようと思っていたのですが──、到底耐えられないものでした。
それが、今回の私の転職のきっかけでした。
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3転職活動中
私は、どういう働き方をしたいのか。
夫に状況を説明して、今の職場は辞めるがすぐにまた新しいところで働くつもりであることを伝えました。
その頃は夫婦間の関係構築もだいぶ進んでいたこともあって、夫は全面的に応援してくれました。
実は反対されるかもしれないと思っていて、しばらくは我慢して働いていたのですが、(なんだ、これだったらもっと早く辞めればよかった)と思いました。
ですが、辞めた後の職探しはなかなか苦労しました。
住んでいる場所から近い職場で探すと、ほとんどがフルタイムの仕事ばかりだったからです(私は時短勤務できる職場を希望していました)。
ハローワークと看護師専門の転職サイトを利用しましたが、「ここで働きたい」という職場がなかなか見つけられずにいました。
仕方なく母に相談したところ、(なぜか呆れ顔をされながらも)「派遣で探してみたら?」と言われて、なるほどと思い早速派遣会社に登録して。
ただ、派遣だと同じ職場で3年以上は働けないと知って、「それだったらやっぱりパートの方がいい」と思い直して、引き続き求人探しの毎日です。
なかなか手ごたえを得られない辛い毎日でしたが、とにかく焦らず、じっくり探そうと取り組みました。
すると、段々と転職活動のコツのようなものが見えてきたんですね。
大切なのは、「自分はどういう働き方をしたいのか」を明確に持っておくこと。
私の場合は「看護師の時短勤務」という希望は元からありましたが、それだけの条件だったら前職も該当してしまいます。
前職を辞めて新しい職場に就こうとしているのは、「忙しすぎず、無理ないペース」で、そして「職場環境、とくに人間関係のよいところ」で働きたいからです。
この気持ちを言語化してからは、一気に求人選びが楽になりました。
求人を出している職場の多くは、「見学させてほしい」と言えば了承してくれました。
そこで「ここだったら働けそう」と思えるところに応募していって、そのうちのひとつから「ぜひうちで働きませんか」とお誘いを受けて、ようやく次の職場が決まりました。
転職活動にかけた期間は、3ヵ月程です。
新しく入職することになったのは、前職と同じ訪問看護ステーションの職場でした。
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4転職後
新しい職場に慣れるまでにかかった期間は、3ヵ月。
「職場は変われど、仕事内容は前職と大体同じだろう」と思っていたのですが、いくつか違う点もありました。
たとえば、利用者さんのご自宅に向かう「訪問数」。
前職よりも大分数が減って、その分医療ケアを時間かけて丁寧に行うようになりました。
また、請求作業や書類整理などの事務作業、新規利用者獲得のための営業といった新しい業務もありました。
職場の人間関係は、慣れるまで3ヵ月ほどかかりました。
前の職場ほどではないですが、管理者の方が少しアクのある人だったので、ここでまた関係構築に苦労しました。
幸いにも、年の近い先輩が親身になってくれたのもあり、だんだんと職場にも馴染めるようになりました。
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仕事の方は、前の職場より負担が軽めだったこともあり、こちらも3ヵ月ほどで慣れました。
看護師としての技術面で成長しているかは微妙なところですが、前の職場のようにバタバタと時間に追われることなく、自分のペースで患者さんと向き合うことができるのでやりがいを感じています。
また、休みが取りやすく、残業ものないので、自分の時間が確実に確保できるようになったのも良かったです。
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5その後、どうなったか。
自分らしく、無理せず自分のペースで働きたい。
転職をして、気づけたことはたくさんあります。
たとえば、私自身のこと。
これまで、「看護師として、こうでなくてはならない」という固定観念がいくつもありました。
さらには、結婚してからは「妻として、こうでなくてはならない」の固定観念が追加されて。
いろんな「こうでなくてはならない」のがんじがらめを抱え込んでいたところ、前職でミスを起こしてしまったのです。
そこで気付いたんですよね。私が今持っている理想像は、これからもずっと目指し続けるには無理があるんだと。
母や姉のような完璧な看護師にはなれないし、すぐに「良き妻」になれるわけでもない。
不完全な自分をまず私自身が受け入れて、そして夫にも少しずつ理解してもらって、そしてこんな私でも働ける職場を探して。
それでようやく、今のストレスフリーな生活が手に入りました。
一時期は深刻な自信喪失にもなりかけましたが、これで良かったんだと思います。
身の丈を知って、そしてときに周りの人に頼ること。それが大切だと思います。
◇ ◇ ◇
今後は自分らしく、無理をせずに自分のペースで働いていきたいと思っています。
看護師の仕事は、続けていく予定です。
母や姉のようにはなれなくとも、経験を積んでいずれは地域医療に貢献できる人間になりたいと考えています。
最近は勉強会や研修にも積極的に参加しています。
私は、仕事も人間関係の構築もあまり器用にこなせるタイプではなかったので、これまで結構苦労してきました。
だから、同じようにストレスを感じている若い子たちに、どうやってもっと肩の力を抜いて働けるかを、教えてあげたいですね。
そしていつか、看護資格を持っているけれど働けない人や、看護師として働く上で悩みがある人のフォローをする仕事に就きたいと思っています。
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