「売れない芸人」から、「YouTuber」に転職して。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 芸能
- 職種
- 芸人
- 従業員規模
- 相方と二人
- 年収
- 60万円
転職後
- 職業
- 自営業
- 職種
- YouTuber
- 従業員規模
- 妻と二人
- 年収
- 360万円
目次
dddさんの転職ストーリー
1これまでの私
職業は、「芸人」
これまで、東京で「売れない芸人」をしていました。
芸人とは
芸人は、主にお笑いを中心としたパフォーマンスを通じて、観客に笑いや感動を提供する職業です。
テレビや舞台、ライブイベントなどで活動する芸人の仕事は、多岐にわたります。
しかし、成功を収めるまでには、多くの時間と努力が必要とされることが一般的です。
芸人について
項目 | 説明 |
---|---|
芸人になるためにやること | 養成所やお笑いスクールに通って基礎を学びます。また、ライブやオーディションに参加して経験を積むことが必要です。事務所に所属することで、活動の幅が広がります。 |
芸人の年収イメージ | 芸人の年収は大きく個人差があります。下積み期間は収入が少ないことが多く、アルバイトで生活を支えることも一般的です。成功すると高収入を得ることもありますが、安定した収入を得るのは難しい職業です。 |
芸人のキャリアパス | 芸人として活動を続けながら、テレビ番組やラジオ、CM出演、作家業、講演活動など、多岐にわたるキャリアパスがあります。また、引退後はタレントや司会業、芸能事務所の経営などの道もあります。 |
18歳から地方から東京に上京して、養成所から始まり、何年も本当に苦労してやっと芸風が認められてライブに出させてもらえるようになって。
- 私
-
「ライブに出るようになったら、きっと世界も変わる」
と思っていましたが、まったく変わりませんでした。
いやあ、芸人って、とても厳しい世界ですよ。
下積み期間も長ければ、ギャラも本当に安い。
結構大きなライブでも、交通費が出れば良いほどでした。
事務所にも所属できずいつ売れるかもわからないまま、気付けば3年の月日が過ぎて、あるときコンビの相方から「もうそろそろ潮時じゃないか」と言われ、解散となってしまいました。
仕方なくピンで芸人活動を続けていたところ、別の芸人から「一緒にやらないか」と誘われ、新しい相方としてコンビを組むことになって。
それからライブ生活を一年続けた後、ようやく事務所に所属できました。
ここまで、本当に大変な苦労でしたね。
でも、大変な時期もあれば、幸せと感じる時期もやってくるもの。──と思っていましたが、ここまでの苦労は私の芸人人生の前哨戦で、この後はそれ以上に大変でした。
事務所に入ってからはコンスタントにライブに出られるようになりましたが、それでもギャラはどんなに良くても10,000円ほど、それが月に3~4本程度です。
もちろんバイトなどなしでは生活が成り立つ訳もなく、バイトを二個掛け持ちしていました。
そんな中、ライブを見にいてくれていた熱狂的なファンの女性からアプローチを受け、お付き合いをすることになりました。──そして彼女は、その後私の妻になってくれました。
出会った当初からまったく甲斐性のない私で、何を買ってあげられるでもなく、渡すものは苦労ばかり。そんな感じでしたので、結婚するとなったときは周囲の人は大層驚きましたし、なにより私が一番驚きました。
結婚してからは「もっと仕事を頑張らないと」と精力的に仕事を取りに行くようにして、そのおかげかたまにテレビなどにも出られるようになりました。
…が、それも長く続きませんでした。「今日はうまく行った!」というのが続けばいいんですが、「今日のはイマイチだった…」となると、次の仕事はまず振ってもらえません。
みるみる仕事は激減して、気づいたときにはまた掛け持ちのバイト生活になっていました。
2転職のきっかけ
売れない日々。環境だけが、どんどん変わっていく。
新婚時代、とにかく毎日の生活がかつかつでした。
まさに、支払いに怯える日々です。
一日いちにちをやっとのことで食い繋いで、「来週は仕事が入ってくるだろうか…」と悩んでいたある夕暮れ時、妻から「妊娠したみたい」と言われました。
報せを受けたときは、
- 私
-
(まさか俺が、子供を授かることになるなんて…)
と幸せな気持ちになって妻とも喜び合いましたが、冷静になって色々調べてみると出産費に50万円くらいかかると知って。
もう、てんやわんやです。とにかくお金を稼がないといけないと思い、時給の高い日雇いのバイトを入れまくりました。
そのころから、段々と芸事が疎かになっていき、そして変わらず芸人として頑張ろうとする相方とペースを合わせにくくなり、関係も悪化していきました。
子どもが産まれてからは、今度は子育てに奔走する毎日でした。
更なるにせわしなさとお金のなさに妻がとうとう産後鬱になりかけて、私は
- 私
-
「もう、芸人は辞めよう」
と決めました。
すでに相方とはコンビ解散の話が出ていて、事務所に関しては大分前に辞めていました。
3転職活動中
芸人を辞めて、これから何をやるか。
芸人を辞めると決めて、お世話になった先輩方や、関係者の方々に挨拶をして回りました。
ほとんど売れなかったにせよ芸人活動期間はそれなりに長かったので、伝えるべき人は多く、面倒で時間もかかりましたし、しんどかったです。
挨拶回りをしている間、ずっと
- 私
-
(次の仕事は何にしようか…)
ということで悩みました。
体を動かす仕事か、パソコン系のデスクワーク、資格を取って専門職に就くかなど、いろいろ考えました。
そんな折、私より少し前に芸人を辞めた先輩に報告をした際に、
- 先輩
-
「YouTuber(ユーチューバー)やってみたら?」
と言われて。その先輩はすでにYouTuberを始めていて、同世代のサラリーマン所得に負けない収入を稼いでいたのです。
──「それだ!」という気持ちになりましたね。
これまで芸人しかやってこなくて、私がこれから稼げる道があるとしたら、もうYouTuberしかないだろうと。
家に帰って妻に話したところ、「応援する」とだけ言ってくれました。
久しぶりに、陰々としていた気持ちに陽の光が差し込んだような気持ちでした。
YouTuberとは
YouTuberは、動画共有プラットフォーム「YouTube」で動画を制作・公開し、視聴者からの反響や広告収入などを得ることで生計を立てるコンテンツクリエイターです。
自分のチャンネルを運営し、動画の企画、撮影、編集、投稿までを一貫して行います。
人気のあるYouTuberは、広告収入やスポンサー契約、商品販売など、多様な収益源を持つことができ、インフルエンサーとしても影響力を持ちます。
しかし、競争が激しく、安定した成功を収めるには継続的な努力と独自のコンテンツ戦略が必要です。
4転職後
「そうだ、YouTuberになろう」
──YouTuberになろう。
そう思ったのは、先輩がYouTuberですでに成功していて、色々コツを教えてくれると言ってくれたから、それから私の芸人生活で培ったスキルが活かせそうだから、あとはなんとなく、「今風でかっこいい」といった思いもありました。
でも、始めてみたらこれはこれで大変でした。
私が目指そうとしたのは、「家族YouTuber」。妻と、そして子どもにも協力してもらいます。
さっそく始めてまず知ったのが、編集の大変さ。
5分の尺の動画を作るのに、撮影で1時間、編集で10時間くらいかかって。出来上がった動画はとても人様に見せられるクォリティではなく、結局お蔵入りとなりました。
「スマホで編集するのはあまり効率的でないよ」と先輩YouTuberさんから教えてもらい、かなり勇気を振り絞って10万円のパソコンを買いました。
パソコンを買ってすぐに編集が上手くできるようになるわけではなく、先輩YouTuberさんや新たに仲良くなったYouTuberさんから色々アドバイスを受け、半年ぐらい経ってようやく、編集がサラサラできるようになりました。
そこから、本格的に家族YouTuberを開始して、最初の数か月は収益がずっとゼロでしたので、バイトをしながら続けました。
正直、「芸人と比べたら、YouTubeはちょろいもんだろう」と思っていたのですが、本当に芸人と負けず劣らずの大変さで、自分の考えの甘さを思い知りました。
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5その後、どうなったか。
芸人からYouTuberになって、今思うことは。
YouTuberを始めて、1年が経ちました。
現在のチャンネル登録者は10,000人、月の収入はバイト代と合わせて30万円ほどです。
まだまだ胸を張れる状態ではありませんが、今後も登録してくれるユーザーさんを増やしていって、大物YouTuberさんに少しでも近づける様にしたいと思っています。
世間では、「YouTuberなんて、職業と言えるのか」みたいな価値観の人も少なくありませんが、YouTuberはネタを考え、構成も考え、撮影も行い、さらには編集まで行うという、まさに全てセルフクリエイティブ&プロデュースの仕事です。
奥深さとやりがいの大きさを感じられますし、一生続けていこうと考えています。
今も裕福というにはほど遠いですが、芸人時代と比べたら全然マシです。
これからもっと収入を増やしていけたら、ゆくゆくは世界の貧しい国の子供達に少しでも寄付活動などができたらいいなと思っています。
◇ ◇ ◇
芸人からYouTuberになって何よりも良かったことは、家族との時間が増えたことです。
そして、子育ても妻に任せっきりではなく私も携われるようになりました。
とにかく家族の絆を大切にして、今は本当に家族の時間を大切にして、そしてホームビデオで撮って、編集して、YouTubeに残して──、そんな風に毎日を過ごしています。
「将来は家族YouTuberとして、海外に進出できたらいいね」と妻に話すと、ちょっと引きつった表情を垣間見せつつも、笑顔で「頑張ってね。私も協力するよ」と言ってくれます。
これまで苦労をかけながらもずっと付き添ってくれた妻には、本当に本当に感謝をしています。
大変な日々ですが、芸人を辞めて後悔していることや、今の生活で残念なことは一つもありません。それだけは言い切れます。
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