31歳、理学療法士。上司のパワハラに耐えるか、転職するかで悩んだ日々|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 医療・介護保険
- 職種
- 理学療法士
- 従業員規模
- 60名
- 年収
- 370万円
転職後
- 職業
- 医療・介護保険
- 職種
- 理学療法士
- 従業員規模
- 70名
- 年収
- 350万円
目次
おみさんの転職ストーリー
1これまでの私
祖母との暮らしの影響で、理学療法士になろうと決めて。
私は、2011年に専門学校を卒業して理学療法士の資格を取り、それ以来ずっと理学療法士として働いてきました。
理学療法士とは
理学療法士は、ケガや病気などの身体に障害のある人、または障害の発生が予測される人に対して、日常の動作(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および症状や障害の悪化の予防を支援する医学的リハビリテーションの専門職です。
この仕事に就きたいと思ったきっかけは、祖母の存在でした。
子供のころから、病院に祖母のお見舞いに行った時にリハビリテーション受けている現場に触れていて、いつしか「この仕事に就きたい」と思うようになったのです。
祖母と仲が良かったこともあって、祖母のような高齢者の「暮らしを支える」という仕事はとても価値があるものと、若い頃から感じていました。
祖母は数年前に他界しました。
その後私は2016年3月に今の妻と結婚し、妻に連れ子が2人いたことから、4人家族で暮らすことになりました。
結婚前は、子ども達との距離感がなかなか分からず、悩みました。
ですが、結婚して一緒に暮らすようになってからはとても懐いてくれており、幸せな家庭を築けています。
自分で言うのもなんですが、面倒見は良く、子供の世話も率先してやっていると思っています。
2転職のきっかけ
私の担当上司は、パワハラ上司だった。
家庭を持ったことで、私は「妻と子どもとの生活を安定させるためにも、より待遇の良い職場を」と、転職することにしました。
幸い、希望する条件での転職が決まり、また新たな職場で理学療法士として頑張ろうと思っていました。
しかし、入職初日に不穏な噂を耳にします。
同僚とお昼ご飯を一緒に食べていた時、
- 同僚A
-
「ここの部署、パワハラっぽいことをしてくる上司がいるんですよね…。」
という話を聞かされたのです。
この時はまだ、「そっかー」くらいにしか思っていませんでしたが、入職してから10日くらいが経って、私はその意味を身をもって理解することになりました。
パワハラと言われていた上司(ここでは「A」とします)と私は、一緒に仕事をする同じチームになってしまったのです。
Aは、初対面の時からなぜか私を目の敵のように接してきました。
私が何かミスをした時に(ミスとは思えない時も)普通に注意するのではなく、人格を否定するようなことまで言ってきたり、話しかけても無視することもありました。
そして、それは毎日続きました。
転職する前に職場見学を行なっていたのですが、そのようなパワハラがある職場とは感じられませんでした。
ただ、その時実際に見た部署は、私が配属される部署とは別のところでしたので、実情を知ることはできなかったのです。
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正直、上司Aとの仕事が始まってすぐに、「今すぐにでも辞めたい」と思いました。
しかし、苦労して収入アップを目指して入った職場です。
- 私
-
「家族も支えなくちゃいけないし、なにより転職してすぐに辞めるのはどうなんだろう…。」
──と、悩みました。
ただ、もうそんなことを言っていられないくらい、職場でのパワハラが日を追うごとにエスカレートしてきて、もう我慢の限界でした。
- 私
-
(もうダメだ、転職しよう。)
とうとう私はそう断念し、転職活動を始めました。
3転職活動中
誰にも相談できない。孤独な転職活動。
Aからのパワハラが続く職場で働きながらの転職活動でしたので、精神的にかなりきつかったです。
職場では、悩みを相談できる相手はいませんでした。
妻に対しても、転職したばかりでこんな問題を抱えているなんて、心配をかけてしまいそうでとても話せませんでした。
そんな時、前職の同僚であった昔からの友人と飲みに行く機会があって。
- 友人
-
「たしかにお前の気持ちもわかる。転職してすぐに辞めるってのはどんな職場だとしても気が引けるよ。でも、身体壊したらそれこそ一生無駄にするぞ?」
その言葉にはっとした私は、ようやく妻に事情を話して、より確固たる気持ちで転職活動を行いました。
人生の中でも、かなり辛い数ヵ月間でした。
無事に1つの職場から内定をもらうことができたときは、本当にほっとしました。
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。
今回転職する時も、面接の前に職場見学をさせていただきました。
そこで目の当たりにした職場の雰囲気が、現在就業中の職場とあまりにもかけ離れていてとても驚きました。
転職前の職場とは比べものにならないくらい、職員の方々が笑顔で生き生きと仕事をしていたのです。
私が働いていた職場は、上司や先輩から何を言われるかわからない状況で、日々怯えながら、全く発言もせずにただ仕事をこなしていました。
新しい職場では、実際に私が入職してからも、同じ部署の方々が温かく迎えてくれ、萎縮することなく仕事に取り組めました。
今でも同僚間はもちろん、上司や先輩方とも全く気を遣わずに気兼ねないコミュニケーションをとることができています。
5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
今回の転職で一番に考えたことは、収入面でした。
結婚してから、一気に2児の父になったこともあり、「稼がないと」という意識が強かったのです。
その点、前職は収入面で私に良い条件を提示してくれました。
その時は、まさかパワハラが蔓延している職場環境だとは思ってもいませんでしたから、入職を断る理由はありませんでした。
しかし、見学の段階で配属先の部署の方との接触が一切なかったということは、今思えばその環境を知られたくなかったからだったのかもしれません。
もちろん収入が高いことはとても魅力的です。
それでも一番重要なことは、「自分がストレスなく働ける環境」だと思います。前職では、そのストレスで段々と体調も悪化していました。
友人が私に言ってくれたように、身体は働く上での「資本」で、体調を崩してしまっては元も子もありません。
家族を養っていく上でも、その点も大事にしていかないといけないと、改めて気づかされました。
現在は、自分のこれまでの経験を活かした新規事業への取り組みを検討しています。
元々やりたかったことでしたが、職場の環境が改善されたこと、職員間でコミュニケーションが図れるようになったことで、実現に向けてのイメージを持てるようになりました。
現在の職場は、相手との意見を尊重し合える方が多いので、業務にもう少し慣れたら、そういった方々を巻き込んで、具体的に行動を起こしていこうと考えています。
それから、「職場環境」ですね。
働く環境がそこにいる人たちにどれだけ大きく関わるか、今回の転職で知ることが出来ましたから。
今の職場は恵まれていますが、これから入ってくる後輩のためにも、より良い環境にしていくことを意識して、自分から働きかけていきたいと思っています。