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「これからは、自分で稼ぐ方法を見つける時代」ウォーターサーバー営業から証券会社に|私の転職体験談

転職前

BEFORE
職業
天然水販売
職種
営業
従業員規模
400人
年収
600万円

転職後

AFTER
職業
証券会社
職種
営業
従業員規模
2000人
年収
700万円

目次

Y・Hさんの転職ストーリー

1これまでの私

就職氷河期を抜け、なんとか内定をもらって。

イメージ図:ウォーター

私が就活生の時代は、世間でも「就職氷河期」が叫ばれていた最中だと記憶しています。
その波は案の定、私にも降りかかり、就職活動はかなり苦慮しました。

結局、卒業式を過ぎても、内定は決まっていませんでした。

今のようにインターネットも普及していませんでしたから、就活は「自分の足」で進めていかなくてはなりません。

卒業後も大学の就職支援課に通い、ハローワークに通いという日々をしばらく続け、
ようやく一社内定をもらえたのは、「天然水の宅配サービス」を売り込む営業職の仕事でした。

ウォーターサーバー営業職の仕事

ウォーターサーバーの営業職は、主に新規顧客の開拓と既存顧客のフォローアップを通じて、ウォーターサーバーの導入や利用を促進する役割を担います。顧客のニーズを理解し、最適な商品やサービスを提案することで、売上の向上と顧客満足度の向上を目指します。

ウォーターサーバー営業職の主な仕事内容

仕事内容 説明
新規顧客の開拓 個人宅や企業を対象に、新規顧客を訪問し、ウォーターサーバーの導入を提案します。市場調査やターゲットリストの作成を行い、効率的な営業活動を展開します。
既存顧客のフォローアップ 既に導入している顧客を定期的に訪問し、使用状況の確認や契約更新の提案を行います。また、顧客からの問い合わせやトラブルに迅速に対応し、信頼関係を維持します。
商品・サービスの提案 顧客のニーズや予算に応じた最適なウォーターサーバーや関連商品を提案します。必要に応じて、商品のデモンストレーションや試飲サービスを提供します。
契約手続き 契約内容の説明や書類の作成、契約の締結までの手続きを担当します。契約後のアフターフォローも行い、顧客の満足度を高めます。

こういう言い方はよくないかもしれませんが、当時の私は

(なんだかパッとしない仕事だな。まぁでも、働き口が無いよりはマシか)

くらいの気持ちで、就職を決めたのです。

天然水の宅配サービスの概要は、まず専用のウォーターサーバーを購入してもらい、それからそこに補充するための天然水を定期購入していただく、というものでした。

飛び込み営業がメインでしたし、一人当たりのノルマも課せられていました。

目標を達成できないと、皆の前でこっぴどく絞られます。
今は「パワハラ」が問題視されていますが、私の時代はまだその流れは無く、精神的にも体力的にも、かなりすり減らされる仕事でした。

あるお宅に伺えば、住人の方に「詐欺師」呼ばわりされ、追い返されることもしばしば。

それなりの規模の会社でしたので同期入社もたくさんいたのですが、働き始めて数年が経った頃、気づくと当時の同期は半分以下に減っていました。

それでも私が何とか勤めていられたのは、そこそこ営業成績が良く、それが給与に反映されていたからです。
ある月では、月給70万円を超えることもありました。

逆に言えば、給与以外に、私がこの仕事にしがみつく理由は何も無かったのですが。

2転職のきっかけ

「これからは自分で稼ぐ方法を見つける時代」

イメージ図:結婚式の披露宴

ある時、学生の頃の友人の結婚の報せが届きました。
久しぶりに友人たちに会えると思い、結婚式へ赴くのを楽しみにしていました。

当日、やはりそこには懐かしの面々が。話は大いに盛り上がりました。

なかでも特に親しくしていた友人Aとの卒業ぶりの会話は、私にとってはかなりの刺激になりました。

Aは決して大手とは言えない規模の会社に勤めていましたが、年収は私より遥かに稼いでいたのです。

「一体どういうことなんだ?」

A

「資産運用をしてるんだ。株でも結構儲かっていて」

それまで私の中では「株」や「資産運用」といったワードは、大枠の仕組みは分かるものの、いざ自分でやってみようとまでは思えない、難解なものでした。

それが親しい友人の口から聞くと、途端に自分の身近にそれらの言葉が近づいてきたような気持ちがしたのです。

Aに詳しい話を聞いていたのですが、気づけばいつの間にか、自分の会社の愚痴になっていて。
Aは真摯に耳を傾けてくれていましたし、あるアドバイスをくれました。

A

「これからは自分で稼ぐ方法を見つける時代だよ」

私はその言葉にすっかり心奪われたのでした。

結婚式の帰り、私は本屋に立ち寄り、さっそくAから勧められた『金持ち父さん 貧乏父さん』を購入しました。
単純ですよね笑。

3転職活動中

まずはその業界で経験を積んでみよう。

イメージ図:証券会社

資産運用や株について勉強をし始めて、しばらくが経った頃、私はある事実に気が付きます。

「俺にはこの方面のセンスがまるでない」

どんなに本を読んでも、ちっとも内容が理解できないのです。
不動産投資セミナーなどにも通っていたのですが、こちらもさっぱり。

今の仕事の脇に、さらに新しい知識を詰めていくだけの余裕が、その頃の私には無かったのです。

そこで私は思い切って転職を決意しました。
リスクを極力背負わず、今ある資金と知識・スキルで資産運用を目指せるものと考えた時に、辿り着いたのが証券会社でした。

証券会社とは

株券・債券などの「証券」を扱う会社のこと。

証券会社の主な業務内容は、顧客の売買注文を取り次いで、顧客から株を「買いたい」または「売りたい」という注文を受けて委託売買手数料を得る「ブローカー業務」、自社の資産を一般の投資家と同じように運用して収益をあげる「ディーラー業務」、顧客の資産を管理・運用する「アセットマネジメント業務」などがあります。

自分で稼ぐ方法を知るには、まずはその業界に入り、知識を身につけていくことが最も近道である気がしたのです。

もちろん、転職してからのギャップをできるかぎり少なく済ませるために、転職活動と並行して証券や投資信託の勉強も欠かさず行いました。

そうして程なくして、一社から営業職の内定をいただけました。

証券会社営業職の役割とは

証券会社の営業職は、個人や法人の顧客に対して金融商品を提案・販売し、資産運用のサポートを行う役割を担います。
顧客の資産を増やすために、最適な投資プランを提供し、顧客との信頼関係を築くことが求められます。

証券会社営業職の主な仕事内容

仕事内容 説明
顧客の開拓 新規顧客を獲得するために、電話や訪問、セミナーなどを通じてアプローチを行います。また、既存顧客からの紹介を促進し、新たな顧客層を広げます。
金融商品の提案 株式、債券、投資信託など、顧客のニーズやリスク許容度に合わせた最適な金融商品を提案します。市場動向や商品の特性を説明し、納得してもらえるよう丁寧に対応します。
資産運用のアドバイス 顧客の資産状況や投資目標に基づき、長期的な資産運用プランを提供します。定期的にポートフォリオを見直し、必要に応じてリバランスや新たな投資提案を行います。
市場情報の提供 最新の経済動向や市場分析を顧客に提供し、投資判断に役立つ情報を共有します。タイムリーな情報提供が、信頼を築く重要な要素です。
契約手続き 金融商品の購入や売却に関する契約手続きを行い、書類の作成や手続きをサポートします。また、顧客からの問い合わせやトラブル対応も行います。
顧客フォローアップ 定期的に顧客を訪問または連絡し、資産運用状況の報告や追加提案を行います。顧客との長期的な関係を築くため、信頼を重視したフォローアップが求められます。

4転職後

はじめての、証券会社の営業職。

イメージ図:証券マン

新しい職場は前職と同じ営業職の仕事ではありましたが、アプローチはまったく異なりました。

前職ではほとんどが飛び込み営業でしたが、こちらでは電話での営業と、窓口にお越しいただいた新規のお客様の対応がメインでした。

以前は「営業は最終的に商品が売れればそれでいい」という考えで行っていました。
その結果、半ば押し売りのようなかたちになり、後に後悔が押し寄せてくることもありました。

証券会社の売り出すものは、当然ですがウォーターサーバーに比べてかなりのリスクがあるものです。
だからこそ、よりお客様のイメージに合った商品を提供していくことが求められます。

自然と以前の営業スタイルは削ぎ落され、「ヒアリング」をメインとした営業方法が身についていきました。
同時に、そのような営業方針の方が、売り手側も顧客側も、どちらも気持ちよく取引を終えられると知りました。

5その後、どうなったか。

「儲けよう」から「自分の仕事に誇りを持とう」に。

イメージ図:30代営業男性の姿

私が証券会社に飛び込んだ理由は、とても不純なものでした。
何しろ「将来設けるための踏み台」と思っていたわけですから。

しかし、この仕事に就くようになってから、会社の営業方針に心から賛同でき、お客様のお話を真摯に聞くことの大切さや、自分の仕事に誇りを持てるようにもなりました。

相手の立場に立って考えられる力。その大切さを学んだ転職活動でした。

転職して5年が経ち、部下の数も増えました。
現在は部下育成に力を注いでいます。

本来の目的であった、「儲けるための方法を学ぶため」は、いつのまにか殆ど気にしなくなりました。

部下がたくさん学べる場を提供していきたいですし、相談には何でも乗ってあげたいと考えています。

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