正職員と契約職員の格差。そして、40代の地方転職の難しさ。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 観光業
- 職種
- 企画
- 従業員規模
- 10名
- 年収
- 200万円
転職後
- 職業
- 旅館業
- 職種
- 運営スタッフ
- 従業員規模
- 50名
- 年収
- 350万円
目次
フレディキャットさんの転職ストーリー
1これまでの私
お給料は安けれど、忙しく、やりがいのある日々を過ごして。
当時、私は45歳。
地元の観光協会にもうかれこれ10年勤めており、職員の中では最古参の立場でした。
観光協会とは
項目 | 説明 |
---|---|
概要 | 観光協会は、地域内の観光活性化・振興を目的とした観光事業者です。地方自治体や交通事業者、他の観光事業者と連携し、観光客への案内やフォロー、イベント企画等の活動を行います。 |
観光協会の役割 | 観光協会の主な役割は、地域の観光資源を活用して観光客を誘致し、地域経済の活性化を図ることです。 観光客に対する案内・サポートを行います。また、イベントの企画・運営を通じて地域の魅力を発信し、観光資源の保護・管理を行います。 |
観光協会の仕事内容 | 観光協会の主な仕事内容は、以下があります。
|
担当業務は、国内外の観光客への観光案内と、海外で行われる旅行博覧会出展や海外旅行代理店との商談会などインバウンドを担当していました。
元々海外留学経験があり英語が話せたこともあって、年々増える外国人観光客への対応や、各国領事館などの公的機関への英文メールでの問い合わせなどを全て担い、そのほか、協会内ミーティングや会議にもリーダーまたは司会進行役として出席しておりました。
──こうやって書くと、結構たいそうな仕事をしていそうに見えるかもしれませんね。
でも、年収はたったの200万円。契約職員ということもありましたが、お給料は本当に微々たるものでした。
実家通いでしたので生活には困りませんでしたが、たまに将来のことを考えると、とても不安な気持ちになりました。
私の家族構成は両親を含めて8人。結構な大所帯です。
未婚ですが長年お付き合いしている男性がいて、お互いが休日の日は一緒に過ごしていました。
2転職のきっかけ
正職員と契約職員の、広がる「格差」を感じて。
職場に、契約職員の人は私を含めて4名いました。
その4人は皆、待遇に対しての不満を持っていました。
契約職員ですので、ボーナスや昇給はありません。
地元の平均年収は250万円程でしたが、私たちはそれよりもさらに少なかったです。
───どうも、職場で契約職員がいることによって、その職場に対して国から補助金が出るみたいなんですね。
上司からは毎年、
- 上司
-
「いずれ、必ず正職員にするからね。待っててね」
と言われていましたが、半分その言葉を信じて、半分諦めて──そんな心境でした。
私の11年目の契約更新の際、その正職員と契約職員の格差は更に広がることとなりました。
ちょうどその頃、既存の正職員全員に「役職と学歴手当を付ける」ということが決まったのです。
金額にして、月3万円~5万円、年間で36万円~60万円の給与アップです。
その給与アップはあくまで正職員に対してのみで、私たち契約職員は一切変わらずでした。
私たちの職場は、1ヵ月に数万人の観光客(外国人観光客は数千人)が訪れる地域でしたので、いつも皆忙しくしていました。
正職員も契約職員も同じ業務量で、同じ責任範囲で働いていて。
特に私は、英語もある程度話せたということで、業務範囲は他の人より広めでした。
でも、私と正職員との年収差は100万円を超えることになったのです。
- 私
-
(なんだか、やりきれない…)
そんな思いがどんどん膨らんでいきました。
あるとき、遅刻常習犯の正職員が偉そうに他の契約職員に仕事を押し付けるのを目の当たりにして、
- 私
-
(ここはきっと、私が幸せになれる場所じゃない!)
そう思い、私は勤務11年目にして「転職」の決心をしたのです。
あわせて読みたい
- 派遣から正社員への転職を成功するには?派遣社員を辞めて直接雇用を目指すポイント&注意点
- 派遣社員から正社員を目指す際の具体的な方法と転職前に準備しておくポイントをまとめています。記事を読めば、正社員化に向けて具体的な行動を起こせるでしょう。 ...
3転職活動中
「40代の転職活動」に、身構えてはいたものの──。
40歳を超えての転職活動は、想像していたよりだいぶん楽なものでした。
自身の経験とスキルを活かせる職をターゲットにと、オープニングスタッフを募集していた「宿泊施設」に応募したところ、即採用が決まって。
求人探しは主にハローワークを利用しましたが、そちらのほうではあまり良い求人が見つからず、結局求人募集していたその企業のホームページから直接面接を申し込みをしました。
あわせて読みたい
- 転職で企業への「直接応募」はアリ? メリット・デメリットを解説
- 転職サービスを活用して転職活動を進めるのは一般的なことになりつつありますが、転職を希望する企業に直接応募することもできます。本記事では、転職サービスを経由せず直接応募するにあたって知っておきたいポイントを解説しています。 ...
現職からは「1日も早く退職したい」という気持ちが強かったので、すぐに転職先を決められたのは良かったです。
年収は150万円もアップしました。前職での私の経歴を考慮してくれたということで、雇用条件を聞いたとき、年収の額面をみたときは嬉しかったですね。
- 私
-
(こんな風に環境が開けていくのなら、もっと早く転職すればよかった!)
そんな風に思いました。
あとは、「オープニングスタッフ」の応募でしたので、社員は皆、同期入社です。変な人間関係のしがらみも気にせずにいれますので、この点においても新しい職場への期待感が高まりました。
参考:オープニングスタッフとは
項目 | 説明 |
---|---|
概要 | オープニングスタッフとは、新規開業する施設や店舗で最初に雇用される従業員のことです。 新しい環境での業務立ち上げや運営開始に携わり、店舗や施設の基盤を作る役割を担います。 |
募集の多い業界 |
|
メリット |
|
デメリット・注意点 |
|
4転職後
転職後の新しい環境で、待ち受けていた状況は。
これから先の明るい未来を信じて疑わずにいた今回の転職でしたが、結果は散々なものでした。
実際に勤務してみると、給与支払いや残業の面でブラック企業だと判明したのです。
まず、新規オープンの宿泊施設ということもあって業務はとても忙しく、1日の平均労働時間は17時間。
休日は月6日程度でした。
更には、残業時間は100時間を超えているにもかかわらず、支払われる残業代は30時間まで。
- 本社スタッフ
-
「申し訳ないんだけど、残業代で支払いきれない残りの時間は、シフト調整で消化して欲しい」
と、本社スタッフから大して申し訳なさそうでもない口調でそう言われました。
ですが、必要最低限のスタッフ数で営業しているので、シフト調整など到底不可能です。私は他のスタッフと「今を乗り越えれば楽になる」と励まし合って、なんとかオープン1ヵ月目を乗り切りました。
そして最初の給料日給与明細に記載されていた残業代は「15,000円」。
目を疑いました。
実質残業時間100時間を超えていて、それでも支払われる分の30時間の残業代は、時給換算で500円だったのです。
本社スタッフ達も2、3ヵ月後には本社に戻る予定ということもあり、目の前にある課題やトラブルにはあまり目を向けようとせず、無責任な態度が全面に出ていました。
5その後、どうなったか。
私の今現在。そして、これから先目指したいこと。
結局、その職場も数か月して退職することにしました。
一番残念だった残業代については、2ヵ月後以降もずっとそんな感じでした。
労働の対価を払えないのであれば、人を雇う資格はないのではないかと、私は思います。
しばらくの間は、自分自身の労働力を軽んじられたような気持になって、腹立たしさであったり悔しさであったりといった感情がなかなか納まり癒えませんでした。
でも、これが地方における40代の転職の現状なのかもしれない──、そういう風に感じることもあります。
少なくとも、好条件ですんなりと受け入れてくれる職場には、何かがあると、40代以降の転職はそう思って臨んだほうが良いように思います。
◇ ◇ ◇
これからのことについても、少し話しておこうと思います。
私は今後、「在宅勤務で仕事を続けていく」ことに決めました。
まずはクラウドソーシングで受け持ちできるお仕事を増やしていければと思います。
40歳を超えての職場就職は、私にとって「賭け」に等しいイメージです。
かつ、企業側にとって「長い目でみれば40歳以下の若手が必要」と思うのもある程度理解できます。
一方、在宅勤務を導入する企業はこれから増えていくと思いますし、都内の年収に近い額を地方でも貰える可能性も今後はあるでしょう。
それに、自宅で仕事をすれば自由な時間も増え、ガソリン代も抑えられます。
そのために、少しでも条件のよい在宅可能な企業へ就けるように、まず自分の得意分野の職種や英語のスキルを更に勉強して伸ばしていきたいと思っています。
あわせて読みたい
- 女性の「フリーランスになる?」で迷った時のメリット・デメリットと判断ポイント
- フリーランスは、女性の「働き方を変えたい」と考えたときの一つの道筋でもあります。フリーランスになろうか悩んでいる女性に向けて、メリット・デメリットと判断ポイントを解説します。...
観光協会では非正規職員として辛く苦い経験をしたので、二度と同じ想いはしたくありません。
できれば在宅勤務の正職員を目指して頑張っていきたいと思っています。
参考:40代からの正社員転職におすすめの転職エージェント[PR]
リクルートエージェント
-
公開求人数 約42万件(2024年7月時点) 対応職種・業種 全職種・業種 特徴 - 国内最大手の転職エージェント
- スピーディーなサポートと高い企業交渉力
- 役立つ転職支援ツールが豊富
公式サイト https://www.r-agent.com/
国内の転職エージェントでNo.1の求人数を誇るリクルートエージェントは、40代のミドル世代への転職支援実績も豊富です。
他の転職エージェントにあるような「希望条件に合う求人がない」と断られるケースは殆どないでしょう。
あなたのこれまでの経歴を過去の事例に照らし合わせながら、正社員向け求人を数多く提案してくるはずです。
より確実なサポートを受けたい人は、初回面談前までに「キャリアの棚卸し」と「キャリアプラン立て」を行い、担当アドバイザーに希望条件をしっかり伝えられるように準備しておきましょう。
また、リクルートエージェントのサポートは効率的かつスピーディに進みます。日頃の転職活動にかけられる時間を確保しておくと、より有意義にサービスを受けられます。