出産・子育て後の女性が再就職する際のポイントは?働きやすい職場の見つけ方
[最終更新日]2024/06/07
出産・育児がひと段落し、「もう一度働きたい」と望む女性も多いのではないでしょうか。
そんな、再就職を考えている女性にとって外せない条件は、「仕事と家庭が両立できる職場であるか」でしょう。
その他にも、「ブランクがあるけど、再就職はできる?」「就職活動で気を付けた方がいいことは?」など、様々な不安があることでしょう。
目次
出産・育児を経験後の再就職は、以前よりも実現しやすくなっている!?
近年、働き方は急速に多様化しています。出産や育児のために一旦は職場を離れる決断をした人が再就職という形で復帰することも、以前に比べてハードルが下がってきているのです。
女性ならではの視点やアイデア、出産や育児の経験を活かした着想などを貴重なリソースと考える企業も増えています。出産・育児がひと段落したタイミングで、仕事への積極的な復帰を目指せる時代になりつつあります。
まずは女性の働き方について、こうした近況から確認していきます。
「ブランクがあってもOK!」──女性の求人数は増えてきている
出産や子育てが落ち着いて再就職を考え始めると、まず気になるのがブランク期間ではないでしょうか。かつては有資格者や専門的なスキルを持つ人でなければ、ブランクが一定以上長くなると再就職は厳しいのが実情でした。
ところがここ数年、30代後半・40代女性の再就職が注目されています。かつては各業界で高く評価されていた優秀な人材も多く、即戦力として活躍するのに十分な能力を備えている女性が多いことに企業も気づき始めたのです。
子育てを通じて得た経験や視点を仕事に活かせるケースも多々あることから、企業の側から子育ての経験がある女性を求める動きも見られます。
女性の求人数が増加傾向にあるもう1つの理由として、労働人口の減少に伴う人手不足が挙げられます。子育てが落ち着いた女性に限らず、人手不足の影響がはっきりと表れ始めており、求人数そのものが全体的に増えているのです。
こうした状況の中、社会経験のない学生の新卒採用ばかりでなく、社会経験があり母親としての人生経験も持つ女性の力を必要とする企業が増えていくのは自然なことと言えます。
「時短勤務もOK!」──雇用形態の広がりがでてきている
子育てが落ち着いたとはいえ、まだお子さんが小さく保育園への送り迎えが必要で、フルタイム勤務は難しいといったケースは多々あるはずです。
そこで、企業としても9時17時のフルタイム勤務にこだわらず、10時出勤や16時退勤といった時短勤務を採用したり、週3日や週4日から勤務可能にしたりといった柔軟な働き方を取り入れる試みが広がっています。
最近では、週1日〜勤務可能の仕事や、とくに人手が必要な時間帯のみ1日1〜3時間といった短時間シフトを採用する企業も見られるようになりました。雇用形態が広がりを見せており、子育て中の女性も自分のライフスタイルに合わせて無理なく勤務できる環境を用意する企業が増えているのです。
これまで「フルタイム勤務は厳しいので再就職を見送っていた」「週5勤務はさすがに無理と思っていた」といった方々も、経験やスキルを活かして働くことが可能になっているのです。
まずは時短勤務などから始め、いずれはフルタイム勤務へ移行したいと思っている人にとっても、門戸が広がっていると言えるでしょう。
出産・育児が落ち着いてから再就職する際に意識したいポイント3点
世の中の動きとしては、出産や育児がひと段落ついた女性が再就職しやすくなっていますが、働きやすさや長い目で見たキャリアプランという面では、企業によってまだまだ差があるのが実情です。
せっかく再就職するのであれば、働きやすい職場を選びたいものです。また、半年や1年後のことだけでなく、先々長く働いていくことを考えて、キャリアプランを立てられる環境になっていることも大切です。
女性が働きやすい職場を見つけるには、どういった点に注目したらいいのでしょうか。
「女性が働きやすい職場」を見つけるためのアンテナを持つ
女性が働きやすい職場かどうかを見極める際は、以下の点を見ておくとよいでしょう。
企業の公式サイトから確認できることも多く、または後述の転職エージェント経由で確認してもらうこともできます。
- 女性社員の割合
- 管理職に占める女性労働者の割合
- 男女別の育児休業所得率
- 一月あたりの労働者の平均残業時間
総務省統計局「労働力調査」2017年の調査によると正規社員の女性比率は平均32.5%といいます。業種によっても変わりますが、女性社員の割合が平均値から著しく低くなる企業は注意しておくとよいでしょう。
管理職に占める女性労働者の割合は平均7.2%(帝国データバンク「女性登用に対する企業の意識調査」2018年)、男女別の育児休業所得率は、女性平均83%、男性平均5%ほどです(厚生労働省「雇用均等基本調査」2017年)。
一月あたりの労働者の平均残業時間は、14.3時間(厚生労働省「毎月勤労統計調査」2017年)です。
平均より良ければ必ず女性の活躍推進に積極的な企業と言うことはできませんが、これら数値は一つの目安になるでしょう。
気になった企業について、「実際のところはどうだろう」という観点でチェックしてみるとよいと思います。
企業の「短時間勤務制度」の活用も検討する
フルタイムとして働くことに難しさを感じる人は、「短時間勤務制度」についても知っておくとよいでしょう。
短時間勤務制度とは、1日の勤務時間を原則として6時間に短縮し、残業など時間外労働の制限を申請できる制度です。
フルタイムで働くことが難しくなった人たちをサポートするために、育児・介護休業法の改正とあわせて企業に義務付けられています。
たとえば育児による理由で8時間勤務から6時間勤務に変更した際も、この制度によって基本給や賞与などの算出方法は変わらずのまま、雇用契約を継続できます。
注意点としては、短時間勤務制度の利用状況は会社によっても大きく変わること、制度自体が認知されていない職場もあることです。
そのため、これから新しい職場を探す予定の方は、短時間勤務制度の利用実績のある企業かどうかを、判断軸のひとつとして持っておくとよいでしょう。
- 参考
- 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」
面接で「女性の再就職に適した職場か」をしっかり確認する
女性が働きやすい職場を見極める質問例
- 子育て中の女性社員はいらっしゃいますか?どのような働き方をされていますか?
- 産休・育休制度はありますか?取得された方はいらっしゃいますか?
- 部署内に女性の方は何割ぐらいいらっしゃいますか?
- 時短勤務は可能ですか?時短で働かれている方はいらっしゃいますか?
- 女性の方で管理職として活躍されている方はいらっしゃいますか?
女性が働きやすい職場を見極めるとき注意が必要なこととして、求人や募集要項に「書かれている」だけでは不十分という点が挙げられます。
たとえば、育児休業制度あり、と求人に書かれていたとしても、制度としてあるだけで実際に取得した人はまだいないのが実態、ということは意外とよくあるからです。
最も確実なのは、いま働いている従業員の中で実際に育休や時短勤務といった制度を利用中の人がいるかどうかを確認することです。
社内や部署内で女性の割合が低かったり、管理職として活躍している女性がいなかったりする職場は、やや注意が必要です。
女性従業員が入ってきても長続きしないケースや、産休・育休・時短勤務といった各種制度が形骸化しているケースが考えられます。
女性が活躍しているという事実を面接で積極的に紹介したがらないようであれば、上記のような質問をしてみるといいでしょう。
女性の転職に強い転職エージェントを利用する
出産や育児がひと段落ついた女性が再就職することが一般的になりつつある今、女性の転職や再就職の斡旋に強い転職エージェントがいくつも登場しています。
女性の転職に力を入れている転職エージェントは、カウンセラーやキャリアアドバイザーといった担当者がつく場合も女性に担当してもらえるケースが多く見られます。
同じ女性の立場から相談に乗ってもらえる安心感があるのは、こうしたサービスを利用する上で重要なポイントなのです。
出産・育児が落ち着き、再就職する際におすすめの転職エージェント
type女性の転職エージェント
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女性への転職支援で25年の実績!年間10,000名以上の女性転職者希望者へのキャリアカウンセリングを行っています。
type女性の転職エージェントは、その名の通り女性の転職支援に特化したサービスです。
「ワークライフバランスを重視した働き方がしたい」「産休・育休後も仕事復帰ができる環境で働きたい」など、女性ならではのライフプランも含めた相談が可能です。
在籍するキャリアアドバイザーは皆女性ですので、女性が働きやすい職場を探している方、ご自身の最適な働き方を模索している方も、気兼ねなく質問できるでしょう。
また、type女性の転職エージェントでは、「転職しようか迷っている人のための転職相談会」「ワークライフバランスを整えたい人のための転職相談会」など、で無料のオンライン相談会を定期的に行っています。
まずは気になるセミナーに参加して、その後サービスを本格的に利用するのも良いでしょう。
type女性の転職エージェントの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 東京、神奈川、千葉、埼玉 |
公開求人数 | 約1.0万件(2024年6月現在) |
とくに多い職種 | システムエンジニア(IT・通信・ソフトウェア)|営業|Webエンジニア・クリエイター(Web・インターネット・ゲーム)|管理・企画・マーケティング・経営|専門職(コンサルタント・士業・金融・不動産)など |
転職しようかの悩みのほか、結婚・出産などのライフイベントに関わる相談も受け付けています。まずはいちど相談をして、転職するかの判断をされるのもよいでしょう。
マイナビエージェント
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書類作成、面接準備のサポートの手厚さが特徴。とくに「はじめての転職で、不安…」という人におすすめです。
マイナビエージェントは専門知識を持つキャリアアドバイザーが一人ひとりの転職者に対して丁寧に向きあい、きめ細かなサポートをしてくれることで知られる転職エージェントです。
女性の求職者向けの専門チームも設けており、とくに志望動機のブラッシュアップや面接指導のサポートに強みがあります。
また、マイナビエージェントは大手企業だけでなく、知る人ぞ知る中小の優良企業の求人を多数扱っています。
一般的な転職サイトには掲載されない非公開求人も数多くあるので、キャリアアドバイザーからの提案をきっかけに女性の働きやすい職場を新たに見つけられる機会もあるでしょう。
マイナビエージェントの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約6.0万件(2024年6月現在) |
とくに多い職種 | 営業職|マーケティング|広報|人事|経理|クリエイティブ(Web・編集・制作など)|ITコンサルタント|システムエンジニア|金融アナリスト|調査・分析|看護師|薬剤師|保育士|不動産専門職|建築・設計アシスタント|デザイナーなど |
業界・職種ごとの専任サポートチームが「じっくり親身になって」支援してくれるのがマイナビエージェントの強み。サービス入会時に登録する情報で担当が決まりますので、経歴・希望条件は丁寧に記入しておきましょう。
パソナキャリア
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ひとりの転職者に平均20時間のサポート。「じっくり丁寧なサポート」を求める人におすすめです。
パソナキャリアは、人材派遣の大手パソナグループが運営する転職エージェントです。
担当エージェントによる丁寧なサポートを特徴としており、「こちらの相談に対して、じっくり聞いてくれた」という評価をする転職者の方は多いです。
また、パソナキャリアは女性の転職・再就職への支援にも力を入れています。
公式サイトでは、「専門性の追求・管理職へのチャレンジなど、女性ひとりひとりの求職者に合わせた支援をする」ことを公言しています。
サポート対応地域は全国、かつ全都道府県に支店があります。対面での相談もしやすいエージェントです。
パソナキャリアの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約3.6万件(2024年6月現在) |
とくに多い職種 | 営業職|管理・事務|IT・Webエンジニア|技術職(電気・電子・機械・化学)|クリエイティブ|マーケティング・企画|コンサルタント・士業|販売員・サービススタッフ|研究・開発(メディカル)|専門職(Web・IT・ゲーム|金融|不動産・建設)など |
丁寧なサポートゆえに、転職者のやる気、熱意も求められます。転職するにあたって「これだけは譲れない」という希望条件を持っておくと、担当エージェントも求人紹介がしやすくなります。
専門スキルを活かしたい人は、「特化型」の転職エージェント
ITエンジニアや管理業務、マスコミや介護など、これまで培った専門スキルを活かしての転職を検討している人は、「特化型」の転職エージェントがおすすめです。
各分野別のおすすめ特化型転職エージェント
タイプ | ITエンジニア | ITエンジニア | IT・Web業界 | リーダー・マネージャー | リーダー・マネージャー | リーダー・マネージャー | リーダー・マネージャー | 会計・経理・税務・財務 | マスコミ・メディア | アパレル・ファッション | 管理部門 | 外資・グローバル | 外資・グローバル | 製造系エンジニア | 介護・福祉 | 介護・福祉 |
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サービス名 | マイナビIT AGENT |
レバテックキャリア |
ワークポート |
doda X |
JACリクルートメント |
リクルートダイレクトスカウト |
ビズリーチ |
ジャスネットキャリア |
マスメディアン |
クリーデンス |
MS Agent |
エンワールド |
ロバート・ウォルターズ |
メイテックネクスト |
レバウェル介護 |
かいご畑 |
メリット |
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デメリット |
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公開求人数 | 約2.1万件 | 約2.5万件 | 約11万件 | 約6.0万件 | 約2.1万件 | 約40万件 | 約14万件 | 約4,000件 | 約4,900件 | 約1,400件 | 約1.0万件 | 約900件 | 約1,900件 | 約1.6万件 | 約23万件 | 約9,000件 |
得意業界/職種 | IT・Web | IT・Web | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | 会計・経理・税務・財務 | マスコミ・メディア | アパレル・ファッション | 管理部門・士業 | 外資系 | 外資系 | 製造系エンジニア | 介護・福祉 | 介護・福祉 |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | 関東・関西・中部(東海) | 東京・大阪 | 関東・関西・東海 | ◎全都道府県 | 東京・愛知・大阪+海外 | 東京・愛知・大阪+海外 | 東京・名古屋・大阪・福岡 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年11月時点のものです。
特化型の転職エージェント利用いちばんのメリットは、担当となるキャリアアドバイザーがその分野の業界情報やトレンドに詳しいということです。
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まとめ)女性の出産・子育て後の再就職は可能性があふれている
出産や育児に奔走する時期を経て「そろそろ仕事に復帰したい」と考えている女性が再就職しやすい世の中になりつつあり、女性が活躍するチャンスが広がっています。退職前のキャリアや知識、資格などを活かすのはもちろんのこと、育児から得た経験やものの見方も存分に仕事に活かしていけるのです。
女性の力を必要とする企業はこれからも増え続けていくはずです。可能性にあふれた再就職に、ぜひ挑戦してみてください。再就職が素晴らしいキャリアの第一歩となることを願っています。