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アラフォープログラマはキャリアアップ転職ができるか。提案されたのは社内SE。|転職体験談

ラホール さん(男性 40歳 東京都)
成功!

転職前

BEFORE
職業
SI系企業
職種
プログラマー
従業員規模
150人
年収
350万円

転職後

AFTER
職業
貿易・物流会社
職種
社内SE
従業員規模
200人
年収
480万円

目次

ラホールさんの転職ストーリー

1これまでの私

大学卒業後、プログラマー一筋で働いてきて。

イメージ図:プログラマーとして働く男性

当時、私は36歳。
大学卒業後に入社したSI系の会社で、企業向け社内システムのプログラマーとして長年勤務していました。

SIとは

顧客が要望する情報システムの開発、または運用を請け負う企業を指します。

参考:未経験からSIerへの転職は可能? 中途採用を成功するためのポイント5点

SIといっても私が担当するのは、いわゆる下流工程でして。
クライアントとの折衝などの上流工程は専門のプロダクトマネージャーの人が担当し、私はその後分担されたプログラミングこなす毎日でした。

30代になると、ようやくシステム設計の業務を任されることもちょくちょく出て、それに応じて仕事量も増えていったのですが、社内での扱いはあくまでも「プログラマー」でした。
SEという職種に就くには技術力や設計力が足りない──ということでした。

当時の会社では、プログラマーは31歳を目安に年収が上限に到達してしまう仕組みでした。
会社の仕組みでプログラマーでも名乗りを上げて設計業務をこなすこともできたのですが(その場合は、携わった分給料が上乗せされました)、残業代がきちんと払われない会社でしたので時給換算すると結局損してしまう──そんな感じでした。

その頃私は、結婚仕様かどうしようかを考えていた時期でしたので、(このままの年収では厳しいぞ…)と、いつも思っていました。

2転職のきっかけ

婚約者の両親に挨拶に行ったときに、彼女の父親から言われたひと言。

イメージ図:婚約者の父親

私には、29歳の頃からかれこれ7年交際していた女性がいました。
出会った当時はお相手も20代でしたが、気づけばお互いに30代半ばです。
そろそろ結婚しないとだろうと考えていました。

とうとう、彼女の両親へ結婚の相談をしに行く日が訪れて。
終始おだやかなムードだったのですが、ふと彼女の父親から「今どのくらいの年収なのか」を訊かれたのです。

正直に現在の年収と手取り額を伝えたときに(毎月の手取り額は25万円ほどでした)、

彼女の父親

「その年収で、これからやっていけそうですか?」

と、言われてしまいました。

たしかに同世代と比べてそれほど高い年収ではないことは自覚していましたが、こうして面と向かって言われるとなかなか辛いものです。

彼女の父親は公務員でして、業績のよくない民間企業の給与実態は知る由もなかったのでしょう。
そして、「少なくとも上位職種へ異動するなどして年収を上げないと、結婚は厳しいだろう」という、もっともな意見を言われたわけです。

ですが、だからといって結婚を諦めるわけにはいきません。
私だって、今の年収のままでいいとは少しも思っていませんでしたから。

ですが、「では、そのためにどうするべきか」を考えると、手詰まりの状態でした。
というのも、当時私が勤めていた会社はかなり業績が厳しい状態で、昇給に伴う上位職種への異動のケースがほとんどなかったのです。

つまり、私に残されていた手段は、「転職」の一択でした。
ただし、今と同じプログラマーとしての下流工程ではなく、SEなどの上流工程の仕事へのキャリアアップも同時に求められていました。

3転職活動中

アラフォープログラマーは、スキルアップ転職ができるか。

イメージ図:転職面接を受ける男性

転職活動を始めて、まず思ったことは「時期が遅かった」ということでした。

私は大学卒業後に就職したままずっとひとつの会社でプログラマー一本でやってきた人間でした。

「プログラマーからSEへのキャリアアップ転職」とはよく聞きますが、当時すでにアラフォーだった私としては、かなり遅い行動だと言わざるをえませんでした。

そのため、転職活動は難航しました。
なんとか書類審査に通っても、面接では採用担当のあまり気乗りのしなそうな表情に委縮してしまって、うまく自己PRができずにいて。
当然、そうした面接はすべて不採用でした。

このままではまずいと思い、新たに知人の紹介で知った「ワークポート」という転職エージェントに登録したのですが、これがひとつの転機となりました。

ワークポートのコーディネーターの方から

コーディネータ

「IT系以外の企業の「社内SE」のポジションならば、即戦力として年収アップとキャリアアップを狙えますよ」

と、アドバイスを頂けたのです。

社内SEとは

主に自社のシステム運用をする仕事です。ネットワーク構築・運用から情報システムの企画・開発、ヘルプデスク対応まで業務範囲は幅広く、また企業によって任される役割は変わります。

参考:未経験から社内SEに転職するには?仕事内容・年収・キャリアパス・準備するポイントまとめ

これまで私は業務ツール開発に携わっていたこともあり、社内SEで求めらえる知識・スキルは一定有していました。

また、ワークポートの担当コーディネーターの方は、「あなたの経歴であったら貿易・物流系などの企業での社内SEが、今までの経験が活かせるのでは」とアドバイスしてくれました。

実際、その通りでした。いわゆるシステム会社よりもIT業界とは別の企業の方が、私の経歴を評価してくれることが多かったのです。

劇的に変化したのは、面接での採用担当の反応です。
私のこれまでの経歴を興味深く確認されて、「こういうことはできますか」というような具体的な業務質問を受けることが多くなりました。

まもなく、応募していた企業のうち2社から採用の通知を頂いて。4ヵ月間を要した私の転職活動は、こうして幕を閉じることとなりました。

4転職後

転職後の新しい職場で待ち受けていたのは、不具合だらけの業務ツール。

イメージ図:業務ツールのDB設計

転職先へ入社して最初の1ヵ月は、社内システムの状況を知るために研修を兼ねて配属先の上司と研修担当者からレクチャーを受けることになりました。

そこで目にしたのは、社内で活用されている業務ツールの殆どが適切なメンテナンスが満足にされておらずに不具合が非常に多発している状況でした。

また、それら業務ツールの多くは、無計画かつ必要に迫られてバラバラに導入されているために、まったく連携が取れていませんでした。

例えば、本来1つのソフトで完結出来る内容を3つのソフトを使って処理していたり、その統合作業のために総務や経理担当者が毎晩残業に追われていたり。

私は研修を2週間で切り上げてもらい、後半の2週間は提案書の作成に費やすことになりました。

現状の乱雑化している業務ツールを整えるだけで、事務作業量は大分半減できるだろう)と考えて上司に提案したところ、上司の方もその意見に乗ってくれたからです。

まさか、転職して1ヵ月も経たずに、業務改善のための提案書作成をすることになるとは、思ってもみませんでした。

こう言うのもなんですが、会社のシステム体制の未熟さがかえって私の活躍の場を与えてくれたのです。
──まあその分、とても忙しい日々を過ごすことにはなってしまうのですが。

5その後、どうなったか。

プログラマー時代と比べて、自分が出来ることの幅が広がった

イメージ図:これからのキャリアを考えるエンジニア男性

転職をして、早4年が経過しました。

2年前に無事結婚を果たし、転職前と比べて公私ともに順当に歩みつつある──といったところです。

転職を振り返って思うことは、「システムは一度作って終わりではない」ということです。

もちろん、以前からその意識はありましたが、今回の会社で「一度作ったシステムに対して、その後不具合があっても改修せずにだましだまし使い続ける」様子を見て、身をもってそのことを再確認しました。

一方で、もし社内システムの不具合が全くない会社でしたら、社内SEの存在意義はそれほどなくなってしまうでしょう。

ある人が「課題がないことが、いちばんの課題だ」と言っていましたが、社内SEもまさにそうです。
課題がないところで、社内SEの活躍はまずないでしょう。
ただ、「課題があればいい」というのではなく、「もっと良くしていこう」というポジティブな課題であるのがいちばんだと思います。

◇ ◇ ◇

さて、私が転職後すぐに携わることになった社内システムの入れ替えは、あと3年程度ですべて完了する見込みです。

社内システムの更新が済めば、先ほど話した「社内SEの仕事がなくなってしまう」状態になるでしょう。

試算したところ、今いる社内SEの人数が、10人から5人に減らせられるイメージです。

また、社内の一部からは、「残業が減る原因」を創った私に不満を持つ人も出てくるようになりました。

そのような状況下で、「これからどうしていこうか──」というのが、目下の私が考えていることです。

ですが、それほど悲観的には考えていません。

例えば、同じ社内で、やはり業務ツールの非効率化に悩む別の部署へ異動しても良いかな、と考えています。

または、系列会社に出向して、再度社内SEとして作業者の仕事が楽に出来るシステム更新を図って行くのも良いかもしれません。

プログラマーとしてだけ就業していた前職と比べて、私が出来ること、貢献できることの幅は確実に広がりました。

そして、これから関わる人たちに対して、価値提供として役立つ提案を変わらずに続けていければと思っています。

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