リストラ後も前職の人材紹介会社での経験を活かして。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 人材紹介会社
- 職種
- 法人営業
- 従業員規模
- 600名
- 年収
- 400万~450万
転職後
- 職業
- 大手鉄鋼メーカー子会社
- 職種
- 資材調達・購買
- 従業員規模
- 1000名
- 年収
- 350万~400万
目次
ぶたさんの転職ストーリー
1これまでの私
目が回るほど忙しく、それでも「楽しさ」を感じられた仕事の日々
もう8年も前のことです。
当時は独身で東京の実家に住んでいました。
私は生まれも育ちも東京で大学も都内の有名マンモス私大を2008年に卒業し、新卒で人材紹介会社に入社しました。
▽ 最初の会社を選んだ理由
当時は団塊世代の退職が始まった年で、景気もよかったので求人はよりとりみどり。
非常に就職活動がしやすかったです。
そのためか人材系ビジネス、特に転職者を求人企業に紹介する人材紹介業界は特に活況で、入社した会社も含め物凄い勢いで成長をしていました。
様々な企業の説明会に行きましたが、人材系の会社の社員さんの話は魅力的で、私には彼らが眩しく輝いて見えて、私もこんな社会人になりたいと思ったこと、またこの成長業界で自分も一旗揚げてやろうという気持ちがこの業界の志望動機となりました。
その中でその会社を選んだのは、同じ大学の先輩が人事に居たからでした。
▽ 入社してから
研修が終わると、私は企業の中途採用求人を取ってくる営業としての日々が始まりました。
正直仕事は目が回るほど忙しかったです。
昼は新規開拓のテレアポと企業訪問に明け暮れ、夜の9時10時退社は当たり前。
でも仕事はとても楽しかったです。
様々な人事の方からお話を伺い、企業と転職者の間に入り様々な折衝を行った事で、わずか1年足らずの間に非常に濃密な経験を積みサラリーマンとして大きく成長できました。
2転職のきっかけ
リーマンショックの発生。そして、リストラの宣告を受けて──
順調だったサラリーマン生活はある事件がきっかけで一変しました。
▽ 求人が干上がる
2008年9月リーマンショックが発生。それに対しクライアントだった各企業の動きは迅速でした。
今まで出ていた求人の次々とクローズ、採用活動を中止していったのです。
慢性的に人が不足している会社を除いて新規求人も殆ど出なくなりました。
特に大手企業は完全に採用を止めてしまい、社内でも「これはヤバいぞ」という空気が漂い始め、そして12月に会社から驚くべき発表がなされました。
▽ リストラが始まる
会社は2009年初からリストラをすると発表。
入社年次関わらず全従業員に希望退職を募るという内容でしたが、実際は、辞めてほしい人間にはマネージャーの面談を受けさせてそれとなく退職勧告をするという形でした。
私と一緒に入社した同期はここで7割近くが退社。私もマネージャーから退職勧告を受けました。
とにかく、悔しかったです。
もちろん、ここまでに十分な実績を上げられなかった私が悪いのでしょうが。
抵抗を試みたものの、新卒を辞めさせるような会社に明日は無いと自分に言い聞かせ、半年後に結局は退職を決意しました。
3転職中
前職の経験を「活かしきった」転職活動
客観的に見れば、新卒入社わずか1年で会社はクビになり、おまけに転職市場は冷え切っているという最悪な状況でしたが、当時の私はそこまで状況は悪くないと考えていました。
商材が他人から自分に変わっただけで、やることは営業をしていた時と同じと考えたからです。
志望業種は前職のスキルを活かせる営業狙い。しかし、人材業界はやめてメーカーに絞りました。
折角入社してもまたいつクビになるか分からない業界より、多少給料が安くても安定していて腰を据えて仕事ができそうなイメージがあるメーカーでキャリアを積みたいと思ったからです。
▽ 他人の真似をして履歴書・職歴書作成
退職する前に、人材紹介会社で実際に目にした履歴書や職歴書の中で良くできているものを熟読し、エッセンスを自分の中で蓄積し、自分が作るときにその良い部分を参考としました。
さらに出来上がったものを転職エージェント(リクルートエージェント)と父に見せ添削をしてもらいブラッシュアップをしました。
とにかく数をあたる必要があったため、履歴書をあえて手書きではなくエクセルで作成したこともポイントです。
履歴書は必ずしも手書きでなくても人事は読んでくれることを前職の仕事を通じて知っていたからです。
▽ 1年で培ったノウハウが役立つ
相手の懐に入るにはどうしたらよいか?人事や役員が何を基準に採用を判断するか?
面接において相手が納得するストーリーはどのようなものか?聞いてほしいことを聞かせるためにはどのように話を持っていけば良いか?
──こういった営業ノウハウ・転職業界ノウハウは十全に役立ちました。
▽ それでも簡単にはいきませんでした
リクナビやenジャパンなどを通じて50社くらい応募して、面接に進めたのは約20社ほど。
どの面接は手応えばっちりでしたが、それでも最終まで進めた会社は数社。
どの会社も本当に即戦力となる人しか採用していなかったのだと思います。
不況の根の深さを転職活動を通じて実感しました。
また新卒の就活時とは違って、面接会場で知り合った人と友達となるという雰囲気でもなく、転職活動は孤独でした。
内定、転職先決定へ ▽
最終的に、中堅製薬メーカーのMR職と大手鉄鋼メーカー子会社の総合職から内定を頂きました。
MR職は給料は魅力的ですが離職率が非常に高いと前職の仕事を通じてよく知っていたので、こちらは辞退し、腰を落ち着けて長く働けそうな鉄鋼の方を選びました。
4転職後
転職後に待ち受けていた状況は──
総合職として入社。前職は営業であり、面接でも営業をぜひやりたい!と希望を伝えました。
しかし・・・
▽ まさかの購買部門配属
ちょうど欠員が出ていた購買部門に配属。
よってキャリアもゼロから再スタートと相成りました。
あくまで私は総合職。会社にやれといわれたことをやるまでだと割り切って考え、それに「全国転勤前提だ」と面接でも聞いていたので、3年もすれば転勤だろうと思って前向きに仕事を始めました。
▽ カルチャーショック
とにかく皆の退社が早い事に驚きました。
まず定時になった瞬間に部長が目にも留まらぬスピードで退社します。
続いてシニア社員や女性社員もぞろぞろと退社していきます。
残るのは30代までの若手男性社員ですが、彼らも7時半まで残る事は稀でした。
私は仕事に慣れないので8時を過ぎても仕事をしていましたが、その時間にフロアで残っているのは1人か2人です。
また前の会社と違いどこか牧歌的でのんびりとした雰囲気は、まるで『課長島耕作』に出てくるような昭和の会社にタイムスリップしてしまったかのように感じられました。
5その後、どうなったか。
リストラ、転職を通して学べたこと、良かったこと。そして今取り組んでいることは──
▽ 学べた事
学べた事は二つです。
会社はイザというときは非情であるということ。
存亡の淵に立たされた会社は社員の人生なんて考えてくれないということです。
もう一つは、例えどんなに短い間でも、また仮に未熟だとしても仕事で得たスキルは、転職を始めその後の人生を切り開く武器になるということです。
また、そういったスキルを得るためには目の前の仕事に真面目に取り組む事がまず一番大事だと思いました。
▽ 良かった事
待遇面は最高でした。
まず、さすが大手グループ会社だけあって福利厚生は手厚かったです。特に広くて綺麗な社宅に2万数千円で住めたのは大きかったです。
昇格昇給は完全に年功序列で、人事面でのプレッシャーはゼロだったのも○。
毎年ジワジワと昇給し、最終的には600万弱まで昇給しました。
ワークライフバランスも前職より良く、やろうと思えば部長達のように定時上がりも可能でした。
仕事面でも思わぬ収穫がありました。
意外と購買の仕事が自分に向いていたらしく、日々奮闘しながらも充実したワークライフを送れて、いつしか購買のスペシャリストを目指したいと漠然と考えるほどにまでこの仕事が好きになりました。
▽ 残念だった事
結局、私は8年間購買一筋で生きることになりました。
贅沢を言えば、この8年でもっと他の仕事もしてみたかったという気持ちも少しだけあります。
また今になって言えることですが、子会社に入ったのはちょっと失敗だったかもしれません。
最初は大手の傘に守られてて安心安全と満足していたのですが、仕事にも慣れベテランと言われる領域になってからは何かにつけて最終的に親会社の言いなりにならなければならないという現状に不満を覚えるようになってしまいました。
全ての子会社がそうだというわけではないのですが、子会社に入る人はそのあたりのことをしっかりリサーチし、ある程度覚悟をして入社すべきだったと思いました。
▽ 購買のスペシャリストを目指して
最初は希望と違う職種だった購買ですが、8年続けるうちにいつしか自分の天職と思えるようになりました。
そうなるとこの道を究めてやろうという気持ちが年々強くなっていき、そして、親会社の言いなりになって親会社から材料を言い値で粛々と購入している現状では、購買スペシャリストとしての大成は難しいと考えるようになり、8年ぶりに転職活動をする決断をしました。
志望業界職種は、メーカーの調達業務一本です。
どこかの子会社ではなく現在より幅広い事業領域を持つようなメーカーを志望しました。
▽ そして、新天地へ
現在、私は2度目の転職活動を終え、今の会社のキャリアにピリオドを打とうとしています。
新天地は、旧財閥系の非鉄金属メーカーです。職種はもちろん購買。今回は子会社ではなく本体への入社です。
次の会社では購買部門の人間は、日本・海外津々浦々の工場を転々とし、その工場の購買を一手に担うと聞いています。
上流から下流まで幅広い事業領域を持った企業において、様々な製品の材料購買に携わり、自分の仕事の幅を広げて真の購買スペシャリストを目指していきたいと思っています。
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