オンライン面接で注意すべきポイントは?対面面接との違いと事前準備することまとめ
[最終更新日]2025/10/02

ここ数年で政府の働き方改革が進み、在宅勤務から出社と在宅を組み合わせたハイブリッド勤務を取り入れる企業が増えました。大和総研の調査では、2024年度の雇用型テレワーカーの割合が24.6%(男性31.2%、女性16.9%)となり、週2日程度のテレワークが一般的になっています。こうした働き方の変化により、採用面接もオンラインで行われることが当たり前となり、遠方からでも移動時間や交通費を気にせず参加できるようになりました。
転職活動中にオンライン面接を提案されて、どう準備すれば良いのかと不安に思う方もいるでしょう。
オンライン面接には、対面と違ったポイントを押さえて万全の準備をすることが大切です。
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参考文献:
・厚生労働省:一般職業紹介状況(令和7年6月分)について
・大和総研:最新データで見るテレワークの定着と進化
目次
1)オンライン面接とは?対面面接との違いって何?
最近では、転職面接において「オンライン面接」・「Web面接」といった企業と求職者が離れた場所からやり取りする面接が一般的になっています。
オンライン面接を成功させるカギは、事前に必要な機材や接続環境、マナーを知っておくことです。対面面接と違って、通信環境や画面の印象などオンラインならではの注意点があります。
いざ実際にオンライン面接が始まったときに慌てないよう、準備や練習をしておきましょう。
オンライン面接とは

オンライン面接・Web面接とは、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末を使い、インターネットを通じて企業の採用面接を行う方法のことです。最近では、録画した動画に答える形式のAI面接や、面接官が別室から参加するハイブリッド面接も登場しています。
一般的には「Zoom」「Google Meet」「Skype」「Microsoft Teams」などのビデオ通話ツールを利用し、ビデオチャット形式で進めます。また、企業によっては面接専用のプラットフォームを利用し、AIが一次選考を担当するケースも増えています。
これまでの転職活動では、求職者が各企業のオフィスに足を運んで面接を受けるのが一般的でした。
しかし、地方や海外など遠方に住んでいる求職者にとっては、移動にかかる時間と費用が大きな負担になりがちです。そこで近年、多くの企業がオンラインミーティング用のコミュニケーションツールを導入し、インターネット上で面接を行うようになっています。
オンライン面接は、企業と求職者の距離が離れていても面接ができることが最大のメリットです。
企業の採用担当者が拠点間を移動する必要がなく、求職者も会社まで出向く必要がないため、双方の時間と交通費を大幅に節約できます。
このようにオンライン面接は、場所を選ばずに参加できる柔軟性と効率の高さが評価され、2025年現在は転職活動の標準的な方法となっています。
参考文献:
・PR TIMES:大手企業が導入続々「AI面接官」開発のVARIETAS
2)オンライン面接に必要なツールと、実際の流れ
オンライン面接の前に準備しておきたいもの

オンライン面接を受ける際には、あらかじめ整えておきたい環境や機材があります。画面越しの印象や音声の質が選考に影響することもあるため、対面面接とは違った準備が必要です。
ここでは快適にオンライン面接を受けるためのポイントを、機材・インターネット環境・カメラとマイクに分けて紹介します。
オンライン通話が可能なPCとソフト
オンライン面接をおこなうには、オンライン通話に対応したパソコンが基本です。
ノートパソコンやデスクトップパソコンであれば画面が大きく、表情や資料が見やすくなります。パソコンが用意できない場合はスマートフォンやタブレットでも参加できますが、画面が小さいとコミュニケーションが取りづらくなることがあるため注意が必要です。
オンライン面接には専用の通話ソフトが必要です。インストール型の「Skype」のほか、ブラウザから利用できる「Zoom」「Google Meet」「Microsoft Teams」といったツールがあります。また、企業によっては録画式のAI面接プラットフォームを利用する場合もありますので、案内されたツールを事前にインストールまたは登録し、動作テストを行っておきましょう。
これらのソフトを使った経験がない方は、下記の公式ガイドなどで使い方を確認したり、友人や家族と接続テストを行っておくと安心です。
- Zoom:Zoom Meetings 入門
- Google Meet:Google Meet でビデオ会議をする方法
- Skype:Skypeのダウンロード、インストール、およびアップグレード
インターネット環境
オンライン通話を利用するには、安定したインターネット回線が不可欠です。
通信が不安定だと映像や音声が乱れたり接続が途切れやすく、面接の評価に影響することがあります。
自宅で利用している回線に不安がある場合は、有線LANを使用したり、高速な光回線のプランを検討するなど環境を整えましょう。また、ホテルやレンタルオフィスなどのテレワーク向けスペースを借りることで、静かな環境と整った背景を確保する方法もあります。
スマートフォンのテザリングやポケットWi‑Fiは便利ですが、機器によっては通信が不安定になることがあります。
普段から利用して問題がないことを確認していない場合は、事前にテストしておくか別の方法を用意しておくと安心です。
ホテルやレンタルスペースなら、背景や照明も整っており雑音が入りにくいため、面接に集中できます。都市部には30分から利用できるスペースも多く、1時間300~500円程度で利用できる場所もあります。

参照元:SPECEMARKET
Webカメラ、マイク
パソコンに内蔵されたカメラやマイクでも利用できますが、より鮮明な映像とクリアな音声を伝えるために、外付けのWebカメラやマイクを準備すると安心です。
カメラは顔が明るく映る位置に設置し、目線が合う高さに調整しましょう。照明が暗い場合はリングライトやデスクライトを使うと表情がはっきり映ります。マイクは相手に自分の声がしっかり届くよう、ノイズキャンセリング機能付きのものやヘッドセットを検討すると良いでしょう。
1台でヘッドフォンとマイクが一体になったヘッドセットは非常に便利です。ノートパソコンのマイクよりもクリアな音声を届けられるため、面接中の聞き返しを減らすことができます。価格は2,000円台から購入できます。
オンライン面接の流れ

- ①指定されたツールやアプリを準備する
- ②企業との打ち合わせ・スケジュール調整
- ③面接日当日:機材と環境の動作確認
- ④面接時間の10分前から待機
- ⑤企業からの着信を受け、面接スタート
オンライン面接の進め方は対面の面接と異なる点が多いため、事前に流れを押さえておくことが大切です。ここでは一般的な手順をご紹介します。
①指定されたツールやアプリを準備する
企業から案内されたビデオ会議ツールやAI面接アプリをインストールし、アカウント登録を済ませておきます。プロフィールの登録名は本名にするなど、社会人としてふさわしい情報に整えましょう。
ZoomやGoogle Meetのようにインストール不要の場合でも、ログイン方法や推奨ブラウザを確認し、テスト接続を行っておくと安心です。
②企業との打ち合わせ・スケジュール調整
通常の面接と同様に、採用担当者とメールやチャットで面接日時を調整します。オンラインの場合、参加用のURLやルームIDが送られてくるので、当日すぐにアクセスできるようメモしておきましょう。面接が録画方式の場合は回答期限や質問内容を事前に確認します。
③面接日当日:機材と環境の動作確認
当日はパソコン、カメラ、マイク、インターネット接続のすべてが正常に動作するかを再度確認しましょう。
ビデオ通話ツールにはテスト機能が付いているものが多いので、開始前に音声と映像のチェックを行い、背景や照明に不備がないかも確認します。AI面接アプリの場合は、録画の途中で通信が切れないように充電やネット環境を整えておきましょう。
④面接時間の10分前から待機
早めにログインし、通知をオフにするなど落ち着いた環境を整えます。通信状況を再確認し、資料やメモを手元に置いてリラックスしながら待機しましょう。
⑤企業からの着信を受け、面接スタート
指定の時間になったら着信や招待リンクから入室します。面接開始時は笑顔で挨拶し、音声や映像が正常かを確認してから本番に臨みましょう。録画式面接の場合は表示される質問や時間制限をしっかり確認して進めます。
3)オンライン面接で意識したいポイント・注意点
オンライン面接では直接対面せず限られた時間で自身の魅力を伝えるため、画面越しの印象が大きな役割を果たします。
小さなミスでも結果に影響することがあるため、事前準備とマナーの確認は対面面接以上に大切です。
オンライン面接に挑む際の重要なポイントや注意点を把握しておけば、自分の能力や熱意をより良く伝えることができ、納得のいく結果につながりやすくなります。
ここでは面接日前から当日の準備、面接中の注意点までを分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
面接日前までに気を付けるポイント

- アカウント名やプロフィールをビジネス用に整える
- 背景・照明など画面に映る環境を整える
- 模擬オンライン面接で練習とフィードバックを行う
アカウント名やプロフィールをビジネス用に整える
オンライン面接で使うアカウントの名前やプロフィール画像は、面接官が最初に目にする情報です。ニックネームやキャラクターアイコンのままでは評価に影響する可能性があります。面接用のアカウントを新しく作るか、本名とビジネスに適した写真に変更しましょう。
SNSと併用しているアカウントの場合、過去の投稿や友人からのコメントが面接官の目に触れる可能性があるため、プライバシー設定を見直しておくことも忘れずに。必要であればアカウントを分けるのも一つの方法です。
背景・照明など画面に映る環境を整える
オンライン面接では自分の背後の環境も映り込むため、背景や照明に細心の注意が必要です。自宅の場合は散らかったものや生活感のある物が映らないようにし、背景は壁や単色のカーテンなどシンプルなものを選びましょう。
また、顔が暗く映らないよう自然光の入る場所を選び、足りない場合はデスクライトやリングライトで明るさを調整します。デジタル背景や背景ぼかし機能を使う場合も、面接にふさわしいものを選ぶよう心がけましょう。
模擬オンライン面接で練習とフィードバックを行う
オンライン面接は独特の緊張感があるため、事前に友人や家族と模擬面接を行って場慣れしておくことが効果的です。面接中の話し方や姿勢、画面への映り方をチェックしてもらい、改善点をフィードバックしてもらいましょう。録画機能を使って自分の姿を見返すと、癖や表情の硬さに気付くことができます。
AI面接の場合は、AIが表情や声のトーンを分析するので、模擬面接の段階から明瞭な発声や適度な表情を意識することも重要です。リアルタイムの面接と録画面接の両方を練習しておき、どちらにも自信を持って臨めるようにしておきましょう。
面接日当日に気を付けること

- 服装は「スーツ着用」が無難
- カメラとの距離や角度に注意
- 周囲の音が入らない環境で行う
服装は「スーツ着用」が無難
自宅で行うオンライン面接でも服装は重要です。業界や職種によってはビジネスカジュアルで構わない場合もありますが、迷ったときは男女ともにスーツを着用するのが無難です。白や淡い色のシャツに暗めのジャケットを合わせると、画面越しでも清潔感と信頼感を与えます。
上半身しか映らないからといって下半身を部屋着にすると、思わぬ動作で見えてしまうことがあります。全身をビジネススタイルに整えることで気持ちも引き締まり、姿勢や所作も自然と整います。
カメラとの距離や角度に注意
カメラの位置は目線と同じ高さかやや上に設定し、上半身が画面に収まる距離を保ちましょう。目線を合わせるためには画面ではなくカメラのレンズを見ることがポイントです。カメラが低すぎると見下ろされているように映り、高すぎると見上げる形になってしまうので注意します。
姿勢は背筋を伸ばし、椅子に深く腰掛けて落ち着いた印象を与えるようにします。カメラの位置は書籍やスタンドで調整できるので、事前にベストな角度を探しておきましょう。
カメラの明るさにも注意
オンライン面接では、画面上での明るさや画質が印象を左右します。内蔵カメラの解像度や明るさ調整が不十分な場合は、外付けのWebカメラやリングライトを利用するのがおすすめです。これにより顔色や表情がはっきり伝わり、明るく清潔な印象になります。
暗い場所や逆光がある場所を避け、顔に均一に光が当たる環境を整えましょう。部屋の照明だけでは不安な場合は、オンライン面接用のリングライトやデスクライトを用意することも検討してください。
周囲の音が入らない環境で行う
オンライン面接の利点は場所を選ばないことですが、周囲の雑音が入る環境では面接官に声が届きにくく、集中力が途切れてしまいます。家族やルームメイトがいる場合は面接時間を伝えておき、静かな場所を確保しましょう。
カフェや公共の場は避け、どうしても自宅が難しい場合はホテルのテレワークプランやレンタルスペースの利用を検討してください。また、マイクが小さな音でも拾ってしまうことを考慮し、近くの家電や窓の開閉音にも注意します。犬やペットがいる家庭では面接時間中だけ別室に移動してもらうなど、事前の準備が大切です。
オンライン面接中に意識するポイント

- 面接中はスマホやPCに触れない
- 対面面接と同じで、最初と最後には必ず挨拶をする
- もし途中で通信が切れてしまっても、冷静に対処する
- ハラスメントや差別的な質問には丁寧に対応する
面接中はスマホやPCに触れない
オンライン面接では、面接中にスマートフォンやPCの操作をしないことが基本です。メモを取る場合も画面外でサッと書き留める程度にとどめ、視線が頻繁に外れないよう工夫しましょう。カンペを用意する場合はカメラの横に貼るなどして、視線の動きが不自然にならないようにします。
SNSを確認したりウェブ検索をするのは厳禁です。通知音やタイピング音は面接官にすぐ伝わりますので、パソコンやスマホの通知は事前にオフにしておき、面接に集中できる環境を作りましょう。
対面面接と同じで、最初と最後には必ず挨拶をする
オンライン面接も正式な面接であるため、基本的な挨拶は対面と同じです。開始時に「よろしくお願いいたします」とはっきり挨拶し、終了時には「ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えましょう。顔だけでなく軽く頭を下げると、画面越しでも礼儀正しい印象を与えます。
オンラインでは感情が伝わりづらいこともあるので、声のトーンや表情を少し大げさにするくらいでちょうどよい印象になります。相手の言葉にうなずいたり表情豊かに反応することで、コミュニケーションがスムーズになります。
もし途中で通信が切れてしまっても、冷静に対処する
面接中に通信トラブルが起こっても、まずは落ち着くことが大切です。接続が切れた場合は慌てずに電話やメールで採用担当者に状況を説明し、再接続を試みます。画面や音声が途切れる程度の軽微なトラブルであれば、相手に「少しお待ちいただけますか」と伝え、再接続を行いましょう。
復旧が難しい場合は、面接の再設定を依頼するなど柔軟に対応します。こうしたトラブル時の対応力も評価の対象となるため、事前に機材や回線の予備プランを考えておくと安心です。
ハラスメントや差別的な質問には丁寧に対応する
採用面接は応募者の能力や適性を公平に評価する場であり、性別・年齢・出身地・家族構成といったプライベートな情報を尋ねることは、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」で禁じられています。
面接官からこのような質問があった場合は、落ち着いて「面接と直接関係のない内容ですのでお答えを控えさせていただきます」と伝えましょう。
応募者自身もSNSやプロフィールに不適切な表現がないか確認し、相手を尊重したコミュニケーションを心がけることが大切です。お互いが人権を尊重し合うことで、面接が良い雰囲気となり、双方にとって有意義な時間になります。
【まとめ】準備を制する者がオンライン面接を制す!
このように、オンライン面接は通常の面接と違い、オンライン面接ならではのポイントや注意点がたくさんあることが分かりました。
面接の流れも通常とは異なるため、準備する道具以外にもどのような手順で進められるのかをあらかじめシミュレーションしておくことが大切です。
オンライン面接は一度きりのチャンスです。後悔しないためにも、ぶっつけ本番ではなく、事前にしっかり準備をして臨みましょう。
準備が整えばあとはリラックスしてありのままの自分でオンライン面接に挑むだけ。心から応援しています。
参考:面接のフェーズ別「質問例&回答例」紹介記事
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①序盤編(自己紹介・自己PR) 企業面接での自己PR・自己紹介をする際のポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介しています。 |
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②中盤編(志望理由・転職理由) 企業面接で必ず訊かれる「志望理由」・「転職理由」に関わる応答でのポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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③適性・職務要件確認編 企業面接で、面接官が転職者の適性、知識・スキルの確認時に訊かれる「適性・職務要件」の確認でのポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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④最終面接・役員面接・条件確認編 企業の最終面接、役員面接、条件確認時におけるポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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⑤「女性ならではの質問」編 企業面接において、女性転職者が受けやすい質問・確認について、ポイントと注意点、およびおすすめの受け答え方法を紹介しています。 |
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