転職面接時によく聞かれる質問例&回答例11選②中盤編(志望動機・転職理由)
[最終更新日]2024/07/21
「面接」と聞くと緊張や不安を感じる方が多数だと思われます。「緊張で伝えたいことがうまく言えなかったらどうしよう」「面接で不合格になるかもしれないと思うと不安」など、面接前はネガティブな気持ちになってしまいますよね。
しかし面接で聞かれる質問がある程度事前に予想できれば、答え方をしっかり準備することができ、自信につながるのではないでしょうか?
目次
1)志望動機、および「求める人材像とマッチしているか」を確認する際に受ける質問
質問①「当社を志望した理由を教えてください」
NG回答例
質問の意図
面接官は会社を選んだ理由を聞くことで、①志望度の強さ、そして②会社の理解度を知ろうとしています。
他の会社にあてはまるような理由であれば志望度は低いとみなされたり、また説明した理由が会社の魅力とずれていたり間違っていたりすると、会社の理解度は低いとみなされてしまいます。
核となる質問なので、自己分析と企業研究を徹底することが一番の近道です。
自分は仕事に対してどんな思いを持っているので、どんな会社で働きたいと思っているのか、そこでは自分のどんな部分を活かせるのかについて、論理的に答えましょう。
「当社を志望した理由を教えてください」の回答例
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御社を志望した理由は、「IT×介護」という最先端の技術を取り入れた独自のサービスを魅力的に感じたからです。
介護業界はこれからも拡大する業界である一方で人材不足を課題としており、業界に先駆けてIT分野に力を入れている御社は、独自のサービス開発で次々と新しいシステムを生み出しています。
「最先端技術で社会問題の解決に挑戦したい」とシステムエンジニアになった私にとって、御社なら自分のスキルを活かして、問題を抱える介護業界の解決に貢献できる仕事ができると思いました。
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御社を志望した理由は、御社の手掛けているWebサービスの品質の高さ、そしてメッセージ性に強い共感を持ったからです。1ヵ月前に公開された「●●●」のレポートを拝見しまして、その知見の深さと考え方に深い感銘を覚えました。
私自身も、御社が特に注力しています「●●」の分野でこれまでキャリアを築いてきたということもあり、また今後のキャリアプランとして、その分野「人々の真に役立てる情報発信をしていくこと」を心がけています。
御社で学ばせていただきつつ、御社サービス発展の力になることが大きなやりがいになるだろうと感じ、応募しました。
質問②「当社の事業内容についてどう思われますか」
NG回答例
質問の意図
自社の事業内容をきちんと理解できているのかということを測るためにされることが多い質問です。
企業研究ができていることは、すなわち志望度が高いことにも繋がります。前職で携わっていた事業とかけ離れている場合や、志望動機が事業内容を軸としていない場合は盲点となりがちなので、しっかり企業研究し会社の良い所を見つけておきましょう。
「当社の事業内容についてどう思われますか」の回答例
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医療、福祉だけでなくコンサル事業も新設するなど、医療を軸としながら様々な分野に挑戦している御社の事業内容は、新しいことにチャレンジし続けていきたい私にとって非常に魅力的な事業内容だと感じています。
中でも近年は、アフリカでの海外事業に関しては、他社も取り組んだことのない試みであり、ぜひ私も関わりたいと思っています。
-
社会人教育・研修業界のなかで、特に「組織変革」の重要性に重きを置いている御社のお考えと、その事業方針にとても興味を持っています。
よく言われている通り、組織と人の関係の有り様はここ数年で大きく変わり、企業は新たな価値観を持つ従業員とどう向き合い、組織としてもどう成長するかが問われる時代だと思います。
そのようななか、御社の「組織に関わることによって、その人がより「その人らしく」生きていける仕組みづくりをしていく」というお取り組みに大変感銘しました。私自身も、これから組織がどのような変容をしていくのか非常に興味深いですし、それが多くの人にとって望ましい変化になることを望んでいます。
御社に関われることによって、自らも大いに働きかけられるのではと思っています。
質問③「なぜ、当社が第一志望なのですか?」
NG回答例
質問の意図
志望動機が他の企業でも当てはまる内容である場合など、面接官が「なぜ当社なのか」という部分をもう少し聞いてみたいという時に聞かれやすい質問です。
上手く伝えられることができれば志望度の強さをアピールできますが、面接官の納得のいく回答でないと、他にも応募者がいる場合は落とされてしまう可能性のある重要な質問です。
もし第一志望の企業でなかったとしても、数ある会社から選んだ理由があるはずです。会社の強みと自分の思いを論理的に組み合わせ、その会社しか当てはまらない理由を準備しておきましょう。
「なぜ、当社が第一志望なのですか?」の回答例
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技術者を派遣する同業種の企業は多いですが、その中でも技術者の教育に力を入れ、技術者のキャリアを大切にする御社の姿勢に大変共感したため、御社が私の第一志望です。
前職でも派遣業に携わっておりましたが、技術者のキャリアには繋がらないような派遣の仕方に疑問を感じていました。しかし御社では技術者を教育し、新たなスキルを身に着けさせることで、会社にとっての利益だけでなく、技術者に寄り添った事業を展開しているので、ぜひ私も一緒に働きたいと思いました。
質問④「入社後どのようなことに挑戦したいですか」
NG回答例
質問の意図
入社後に任せようと思っている仕事と、応募者の描く入社後の希望にずれがないかどうかを確かめるためにされることが多い質問です。
企業の求人票には、どんな仕事をする人材を求めているのかが記載されているので、その内容に合った回答をするようにしましょう。
もし「人事担当」などざっくりした記載の場合は、自分の得意分野はもちろん、その他の分野も勉強して挑戦したいと思っているという、意欲的な回答が理想的です。
「与えられたことは何でも」という自分の意思が見られない回答はNGです。自分のやりたいこと、スキルを活かせることを回答しましょう。
「入社後どのようなことに挑戦したいですか」の回答例
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入社後は前職での経験を活かし、アプリの開発に挑戦したいと考えております。
御社では3ヵ月に1本というペースで多くのジャンルのアプリをリリースされており、そのスピードについていくには相当な勉強量と実践が必要になると思いますが、まずは早く実力を付けることを目標に励みたいです。
また教育にもチャレンジしたいと思っており、実力が付いた後には初心者向けのアプリ開発技術講座を担当し、後輩育成にも力を入れたいと考えています。
質問⑤「今の会社を選んだ理由を教えてください」
NG回答例
質問の意図
「今の会社を選んだ理由を教えてください」という質問では、面接官は応募者の仕事の「軸」と「向き合い方」を確認しています。
入社を決めた明確な理由がある場合、それを正直に話すことがいちばんだと思います。
その際に気をつける点としては、現在の志望動機(転職理由)との繋がり・一貫性を持たせることでしょう。
逆に伝えるべきではないのが、「大した理由はない」「なんとなく入社した」という回答です。
面接官からは「後先考えずに行動してしまうタイプかもしれない」と評価される恐れがあるからです。
「今の会社を選んだ理由を教えてください」の回答例
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大学時代、人間科学の科目に大変興味がって、人材開発に関わる仕事をしようと決めていました。
人事部として働くことも考えましたが、それよりもっと教育・育成に特化して働きながら学びたいと思い、現職の研修会社に入社しました。数ある研修会社のなかで今のA社を選んだ理由は、面接時に代表の人柄に惹かれたこと、またその際に「人は、他者の存在があって成長できる」という考え方を聞いて、ぜひ一緒に働きたいと思ったからです。
質問⑥「10年後のキャリアプランについて教えてください」
NG回答例
質問の意図
企業側が欲しいと考えている人材のキャリアプランと、応募者のキャリアプランがマッチするかを確認するためによくされる質問です。
基本的に会社は働き続けてほしいと考えているため、10年後のキャリアプランが上手く答えられない場合は、会社で働き続ける気がないと判断されてしまいかねません。
その会社でどんなキャリアを歩みたいのかについて答えましょう。「管理職になるつもりはない」などネガティブな答え方はNGです。意欲的な姿勢が見える答え方になるように工夫しましょう。
「10年後のキャリアプランについて教えてください」の回答例
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これまでWEBディレクターとして経験を積んでまいりましたが、将来はWEBプロデューサーの立ち位置で、サービスに関わる「人・モノ・カネ」すべてに携われる働きを目指したいと考えています。
先日、御社の「短期的な売上を目指すようなサービスではなく、利用者から長い期間親しまれ続けるサービスにしていくこと」を大切にしているという、社長インタビューの記事を拝見し、深く共感しました。
もちろんサービスの売上も重要ですが、その先に存在する顧客を第一に大切にしているからこそ、御社のこれまでの事業の発展があったのだと思います。
私自身、これまでの経験で培ったディレクターとしてのスキルを発揮すると同時に、御社の大切にしている「サービス広く長く、親しんでもらえること」について学び習得し、将来WEBプロデューサーとして御社のサービス発展に貢献していければと思っております。
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私の将来実現したい働き方は、「営業の仕組み化」です。
これまで不動産営業職として、自身の知識・スキルを高めようと努力してきましたが、それらを後輩がすぐにキャッチしていける仕組みを構築していきたいと思っています。ご存じのとおり、不動産営業は業界動向や市場の浮き沈みにも影響を受けやすく、ひとりの営業マンが永続的に業績を上げ続けることは不可能ではありませんが相応の難易度があります。
これから成長していけるであろうに、数年のスランプで挫折し業界を去ってしまう若手を見ることも少なくありませんでした。誰もが営業活動において自身の強みを発揮し、より働きやすくするための仕組みを作っていきたい──というのが、私の直近の目標です。
もちろん、そのためには私自身もまだまだ成長していかないといけませんが、いずれその仕組みを手掛け、御社に貢献できればと思っています。
質問⑦「あなたが仕事で大切にしていることは何ですか」
NG回答例
質問の意図
この質問には、応募者が仕事で何を重視し、どんなことにやりがいを感じるのかを知りたいという意図があります。
前職でのエピソードを交えながら、自分の大切にしていることを答えましょう。例えばコミュニケーション、計画性、行動力、積極性など様々なことが考えらえますが、自分の強みや自己PRとリンクした内容にするのが望ましいです。
思いつかない人は、自己分析を深めてみて下さい。自分が今まで担当した仕事を書き出し、どんなことに気を付けたのかを整理していくと、共通した価値観が見えてくるでしょう。
「あなたが仕事で大切にしていることは何ですか」の回答例
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私が仕事上で大切にしていることは「コミュニケーション」です。
お客さまから要望があった際のマニュアルはあるものの、マニュアル通りに答えていては誠意が伝わらないと考え、お客様は何をご不満に思っているのかを常に意識しながら受け答えするようにしています。
例えば「〇〇の案内が来ていない」というご意見を頂いた際には、「すでに郵送しております」ではなく、郵送しただけでは伝わらないというご不満を考慮し、郵送したパンフレットをその場でお渡ししわかりにくい案内であったことを謝罪するようにしています。
このような心掛けによって、お客さまからは「いつも頼りにしている」とお褒めの言葉を頂くことが多くなり、店舗でのお客様アンケートでは一番評価の高かったスタッフに選ばれました。
何より、受身ではなく楽しんで仕事をしている実感があります。今後も「コミュニケーション」を大事にして仕事に取り組んでいきたいと思います。
3)転職理由、および「志望動機との乖離(かいり)はないか」を確認する際に受ける質問
質問⑧「当社以外に受けている会社はありますか」
NG回答例
質問の意図
他に応募している会社を知ることで、転職活動の軸と自社への志望度の強さを測る目的のある質問です。
答えづらい質問ではありますが、「その中でも御社が第一志望です」ということが伝われば他の会社を答えるのは問題ありません。むしろ「御社のみ応募しています」というのは不自然な印象なので、他に2,3社答えるのが無難でしょう。
「当社以外に受けている会社はありますか」の回答例
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IT業界を中心に応募しています。△△社は○次選考、△△社は◇次選考まで進んでいるところです。
しかしその中でも自分の様々な現場で経験を積みたいという気持ちに最も合っているのは御社だと考えているので、志望度が一番高いのは御社です。
質問⑨「転職・退職の理由を教えてください」
NG回答例
質問の意図
企業も投資して採用・育成するからには働き続けてほしいと思っているため、退職した理由は知っておきたいポイントです。
この質問は自社でも前職と同じように退職に至らないかを確かめるために聞かれるオーソドックスな質問です。転職活動での面接では必ず聞かれると言ってもよい質問でしょう。
答えるポイントとして、先にお伝えしたように「理由をネガティブに答えない」ことです。例えば「残業が多い」が理由であったとしても、「決められた時間内でメリハリをつけて働き、ライフイベントを迎えても働き続けられる環境で働きたいと考えた」ならポジティブに捉えることができます。表現を工夫するようにしましょう。
「転職・退職の理由を教えてください」の回答例
-
前職では店舗での現場業務しかできないコースでの採用であったため、もっと全社的な視点に立った経験も積みたいと考えた結果、転職活動をしています。
前職のアパレルショップでは8年間勤務し、現場での貴重な経験を積むことができましたが、一方で商品のラインナップや店舗の立地など、店舗単位では解決できない課題に直面することも多く、全社的な視点に立って店舗をよりよくできるように取り組みたいと考えました。
店舗だけでなく本社での業務も経験できるような企業に転職し、これまで培ってきた店舗での販売経験を活かして働きたいと考えています。
質問⑩「現在(前職)の会社で不満に思っていることは何ですか」
NG回答例
質問の意図
前職で不満に思っていたことが自社でも当てはまらないか、またその不満に対してどのように行動したのかについて知るためによくされる質問です。
答えるポイントとしては、単なる不満で終わらせず行動を起こした部分もアピールすることです。当時の怒りがこみ上げるかもしれませんが、感情的にならず冷静に答えるように心がけましょう。
「現在(前職)の会社で不満に思っていることは何ですか」の回答例
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前職で不満に感じていたことは、社内研修を開催するにあたってのマニュアルが整備されていなかったことです。
毎年開催されていますが、担当者が固定されていることからマニュアルが作られていませんでした。そのため自分が引き継ぐときにとても苦労したため、上司に相談しマニュアルをこれからは作成するように変えました。
質問⑪「転職先を選ぶうえで、どのようなことを重視しますか」
NG回答例
質問の意図
転職活動の軸を知る時に使われることの多い質問です。「弊社を志望した理由は?」という質問とは切り口を変え、本当に志望度が強いのかということを測っています。
応募先の企業にも当てはまる転職活動の軸を答えましょう。転職活動の軸を定めるには、自己分析と企業研究の徹底が必要です。面接に進むことになったら再度確認することをおすすめします。
「転職先を選ぶうえで、どのようなことを重視しますか」の回答例
-
人事の経験を活かせること、また新しいことに常にチャレンジする社風の企業かどうかということを重視しています。
前職では前例をいかに正しく実施できるかということが求められたのですが、もっと社員のために新しいことにチャレンジできるような人事の仕事がしたいと考えています。
-
エンジニアとして成長できる環境であること、また共に切磋琢磨しあう仲間がいることを重視します。
御社ではエンジニアのスキルアップに向けての教育制度も充実しており、何名か社員の方の開発ブログも拝見しましたがとても共感できる内容でした。
教育が充実しており、かつ多くの社員の方々が前向きに業務に臨まれているのは、御社の「人財」を大切にする企業理念によって培われたものだろうと思っております。私もそのような会社で働きたいです。
2)志望動機・転職理由を伝える際に、大切なこと
転職面接時に必ず聞かれる「志望動機」と「転職理由」。
それらの質問に応える準備をする際には以下の4点をまず心がけておきましょう。
ネガティブな転職理由は伝えない
よく言われることですが、転職面接の際に、転職理由を「ネガティブな内容」で伝えるのはNGです。
なぜかというと、採用担当が本当に訊きたい転職理由とは「新しく我が社を選んだ理由」であって、「今の会社を辞めたい理由」が主ではないからです。
一方で、多くの人が「転職したい」と思うきっかけはまさにその「ネガティブな理由」であることが多いでしょう。
その気持ちを否定する必要はありませんが、転職活動を始める前までにはその理由だけでなく、「これから自分はどうしていきたいのか」についても目を向けるようにすることが大切です。
そのうえで、転職理由、志望動機の応え方について準備していくのです。
現役キャリアアドバイザー 武蔵野さんからの「転職面接」アドバイス①
- 武蔵野
さん -
面接時に、転職理由でネガティブなことを伝えたらまず通らない、そう思っておいた方が良いと思います。
特に絶対NGワードは「自分のことを評価してもらえなかった。」ですね。
面接官からは、「自分のことを過大評価してるだけではないか」と思われてしまいやすいです。それよりも、応募した会社になぜ入りたいと思ったのかについて、自身の今後のなりたい将来像・キャリアイメージと照らし合わせながら伝えていくのが良いと思います。
つまり、転職理由は「今後の働き方のイメージ」があって初めて伝えられるものです。そのイメージがないままで転職に臨むべきではないでしょう。
「新しいことに挑戦」を伝える際は、経験・実績+想いのセットで伝える
転職理由で、「新しいことに挑戦・チャレンジしようと思っている」ことを伝えようとしている人は多いと思います。
ただ、その想いをそれだけで伝えてしまうのはNGです。なぜなら、採用担当は「単に、自分のやりたいことを優先して仕事を選んでしまうタイプかもしれない」と誤解してしまうこともあるからです。
伝える際は、
- 転職者
-
「●●の業務を携わっていく中で、新たに■■に挑戦したいという気持ちが高まってまいりました。これまでの分野で培った▲▲の経験・実績を活かしつつ、チャレンジできればと思っております」
──というように、伝える際は「経験・実績+想い」のセットで伝えると良いでしょう。
そうすると、採用担当も転職者の話す「新しいこと」「チャレンジ」という言葉に前向きさを感じやすくなります。
これまで、そしてこれからのキャリアプランを「ストーリー」として伝える
転職理由・志望動機は、これまで、そしてこれからのあなたのキャリアプランを「ストーリー」として伝えることを意識すると良いでしょう。
つまり、箇条書きのような説明ではなく「物語」のような説明で、あなたの想いや大切にしていることが垣間見え、将来どんな風になっていくのかがイメージできるような説明をするのです。
現役キャリアアドバイザー 武蔵野さんからの「転職面接」アドバイス②
- 武蔵野
さん -
少し前に、すでに転職3社目になるという25歳女性の転職支援をしました。
本人も、短い期間で転職回数が多くなっていることを気にしていました。
案の定、転職面接では企業から「ちゃんと考えずに転職していそう」と思われてしまうことが多く、なかなか転職が決まりませんでした。そこで、「特に『転職理由』の受け答えに重点を置いて、面接対策をしましょう」と提案しました。
また、「これまでの転職は、これからのキャリアを踏むうえで必要なストーリーだった」ということを分からせるように、彼女と共に転職理由を創っていったのです。つまり、「彼女のキャリアのストーリー建て」をしたということですね。その後は転職理由の説明でつまづくことはなくなり、少しして無事に転職が決まりました。
──どういうことかというと、ストーリーとして訊かされると、相手は興味を持ちやすくなるんです。「もっとこの人について知りたい」という気持ちから「この人を社員として受け入れたい」という感情を持ちやすくなります。
また、ストーリーで伝える際は、「この人が入ったら、うちの会社でどのように役に立って、どのように成長していけるんだろう」とイメージを持たせることが大切です。
それらを意識するとしないとでは、話す内容はもちろん、企業に与える内容は断然変わってきます。
ストーリーとは、「聞いている人が納得感と共感を持てる、時系列に沿った話(=物語)」です。
あなたのこれまでがあって、そしてこれからのイメージがこうあるから、この会社に入ろうとしている──、そういったストーリーが採用担当に伝わるように、話す内容を準備しておくと良いでしょう。
自己PRの効果的な伝え方(エピソードとして話す)
エピソードを紹介する目的は、自己PRでのアピールポイントを補完することにあります。
そのため、何をアピールしているかが伝わりやすい構成を意識すると良いでしょう。
お薦めする話し方は、「イントロ」「ボディ」「エンディング」で構成される三段論法です。
まずイントロでは、自身のアピールポイントをはっきり伝えつつ、「それに関連する事柄で、以前このようなことがありました」といった物語の導入を述べて、聴き手(面接官)の注意をひかせます。
続いてボディの箇所では、具体的なエピソードを詳細に、冗長になりすぎない程度に伝えます。
エピソードの締めである「エンディング」は「このように、私には〇〇という強みがあります」と、再度アピールポイントを伝えてまとめることで、何をアピールするためのエピソードだったのかを強調します。
ポイントは、①具体的な事例を分かりやすく伝えること、そして②アピールポイントは簡潔にまとめることです。
「面接で話す転職理由が思いつかない」という場合は
「面接で話す転職理由が思いつかない」という人は多いと思います。
その場合は、以下の流れで考えを整理してみてください。
- ①3年後の「こうなりたい自分像」をリストアップする
- ②面接を受ける企業の「良いと感じた点」をリストアップする
- ③「こうなりたい自分像」と「企業の良いと感じた点」を比較して、結び付けられる箇所を線でつなげる
①と②のリストアップをなるべく多めに出しておくと、③の結び付けがしやすくなります。
そして、「この繋がりが強く出るといい」と思えるところを1~2個抽出し、それを転職理由にしていきます。
②の「企業の良いと感じた点」があまり出てこないという人は、企業研究がまだ浅い可能性があります。
企業HPの確認や競合他社との比較調査、そのほか口コミサイトなどでその企業への高評価コメントなどもチェックしておくと良いでしょう。
ポイントは、応募する企業に対して興味・関心を感じられるほど理解度を深めておくこと、そしてあなた自身の「転職で実現したい未来像」とリンクさせることです。
参考:転職面接の準備が不安な人は、転職エージェントのサポートが有効
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JACリクルートメントの活用メリットとおすすめポイント
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高年収帯の求人や、重要なポジションを募集する求人を探している人にとって、登録を検討する有力な理由となるはずです。
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まとめ)面接が深まるほど自己分析と企業研究が鍵!
面接に対する回答例が巷にはあふれていますが、面接が深まるにつれ、いわゆる「お手本の回答」だけでは面接官を納得させることは難しくなります。
面接官の質問の意図をご紹介しましたが、ほとんどの質問が「応募者はどんな人なのか」「自社をどう考えているのか」ということに帰結します。
これらについて切り口を変えて質問し続けられるので、考えが浅ければすぐにつじつまが合わなくなってしまいます。
お手本はあくまで例として、自分の考えを伝えられるよう、面接前には自己分析と企業研究を再度徹底するのがおすすめです。確固たる軸があれば、イレギュラーな質問にも対応できるでしょう。
参考:面接のフェーズ別「質問例&回答例」紹介記事
①序盤編(自己紹介・自己PR) 企業面接での自己PR・自己紹介をする際のポイント・注意点、およびよく聞かれる質問と回答例を紹介しています。 |
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②中盤編(志望理由・転職理由) 企業面接で必ず聞かれる「志望理由」・「転職理由」に関わる応答でのポイント・注意点、およびよく聞かれる質問と回答例を紹介します。※本記事の内容です。 |
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③適性・職務要件確認編 企業面接で、面接官が転職者の適性、知識・スキルの確認時に聞かれる「適性・職務要件」の確認でのポイント・注意点、およびよく聞かれる質問と回答例を紹介します。 |
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④最終面接・役員面接・条件確認編 企業の最終面接、役員面接、条件確認時におけるポイント・注意点、およびよく聞かれる質問と回答例を紹介します。 |
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⑤「女性ならではの質問」編 企業面接において、女性転職者が受けやすい質問・確認について、ポイントと注意点、およびおすすめの受け答え方法を紹介しています。 |