介護職のキャリアパス総まとめ!無資格・未経験から自分に合った道を選ぼう
[最終更新日]2024/11/01
「未経験から介護業界を目指したいけど、どんな資格を取ればいいの?」
「介護職で給料を上げたいけど、キャリアパスは?」
介護業界では取るべきとされている資格は種類が多く、一体なにをどの順番で取得すればいいか迷いますよね。
目次
1)介護職のキャリアアップでは資格が重要
介護職としてキャリアアップをするには、介護資格を順に取得していくことが重要です。
なぜなら、厚生労働省が定める介護士のキャリアパスでは、介護職員初任者研修や介護福祉士といった資格名が挙げられているからです。
厚生労働省が推奨する介護士のキャリアパス
介護人材の養成体系を整理し「初任者研修修了者→介護福祉士→認定介護福祉士」をキャリアパスの基本とする。
参照:厚生労働省「今後の介護人材養成の在り方について(平成23年1月 今後の介護人材養成の在り方に関する検討会報告書概要)」
多くの介護施設や介護系の企業では、面接時に介護資格の有無を見られます。資格を所持していることで待遇も高く設定されやすくなるでしょう。
そのため、介護業界の就職・転職を検討しているのであれば、資格とそれに伴う適切なキャリアパスを理解しておく必要があります。
2)介護職の資格とキャリアパスを徹底解説
ここからは具体的な介護資格と、厚生労働省が定めるキャリアパスについて詳しく解説します。
これまでの介護資格とキャリアパス
最新のキャリアパスを理解しやすくするために、まずは過去に厚生労働省が定めていたキャリアパスを紹介します。
従来は「ホームヘルパー2級」「ホームヘルパー1級」「介護職員基礎研修」そして国家資格の「介護福祉士」という資格が、代表的な介護資格として存在しました。
しかしどの資格からでも介護福祉士を目指せたり、重要な知識が下位資格の講習で組み込まれていなかったりと、内容が複雑化していたのです。
そのため平成19年に安定した介護人材の確保等を目的とし、資格取得方法が見直されています。なお、現在定められているキャリアパスは以下の通りです。
それぞれの介護資格が次の資格に繋がっているため、キャリアパスが分かりやすくなりました。
では、これらの介護資格はどんな内容で、受講資格や取得条件はどうなっているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
介護職員初任者研修
受講資格 | 特になし |
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受講時間 | 130時間 |
取得条件 | 130時間の講習を受け、筆記試験に合格 |
受講料の目安 | 5万円~15万円ほど(研修実施校によって異なる) |
介護職員初任者研修は「介護職のスタート資格」とも言われており、介護に関する基礎知識を身につけるにはピッタリの研修です。
一度も介護に携わったことのない人を想定しているため、介護の歴史や基本的な介助技術の実践など、0から丁寧に教えてもらえます。
取得までの時間も3ヵ月程度です。
「介護業界に興味はあるけど、何から勉強を始めたら良いかわからない…」という方は、介護職員初任者研修の受講を検討するとよいでしょう。
介護福祉士実務者研修
受講資格 | 特になし |
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受講時間 | 450時間(初任者研修を修了している場合は一定時間の免除あり) |
取得条件 | 450時間の講習を受け、筆記試験に合格 |
受講料の目安 | 10万円~20万円(初任者研修を修了している場合は一定額の免除あり) |
介護福祉士実務者研修は旧ヘルパー1級、介護職員基礎研修にあたる資格です。介護職員初任者研修の次に取るべき資格とされています。
内容としては介護職員初任者研修で習う内容に加え、「たん吸引」「経管栄養」などの医療的ケアについても学べます。学習範囲は広いですが、そのぶん仕事の幅が広がりやすいです。
また介護福祉士実務者研修は、上位資格である「介護福祉士」の受検資格の1つとなっています。
他にも訪問介護におけるサービス提供責任者など、様々なキャリアで必要とされているのが大きな特徴です。
介護福祉士
受験資格 | (実務経験ルートの場合)実務経験3年以上+介護福祉士実務者研修の修了 ※例外あり (養成施設ルートの場合)指定された養成施設を卒業 |
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取得条件 | (実務経験ルートの場合は)筆記試験での合格 |
受験手数料 | 約2万円(2024年11月現在) |
介護業界で唯一の国家資格が「介護福祉士」です。
介護職のプロフェッショナルとして専門知識や技術を習得していることはもちろん、経験を生かして他の介護職を指導するリーダーとしての役割も求められます。
また介護福祉士の所持により評価は上がるため、給料アップなどの好待遇を受けやすくなります。
3)介護福祉士の資格取得後に目指せる主なキャリア
介護福祉士を取得した後のキャリアは、主に以下が挙げられます。
介護支援専門員(ケアマネージャー)
受験資格 | 5年以上の業務経験 |
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取得条件 | ケアマネージャー試験に合格+介護支援専門員実務研修を修了 |
受験手数料 | 8,000円~9,000円(2024年11月現在) |
介護支援専門員(以下ケアマネ)は、介護サービスが必要な利用者の介護計画を立てるなどの「ケアマネジメント」をする仕事です。
ケアマネによる介護計画に基づいて、施設および介護士は利用者へのサービスを行います。そのため、介護に関する専門知識だけでなく、関係各所との円滑なコミュニケーションが求められます。
生活相談員
受験資格 | — |
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取得条件 | 特になし(ただし、企業・事業所からは「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」などの資格が求められることが多い) |
受験手数料 | — |
生活相談員はソーシャルワーカーとも呼ばれており、利用者や家族との相談業務・調整・手続きなどをする仕事です。介護サービスにおける連携や調整関連全般を担っている仕事といえます。
生活相談員は資格ではなく職種の1つです。ただし、専門的な業務内容になるため、企業・事業所からは「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」などの資格を求められることが多いです。
相談業務に興味関心があったり、介護サービスのあらゆる分野に携わりたい方に、おすすめの職種です。
認定介護福祉士
受験資格 | 介護福祉士として5年以上の実務経験 |
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取得条件 | 認定介護福祉士養成研修Ⅰ類・Ⅱ類の受講、修了 |
受験手数料 | 約60万円(※非会員の場合。都道府県の介護福祉士会の会員の場合は30万~40万円 2024年11月現在) |
認定介護福祉士は介護福祉士よりもさらに高い能力を有し、介護職のキャリアパスでは最終ゴールとされている民間資格です。
役割としては他職種・地域との連携、リーダーとしての人材育成などが求められます。
必須とされている実務経験が「5年以上」と長く、取得難易度の高い資格です。
施設長
介護施設の施設長や管理者になることも、キャリアパスでは選択肢の1つです。
施設長になるには介護施設の種類によって必要な資格が異なります。例えば特別養護老人ホームであれば、「社会福祉主事の要件を満たす」「社会福祉施設長資格認定講習会を受講」などの条件を満たす必要があるのです。
なお、施設長は多角的な視点、専門的な知識、リーダーとしての役割など総合的な能力が求められるため、通常の介護士よりも数万円~10数万円程度給料が上がります。
キャリアチェンジ(理学療法士・作業療法士・看護師など)
介護福祉に関わる仕事として、以下の職種にキャリアチェンジするのも選択肢の1つです。
理学療法士 | 機能訓練(身体面のリハビリが中心) |
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作業療法士 | 機能訓練(日常生活に必要な動作のリハビリが中心) |
看護師 | 医療行為を幅広く行う |
専門的な知識を学習・実践する必要はありますが、「介護経験×理学療法士」「介護経験×看護師」といったスキルの掛け合わせができれば、多くの介護企業から求められる人材になれます。
そのため医療やリハビリに興味がある方は、上記の職種へのキャリアチェンジもおすすめです。
4)介護職の給料目安を資格とキャリアパスごとに紹介
ここからは介護資格・キャリアパスごとの一般的な給料目安を紹介します。
資格・職種 | 給料目安 |
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資格なし | 260,560円 |
介護職員初任者研修 | 281,550円 |
介護福祉士実務者研修 | 289,700円 |
介護福祉士 | 310,620円 |
ケアマネージャー | 345,820円 |
生活相談員 | 318,660円 |
施設長 | 359,357円 |
看護職員 | 368,560円 |
参照:
・厚生労働省 平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要
・厚生労働省 平成30年度介護労働実態調査 Ⅲ労働者の個別状況 所定内賃金
上記は勤続年数が長い職員や、賞与・処遇改善手当などを含みます。そのため。求人でみる給料よりも多く感じますが、キャリアアップを図るにつれて給料が上がっていく事実は見受けられます。
資格が多くなるにつれて給料が上がりますので、他の業界と比較しても目標設定やモチベーションの維持をしやすいでしょう。
5)自分に必要な介護士の資格やキャリアパスを知りたいなら、転職エージェントに相談しよう
介護業界へ就職や転職をする際、資格やキャリアパス以外にも「施設の種類」「地域」などによって給料や待遇は大きく変わります。
そのため介護業界において多くの情報を持つ介護転職のプロに相談することで、自分が希望する条件の施設を漏れなく把握できるのです。
今回はそんな介護向けのおすすめ転職サービスを4つ厳選しました。「少しでも情報の漏れを失くしたい…」という方は参考にしてください。
レバウェル介護
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介護系転職サービスでトップクラスの求人数。担当エージェントのサポート品質においても高評価の高いサービスです。
レバウェル介護は介護・福祉に特化した転職サービスの中ではとくに求人数が多く、「なるべく多くの介護求人を比較検討したい」人におすすめです。
求人紹介やサポートを介護・福祉業界に詳しいエージェントが担当してくれるため、様々な希望条件を適えながら適切な求人紹介をしてもらえるでしょう。
なお、レバウェル介護では派遣社員として登録をする方向けに介護未経験・無資格の転職者のサポートも行っています。
転職を機に介護職の仕事デビューをしたい人も、レバウェル介護はおすすめです。
サービスを利用した人の評判・口コミからは、「担当エージェントのサポート」に対する高評価が多数見受けられます。
レバウェル介護の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約23万件(2024年11月現在) |
レバウェル介護は正社員向け転職と派遣社員転職とで窓口が分かれています。派遣社員として働くことを予定している方はこちらよりご登録ください。
かいご畑
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「介護職の仕事は未経験/経験が浅い…」という人におすすめのエージェントです。資格取得サポートなど、実務経験を積むための様々な支援を受けられます。
かいご畑は介護・福祉系の転職支援に特化した、転職エージェントです。
同サービスの大きな特徴は、「無資格/未経験からの転職支援に強い」、「働きながら資格取得できる仕組みがある」の2点。
サポートにあたっては転職者一人ひとりに専任のコーディネーターが就き、現在の経験と希望条件をヒアリングしたうえで、キャリアへのアドバイスと求人紹介を行ってくれます。
働きながら資格取得を目指せる「キャリアアップ応援制度」では、介護職の中級・上級資格である「実務者研修」「介護福祉士」への対策講座を無料で学べます。
「まずは業務に慣れてから、徐々にキャリアアップを目指したい」人に、かいご畑はとくにおすすめです。
かいご畑の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 北海道、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、静岡、愛知、大阪、京都、神戸、広島、福岡 |
公開求人数 | 約9,000件(2024年11月現在) |
「まずは業務に慣れてから、徐々にキャリアアップを目指したい」人は、かいご畑の「キャリアアップ応援制度」の活用がおすすめです。
マイナビ介護職
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「福利厚生が充実」「教育制度が整っている」などのホワイト企業の求人が多いと評判のサービス。担当のサポートも手厚いです。
マイナビ介護職は、介護転職者からの認知度No.1(※GMPリサーチ株式会社調べ 2021年7月)を獲得した、介護職専門の転職エージェントです。
大手介護施設・事業所や待遇のよい求人が多いのが特徴です。
サービスを利用した人の評判・口コミからは、「担当エージェントのサポート」に対する高評価の声が多く見られます。
介護業界に詳しい担当エージェントがマンツーマンで、希望条件をヒアリングしたうえで、マッチする求人を紹介してくれます。
書類添削や面接対策といったサポートにも力を入れており、志望動機や自己PRの作成にも役立つでしょう。
マイナビ介護職の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約7.9万件(2024年11月現在) |
マイナビ介護職の活用メリットの一つに「離職率や職場環境などの、詳細の施設情報を知れる」ことがあります。企業研究の際は担当からの情報を有効活用しましょう。
ジョブメドレー介護
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介護職向けの求人数は国内No.1!バリバリ正社員で働きたい人から未経験・復職向けまで幅広い案件を確認できます。
ジョブメドレー介護は、介護職専門の転職エージェントです。
同サービスのメリットは何といっても求人数の豊富さにあります。
介護職関連の求人約25万件(2024年11月現在)という数字は、国内の介護特化の転職サービスの中でもトップクラスです。
また、介護・福祉業界のおよそ18種類の職種から求人を絞り込むこともできるほか、「サービス形態」「給与・待遇・福利厚生」「こだわり条件」などから細かい検索が可能です。
なるべく幅広く求人を比較したい人に、ジョブメドレーは適しているでしょう。
サービスを利用した人たちからは、「求人の幅広さ」「スカウトメールが届く」ことへの高評価のコメントが多く見られます。
ジョブメドレー介護の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約25万件(2024年11月現在) |
ジョブメドレー介護のサービスは求人サイトがメイン。担当者からのサポートはありませんので、不安な方はレバウェル介護やマイナビ介護職といった介護職向けエージェントを併用しておきましょう。
まとめ)介護士を目指すならキャリアパスと資格の理解は大事
これから介護士を目指したい方や、キャリアアップを図りたい方は、まず「どのような資格の種類があるのか?」「どのようなキャリアパスが定められているのか?」の二点を把握しましょう。
そのうえで介護職のプロフェッショナルになりたいのか、マネジメント関連の仕事をしたいのか、医療関係の仕事にも挑戦したいのかなど、自分の希望とすり合わせていくと効率的にキャリアアップを行えます。
日々最新情報を集めながら、長期的な視点で介護職としてのキャリアを定期的に考えておきましょう。