転職フェアって行ったほうが良い?転職フェアが向いてる人・向いていない人
[最終更新日]2024/06/14
電車内や駅の広告スペースで、よく「転職フェア」の広告を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
大手の転職サービスが開催するイベントの場合、参加企業が数多く列記されていることもあります。
実際に転職を考えている人のなかには、まだ参加したことはないものの興味を持っている方もいるはずです。
また、参加することによって得られるメリットがあるのかを知りたい方もいらっしゃることでしょう。
目次
1)そもそも「転職フェア」とは?
転職フェアは、企業の担当者と直接話ができる場
「転職フェア」とは、転職希望者を対象にした、合同の企業説明会のことです。
開催する転職サービスによって規模に違いはありますが、複数の企業が集まることに変わりはありません。
学生時代に就職活動で参加した合同企業説明会と同じように、基本的に参加は無料、予約も不要、入退場自由のイベントとなっています。
転職フェアの会場では、企業ごとにブースが設けられており、人事担当者や現役の先輩社員によって、企業風土や職務内容、求めている人材、採用条件などの説明を直接受けることが可能です。
そして何より、書類選考なしに企業の担当者と話ができる機会となっています。
また、転職サービスが開催しているので、会場内にキャリアコンサルタントによる相談コーナーが設けられるのが一般的です。
業界や職種、キャリアプランが不明確で、「何となく転職を検討している」という方も、企業担当者やキャリアコンサルタントとコンタクトを取ることにより、自身の進みたい方向が明確になるかもしれません。
転職フェアにはどんな種類がある?
ひとくちに「転職フェア」と言えども、対象とする転職者やイベント規模には違いがあります。
大きな区分としては、以下の3種類が挙げられるでしょう。
- 大型合同説明会
- 業界・職種特化型説明会
- Web完結型説明会
大型合同説明会
大規模イベント会場にて、業界や職種を問わず多数の企業が出展する転職フェアです。リクナビNEXTやdodaなど、大手転職サービスが開催することが多いです。
有名企業の出展や著名人の講演等のイベントが催されるなどもあって、非常に多くの参加者が訪れます。
画像引用元:doda「転職フェアコラム」
業界・職種特化型説明会
「IT・Web業界」や「観光業界」などの特定の業界、または「ITエンジニア」や「営業職」などの特定の職種に絞って行われるイベントです。
開催される無料セミナーや企業担当との対話から、その分野における市場動向や最新のトレンドに触れられるため、業界研究等のリサーチ・情報収集の目的で訪れる参加者も多いです。
画像引用元:女の転職type「2020年10月31日(土)渋谷ヒカリエにて女性の転職イベント開催!」
Web完結型説明会
企業の採用セミナー(説明会)等をインターネットでライブ配信する形式のオンラインイベントです。
他の形式の転職フェアと比べると参加企業は少なくなりますが、現地に足を運ぶことなく参加できること、また開催後のセミナーもアーカイブ配信としてあとから観られる、チャット機能で企業担当に個別で質問・相談できる等の「オンラインならでは」のメリットがあります。
画像引用元:doda「ITエンジニアのためのdoda転職フェア セレクトオンライン」
2020年以降はコロナ禍の影響もあって、オンライン形式の転職フェアも増えてきています。
転職フェアの開催スケジュールはどこで確認できる?
転職フェアの開催スケジュールは、doda、マイナビ転職、リクナビNEXT、type転職などの各転職サイトで確認できます。
そのほか、国内の転職フェアや企業合同説明会などのイベントスケジュールを紹介する「合説どっとこむ転職」というサイトもあります。
画像引用元:「合説どっとこむ転職」
転職フェア当日の持ち物や服装は?
実際の企業の採用面接とは違い、気軽に参加できることが転職フェアのメリットではありますが、「そうは言っても服装や持ち物など、ある程度の指定はあるのではないか」、気になりますよね。
基本的にはどの転職フェアも、服装や持ち物にはこれといった指定がされていないことが多いです。
しかし、実際に転職フェアの開催地に赴くと、ほとんどの転職希望者がスーツ姿で来ていると思います。
服装に指定は無くとも、企業の担当者と直接顔を合わせる機会があるからこそ、スーツ姿は働く姿をイメージしてもらいやすくなります。
また、当日はブースにて「履歴書用写真撮影」を実施している転職フェアもあります。
企業担当者の話も聞けて、書類用の写真も撮れるのは一石二鳥です。
万が一、当日スーツが用意できなかった場合は、清潔感の感じられるオフィスカジュアルで向かうとよいでしょう。
持ち物は、企業担当者のお話を聞ける機会ですので、筆記用具とメモ帳は必須です。
その他に必須でなくともあると便利なものとして、「履歴書」「職務経歴書」があります。
会場にはキャリアアドバイザーによる相談ブースも用意されていることが多いため、これまでの経歴が一目で分かると、より詳細なアドバイスをもらうことができます。
また、企業によっては当日に応募書類を受け付けてくれるところもありますので、事前に用意しておいて損はないでしょう。
2)転職フェアのメリット・デメリット
転職フェアのメリット
転職フェアのメリット#1 採用担当者と直接話すことで会社の雰囲気がわかる
通常の転職活動では、書類選考を経て面接に進まなければ、人事担当者と会うことができません。
そのため、企業風土や社内の雰囲気を垣間見るのが難しく、採用されても入社後にミスマッチを感じる可能性もあります。
ですが転職フェアでは、企業ごとにブースが設けられているので、直接採用担当者と話せる機会があります。
応募前に詳しい仕事内容や企業理念などについて知ることができるので、そのぶんミスマッチの回避もしやすくなります。
また、通常の面接時と比べると、転職フェアは比較的ラフな雰囲気なので、面接時には聞きにくい内容も気軽に質問できます。
転職フェアのメリット#2 短時間に複数の企業と接触し、比較検討ができる
転職フェアには、数多くの企業がブース出展しています。
そのため、短時間に複数の企業の採用担当者と話をしたり、情報収集をすることが可能です。
本命企業の話を聞くことがメインだったとしても、当日出展していた別の会社の話を聞くことで、希望とは異なる業界や職種への興味が湧く可能性もあります。
また、同業他社が複数出展している場合は、企業風土や待遇の違いを比較検討できます。
何となく立ち寄った企業ブースの採用担当者に話を聞き、その人柄や社風にほれ込んで応募する人も少なくありません。
転職の選択肢を増やす意味でも、転職フェアへの参加はおすすめです。
転職フェアのメリット#3 ブースでの話をきっかけに面接に進める可能性がある
企業ブースを出展する企業は、自社のニーズに合う人材と出会うことを求めて参加しています。
そのため、採用担当者が話をした来場者の意欲や人柄に感じるものがあった場合、書類選考や一次面接を免除して、最終面接に来るように誘うことがあります。
その場合は、面接日程を調整してくれるなどの優遇措置が受けられたり、面接時もより深い質疑応答ができるというメリットがあります。
また、中小企業が出展する転職フェアで社長に気に入られ、その場で内々定が出るケースもあるようです。
転職フェアには、転職サイトには求人を掲載していない企業も出展しています。
これまでにない求人と出会える可能性も高いのです。
転職フェアのメリット#4 転職活動やキャリアアップに生かせる
転職フェアに参加するのは、希望の業界や職種、応募企業が明確な人ばかりではありません。
そのため転職フェアには、転職活動の進め方に関するセミナーや、キャリアコンサルタントによるカウンセリングコーナーも設けられています。
業界研究やキャリアの棚卸しや、キャリアプランの再構築の方法を教わったり、書類選考を通過するために不可欠な履歴書と職務経歴書の書き方、面接での自己アピール方法について、転職のプロに直接話を聞いて学ぶことができます。
また、転職するかどうか迷っている人は、キャリアコンサルタントのカウンセリングを受けることで、自分のキャリアや仕事への考え方を整理する機会にもなります。
転職フェアのデメリット
転職フェアのデメリット#1 必ずしも転職したいと思える企業と出会える保証はない
転職フェアは、開催する転職サービスや地域、時期によって、出展する企業が変わります。
そのため、時間をとって転職フェアに足を運んでも、必ず応募したいと思える企業が出展しているとは限りません。
また、出展企業が少なかったり、前回と顔ぶれが変わらず、有意義な情報収集に繋がらない可能性もあります。
転職フェアを有効活用するためには、参加者の事前準備がどれだけ行われているかも、大事なポイントになるのです。
転職フェアのデメリット#2 ライバルの多さに圧倒されることもある
大手の転職サービスが開催する転職フェアは、広い会場で行われることが多いです。
その場合、出展企業も数百社にのぼり、それに比例して来場者も増えます。
つまり、来場者は転職活動ではライバルになるので、その人数の多さに気圧されてしまう人がいるのも事実です。
特に希望の企業ブースに長い行列ができていると、「こんなに人気のある会社なのか…」とハードルの高さを感じる可能性もあるでしょう。
転職フェアのデメリット#3 人気企業のブースの待ち時間が長く、数多く回れないこともある
転職フェアには多数の企業が出展しますが、なかでも目玉となる人気企業があり、来場者が集中する傾向が強いです。
そのため、時間によっては企業ブースに行列ができてしまい、待ち時間が長くなることも珍しくないのです。
人数が多ければ、採用担当者と話す時間が短くなってしまい、思うようにアピールできずに終わるケースも少なくありません。
本命企業の話を聞くために、長い待ち時間を過ごすことで、ほかの企業の話を聞くチャンスを逃してしまう可能性もあります。
その結果、自分の選択肢を狭めることもありえる点は、デメリットといえるでしょう。
3)転職フェアに向いている人・向いていない人
ここまでの内容をもとに、転職フェアへの参加に向いている人と向いていない人の特徴をまとめておきたいと思います。
転職フェアに向いている人
- 転職フェアに参加している企業に「興味のある企業が含まれている」という人
- 一度にたくさんの企業の話を聞きたい人
- 転職活動へのモチベーションを上げたい人
- どんな状況でも自己主張ができる人
転職フェアへ参加する企業は、事前にサイトなどで知ることが可能です。
もしも興味のある企業があるようでしたら、足を運んでみて損はないでしょう。
また、メリットでも触れましたが、複数の企業とコンタクトが可能な場はなかなかありません。
多くの企業担当者の方と話ができるのは、転職のモチベーションを上げることにも繋がります。
また、転職フェアは、実際の採用面接の「練習の場」と考えることもできます。
無料で参加が可能なため、そこでの時間の過ごし方によってこの先の転職活動へポジティブに働きかけていくこともできます。
転職フェアに向いていない人
- 応募したい企業がすでに決まっている
- 転職フェアに参加している企業(または業界)に、あまり興味を持てない
- 人混みが苦手
- ライバルが多いと自信を無くしたり焦りを感じる
反対に、既に行きたい会社が自分の中で決まっていたり、参加企業に関心を持てないようであれば、たとえ参加したとしてもあまり有益な情報は得られないかもしれません。
また、当日は実に多くの転職者が集まることが予想されます。
人混みが苦手だったり、それだけ多くの人が転職を考えているという事実にプレッシャーに感じてしまうおそれがある場合も、無理して足を運ぶ必要はないと思います。
4)転職フェアを「有意義な機会」にするためのポイント3つ
転職フェアは、参加すればよいというものではありません。
転職成功のための有意義な時間にするためには、参加者の事前準備や心構えがきちんとできているかどうかも、大きく影響します。
転職フェアを有意義にするポイントは次の3つです。
「ただ何となく行こう…」ではなく、転職フェアに行く「目的」を作る
転職フェアへの参加を決めたのなら、その目的を明確にしましょう。
目的は
- 転職を希望している参加企業の話を聞く
- 希望の業界や職種の会社から1社でも多く話を聞く
- 興味のある未経験業界や職種の話を聞く
- 同業他社を数多く回って、比較検討する
- 転職活動に必要なノウハウを学びに行く
など、人によってさまざまです。
転職フェアでやりたいことを整理して、優先順位をつけておくことで、時間も有効活用できます。
また、企業ブースでの面談を自己アピールのチャンスにしたいなら、きちんと企業研究をしたうえで、採用担当者と話すのがおすすめです。
ただ何となく参加するだけでなく、転職フェアを最大限に活用できるよう、「目的」を作っておきましょう。
「企業(業界の人)と直接話ができる」機会を大切に
転職フェアでは、通常なら書類選考をパスし、面接まで進まないと会うことができない採用担当者と直接会えるチャンスです。
また、応募を検討している企業の社風や職場の雰囲気を掴める機会でもあります。
応募後のミスマッチを避けるうえでも、事前に企業研究を行い、確認しておきたいことを質問事項としてまとめ、直接聞いてみましょう。
その際、待遇などすでにオープンになっている情報ではなく、入社後のキャリアパスやどんな人材が活躍しているのかを聞いてみると、それぞれの企業の社風の違いがわかり、比較検討がしやすくなるはずです。
「振り返り」をして自分の興味・関心の在り処を確認しよう
実際に参加してみて、どんな印象を受けたのか、企業ブースでの面談で得た情報は何かなど、しっかり振り返っておくことが必要です。
自分はきちんと挨拶ができていたか、質問したいことをヒアリングできたかなど、細かくチェックしてみましょう。
そして、自分の転職活動にプラスになったかどうか、自身の気持ちも一緒に整理します。
転職フェアは複数の転職サービスが開催するものに参加し、なるべく多くの企業に触れるのがおすすめです。
その際に、「前回参加した時に、これを聞いておけばよかった」といった改善点を、次の転職フェアで生かすと、より有意義な時間を過ごすことができるでしょう。
5)転職フェアをよく実施している転職サービス
転職フェアは、さまざまな転職サービスが行っています。
なかでも開催回数が多い、大手転職サービスの転職フェアを、いくつかご紹介したいと思います。
開催地 | 特徴 | |
---|---|---|
doda転職フェア | 関東・関西・東海・九州 ※オンライン開催もあり | 経験・スキルを活かせる企業や職種を集めたイベントも行われる |
マイナビ転職EXPO | 北海道・東北・関東・東海・関西・中国・九州 | 国内最大級の規模とエリアを誇る転職フェア |
リクナビNEXT転職フェア | 関東・関西・東海 | 若手・転職初心者向けの「はじめての転職フェア」が人気 |
@typeエンジニア転職フェア | 関東・関西 ※オンライン開催もあり | エンジニア系企業に特化した転職フェア |
dodaの「doda転職フェア」
転職サービス業界の大手が行う「doda転職フェア」は規模が大きく、※来場者数、出展企業数No.1のイベントです(※東京において)。
異業種転職も含めて一度に多数の企業と接触したい、あるいは過去の経験を生かせる会社を探すために一社一社とじっくり話ができるなど、参加者の意思でイベントを選べると評判です。
イベントの開催日数も多く、関東や関西はもちろん、東海や九州でも行われます。
また、職種・経験等でターゲットを絞って開催する「転職フェア セレクト」も随時開催しています。
また、doda転職フェアは2021年以降オンラインでの開催も活発です。詳しくは、公式サイトをご覧ください。
画像引用元:doda「キャリアを一歩前に進める!営業経験が活かせるお仕事のdoda転職フェア セレクト オンライン」
マイナビエージェントの「マイナビ転職EXPO」
マイナビ転職EXPOは、転職希望者のなかでも20代の若手の比率が高いのが特徴です。
開催地は、北は北海道札幌市から、南は福岡県福岡市まで、全国各地で行われています。
会場内にイベントコンシェルジュが配置され、来場者の希望にマッチするブースまで誘導してくれるのも魅力です。
また、キャリアアドバイザーによるキャリア相談のコーナーや履歴書用写真の撮影コーナーも設置されています。
マイナビ転職EXPOの今後のスケジュールなどの詳しい情報は、公式サイトをご覧ください。
リクルートエージェント(リクナビNEXT)の「リクナビNEXT転職フェア」
転職サービスの老舗であり最大手のリクルートが開催しているのが、「リクナビNEXT転職フェア」です。
特に初めて転職する20代の若手社員が数多く参加する、「はじめての転職フェア」の人気が高いといいます。
参加企業数の豊富さにも定評がありますが、セミナーや相談会が同時開催されているので、自分のキャリアの棚卸しやキャリアプランの再構築を検討している段階の人が参加しても、十分に意義のあるイベントです。
リクナビNEXT転職フェアの開催情報は公式サイトから確認できます。
type転職エージェントの「@typeエンジニア転職フェア」
エンジニアに特化したイベントに参加したいなら、「@typeエンジニア転職フェア」がおすすめです。
開催は年に4回と少ないものの、IT系はもちろん、機械メーカーをはじめとするモノづくりの企業も多数参加しているので、異業種転職のチャンスがあり、多数の来場者が参加しています。
職種がエンジニアに特化されているため、来場者がスキルとキャリア、希望する企業、仕事の志向性などを登録しておくことで、出展企業がスカウトメールを来場者に送信に、マッチングするというサービスも受けられます。
@typeエンジニア転職フェアは現地・オンラインともに開催されています。興味のある方は公式サイトをご覧ください。
まとめ)事前準備をしたうえで転職フェアに参加しよう!
今回は、転職フェアのメリットとデメリット、どういう人が参加に向いているのかについてお伝えしました。ここまでの内容をまとめましょう。
- 転職フェアは一度に複数の企業と接触できるチャンス
- 書類選考抜きで採用担当者に複数会えるので、情報収集や自己アピールに最適
- 目的意識が不明確、あるいは自己主張が苦手な場合、自身を無くす可能性もある
- 転職フェアへの参加を有意義なものにするために、事前の準備が不可欠
この記事を読んで、転職フェアへの参加が自身の転職活動にとってメリットになりそうな方は、一度参加を検討してみてはいかがでしょうか。