ベンチャー企業の役員候補・役職付きに転職するには?メリットと注意点
[最終更新日]2024/12/12
多くのベンチャー企業が生まれて、新しいサービスやビジネスが展開されている昨今は、その幹部候補や役員候補への転職もひとつのパターンとして検討されるようになっています。
大企業にはない身軽さや、個人にとってのやりがいが魅力のベンチャー企業への転職は、新しい道を切り開く可能性として注目されているのです。
目次
ベンチャー役員クラスへの転職におすすめの転職サイト・エージェント
サービス名 | doda X |
リクルートダイレクトスカウト |
JACリクルートメント |
ビズリーチ |
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メリット |
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デメリット |
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公開求人数 | 約6.1万件 | 約40万件 | 約2.1万件 | 約14万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
対象地域 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年12月時点のものです。
1)まずは、ベンチャー役員・幹部の形態をおさらい
そもそもベンチャー企業における幹部や役員は、どのような仕事をする役職なのでしょうか。
COO(執行責任者)CFO(最高財務責任者)CTO(最高技術責任者)、そして経営責任者であるCEOの詳細を確認して、改めてその役割を把握しましょう。
【CEO】「経営責任者」の役割・仕事内容
会社の経営に関する方針や具体的な事業計画を発案し、企業全体の最高経営責任者となるのがCEOです。
日本では代表取締役や社長といった役職に近く、それらの地位にいる人たちが名刺などにCEOを採用することもあります。
ベンチャー企業においては、一般的に起業時のメンバーがCEOを務めることが多いため、直接の転職は難しいと考えられるでしょう。
ベンチャー企業の幹部候補や役員候補への転職を検討するのなら、CEO以外の役職から最高責任者をサポートすることがメインになります。
【COO】「執行責任者」の役割・仕事内容
いわゆる組織のナンバー2となるCOOは、CEOの決定を現場に下ろしていく役割を担いつつ、日々の業務を執行していく職業です。
CEOが考える企業のビジョンを実現していくための行動が、主な業務内容になるでしょう。
過去にはCOOを設定せずに、CEOがすべてを賄っているケースが多かったですが、近年は負担を分散させるために、CEOのサポートとしてCOOを募ることも増えています。
しかし、現場と深く関わる仕事が多いことから、従業員からの信頼が足りないと上手く責務を果たせない可能性もあります。
ベンチャー企業のCOOに転職するのなら、現場と信頼関係を築くことの重要性を、事前に理解しておく必要があるでしょう。
【CFO】「最高財務責任者」の役割・仕事内容
ベンチャー企業の財政戦略を担当し、計画立案と執行を仕事とするのがCFOです。
経営に欠かせないお金についての責任者であり、コスト管理やビジネスにおける利益追求が役割となるでしょう。
金融に関する知識はもちろん、資金調達に関わる交渉力や将来的な財政管理のアイデアを出すことなども、CFOに求められる可能性があります。
さらに従業員数の少ないベンチャー企業だと、その他あらゆる事業に携わることも考えられるので、転職の際には過去の実績から「こういったことができる!」とアピールするのもポイントです。
【CTO】「最高技術責任者」の役割・仕事内容
企業における技術面の最高責任者であるCTOは、現場をまとめあげたり実践的なアドバイスを行ったりすることが仕事になります。
開発のインフラ整備や個人の適性を考慮した人員の配置など、企業の生産性を高めるためのサポートが役割となるでしょう。
実際に現場で働いていた経験も優遇される理由となるので、CTOへの転職を考える際には過去の経歴を活かせるのが理想となります。
他にも技術者が抱きがちな不満や問題点を理解し、各役職に改善の要請を伝えることもときには必要となるため、職場全体を広く観察する力がCTOの仕事には求められるでしょう。
2)ベンチャーの役員・幹部転職の傾向は成長フェーズによって変わる
「そもそも、いきなりベンチャー企業の幹部候補や役員候補に転職できるの?」と、疑問に思われることもあるかもしれません。
しかし、ベンチャー企業ならではの成長フェーズを理解できれば、幹部候補や役員候補への転職が、現実的なものであることがわかるでしょう。
以下からベンチャー企業の成長フェーズごとの特徴を確認して、実際の転職時に考えられる可能性についてイメージしてみてください。
「ベンチャー役員・幹部」の転職は、企業の成長フェーズによって大きく特徴が変わる
ベンチャー企業の成長フェーズ
フェーズ | 説明・求められる働き方イメージ |
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シード | ベンチャー企業発足の準備段階のステージで、経営における地盤づくりがメインの業務となる時期です。 検討しているビジネスモデルや業務のコンセプトを実行していくために必要な行動を、個々の従業員が自ら考えて実行し、それらをまとめるチーム力が重視されるでしょう。 |
アーリー | ベンチャー企業として確立し、創業して間もないタイミングを指します。 利益や売上データが充実していない時期なので、多くの資金が必要となることが一般的です。 |
ミドル | 企業の名前や事業内容が認知されはじめる時期であり、市場に対しての本格的な展開が考えられるフェーズです。 将来を見据えた投資が行われやすいタイミングでもあるため、人材の確保が積極的に実施されることも考えられます。 |
レイタ― | 企業として安定し、あらゆるケースでの成長が想定される段階です。
社会的に信用を得ていることも多いため、これまで以上の融資を受けることにも期待できます。 IPOを検討する可能性もあり、企業を新たなステージに進ませる具体的な行動が起こされることも多いです。 |
シード・アーリー・ミドルそれぞれの「ベンチャー役員・幹部」転職イメージ
シード、アーリー、ミドルの時期はそれぞれ会社の状況が異なっているため、求める人材や役員・幹部の役割が変わってきます。
各フェーズの特徴から、その時期に参入することで得られるメリットを確認して、具体的な転職ビジョンをイメージしてみましょう。
転職にはメリットだけでなく、リスクや注意点といったデメリットもあります。
事前にそれらの両要素をチェックして、対策を行っておくこともポイントです。
【シード時期】のベンチャー役員・幹部転職は、一番ハードルが低い。ただし、報酬は低め
ベンチャー企業のシード時期は、まだメンバーや具体的な事業方針が固まっていないことも多いため、比較的幹部や役員候補への転職がしやすいタイミングとなります。
他企業で経験したノウハウが役立つケースも珍しくないので、自身の実績がそのまま企業の根本的な部分に影響する可能性もあり、創業に関しての相談役を期待されることもあります。
このように、「会社の創業メンバーの一員」となれることが、シード時期に転職する最たるメリットとなります
まだ具体的な起業プランが出来上がっていない段階では、求人募集を行なっていない可能性もあります。
そのため友人の伝手や関係先での接触などから、転職を進めることが基本となり得るのです。
転職のハードルが低く、採用されやすい時期である一方で、報酬は基本的に少なくなります。
将来に予想できない部分が多いタイミングなので、ベンチャー企業はなるべく出費を減らしたいと考えるのが常です。
最初からある程度の収入を期待する転職の場合は、給与や社会保障などの条件をしっかりと確認するようにしましょう。
シード時期のベンチャー役員・幹部転職
年収イメージ | ★☆☆☆☆ かなり低い 0~300万円程度 (月収イメージ:0~25万円) |
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求められる要素 | ベンチャー企業として確立し、創業して間もないタイミングを指します。 利益や売上データが充実していない時期なので、多くの資金が必要となることが一般的です。 |
参入しやすさ | ★★★★★ 参入しやすい |
【アーリー時期】のベンチャー役員・幹部転職は、多忙な業務をマルチにこなす柔軟さが求められる
創業して間もないアーリーのタイミングは、費用をかけたくない一方で、優秀な人材を確保したい時期となります。
企業として足りない部分が見えてくる時期でもあるため、具体的なスキルやノウハウを転職者に求めることも多いです。
そこから企業の内情や事業におけるスタイルが見えるようになるので、転職の対策が立てやすくなるのがメリットでしょう。
一方、「企業への高いコミットメント」はもちろん、忙しい時期だからこそ業務範囲に拘らず、柔軟に仕事を請け負っていくマルチな姿勢が必要です。
ときには残業や休日出勤といった時間外業務に追われる可能性があることは、アーリー時期のベンチャー役員・幹部転職におけるデメリット・リスクと言えるでしょう。
アーリー時期のベンチャー役員・幹部転職
年収イメージ | ★★☆☆☆ やや低い~普通 300~600万円程度 (月収イメージ:25~50万円) |
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求められる要素 | 高いコミットメントと、マルチ業務対応への柔軟性、ときに時間の融通(残業、休日出勤)を求められることも |
参入しやすさ | ★★★☆☆ 普通 |
【ミドル時期以降】のベンチャー役員・幹部転職は、報酬の高まりと併せて結果も求められる
既に企業としての体制が整いつつあるミドル時期は、転職難易度がやや高くなりますが、待遇・報酬は高まる傾向にあります。
キャリアアップと合わせて収入アップも考えているのなら、ミドル時期の幹部候補や役員候補への転職は魅力的に映ることでしょう。
一方で業務に役立つ高いスキルやマネジメント力だけでなく、きちんと結果を出すことが求められるため、会社全体から厳しい目で審査されることもあります。
そのため、プレッシャーが強い職場環境に耐えるための高いストレス耐性が必要になる可能性があることは、ミドル時期に転職する際の注意点となるでしょう。
この時期のベンチャー企業参画の際は、自分の能力が企業の求められるニーズや創業者の理念・価値観と合っているかを確認した上で、更に「企業にメリットのある人材となること」を意識することが大切です。
「既存社員から信頼を得られるような働きをしていこう」といったスタンスで臨まれることをおすすめします。
ミドル時期のベンチャー役員・幹部転職
年収イメージ | ★★★★☆ 普通~高い 480~1,000万円以上 (月収イメージ:40~100万円以上) |
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求められる要素 | 特に「結果」を求められるため、業務遂行スキルやマネジメント力は必須となる。また、既存社員から「そのポジションに適性な人物か」を見られるため、信頼・評価を勝ち得るためのコミュニケーション力やプレゼン力も求められる。 |
参入しやすさ | ★★☆☆☆ 参入障壁はやや高め 企業側のニーズと自身のスキル・ポテンシャルのマッチ度合が重要となる |
3)ベンチャー企業の役員・幹部は多くの場合とても大変。一方で貴重な「メリット」もある
ベンチャー企業の役員・幹部候補として働くことは、多くの困難との戦いになります。
求められることの多い業務内容や先行きの不安定な環境での仕事は、大手企業で働きながら出世していくケースとは異なる難しさがあり、大変さを感じることになるでしょう。
しかし、だからこそベンチャー企業の役員・幹部業務から得られる経験には価値があり、自分のキャリアの糧にできます。
一般的な会社に勤めるよりも考えるべき内容や、実践していくべき業務が多いため、より早いスピードで自身の成長を実感できるでしょう。
特に以下のような点は、ベンチャー企業に勤めた結果から得られる貴重な経験とスキルになります。
メリット#1 自律的に考える力が養われる
ベンチャー企業には成熟していない部分も多く、事業として未成立な点も見られるため、幹部や役員となる人は積極的に改善策の提案や従業員の意識改革を行なっていくことが求められます。
その経験は自発的に考える力を養う結果につながるため、その後の社会人生活において役立つ基礎能力を身につけられるでしょう。
ベンチャー企業のような狭い空間では、常に自分なりの結果を出して、周囲に評価されることが求められます。
その環境を有効活用して、自発的に物事を考える力を養い、将来的に自分のスキルにしていくことが理想です。
メリット#2 意欲的な人たちとの出会い
ベンチャー企業を立ち上げたり、その環境で働いたりする人たちは、仕事に対して高い意欲を持っていることが多いです。
そういった意欲的な人たちと出会い、時間を共有できることこそ、ベンチャー企業の役員・幹部の業務から得られる大きな経験となります。
さまざまな目標や考え方を持つ人たちとの交流は、自分の向上意欲を刺激することになるため、将来におけるキャリアアップにもつなげられるでしょう。
同僚、上司、部下としての関係だけでなく、ベンチャー企業を成長させようという意思を共有している仲間として接することで、モチベーションを高めることに利用できる点も魅力です。
4)ベンチャー企業の幹部候補・役員候補を目指す際の、おすすめの転職エージェント
ベンチャー企業の幹部候補や役員候補への本格的な転職を考えるのなら、ハイクラス・エグゼクティブ向けの、かつベンチャー企業求人に強い転職エージェントを利用することがおすすめされます。
特にチェックしておきたいサービスを記載しますので、実際に転職をする際の参考にしてみてください。
doda X
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doda Xの特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
経営・CxOの求人数 | 約100件 |
リクルートダイレクトスカウト
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「実績豊富なヘッドハンターに出会いたい」ならココ!企業・ヘッドハンターからのスカウトが届く転職サイトです。
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また、リクルートダイレクトスカウトでは「転職者がヘッドハンターを選ぶ」ことができます。
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優秀なヘッドハンターを見つけたら、転職者のほうからヘッドハンターを選んで求人紹介を依頼できるのです。
ベンチャー役員クラスの求人を紹介できるヘッドハンターも多くいます。まずは登録して各ヘッドハンターをチェックしてみるとよいでしょう。
リクルートダイレクトスカウトの特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
役員クラス求人数 | 非公開 |
良質なスカウトをゲットする際は、登録時に記入するレジュメを充実させることが重要です。「アピールできる経歴が思いつかない」という人は事前に事前にキャリアの棚卸しをしておきましょう。
JACリクルートメント
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JACリクルートメントは「年収600万円以上」のミドル・ハイクラス向け転職エージェントです。
サービスは求人紹介だけでなく、キャリア面談やキャリアの棚卸し、キャリアプラン相談といった総合的なキャリアコンサルティングを行ってくれます。
また、JACリクルートメントは両面型サポートのため、コンサルタントが企業の採用担当者が直接コンタクトを取り、企業の情報や就業条件についてヒアリングを実施しています。
このため、企業担当と人材担当の間で情報が分断されてしまう心配がなく、精度が高く確実な情報を得ることが可能です。
ベンチャー役員クラスへの転職の際は、事前にその企業の詳細情報を知っておくのが不可欠です。その際に、JACリクルートメントの担当コンサルタントのサポートが大いに役立つでしょう。
JACリクルートメントの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京、埼玉、神奈川、愛知、静岡、大阪、京都、兵庫、広島 |
求人数 | 非公開 |
ビズリーチ
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転職後の平均年収840万円!企業からのスカウトが非常に多い転職サイトです。
ビズリーチは主にハイクラス人材を対象とした転職サービスです。
常時10万件近くの求人を保有しており、首都圏はもちろんのこと地方での転職においても非常に豊富な求人を確認できます。
ベンチャー役員クラスの求人も豊富です。「現在、どんな求人があるのだろう?」「自分の場合、どのような企業からスカウトが届くのか?」といったことを知っておくだけでも、今後のキャリアプランを考える上で十分参考になるはずです。
紹介される会社は大企業だけでなく、中小の優良企業の求人も扱っています。
また、独自に「BizReach創業者ファンド」を創設するなど、スタートアップ企業の支援も積極的に行っていることから、スタートアップ企業やベンチャー企業への転職支援にも強いのが特徴です。
有料のプレミアムステージに登録すると、求人の詳細情報の確認やヘッドハンターへの直接相談も可能になります。
7日間の無料体験も可能なため、ベンチャー役員クラスの求人チェックやベンチャー転職支援に強いヘッドハンターを検索してみるとよいでしょう。
ビズリーチの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
役員クラス求人数 | 約1.2万件(2024年12月現在) |
ビズリーチで企業からのスカウトを多く得るためには、レジュメ(職歴書)の品質を上げること!どのような自己PRが企業からの目にとまりやすいかをじっくり考えて、取り組んでみましょう。
まとめ)ベンチャー企業の役員・幹部候補への転職を本格的に検討してみよう!
ベンチャー企業の役員・幹部候補という職業には、そこにしかないメリットや魅力が備わっています。
一般的な会社とは違う職場を体験してみたい、ベンチャー企業でこれまでのノウハウを活用してみたい、そんな人はこの機会に本格的な転職を考えてみてはいかがでしょうか。
これまでのベンチャー企業の実績を見れば、その将来性にかけるだけの価値を見出せます。
今後はベンチャー企業の重役も、転職候補のひとつとして認知される時代が来るかもしれません。
これからはそんな期待値が高まりつつあるベンチャー企業について学び、その実態を追いかけてみることもおすすめです。