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「仕事に、優劣はない」製造業から運送業へ転職して、気づけたこと。|私の転職体験談

転職前

BEFORE
職業
製造業(自動車部品メーカー)
職種
生産管理・人員整理
従業員規模
350名
年収
550万円

転職後

AFTER
職業
物流
職種
運送
従業員規模
50名
年収
450万円

目次

よしあきさんの転職ストーリー

1これまでの私

平凡な日常が、私の幸せでした。

イメージ図:平凡な日常が、私の幸せでした。

転職前は大手自動車メーカーの下請けをしている会社で、部品を製造する仕事に携わっていました

自動車部品製造とは

自動車部品製造は、車両の性能や安全性、快適性を支える部品を作り出す産業です。
エンジンやブレーキ、タイヤ、電子機器など、多種多様な部品が製造され、これらが組み合わさることで一台の自動車が完成します。

自動車部品製造の主な仕事内容

仕事内容 説明
部品の設計と開発 自動車の性能や安全性を高めるために、新しい部品を設計・開発します。CADソフトを使って設計図を作成し、試作を繰り返して完成品を作り上げます。
加工と組み立て 素材を切断・加工し、自動車部品を作ります。部品を組み立て、車両に適合するかを確認します。高度な技術が求められる作業です。
品質管理 製造された部品が設計通りに作られているか、品質をチェックします。不良品が出ないように厳しい検査を行い、基準を満たさないものは改善します。
生産管理 部品の生産工程を計画・管理し、効率よく製造が進むように調整します。生産スケジュールの作成や、資材の管理も行います。
メンテナンスと改善 製造設備のメンテナンスを行い、故障やトラブルを防ぎます。また、生産効率を高めるための改善提案を行い、製造プロセスを最適化します。

仕事はそれなりに頑張り、家族と一緒に過ごす時間も大切にできていました。

家族は、妻と中学生の子どもが一人の3人暮らし。裕福という訳ではありませんが、特に不自由もありません。
仕事終わりや休日には、トレーニングジムに通う時間も取れていました。

昨年(2020年)の1月頃から、新型コロナウイルスの感染の報道が盛んになりましたが、その時は

(大変な騒ぎになっているが、まあ自分にはあまり影響はないだろう)

──と、そんな程度にしか考えていませんでした。

2転職のきっかけ

コロナの影響が、会社、そして自分にも出始めて。

イメージ図:コロナの影響が、会社、そして自分にも出始めて。

2020年4月に緊急事態宣言が発令されると、それ以降は目に見えるように仕事がなくなっていき、会社の業績も悪化していきました

それは、待遇にもはっきりと表れていきました。
残業はなくなり、ボーナスもカット。

もともと残業代をあてにした生活設計だったため、次第に生活も苦しくなっていきました

月々の給料では生活を賄えなくなり、足りない分は貯金を切り崩す生活が始まって。

それでも、「もう少しすればコロナも落ち着くだろう」と考えている自分がいました。

しかしそんな希望を打ち砕くかのように、夏が終わって冬になっても、新型コロナウイルスは弱まる気配を見せません。

会社の業績も低迷し続け、とうとう希望退職者を募り始めました。

私は色々と考え、悩みました。「このまま会社に残りたい」という気持ちがある一方で、残業ゼロ、ボーナスもカットのせいで、家庭の金銭状況は悪くなるばかりです。

このまま会社に居続けても、すぐにはコロナ前と同じ給与水準は戻らないだろうことは会社の業績が物語っていました。

そして今の収入が続けば、妻にも迷惑がかかりますし、子どもの高校・大学の進路にも影響を与えてしまいます。

何日も考えあぐねていましたが、私はとうとう、希望退職に応じることに決めました

3転職活動中

退職後も、思うように転職活動は進まず…。

イメージ図:退職後も、思うように転職活動は進まず…。

私には人より優れた能力や技術があるわけではないので、「転職活動は簡単にはいかないだろう」と覚悟はしていました。

しかし、現実はそれ以上に大変でした。

転職活動は、ハローワーク転職サイトなどを使って仕事を探しました。

毎日のようにハローワークに通いましたが、自分の希望する仕事は全く見つかりません。

もちろん、コロナ禍の影響もあるのでしょう。ですが、仕事が見つからない一番の原因は、自分の「仕事探しの基準」にありました

転職を始めたときは「以前と同レベルの収入が確保できるなら、こだわりはない」なんて思っていたのですが、実際に仕事を探し始めると、今まで経験してきた業種にこだわったり、好き嫌いで仕事を判断している自分に気づきました。

変なプライドもあったのでしょう。
気がつくと、全く仕事が見つからないという状況が、3ヵ月も続いていました

とうとう貯金も底をついてきました。

「選り好みしてちゃダメだ」と気持ちを入れ替え、ハローワークから新たに紹介された運送業のドライバーの求人に応募したところ、(それは私の希望する仕事ではありませんでしたが)ようやく就職できました。

運送業とは

運送業は、物資や商品を安全かつ効率的に指定された場所まで届けることを目的とする業界です。
トラックやバン、バイクなどの車両を使って、工場から店舗へ、または個人宅へと荷物を運ぶことが主な業務です。

運送業のドライバーの主な仕事内容

仕事内容 説明
荷物の積み込みと配達 倉庫や配送センターで荷物をトラックに積み込み、指定された場所へ安全に運びます。荷物を丁寧に扱い、時間通りに配達します。
配送ルートの計画 効率的に荷物を配達するため、最適な配送ルートを計画します。交通状況や天候を考慮して、時間と燃料の節約を図ります。
車両の点検とメンテナンス 使用するトラックやバンの定期点検を行い、安全に運行できる状態を維持します。必要に応じて、簡単な修理やメンテナンスを行います。
顧客対応 配達先で顧客に荷物を手渡し、確認作業を行います。丁寧な対応で、顧客の満足度を高めることが求められます。
配達記録の管理 配達が完了した荷物の記録を管理し、システムにデータを入力します。正確な記録を保つことで、配送のトラブルを防ぎます。

仕事を退職してからの3ヵ月間は、焦りと恐怖、絶望の日々でした。
家族の笑顔と「そんなに焦らないでいいよ!私も頑張るから」と言ってくれる妻の言葉にどれだけ救われたことか。

やっぱり、家族が1番大切。
それを改めて気づかせてくれた3ヵ月でもありました。

4転職後

ある社員さんがかけてくれた言葉。

イメージ図:「新しい職場で苦しんでいた私に、ある社員さんが掛けてくれた言葉。

正直、転職する前は運送業界については良いイメージは持っていませんでした

キツい・汚い・安いという印象を持っていて、そんな気持ちが仕事への姿勢にも出ていたのでしょう。同僚の人達からの私への評価は、あまり良いものではありませんでした。

同僚

「あの人、やる気ないよね」

同僚

「うん、仕事が遅いしね」

というような声がたまに耳に入ってくるのです。
あるときは、あからさまに白い目で見られたこともありました。

気がつくと、職場で孤立していました。

「給料さえもらえればいいや」と、最初は強がっていましたが、徐々に働きづらくなっていき、職場に居づらくなってしまいました。

でも、仕事は辞められません。もう、転職活動で味わった苦労をまたすぐに経験したくなかったし、次の仕事がすぐに見つかる保証もないことはわかっていましたので。

そんなモヤモヤした気持ちのまま、転職して2ヵ月が経過した頃、50代の社員さんの言葉が私を救ってくれたのです

50代社員の方

「○○さん、力抜きな!とりあえず、今ある環境で頑張ればいつか良いことあるよ」

と私に語りかけてくれました。その時、なんだかわかりませんが肩からスゥ~と力が抜けていくような感じで、気持ちが楽になったのです。

言葉は人を攻撃する道具にもなるけど、人に勇気と安らぎを与えてくれるものにもなるということ、そして、「人は一人では生きていけない」ということを、このとき改めて実感しました。

5その後、どうなったか。

仕事に、優劣はない。

イメージ図:仕事に、優劣はない。

「仕事なんて何だって同じだ、お金を得る手段に過ぎない」なんて思っていたのに、実際に転職活動をしてみると、仕事を好き嫌いで選んでいた自分に反省しかありません

そんな偏見を捨てていれば、もっとスムーズに仕事が見つかっていたのかなと思います。

また、もともとイメージの良くなかった運送業でしたが、実際に仕事を始めてみると、私にアドバイスをくれた50代の社員さんのように、素晴らしい人も働いていて。

「仕事は全て誰かの役に立つ行為」であるはずなのに、仕事の内容で優劣をつけていた自分が恥ずかしく思えました

転職活動を通じて、「仕事には優劣はない。その職種に携わっている人達は皆、その仕事に誇りを持って働いている」、そんな簡単なことに気づかせてくれました。

私もいつか、自分の仕事に誇りを持つためにも、給料を稼ぐためだけに仕事するのではなく、今の仕事を好きになる努力をしようと思います。

そのために、どんなことにも感謝の気持ちを忘れずに、どんなことにも頑張っていきます。


これからは、仕事でも、日常生活でも、今後は優劣・優先順位を付けずに、何にでも一生懸命に取り組んでいきたいです。

例えば、近所の公園のゴミ拾いや、河川敷の掃除、動物保護のボランティアなど、何かのために、誰かのためになるような活動を積極的にしていきたいと思います。

自分の好き嫌いで判断するのではなく、むしろ嫌いだと思っていることに対して率先して行動できるようにしたいです。

そうすれば、もっと視野を広げられるはずです。その先には、様々な価値観や思考を認められるような「懐の広い人間」になりたいですね。

今までは自分のため、家族のためにだけ生きていましたが、これからは少しでも多くの人のためになるような活動をしていきたいと思います。

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