ブラックな訪問介護事業所から、家業を継いで事務職に転身。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 訪問介護事業所
- 職種
- ホームヘルパー
- 従業員規模
- 25人
- 年収
- 200万円
転職後
- 職業
- メーカー
- 職種
- 事務職
- 従業員規模
- 8人
- 年収
- 200万円程度
目次
にゃんもみさんの転職ストーリー
1これまでの私
利用者の命を預かる重要な仕事。
私は以前、ホームヘルパーをしていました。介護の必要な高齢者のお宅へ伺い、介護をする仕事です。
そのころは「ホームヘルパー」という資格が注目されていて、重宝される仕事だったんです。
13年ほど勤めていました。
訪問介護はヘルパーが一人で伺うため、いざという時の判断がとても重要なのです。
それこそ、生死を分けるような重大な判断を伴う時もあります。
介護職の9割は女性が占め、そのぶん人間関係の難しさもありました。
ですので、1人で働ける訪問介護という仕事は、人間関係のしがらみが苦手な私にはぴったりだったと思います。
仕事上のやりがいもたくさんありました。
たとえば高齢者の方から「ありがとう」と感謝の言葉をもらったり、その方が介護を経て明るく元気になる姿を見れることです。
- 私
-
(ああ、この仕事をやっててよかった!)
そんな達成感を感じられました。
訪問介護事業所とは
訪問介護事業所は、高齢者や障がい者など、自宅で生活する方々に対して介護サービスを提供する施設です。
訪問介護員(ホームヘルパー)が利用者の自宅を訪問し、日常生活を支援することで、自宅での生活を続けられるようサポートします。
訪問介護(ホームヘルパー)の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
身体介護 | 利用者の入浴、排泄、食事の介助など、日常生活における身体的なサポートを行います。安全を最優先に考えながら、自立を促す介護を提供します。 |
生活援助 | 利用者の自宅で、掃除や洗濯、調理、買い物などの日常生活を支援します。家事全般のサポートを行い、快適な生活環境を整える役割を担います。 |
服薬支援 | 利用者が適切に薬を服用できるよう、服薬の確認や管理を行います。飲み忘れがないように見守り、健康管理をサポートします。 |
通院介助 | 医療機関への通院時に付き添い、移動や受診のサポートを行います。 |
緊急時対応 | 利用者の急な体調不良や事故が発生した際、迅速に対応し、必要に応じて医療機関への連絡や搬送を手配します。 |
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家族構成は両親と兄の4人家族です。
兄は一人暮らしをしていましたが、私は当時独身で、両親とともに暮らしていました。
父は自営業で建設業を営み、母はその事務員として現役で働いていました。
2転職のきっかけ
勇気を持って報告をした、その私が責められて。
うつ病を患っている男性のお宅に、何度か訪問に通っていた時期がありました。
その時の出来事です。
- 男性
-
「~歳のヘルパーさんを寄越してください」
という要望を事前に伺っており、たまたま手も空いて条件にも合致する私が訪問することになったのです。
普段はそういった年齢制限など指定されることがなかったので、「不思議だな」と思っていました。
2度目に訪問したとき、その男性から告白されました。
事務所に報告するべきか、かなり悩みました。うつ病を患われていますし、傷ついてしまうんじゃないかと。
しかし、こうなってしまった以上、今後も私が訪問をするわけにはいきません。私は思い切って事務所に報告をしました。
すると、
- 所長
-
「あなたが勘違いさせるようなことをしたんじゃないの?」
と責められたのです。
耳を疑いました。私たちヘルパーを守ってくれる立場である所長の言葉です。
以来私の中で、会社への信頼がガラガラと崩れ落ちました。
日常生活でも変化がありました。親戚が立て続けに亡くなったのです。
忌引きを貰おうと、所長に掛け合ったところ
- 所長
-
「今、人手が足りないのは分かっていますか? 休みは許可できません」
そう言われ、私は葬儀にも出ることができませんでした。
私がぎっくり腰で動くのが辛かった時も、やはり休ませてはくれませんでした。
そんなことが重なってきますと、次第に
- 私
-
(こんな人の下で働きたくない)
と考えるようになったのです。
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3転職活動中
家業を継いだ兄に便乗して。
当時、職場の同僚で妊娠しながら働いている女性がいました。
臨月も近く、お腹も大きくなってきているにも関わらず、そんな彼女ですら休みをもらえていなかったのです。
これには私も呆れ返りました。
私も精いっぱいフォローに回ろうと、何度かシフトも交代してやっていたのですが、それにも限界がありました。
- 私
-
「もうこれ以上働くのは無理だよ。一緒に辞めよう」
私が相談すると、彼女も賛成してくれたため、退職を決意しました。
彼女は出産を控えているため、退職もやむなしでしたが、私には確たる理由がありません。
所長を納得させ、なるべく後腐れなく退職をするにはどうすればいいのか考えていました。
ちょうどその頃、父の会社を兄が継ぐことになったのです。
それを機に会社を法人にするとのことでした。「これだ!」と思いました。
- 私
-
「父の代からの事業を継ぎたいので、辞めさせてください」
所長は、かなり渋々といった体でしたが、最終的には許してくれました。
ちょうどいいタイミングで舞い込んできたこの話に、とても感謝しました。
4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。
兄が継いだ後の会社では、経理や事務関係ができる人が不足している状態でしたので、私がそのポストへ入りました。
兄妹ですから気心も知れていますし、正社員として働かせてもらえることになりました。
ほとんどブラックに近い介護の勤務体系に比べれば、かなり楽なものだろうと思っていました。
以前に簿記検定の資格は取得していましたし、不安はほとんど無かったです。
しかし当然ながら、そんなに甘い仕事はありません。
実際には書類作成や許可申請などの細かい処理がたくさんあり、未経験の私は戸惑いました。
兄に相談しても、兄も事務関係には疎いためか
- 兄
-
「好きなようにやってくれてかまわないよ」
と、軽くかわされるばかり。
自分で調べて勉強しながら、仕事に慣れていくしか方法はありませんでした。
まったく知らない世界を覗いてみることは楽しくもあったのですが、不安が大きくて辛かったです。
経理事務とは
経理事務は、企業の財務に関する日常的な業務を担当する職種です。
売上や支出の管理、帳簿の記録、取引先との精算処理などを行い、企業の財務状況を正確に把握するためのデータを作成します。
経理事務の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
伝票処理 | 日々の取引に関する伝票を作成・処理します。売上や仕入れ、経費などの取引を記録し、帳簿へ反映させる業務です。 |
仕訳・帳簿記入 | 取引内容を勘定科目に仕訳し、会計ソフトや帳簿に記入します。 |
請求書・領収書の発行・管理 | 取引先への請求書の発行や、受領した領収書の管理を行います。取引の証拠となる重要な書類の処理と保管を担当します。 |
入出金管理 | 企業の口座における入金・出金の管理を行います。正確な現金の流れを把握し、企業の資金繰りを円滑にするための業務です。 |
決算業務の補助 | 期末における決算書の作成をサポートします。貸借対照表や損益計算書の作成に必要なデータをまとめ、経営陣への報告資料を作成します。 |
5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
会社を法人化するための起業方法など、会社の内側から、そういったことを見て経験できたのは貴重だったと思います。
私が会社の事務をすべてこなしているので、会社の実情のほとんどを知れているのも、かなりの強みだと思っています。
ただ残念なこともあります。たとえば従業員のほかに接点のある人がほとんどいないことです。
介護を選んだのも、もともとは人と関わる仕事がしたかったからなので。そこに折り合いをつけるのは、今でもたまに難しかったりします。
それから、もともとは体育会系の人間なので、デスクワークは少し向いていないところもあると思います。
◇ ◇ ◇
今後もし時間ができたら、プライベートでいろんな人と関わってみたいです。
最近の興味は太極拳ですね。楽しそうです。
仕事の方では、会社の規模を拡大するために、もっともっと頑張りたいなと思います。
人が増えたら、会社も華やぐと思います。
社長(兄)の考えではありますが、
「社長と従業員の距離が近い会社」
それを目標にしていこうと思います。
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