医療事務から介護職へ転職してからの苦労と成長の日々。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 医療事務
- 職種
- 事務職
- 従業員規模
- 30人
- 年収
- 210万円
転職後
- 職業
- 介護施設勤務
- 職種
- 訪問介護
- 従業員規模
- 60人
- 年収
- 300万円
目次
NANAさんの転職ストーリー
1これまでの私
結婚しても、医療事務の仕事は続けていきたい
家族構成は、夫と子どもの3人家族です。
20代の独身のころからずっと、病院の医療事務の仕事をしていました。
その後30歳まで結婚した後も仕事は続けていましたが、子どもが生まれて退職。
そして3歳になったときに、新たに医療事務の正社員の仕事を見つけて復職しました。
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結婚してもずっと仕事は続けたい希望があり、しかし子どもが小さいうちはできるだけそばにいたいという気持ちもありました。
- 私
-
(生活にはきっちりと区切りをつけないと。
子どもが3歳までの3年間は子育てに集中、そして再び仕事を始める時ときは子どもを保育園に預け正社員で復帰しよう)
当時は、そんなビジョンを掲げていました。
2転職のきっかけ
「今までとは違う新しい分野に、チャレンジしよう」
独身時代から結婚後まで医療事務の仕事を続けていて、主な仕事内容であるレセプト作成についての知識はあったので、「経験者希望」の求人に応募するとだいたい採用していただけることが多かったです。
ですので、「職に困る」ということは特に感じていなくて。
しかし子育て後の、「これからの仕事復帰」についていろいろ考えているうちに、
- 私
-
(そういえば、私は新卒後から医療事務の仕事しか経験したことがない…。
他の業界をまったく知らないままじゃないか。 それに、事務職は40~50代までは良いけれど、その後は転職は難しくなるだろう…)
そんな考えを持つようになっていったのです。
また、我が家の場合は夫が転勤の可能性もあるので、50代になってからの転職がしやすいような職種に、今の段階からチャレンジした方が良いのではないかとも考えました。
──そして、私の「異業種への転職」の計画が始まったのです。
3転職中
子育てと資格取得の両立の日々
チャレンジしようと思ったのは、「介護」の仕事でした。
以前、勤めていた総合病院で介護職の方と一緒になる機会が多く、50代~60代の方も活躍しているのを思い出して、それで挑戦してみようと決めたのです。
そして私はまず、「介護初任者研修」の資格をとるために、通学&通信で学び始めました。
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通学は月に2回土曜日で5ヵ月ほど、この時は保育園に事情を話し、土曜保育もお願いすると快く引き受けて下さいました。
勉強する時間が夜しかなかたので、子どもがなかなか寝付かないときに寝かしつけは父親にお願いしました。
その後、無事「介護初任者研修」の資格を取得できて。さほど難しいものではありませんでしたが、家族や保育園のサポートなしではまず不可能だったと思います。
資格を取得したのち、そのスクールからたくさんの仕事の紹介がありました。
私の働く上での条件は、「17時には仕事を終えたいこと」、そして「子育て中なので残業はできないこと」
未経験でありながら狭い条件設定ではありましたが、それでも応募できる事業所が多数ありました。
その中で自宅から一番近い「訪問介護事業所」に応募してみると、すぐに正社員で採用していただけました。
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4転職後
転職後、待ち受けていたのは「後悔」の日々
訪問介護というと、家での家事や身体介護という印象をもつ方がほとんどだと思いますが、その事業所は特徴として「利用者さんの外出支援を中心としている」ところでした。
具体的にどんな業務かと言うと、車椅子を押して外出したり、障害のある方と一緒に事故に注意を払いながら散歩をしたりします。
また、外出先でオムツの交換をすることもありました。
中にはおむつから便が漏れてしまい、そのような場合も、利用者さんは「外出」中であり、その機会をサポートするのが私たちの役目ですので、「いけない!…急いで自宅に帰りましょう」ということはできません。外出先で近くのトイレを探し回って、汚れた衣服を交換したり…そんな修羅場も沢山経験しました。
いきなりの仕事内容の変化と、そして気疲れで、最初の一ヵ月は体はボロボロに疲れ果てて。夜になると泥のように眠っていました。
当然、家事や子育てもやれるような状態ではなく、
- 私
-
(この転職は無謀だったかもしれない…)
と、最初のころは後悔の連続でした。
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5その後、どうなったか。
「人としての喜び」は、介護にも子育てにも通じるところがある
最初の1ヵ月くらいはそんな大変な状況でした。
ですが、そんな日々の中、疲れ果てた状態で仕事の合間に子供の世話をしていた時に、変わらず私に笑いかけてくる子供を見ていて、
- 私
-
(子育ても、介護も、本質は同じなんじゃないか)
──ふと、そんな考えが頭をよぎったのです。
一対一で向き合うと、その人の想いや願いが伝わってきます。そして、それを適えようと手を差し伸べると、相手もそれに気づいてくれる──そして、そんな反応を見て、私は「今、自分はこの人の為になれている」という、深い充足感というか、「人としての喜び」を持てるのです。
そしてそれは、子育ても介護も、私のなかでは同じものでした。
それから、段々と、利用者さんと過ごす時間を貴重なものと感じるようになって、そうしているうちに、
- 私
-
「利用者さんに、今この時間を楽しんでもらいたい」
──そんな、仕事への意欲が芽生えてくるようになりました。
ですが、もちろん仕事は相変わらず大変です。
利用者さんのなかにはふとしたときに突然走り出してしまう、こちらのちょっとした動作にびっくりしてパニックを起してしまうなど、様々な特性をお持ちの方がいます。
一度は、突然走り去られた利用者さんを追いかけてもまったく追いつかず(非常に足の速い利用者さん!)、たまたま居合わせた周囲の方が助けてくれて、なんとかことなきを得た…そんなこともありました。
こうやって書くと、ちょっとした笑い話に聞こえてしまいそうですよね。
でも、起きた時は相当落ち込みますよ。
まだまだ自分はプロにはなりきれていないという自責の念や、もちろん会社には事故として報告もしなくてはいけません。また、「もしあのとき、もっと重大な事故に発展していたら…」と思うと、仕事の責任感の重さに、押しつぶれさそうにもなります。
──そんな辛いことも少なくないですが、そうした経験も何度か重ねていくことで、自信や度胸も付いてくるのでしょう。
「楽しいことばかりでは成長できない」、どの仕事も一緒ですよね。
◇ ◇ ◇
「今目指していること」ですか?──1ランク上の資格取得です。
現在は「介護初心者研修」という介護士の中では一番簡単に取れる資格しか持っていないのですが、事業所の方から時期もうひとつ上の「実務者研修」を受けることを勧められています。
その資格が取れてさらに実務を積むと国家資格である「介護福祉士」にもチャレンジできるんです。
少し前まで全くの未経験だったのに、こうやって一歩一歩進んでいけているのがうれしいですし、夢も膨らんでいます。
私が思うに、介護は、とても幅広い需要があって、どの地域でも求められ、かつどの年代層でも活躍できる仕事だと思っています。
もちろん、「体力勝負」な業務も多くありますので、私もいつまで今の仕事を同じように続けられるかはわかりませんが、そうしたら年齢に合わせて働き方を変えていったり。──仕事に対してそんな向き合い方ができるのが、この介護という仕事だと、私は思っています。
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