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転職体験談:コミュニケーション下手の私が、税理士事務所から経理事務へと転職して。

転職前

BEFORE
職業
税理士事務所
職種
税理士(税務申告事務)
従業員規模
10名
年収
300万円

転職後

AFTER
職業
建設業
職種
経理事務
従業員規模
50名
年収
180万円

目次

資格が大事さんの転職ストーリー

1これまでの私

税理士事務所での仕事。一番の楽しみは、通帳を眺めること。

税理士事務所のデスクのイメージ

24年間、税理士事務所に勤めていました。
仕事内容は中小企業の税務申告書の作成・申告代行です。

当時の私は、とにかくお金命の人間でした。
──というより、お金以外の楽しみというものが、なかった。

事務所の業務縮小により仕事が減ってしまったことによる危機感があり、さらには職場の同僚とも折り合いが悪かったです。

職場には相談できる人もいませんでした。
元来、人とコミュニケーションを取るのがすごく苦手で、(もしかしたら自分は発達障害なのかもしれない)と思うこともありました。

職場ではいつも一人ぽつんとしていました。
ただ、仕事そのものにはやりがいを感じていました。そして、楽しみは毎月に入る給料を貯金通帳で眺めること。

仕事で必要とされることがあって、そのために働いて、そして貯金が貯まっていく。
それだけでいいじゃないか、そう自分に言い聞かせていました。

2転職のきっかけ

職場で、大喧嘩をしてしまった私。

職場で喧嘩をする女性社員イメージ

40歳を過ぎて更年期による心身の症状が出始めて、(もう限界かもしれない)と感じることが多くなりました。

今まで我慢できていた些細なことが、耐えられなくなってしまったのです。

ある日のことでした。
ひとりの同僚から、「ゴミ箱の置き方が悪い」と指摘されました。

昔の私だったら「あーそうですか」で終わったでしょう。

でもその時の私は、それでは済まされなかった。もう色んなストレスが積み重なっていて、自分で自分の感情に手に負えなくなっている時期でした。

「なぜあなたに、そんなことを言われなければならないの!!」

相手に向かって、そう怒鳴ってしまったのです。

その同僚とは、私にとって職場でもっとも気の合わない人でした。そして、相手もそうだったようです。結果、向こうも「そら来た」とばかり応戦して、結果、大喧嘩になりました。

もう駄目でした。私は感情のコントロールが出来ずに、長い時間大声で喚き散らしてしまいました。

他の職員の仲介が入り喧嘩は収まりましたが、私のぐちゃぐちゃになった感情は戻らなかった。そして、「会社に迷惑をかけてしまった」という罪悪感も新たにやってきてしまった。

1日経っても2日経ってもその感情は収まらず、とうとう私は退職をすることを決めました。

今思えば自業自得ですが、あの時は本当にその同僚が許せなかったんです。
退職しようと思った一番の理由は、「その人からとにかく離れたい」でした。

3転職活動中

長い長い転職活動期間。道を開けたきっかけは、資格の取得。

転職活動をする40代女性イメージ

退職してから次の転職先が決まるまで、2年10ヵ月かかりました。

利用した転職サービスは、ハローワークです。私の住んでいるところは田舎でしたので、転職エージェントという選択肢は考えられませんでした。

長くて辛い、時期でした。

とにかく書類選考が通らない。
恐らく、年齢もあったのだと思います。

ハローワークの職業訓練にも通いましたが、相談員からは「あなたはコミュニケーションが下手だから、人と関わらない掃除とかのアルバイトの方がいいのではないか」と言われました。

でも、せっかく24年間も税理士事務所で頑張ったんです。
掃除の仕事だなんて嫌だと思いました。アルバイトでもいいからこれまでの経験を活かせる仕事に就きたいと、何度も何度も応募を繰り返しました。

ある日求人を見ていたとき、「建設業の事務職」の求人があって、「建設業経理検定試験の資格取得者優遇」と書かれていたのが目に留まりました。

資格を取ることによって、選考が有利になる──、当たり前のことなのかもしれませんが、具体的に資格名が書いてあったのが響いたのだと思います。
私はその資格を持っていませんでしたが、これまでの経験があればそれほど苦労せずに取得できそうだと思いました。
そこでさっそく通信講座に申し込み、数か月後に無事、合格しました。

合格直後は当の求人は募集期間が終わったのか掲載されていませんでしたが、根気強く待っていたら別の会社が同じような求人を出しているのを見つけました。

応募したところ、書類選考は何とか通過して。
次の面接はコミュニケーション下手の私にとって一番の難関でしたので、何か少しでも有利になることはできないかと考え、資格の「合格証書」をもって面接に行くことにしました。

それがよかったかどうかはわかりません。
私以外の応募者は4人いたと聞きました。そのなかで、会社は私を選んでいただきました。

4転職後

新しい職場で苦労したことは、元来のコミュニケーション下手と、杜撰な管理体制

建設業の経理事務の仕事イメージ

転職後の私の役割は、経理事務でした。

以前まで敬礼の仕事は税理士事務所に全部任せていたようですが、税理士事務所の担当が変った途端に「会社側ですべてして欲しい」と言われてしまったということでした。

具体的な仕事内容は、記帳、給料計算、年末調整、それから現場で作成する書類のチェックなどです。

記帳や年末調整は以前の税理士事務所の仕事で経験ありましたが、給料計算は初めてでした。
給与計算をする税理士事務所もありますが、本来給料計算は社労士の役割ですから。
ですので、実務のほかに社会保険事務の勉強もしなくてはなりませんでした。
社会保険の率から、脱退した時期によって社会保険を天引きするしない等、大変でした。

そして、社内の帳面はとにかく無茶苦茶でした。領収書はケースの中に放りっぱなしでしたし、これでは税務調査が入った時に大変な目に合うのは目に見えていました。

上司にそのことを伝えたのですが、ここでも私のコミュニケーション下手が災いして、喧嘩になりかけてしまいました。

ただ、今回は上司の側に問題があったと思います。
おそらくその上司もずさんな管理をしていることに負い目があったのでしょう。だから、私の指摘にムキになったのではと。

私は上司を飛び越して社長に今のお金の管理状況と、体制を是正する必要性を伝えました。
社長は、私の意見をきちんと理解してくれました。

ただ、それからの帳面の整理は本当に大変でした。
しかも前に担当していた税理士事務所の担当の人が「自分はもう退職するから」と前期の帳面はかなりいい加減なままにしていたんです。

新しい担当者も頼りになりませんでしたから、「これは自分で何とかしなければ」と必死で領収書や請求書を探し出し、前任者のミスも訂正して、その間の3ヵ月はずっと終電近くまでサービス残業でした。

5その後、どうなったか。

私はやればできる。ダメ人間なんかじゃない。

これからの働き方を考える、40代女性イメージ

入社して半年ほどたった今、帳面の整理も大体が終わり、喧嘩した上司とも段々と普通にコミュニケーションが取れるようになりました。

これから先に決算が控えているのでそのときにまた問題は出てくるでしょうが、今の自分ならばなんとかできる自信はあります。

今回の転職で学べたことと言えば、「どんなに辛くてもゴールは見える」ということですかね。

やっぱり間違っていることはそのままにしてはならないなと思います。
問題の先送りは、未来を諦めるのと一緒です。そして仕事とは、未来を創るものですから。

そう思い、入社してからの3か月間の残業の日々を乗り越え、ここまで帳面を立て直した。
私はやればできる。ダメ人間なんかじゃない。──と、少し自信が持てるようになりました。

◇ ◇ ◇

現在は、帳面に関して全て私が責任を負うことになりました。
今の上司は帳面にあまり詳しくはないので、上司の相談相手になることもあります。

今までは人に言われたことしかさせてもらえませんでしたが、これからは自分で自分の仕事を組み立てていくようになるでしょう。

思えば、これまで人に流されてばかりの人生でした。
自分で、仕事の流れを作る」というとやや大げさかもしれません。コミュニケーション下手なのは相変わらずですし、変に力が入ってしまうと空回りしそうで怖いというのもあります。

でも、きっと新たなやりがいも感じられるようになると思います。

あまり多くを望まず、仕事ができること、役に立ってもらっていること、そして毎月のお給料に感謝しつつ、日々を過ごしていきたいと思います。

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とくに20代から30代前半で経理・税務分野のキャリアを歩まれている方は、ここ数年の働き方が今後のキャリアを形成する重要な時期になることが多いでしょう。

中長期的なキャリアプランを検討している・悩んでいる人にも、ヒュープロはおすすめです。

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