「頑張りたい」気持ちはどこからやってくる?総合病院の看護師から、クリニックのオープニングスタッフへ|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 総合病院
- 職種
- 看護師
- 従業員規模
- 約1,000人
- 年収
- 400万円
転職後
- 職業
- 診療所
- 職種
- 看護師(パート)
- 従業員規模
- 10人
- 年収
- 130万円
目次
ばーじにあさんの転職ストーリー
1これまでの私
人生で一番、頑張れる時期。
学生の頃から、看護師に憧れていて。
えーと、なんで憧れていたんだっけ?
──ああ、そうだ。近所のお姉さんが看護師で、すごく綺麗で、そして凛としていて。
だから、私もああいう風になりたいって思った。
そのお姉さんのように、周りの人をパッと明るくさせるような雰囲気と、そして頼りにされるような活躍をして──。
現実の私はそんな感じとは程遠かったけど、それでも看護師になって、そして勤務先を総合病院に決めて、それこそがむしゃらに働いて、勉強した。
夜勤もバリバリあったし、覚えなくてはいけない処置は気が遠くなるほどあったけど、それでも頑張れていた。
今思い返しても、「あの頃の自分は、何であんなに頑張れたんだろう?」って思う。
でも、きっと若かったからだと思う。
誰だって、20代前半の頃って、人生で一番頑張れる時期なんじゃないだろうか。
それに、同期で友達になった子もいっぱいいた。困ったことやしんどかったこと嬉しかったこと、何でも相談しあって、乗り越えていけた。
当時の同期の子たちとは、今はもうずっと会っていない。
きっと、これからも会うことはないのかもしれない。
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2転職のきっかけ
結婚して、引っ越しをして、そして退職をした。
働いて2年が経ったとき、私は結婚することになった。
それをきっかけに、なぜか私は、仕事を頑張れなくなってしまったのだ。
そもそも、夜勤ありの総合病院勤務で5年も10年も働ける看護師は、相当体力的にも精神的にもタフな人たちだ。
私はそこまで丈夫なわけでもなく、少し体調を崩し気味だった、というのもある。
でもそれ以上に、結婚して扶養に入ることによって「頑張らなくてもいい環境」を持てることに、気付いてしまったこと。それが一番の理由だったと思う。
夜勤ありの不規則な生活をせずとも、自分は生きていける──、そう思い私はパート勤務に切り替えるべく病院に退職願を出した。
- 師長
-
「よかったら、うちの病院でもパート勤務に変更するけど?」
師長さんがそう提案してくれたが、私は丁重にお断りした。
私たち夫婦は引っ越しすることになっていて職場から距離が遠くなってしまうこと、そして何より今までずっと一緒にやってきた同期が変わらず頑張っていることに、なんとなく気が引けてしまったからだ。
そして私は、病院を辞めた。
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3転職活動中
頑張りたくない。でも、全く必要とされない生活も、嫌だ。
新しい職場探しは、主にハローワークを利用した。
ハローワークのサイト上で気になる職場を探したり、実際にハローワークに出向き相談したりした。
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私が転職活動を始めた時期は2020年の春先で、ちょうど新型コロナの感染拡大ではじめての緊急事態宣言が出た時だった。
そのせいもあって、思うような求人はほとんどなかった。
それでいて求職者はそれなりにいたようで、良いなと思う募集があっても連絡するときには「もう応募は終了しました」と言われることも多かった。
職が決まらない時期が続くと、心も荒んでくるものだ。
「いっそのこと働くのを辞めて専業主婦になろうか」とも思ったが、その考えはすぐに却下した。夫の収入だけでこの先やっていける自信はまだなかったし、私も「いちど仕事から離れてしまうと、なかなか戻れないかもしれない」という不安もあったからだ。
頑張りたくないくせに、わがままな人間だと自分ながら思う。でも、突き詰めていけば人は誰だって自分本位だろう。人に優しくできる人とは、自分に余裕を持てている人だから。
そんなことを悶々と考えていたある日、たまたまサイトを見ていて近所に新しくできるクリニックの「オープニングスタッフ募集」という宣伝を発見し、ここだ!と思い応募したら、無事そこで転職先が決まった。
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた環境は。
新しい職場は、上司となる医院長がいて、その他のスタッフは皆同期。私と同じオープニングスタッフだ。
なので、研修は誰かから業務を教えてもらうのではなく、みんなで一緒に勉強していくという感じで進められていった。これは正直やりやすかったし、皆と連帯感を持ってやれたので楽しさもあった。
新装のクリニックで設備、スペースも綺麗だったのも良かったと思う。
(──なんだ、私にしてはなかなかいい走り出しじゃないか)と思ったものだ。
だが、いざクリニック開業を迎えてみると、「患者さんがまったく来ない」問題が勃発した。1日目は、(まあ初日だし、しょうがないかな)と思ったものの、それが2日、3日と続くとさすがに焦ってきた。
- 同僚
-
「もしかして、このまま患者さんが来ないままこのクリニック終わっちゃうんじゃない?」
そんなことを言ってきた私と歳の近いスタッフに対して、「まさかぁ、そんなことあるわけないですよ」と笑って返したが、私も同じことを考えていた。
だが、4日目あたりからぽつぽつと患者さんが来られるようになり、翌週からは目に見えて来院数が増えだした。
いわゆる、地域ネットワークの口コミパワーというやつだ。
新たにやってくる患者さんは、「近所の〇〇さんから、このクリニックの話を聞いてね」ということを良く教えてくれた。
「口コミ」というと若い世代はインターネットのSNSをイメージするだろうが(私もそうだ)、実際はまだまだこうした地域社会のリアルな口コミもあるということを、私はこの職場で知った。
そして、総合病院での看護とはまた違った、地域にも根付かれたコミュニケーションと寄り添い、そういうものを私はこの職場で感じることができた。
5その後、どうなったか。
「頑張りたい」という気持ちの源泉。
気付けば、私は以前のように「頑張ろう」「頑張りたい」という気持ちでいた。
少人数のオープニングスタッフで、誰か一人でも欠けたら他の人たちに大きく迷惑がかかるし、クリニックが軌道に乗るか乗らないかも自分たちの働きに関わっているように思えて、自然と仕事に集中していたのだと思う。
このことで、私は気づいたことがある。
「もっと、楽できるよ」と言われると、人は頑張りたくなくなってしまうということだ(別に私はそう言われたわけではないが、結婚した時期は似たような意味合いのことを複数の人に言われていた)。
逆に、「あなたが頼りだ」「いてくれて助かっている」と言われると、頑張りたい気持ちになる。なにより、とても嬉しい。
そして、頑張れているときは、当たり前だが色んな知識・経験が増える。だから、「新しい自分」になりやすいのだ。
転職してまだ数か月しか経っていないのに「新しい自分」などというのもチャンチャラおかしな話だが、それでも「人生は切り拓いていける」という感覚を持てたことは何物にも代えがたい。
そう、人は頑張れば変われるのだ。
現在も私はクリニックのオープニングスタッフとして働いている。
来院する患者さんは、病気のことだけでなく日常生活について相談してくることも多い。「こういうときはどうすれば良いでしょう」だったり、「この前朝起きたら、こんなことがあった」だったり。その地域性ならではの話になることもある。
これまでの総合病院勤務のときは、殆どなかったことだ。
それは、クリニックに来る患者さんは「治療・療養」と「日常生活」を並行して営んでいるからだろう。
クリニックや診療所の医療看護は、その人の生活にも触れることになるのだ。
私たちのクリニックだが、現在は患者さんの数も順当に増えてきて、この前新たにスタッフが入ってきた。つまり、私たちの後輩ができたのだ。
地域のクリニック・診療所はこうやって少しずつ大きくなっていくのだなと、初々しい緊張を見せる後輩を見ながら私は思った。
とはいえ、まだまだ私も覚えなくてはならないことが山積みだ。患者さんが安心して頼ってもらえるように、たくさん勉強し知識をしっかりとつけていかなくてはと思っている。
これから先、私は仕事を通してたくさんの人と出会っていくのだろう。
私はそこで、今以上に「あなたがいて良かった」と思ってもらえるような、働きができるようになりたい。
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