「世界中の人と繋がりたい」営業職から日本語教師になって:私の転職体験談
転職前
- 職業
- IT
- 職種
- 営業
- 従業員規模
- 50人
- 年収
- 300万円
転職後
- 職業
- 日本語教師
- 職種
- 教育
- 従業員規模
- 40人
- 年収
- 300万円
目次
ペコさんの転職ストーリー
1これまでの私
やりたいことが無かったけれど。
大学を卒業後、あるIT企業に就職しました。
社員も50名ほどしかいないベンチャー企業で、私が配属されたのは営業職です。
正直に言うと、就職活動はしていましたが、やりたいことが全くありませんでした。
ですのでこの会社を選んだのも、面接を受けたら内定を貰えた、ただそれだけの理由です。
しかし、体力には自信がありましたし、人と話すことも嫌いではなかったので、それなりにやっていけるだろうという、根拠のない自信はありました。
入社したらしたで、結構ガツガツ働きました。
仕事=とにかくガムシャラにやる、というイメージもありましたので。
私のその姿勢が、上司からも前向きに取ってもらえたのでしょうか、
一年目にしては結構な量の仕事を任せられていたんじゃないかなと思っています。
あとはベンチャー企業の宿命でしょうか、人の出入りが激しい職場で。
入社から幾分も経っていない段階で、気づけば後輩が何人もいたりしました。
そのことでさらに責任感みたいなものも芽生え始めて、仕事へのやりがいも生まれてきたという感じでした。
時間も忘れて仕事をして、帰りが終電なんてこともありましたが、全然苦ではありませんでした。
IT業界の営業職の特徴
IT業界の営業職は、IT製品やサービスの提案・販売を行う職種です。
ソフトウェア、ハードウェア、クラウドサービス、ITコンサルティングなど、企業の業務効率化やデジタル化を支援するさまざまなソリューションを提案します。
IT営業の一般的な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
新規顧客の開拓 | 新しい顧客を開拓し、自社のIT製品やサービスの提案を行います。ターゲット市場のリサーチやリードの発掘、アプローチを通じて、商談機会を創出します。 |
顧客への提案活動 | クライアントの課題やニーズをヒアリングし、最適なITソリューションを提案します。製品デモやプレゼンテーションを通じて、サービスの価値を分かりやすく説明します。 |
見積書・契約書の作成 | 商談の内容を基に、見積書や契約書を作成します。顧客に対して適切な価格設定や契約条件を提示し、交渉・契約締結までのプロセスを管理します。 |
既存顧客のフォローアップ | 既存顧客との関係を維持・強化し、継続的な取引を促進します。導入済みのシステムやサービスの利用状況を確認し、追加の提案やアフターサポートを行います。 |
市場調査と競合分析 | IT業界の市場動向や競合製品の分析を行います。得られた情報を基に、自社製品やサービスの提案内容を改善し、競争力のある営業戦略を立案します。 |
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2転職のきっかけ
私が本当にやりたいこと、それは。
そのような状態で働き続けて3年が経った頃。
仕事もしっかり板について、気持ち的にもかなりゆとりが生まれていました。
そこでふと考えてしまうようになったんです。
「今の仕事はやりがいはあるけど、好きな仕事なのかな」って。
そう考えるようになってからは、以前のように仕事に没頭することができなくなっていきました。
職場の人間関係も良好で、何の不自由もない環境ではあったのですが、
「ずっとこの仕事を続けたいか?」と問われたら素直に頷く自信が無くて…。
その時、新卒の就職活動の時に、母から言われた言葉を思い出したんです。
- 母
-
「あんたは何て言うか、いっつもフラフラしてるからね。何となくで働くのは辞めなさいよ。自分がやりたいと思うことなら、私も反対しないから」
就活の頃はそれこそ、やりたいことが無くて会社を選んでしまいましたが、
この会社で勤めた3年間があったおかげで、自分のやりたいことが見えてきてもいました。
かなり大きな目標にはなるのですが「世界中の人と繋がれる仕事がしたい」ということ。
営業活動では、言ってもやはり企業の日本人の方と話す機会にしか恵まれなくて。
私はもっと、世界中の人と繋がりたい・役に立ちたい。
そう思った私が辿り着いたのが、「日本語教師」の仕事でした。
日本語教師とは
日本語教師は、外国人に対して日本語を教える専門職です。
語学学校や大学、日本語学校などで、日本語の文法や会話、読み書きの指導を通じて、日本語能力の向上をサポートします。また、文化や社会的な背景も教えながら、外国人が日本での生活に適応できるよう支援します。
日本語教師の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
日本語の授業実施 | 外国人学生に対して、日本語の授業を行います。授業内容は、文法、会話、聴解、読解、作文など多岐にわたり、学習者のレベルに応じたカリキュラムを提供します。 |
教材の作成・準備 | 学習者のニーズに合わせた教材やプリントを作成し、授業に使用します。既存の教材をアレンジしたり、オリジナル教材を作成することもあります。 |
個別指導・学習支援 | 学生一人ひとりの学習進度や理解度に応じた個別指導を行います。苦手な分野を重点的に教えることで、学習者の理解を深め、学習意欲を高めます。 |
テストの作成・採点 | 学生の日本語能力を評価するためのテストを作成し、実施します。テストの採点や結果のフィードバックを通じて、学習者の進捗状況を把握し、学習計画の調整を行います。 |
文化・社会の紹介 | 日本語教育の一環として、日本の文化や社会的な背景についても教えます。行事や習慣、ビジネスマナーなど、日本での生活に役立つ知識を提供し、異文化理解を促進します。 |
日本語教師になれば、世界中の生徒に日本語や文化を教えることができ、
その中には「日本は素晴らしい国だ」「日本で働きたい」そう思ってくれる方だっているかもしれません。
そのことに強い魅力を感じました。
ただ、調べてみたところ日本語教師の資格を取得するには、最低でも420時間以上の養成講座を受ける必要があるとのこと。
私は日中仕事をしながら、夜に養成講座に通う日々を送ることにしたのです。
3転職活動中
「日本語教師」の狭き門。
養成講座は週に3回ありました。
仕事と両輪で回していくのは、想像していた以上に過酷なものでした。
気持ちだけで「日本語教師になりたい!」とぶつかっていこうとしていた自分が、どれだけ甘い考えだったのか思い知りました。
仕事との両立生活は一年半に及びました。
無事に講座を修了でき、安心しました。
しかし本番はこれからです。
資格を取得したからって、すぐに教師になれるわけではありません。
働き口を確保できないうちは、それはただの肩書きでしかありません。
日本語教師を募集している企業は、転職サイトで見てもかなり少なく、見つけた求人は片っ端から面接に行きました。
しかし、教師という門は狭く、内定をいただけても「非常勤講師」だったりしました。
未経験での転職は、かなり厳しい業界でしたね。
そんなある日、都内某所で「新規開校」の報せが。
それに伴い、人員募集も行われているようでしたので、すぐに応募しました。
面接では私の熱意と、年齢の若さもあったのでしょうか、かなり気に入っていただけて、採用に至りました。
4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。
入社後の3ヵ月は研修期間に充てられていたので、待遇は「契約社員」と同等でした。
私は未経験でしたので、「人にものを教えるとはどういうことか」という、基本のキから教わることになりました。
そして研修後、デモンストレーションとして、あるクラスの授業を受け持つことになったのですが、
20名以上の生徒の前に立つことはかなりの緊張感があり、また、研修では教わらなかったイレギュラーな質問が飛んできたりと、てんてこ舞いでした。
しかも、私たちの知るカリキュラムとは違い、日本語学校の一コマは3時間もあります。
授業の準備にはかなりの時間を要し、休日もその作業に追われて休む暇なんてありませんでした。
幸い、職場の同僚は皆優しい方ばかりでしたが、私は経歴も年齢も一番下ということで、遠慮は絶えない環境でした。
5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
仕事は大変ですが、元々やりたいことの無かった私が、こんなに毎日、前向きに仕事に取り組めているのはかなりの成長だと思います。
もちろん、前職の仕事にもやりがいや誇りは感じていましたが、長期的な目標は持てずにいました。
やっぱり、仕事を長く続けていくうえで大切なのは、常に目標を持って取り組めることだと思います。
教師という仕事は一般企業に比べて給与体制が定まっておらず、明確な昇給が見込めるわけではない世界です。
そのくせ拘束時間は長く、休日を返上で働くこともしばしばです。
ですが、日本語を学ぶ彼らの姿はとても純粋で、時に年齢に似合わず「彼らのお母さん」みたいな気持ちになることもあります。
もっともっと、彼らに日本を好きになってもらいたいなと思います。
今後の目標は、とにかく教師として一人前になることです。
まだまだ反省点の方が多く、自分のふがいなさに落ち込むことばかりです。
また、教室には本当にたくさんの国の生徒が来ています。
時に文化の違いから、争いが生まれてしまうこともあります。
そんな時に、日本人である私が、「差別や偏見を持たず、誰もが平等に接すること」の大切さを、彼らに教えていけたらと思います。
日本語教師は今、人手不足です。
日本の学校の教師とは違い、たしかにハードルの高さを感じる職業だと思いますが、
世界中の彼らに日本の素晴らしさを伝えていけるこの仕事が、もっと多くの人に広まり、同じように日本語教師を志してくれる人が現れてくれるといいな、と思っています。
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