転職エージェントの「社内選考に通らない」理由と対処法|ポイントとおすすめエージェントは?
[最終更新日]2025/06/18

「転職エージェントを使って応募しているのに、なかなか企業に推薦されない」──そんな悩みを抱える人は少なくありません。
目次
社内選考とは?企業に応募する前の“非公開選考”
転職エージェントに登録し、希望の求人に応募したはずなのに、いつまでも企業からの連絡がない──そんな経験をした方は少なくありません。
その原因のひとつに「社内選考」があります。これは、エージェントが求職者の情報を企業に推薦する前に行う、社内での選考プロセスです。
まずはこの社内選考の仕組みを正しく理解し、次に進むための対策を考えていきましょう。
社内選考は「企業に推薦する前」のふるい分け

多くの人が誤解しがちですが、エージェントを通じた「応募」は、求職者の意思だけで完了するものではありません。
転職エージェントは、求職者から応募の希望があったとしても、そのまま企業にレジュメ(職務経歴書など)を送ることはないのです。まずはエージェント社内で「この候補者は推薦にふさわしいか」「この企業にとってマッチしているか」といった判断が行われます。
この社内選考では、企業の募集背景や社風、過去の選考通過事例なども考慮されます。そのため、スキルや経歴に問題がなくても、タイミングやエージェント側の事情で見送られてしまうこともあります。
社内選考に通らなければ、企業に書類が届くことすらない──これが、転職エージェントを介した転職活動における、最初の“見えない壁”です。
落ちても企業には伝わらないが、見えない壁に

社内選考に通らなかった場合、その情報は企業には一切伝わりません。企業側はその求職者のことを知らないまま、他の推薦者の選考を進めていきます。
企業側から「不採用」を受けたわけではないため、求職者の評価が下がったりチャンスを完全に失ったりするわけではありません。
しかし、求職者からすると「応募したのに、全然連絡がこない」という事態になりがちです。
エージェントからの連絡もないまま数日が過ぎると、不安や焦りが募り「自分がダメなのかもしれない」と自信をなくすきっかけにもなります。
社内選考の存在を知らずに転職活動をしていると、思わぬところで足踏みしてしまうことがあるため、この仕組みを理解して冷静に対応することが重要です。
社内選考で落ちたかどうか、求職者が知る方法は?

自分が社内選考で落ちたのか、それとも選考が進んでいる途中なのかを確認するには、遠慮せず担当キャリアアドバイザーに直接聞くのが最も確実です。
「この求人には推薦されましたか?」「見送りの場合、理由はありますか?」と質問することで、今後の改善点が明確になり、次の応募にも活かすことができます。
また、エージェントのマイページやアプリの応募ステータスが「選考準備中」のまま3~5営業日以上変わらない場合も注意が必要です。
この「選考準備中」という状態は、まだ企業にレジュメが提出されていない段階であることを示していることがあり、その場合は通常数日以内に社内選考の結果が出ます。
ステータスが長期間動かない場合は、他の候補者が優先されていたり、自分の推薦が見送られている可能性が高いと考えてよいでしょう。
不安を抱えたまま待ち続けるのではなく、状況を早めに確認し、次のアクションを考えることで、よりスムーズに転職活動を進められます。
この章のまとめ
社内選考の存在をしっかり認識することは転職、ならびに転職エージェントを活用する上で一定の重要性があります。
まずは、以下にまとめた情報をしっかり確認しておきましょう。
- 「応募した=企業に届いた」とは限らない
- 社内選考はエージェント側で行われる非公開プロセス
- 企業に情報は届かないので“落選”ではない
- マイページの応募ステータスが「選考準備中」のまま動かない場合は要注意
- 不安な場合は、キャリアアドバイザーに直接確認を
社内選考に通らない主な理由とは?
「何度応募しても通らない…」そんな状況の原因は、スキルだけでなく、さまざまな要素が絡んでいます。
この章では、社内選考で見送られる典型的な理由を解説し、改善のヒントを探っていきます。
スキルのミスマッチや希望条件の乖離

社内選考で最も多い見送り理由が「求人とのマッチ度の不足」です。たとえば、「マネジメント経験必須」「業界経験3年以上」と明記されている求人に対し、未経験者が応募しても、エージェントは「推薦しても通らないだろう」と判断し、社内で見送りにすることがあります。
また、スキルだけでなく「希望条件の厳しさ」も見送りの原因になりがちです。
たとえば、「年収は600万円以上じゃないとNG」「完全リモート希望」「残業ゼロ」などの条件が強すぎると、そもそも該当する求人が限られてしまいます。
条件を妥協すべきというわけではありませんが、「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を整理し、希望に幅を持たせることで、社内選考を通過できる可能性が高まることもあります。
エージェントは「企業からの信頼」を重視する

転職エージェントにとって、求人企業との関係性や信頼は非常に重要です。
エージェントは企業に対して「この人材は本当にマッチしています」と胸を張って推薦する必要があるため、「通過率が高そうな候補者」を優先的に推薦する傾向があります。
さらに、エージェントの担当者にも「この業界の経験が重視されるだろう」「このタイプの経歴は通りづらい」など、過去の成功・失敗体験からくる判断基準があります。
加えて、求職者との面談時のやりとりや印象、コミュニケーションの取りやすさといった“人間的な相性”も推薦の可否に影響を与えることがあります。
そのため「スキルは足りているはずなのに、なぜか通らない」と感じたときは、担当者とのやりとりやアピールの仕方を見直してみるのも一つの方法です。
エージェントも一人の人間である以上、信頼関係やコミュニケーションの質が推薦の行方を左右することは少なくありません。
通過率を上げるための具体的な対処法

「なぜ自分は社内選考に通らないのか」──その疑問に直面したとき、落ち込むだけでは前には進めません。
むしろ、この段階で見直しをかけることができれば、書類が企業に届く確率はぐっと高まります。
ここでは、社内選考を通過するために、今すぐ実行できる対策を表で紹介します。一つ一つチェックし、転職活動を行いましょう。
社内選考の通過率を上げるためのチェックリスト
チェック項目 | 内容・ポイント |
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職務経歴書に実績を明記しているか | 定量的な成果(例:売上〇%増、プロジェクト完了率など)を記載して、説得力を高める |
数字・具体例を用いてアピールしているか | 「前年比120%達成」など、客観的な数値で実績を示す |
希望条件の優先順位を整理しているか | 「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を明確にする |
条件が厳しすぎていないか | 「年収700万円以上」「フルリモート限定」など、条件が狭すぎないか確認する |
担当者と転職理由や希望条件をすり合わせたか | 初回面談でキャリアの方向性・希望を丁寧に共有する |
応募ごとに希望や意図を共有しているか | 「なぜこの求人に興味があるか」を担当者にこまめに伝える |
社内選考に通らない場合、職務経歴書の内容や希望条件、エージェントとの情報共有に課題があることも。
実績を具体的に伝える、条件の優先順位を整理する、担当者とこまめにコミュニケーションを取るなど、少しの工夫で推薦率は大きく変わります。
エージェントに「この人を推薦したい」と思ってもらえる状態を整えることが、通過への第一歩です。
「落ちた求人に応募したい」直接応募はできる?
「社内選考で落ちたけれど、やっぱりこの企業に挑戦してみたい」──そんな思いを抱くのは自然なことです。
企業にはまだあなたの情報が届いていない可能性が高いため、別の応募ルートを検討することで再チャレンジできることもあります。
ここでは、そうした可能性と注意点を整理し、失敗をチャンスに変える方法をお伝えします。
社内選考で落ちても、企業には伝わっていない

転職エージェントの「社内選考」はあくまでエージェント内での判断であり、その段階で推薦が見送られた場合、企業側には何の情報も届いていません。
つまり、企業はあなたの経歴やスキル、応募意志をまったく知らない状態のまま、別の候補者の選考を進めている可能性が高いのです。
このようなケースでは、企業の公式サイトから直接応募する、あるいは別の転職エージェントを利用して応募し直すという選択肢があります。
特に、企業ホームページに「中途採用」ページがある場合、そこからエントリーできることが多く、応募のハードルも比較的低いです。
また、同じ職務経歴でも、別の書き方やアピール方法で再提出することによって、印象が大きく変わることもあります。
エージェントが推薦を見送った理由を分析し、自分でレジュメの改善や志望動機の明確化を行うことで、結果が変わる可能性は十分にあります。
ただし応募制限がある場合も要確認

とはいえ、どの企業にも自由に再応募できるわけではありません。
注意したいのは「応募ブロック期間」や「経由制限」を設けている企業です。
たとえば、特定の転職エージェントから一度応募があった場合、その情報が企業の採用システムに記録され、数ヶ月間は別のルートからの応募を受け付けないというルールを設けている企業も存在します。
転職エージェントの担当に再応募を相談するなど、熱意や誠実な対応が好印象につながることもあります。
社内選考で落とされるのが気になるなら、他の転職エージェントも活用しよう

「何度応募しても社内選考で落ちる」と悩む方も多いですが、社内選考の基準はエージェントごとに異なります。同じ経歴でも推薦されるかどうかはエージェント次第です。
今のエージェントで進まないなら、自分を責めるのではなく相性や体制を見直すタイミングかもしれません。
複数のエージェントを併用することで、新たな選択肢が広がる可能性もあります。
以下に利用すべき年齢層や特徴をわかりやすくまとめました。説明も含めご覧ください。
大手総合型:対応力・求人数で選ぶ
幅広い業界・職種から豊富な求人情報を探したい人には、大手総合型エージェントの活用がおすすめです。
特に転職活動をこれから本格化させたい方や、自分の市場価値を知りたい方にとっては、情報量とサポート体制の厚さが心強い味方になります。
たとえば「リクルートエージェント」は国内最大級の非公開求人を保有しており、書類添削・面接対策といったサポートも充実。
社内選考の通過基準も比較的明確で、スピーディーに対応してもらえるケースが多くあります。
また、「doda(デューダ)」は一人の求職者に対して複数の担当者がつくスタイルを採用しており、さまざまな視点からアドバイスが得られるのが特徴です。
応募書類やキャリアの方向性について多角的に検討してもらえるため、納得感のある転職活動を進めたい方にぴったりです。
国内の代表的な総合型転職エージェント
サービス名 | マイナビAGENT![]() | doda![]() | リクルートエージェント![]() | ワークポート![]() | type転職エージェント![]() |
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メリット |
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デメリット |
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得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | 営業、IT、システムエンジニア、プログラマ、コンサルタント |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | 20代後半~30代前半(エンジニアのみ39歳までOK) |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | 東京・神奈川・埼玉・千葉 |
おすすめの人 |
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詳細を見る |
特化型・ミドル世代向け:丁寧な提案が魅力
30代〜40代のミドル層、もしくは特定職種に絞って転職を目指す方には、年齢や経験に応じた支援に長けた「特化型エージェント」が効果的です。こうしたエージェントでは、キャリアの棚卸しから企業とのマッチング精度までを丁寧にサポートしてくれます。
国内の代表的な特化型転職エージェント
タイプ | 20代に特化 | 20代・若手 | 20代に特化 | 20代に特化 | ITエンジニア | ITエンジニア | IT・Web業界 | リーダー・マネージャー | リーダー・マネージャー | リーダー・マネージャー | リーダー・マネージャー | 会計・経理・税務・財務 | マスコミ・メディア | アパレル・ファッション | 管理部門 | 外資・グローバル | 外資・グローバル | 製造系エンジニア | 介護・福祉 | 介護・福祉 | 障がい者 | 障がい者 |
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サービス名 | マイナビジョブ'20s![]() | キャリアスタート![]() | ハタラクティブ![]() | キャリアパーク![]() | マイナビIT AGENT![]() | レバテックキャリア![]() | ワークポート![]() | doda X![]() | JACリクルートメント![]() | リクルートダイレクトスカウト![]() | ビズリーチ![]() | ジャスネットキャリア![]() | マスメディアン![]() | クリーデンス![]() | MS Japan![]() | エンワールド![]() | ロバート・ウォルターズ![]() | メイテックネクスト![]() | レバウェル介護![]() | かいご畑![]() | LITALICO仕事ナビ![]() | デイゴー求人ナビ![]() |
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得意業界/職種 | ◎全業種・職種 | 営業職、管理部門、Webエンジニア、インフラエンジニア、販売・サービス | ◎全業種・職種 | 営業、販売、接客、施工管理、ITエンジニア | IT・Web | IT・Web | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | ◎全業種・職種 | 会計・経理・税務・財務 | マスコミ・メディア | アパレル・ファッション | 管理部門・士業 | 外資系 | 外資系 | 製造系エンジニア | 介護・福祉 | 介護・福祉 | デスクワーク | 事務・軽作業 |
対象地域 | 関東・関西・中部 | ◎全都道府県 | 北海道・東北、関東、中部、近畿、中国、九州 | 東京・大阪近郊 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | 関東・関西・中部(東海) | 東京・大阪 | 関東・関西・東海 | ◎全都道府県 | 東京・愛知・大阪+海外 | 東京・愛知・大阪+海外 | 東京・名古屋・大阪・福岡 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 |
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【注意】社内選考で落ちたときにやってはいけないNG行動

社内選考に落ちた際、「なぜ推薦してくれなかったのか」「何も連絡がないなんて不親切だ」といった感情が湧き上がることは自然なことです。
しかし、それをエージェントに対して直接ぶつけてしまうと、信頼関係に亀裂が入り、今後のサポートに影響を及ぼす恐れがあります。以下のNG行為は絶対にしないよう注意しましょう。
感情的な対応・放置はNG
社内選考に落ちたとき、つい感情的になってしまうこともあるかもしれません。しかし、エージェントに怒りをぶつけたり、無言でフェードアウトしてしまうと、今後の支援に支障をきたす可能性があります。
転職活動は長期戦になることも多いため、冷静にフィードバックを求め、改善策を探る姿勢が大切です。感情的なやり取りは双方の信頼を損ねるだけでなく、結果的に自分のチャンスを減らしてしまいます。
反省せずに同じやり方を繰り返すのは危険
社内選考での落選が複数回続いているのに、職務経歴書や希望条件、アピール方法などを一切変えずに応募を続けるのは避けたい行動のひとつです。うまくいっていないやり方をそのまま続けても、状況が改善される可能性は低いでしょう。
たとえば、「職務経歴書が抽象的すぎる」「希望条件が厳しすぎる」「エージェントに自分の希望をうまく伝えられていない」など、何かしらの課題が潜んでいるはずです。それを放置したまま応募を重ねると、落選の理由が見えないまま、転職活動そのものが長期化してしまいます。
こうしたときこそ、視点を変える行動が必要です。たとえば、自分ひとりでは気づけない改善点を、エージェントやキャリアアドバイザーに相談することで発見できることもあります。また、複数のエージェントを併用して、異なる視点からのアドバイスを受けるのも有効な手段です。
大切なのは、「なぜ落ちたか」に真摯に向き合い、「次はどう変えるか」を考える姿勢です。行動を変えれば、必ず結果も変わっていきます。
まとめ|社内選考に落ちても転職の可能性は閉ざされない

転職エージェントの社内選考で落ちる経験は、誰にでも起こり得ることです。しかし、それはあなたの能力や人間性を否定されたわけではなく、あくまで求人との相性やエージェント側の判断基準によるものです。
通過しやすくなるためには、職務経歴書の見直しや希望条件の整理、担当者との連携強化といった工夫が効果的です。また、同じやり方を繰り返さず、必要に応じて他のエージェントを併用する柔軟さも大切です。
落選を「終わり」と捉えるのではなく、「改善のヒント」として前向きに受け止めることで、転職活動は着実に前進します。社内選考の壁に悩んだときこそ、自分の価値と可能性を信じて、次の一歩を踏み出していきましょう。