転職体験談:金融営業マンから、真の仕事の「やりがい」を求めて介護業界に転職した私
転職前
- 職業
- 証券会社
- 職種
- 金融営業
- 従業員規模
- 400名
- 年収
- 480万円
転職後
- 職業
- 特別養護老人ホーム
- 職種
- 介護士
- 従業員規模
- 40名
- 年収
- 400万円
目次
たいきさんの転職ストーリー
1これまでの私
ノルマの重圧、サービス残業、休日出勤の日々。
新卒で入社した前職は、金融営業マンで、とにかく「ノルマ、ノルマ、そしてノルマ」の毎日でした。
給料に対してはそれほど不満はありませんでしたが、支店長からの圧力がとてもきつくて。
支店長は私たち部下のプライベートや体調に気を遣うようなことはありません。
サービス残業は当たり前でしたし、お客様の都合に合わせて休日出勤をさせられることもしょっちゅうありました。
今思えば、完全に「ブラック企業」ですよね。
しかし当時は、
- 私
-
(どこの業界でもこんなものだろう)
と思いながら働いていました。──本当に、何も知らないということは怖いものです。
当時の私は、支店長に言われるままにがむしゃらに働き続けていました。
その頃はもう考え方もおかしくなっていましたね。
仕事をしているときに頭を支配しているのは、「ノルマを達成するにはどの金融商品を販売するのが良いか」ということだけです。
「お客様により良い金融商品を提供する」考えなんて、ありませんでした。
参考:金融営業(証券会社)の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
顧客対応 | 個人および法人の顧客に対して、投資商品の説明や相談を行います。顧客のニーズやリスク許容度に応じた商品を提案します。 |
新規顧客の開拓 | 新規の顧客を獲得するための営業活動を行います。電話営業や訪問営業、セミナー開催などを通じて新規顧客を開拓します。 |
投資商品の販売 | 株式、債券、投資信託などの金融商品の販売を行います。顧客の資産運用の目的に応じた最適な商品を提供します。 |
ポートフォリオの提案・管理 | 顧客の資産ポートフォリオを提案し、運用状況を定期的にチェック・管理します。市場動向に応じてリバランスの提案を行います。 |
市場情報の提供 | 市場の動向や経済指標などの情報を収集し、顧客に提供します。適切なタイミングでの投資判断を支援します。 |
リスク管理 | 顧客の投資リスクを管理し、リスクを最小限に抑えるための対策を講じます。不適切な投資判断を防ぐためのアドバイスを行います。 |
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2転職のきっかけ
学生時代の友人との飲みの席で、気付かされたこと。
そんな忙しい日々を過ごしていましたが、ある日大学時代の仲間とお酒を飲んで話をしていたとき、私の考えは一気に変わりました。
彼は大学卒業後に介護業界に進み、順調にキャリアを積んでいました。
- 友人
-
「介護業界は重労働で低賃金というイメージが強いかもしれないけど、キャリアアップとともにできる仕事の幅が広がるし、自分にとってより良い環境の職場を選択できるようになるよ」
そう彼は、私に教えてくれました。
実際、彼も上位の介護資格を取得し、その後は自分の力を100%発揮できる職場で働けているとのことでした。
そして何より私が感心したのは、「何のために働いているか」という問いに対して、彼が、
- 友人
-
「お客様である、利用者や利用者の家族の生活を充実させるためだ」
と即答して、「本気の姿勢」で取り組んでいることが伝わってきたからです。
もちろん、私だって本気で仕事に取り組んではいました。
ですが、それはあくまでも「ノルマを達成する」ためであり、「自分自身」のためでした。
- 私
-
(社会人になって同じだけの時間を過ごしているのに、あいつと俺とで、どうしてここまで意識の差が付いてしまったんだろう)
介護業界でやりがいを持って働く友人がとても眩しく、そしてうらやましく思えて。
そして今の自分がなんだかつまらない存在に感じ、これまでの仕事の仕方にも疑問を持つようになりました。
──それが、私が「介護業界に転職しよう」と思ったきっかけです。
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3転職活動中
「介護業界に転職しよう」
転職を決意してからは、徹底的に介護業界について調べました。
「業界未経験で無資格の自分が、どのようにしたら働けるのか」について模索しました。
調べてみると介護業界は無資格・未経験者の採用を行っている施設もあり、比較的新規参入がしやすい業界ということが判明して。
今後予想される超高齢社会に向けて、介護の労働力の確保をしやすくしているということも、そこで学びました。
ですが、友人のように介護業界でキャリアアップをするためには介護資格の取得が必須となります。
私は、前職在職中に介護資格「介護職員初任者研修」を取得しました。
参考:介護職員初任者研修とは
資格概要 | 介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識と技術を習得し、介護の現場で即戦力として働けるようになるための研修です。介護職としての入門的な資格であり、未経験者でも受講できます。 |
---|---|
資格取得の際に学ぶこと |
|
資格取得方法 | 指定の教育機関で130時間のカリキュラムを修了することが必要です。カリキュラムには、講義、演習、実習が含まれます。修了後には筆記試験が行われ、合格すると資格が取得できます。 |
学習時間目安 | 130時間の学習が目安です。講義、演習、実習が含まれており、平日コースや土日コースなど様々な形式で提供されています。 |
参考サイト | 厚生労働省「介護に関する資格等について」 |
この資格は介護業界のキャリアパスの第一歩目の資格で、取得していれば転職にも有利になると言われているものでした。
しかし、カリキュラムの中にはスクーリング(専門の学習機関に通って学ぶもの)も含まれており、ただでさえ忙しかった前職との両立は相当苦しかったです。
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4転職後
初めての介護の仕事は、思っていた以上にきつかった。
結局、前職の仕事がかなり忙しかったため、初任者研修の取得は転職前には間に合わず、「資格取得中」という形で介護施設で働き始めることになりました。
無資格とはいえ介護についての勉強を積み重ねてきたので、
- 私
-
(ある程度仕事はできるだろう)
と考えていたのですが、初めての現場はそんなに甘いものではありませんでした。
私の勤務先は特別養護老人ホームという入所型の介護施設で、24時間体制で介護サービスの提供を行っています。
ADL(日常生活動作)が自立していいない人や重度の認知症の人も多く、最初の内はとにかく身体介護サービスの提供をし続けていました。
そこで求められたのは、もちろん介護の知識や技術もそうでしたが、とにかく大切であったのは「利用者の方とのコミュニケーション」でした。
(資格取得のために学んだものよりも、コミュニケーション能力の高さの方が重要なのではないか)と思うほどでした。
参考:特別養護老人ホームの主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
介護 | 入所者の日常生活を支援します。食事、入浴、排泄などの基本的な介護サービスを提供し、身体的・精神的なケアを行います。 |
健康管理 | 入所者の健康状態を定期的に観察し、必要に応じて医療機関と連携します。日常的な健康チェックや服薬管理を行います。 |
生活支援 | 入所者が快適な生活を送れるように、居室の清掃やリネン交換などの生活環境の整備を行います。入所者の要望に応じた個別の支援も提供します。 |
レクリエーションの企画・実施 | 入所者の心身の健康を維持するために、レクリエーションやイベントを企画・実施します。趣味活動や季節行事を通じて入所者の生活に楽しみを提供します。 |
家族との連絡・相談 | 入所者の家族と定期的に連絡を取り、入所者の状況報告や相談に応じます。家族とのコミュニケーションを通じて入所者の支援に反映させます。 |
他職種との連携 | 看護師、栄養士、リハビリスタッフなど他職種と連携して入所者の総合的なケアを行います。チームでの情報共有やケアプランの調整を行います。 |
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5その後、どうなったか。
金融営業から介護職に転職して、今思うことは。
それから数ヵ月たって、私はようやく「介護職員初任者研修資格」を取得できました。
相変わらず現場では身体介護サービスの提供に明け暮れていましたが、ふとした瞬間に資格取得のために学んだ知識が役に立ったり、後輩への技術指導もできるようになりました。
金融営業マン時代は「上司に怒られないように」であったり「ノルマを達成できるように」であったりと、自分のことだけしか考えていませんでしたが、今では利用者の満足度や後輩の成長を考えながら働いています。
──そして、そんな自分に正直なところ驚いています。
もちろん介護業界でも納得できないことや不満に思う瞬間もあります。
ですが、「働き方」を180度変えてくれた今の職場は、自分にとって「天職」だったと思っています。
「心の底から人に喜んでもらえること」、「自分以外の人間が成長すること。そしてそれに関われること」が仕事のやりがい・モチベーションに繋がるなんて、以前の自分からは考えもしなかったことでした。
◇ ◇ ◇
まだまだ介護業界では学ぶことばかりですが、今後はさらに上位の介護資格の取得を目指してキャリアアップをしたいと考えています。
次に取得を目指す資格は、「介護職員実務者研修」です。
さらに、「ケアマネジャー資格」も目指したいと思っています。
道のりは長いですが、明確な目標があることも、仕事を続けていくうえでのモチベーションになっています。
また私の場合は大学時代の友人の話を聞いたことで介護業界への転職を決意しましたが、今後は私のような人がもっと増えたらいいなとも考えています。
なぜなら今後の日本社会では介護業界への需要がますます高まり、介護の労働力が今以上に必要になるからです。
「より良い日本の未来」を実現するためにも、「介護業界のさらなる発展は、まさしく必要不可欠」だと、私は考えています。
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