華やかな世界に憧れてメイクアップアーティストなった私が次に選んだ仕事は、介護士|転職体験談
転職前
- 職業
- 芸能プロダクション
- 職種
- メイクアップアーティスト
- 従業員規模
- 40名
- 年収
- 400万円
転職後
- 職業
- 介護支援事務所
- 職種
- 介護士
- 従業員規模
- 13名
- 年収
- 350万円
目次
ゆかりんさんの転職ストーリー
1これまでの私
芸能界に関わる仕事を目指し、メイクアップアーティストになって。
小さいころから「華やかな世界」に憧れていた私は、中学生のときから
- 私
-
「芸能界に入りたい…!」
と思っていました。
本当はアイドルになりたかったのですが、次第に自分には無理と思うようになって(笑)
それならばと、メイクの仕事がしたいと思って、高校を卒業後、専門の学校で学び、卒業後、その世界に飛び込みました。
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しかし現実は甘くありませんでした。
最初のころは修業期間でお給料も生活がかろうじてできるほどのしか頂けず、副業でアルバイトをしながらの生活でした。
その後、あきらめずに経験と実績を積んでいく中、目標だった芸能界の仕事にも少しずつ携われるようになりました。
ですが、あまりの多忙な生活を数年も続けた影響で、私は身体を壊してしまったのです。
それからは実家に戻って、療養する日々となりました。
一息ついたころには、いかに自分が「身体も心も疲れてすり減っていた」状態であったかがわかりました。
2転職のきっかけ
「自分は何をしたいのか」を考えた日々。
それから、私は
- 私
-
(この世界は自分には向いていないのでは…)
と思うようになりました。
これまでの私は、自身の進路に対して、ただ「憧れ」だけで突き進んできました。
そこに、「向き不向きがある」ということはまったく考てなくて。
きっと、私には目まぐるしく移り変わる、にぎやかで派手な世界は合わなかったのでしょう。
現に、メイクアップアーティストの仕事で芸能人に会えたときも、「ただそれだけのこと」でした。
その機会は、私の「これから」に何の示唆も与えてくれなかったのです。
私は心と身体を休めながら、自分は何をしたいのか考えました。
ちょうどその頃のことです。
私はよく近所に散歩に出かけるようになって、たまたま公園でくつろいでいるお年寄りの方から話しかけられまして。
そのときに、心がいやされるというか、満たされるというか、そんな気がたのです。
そして、その想いは、「楽しそうにしているおじいちゃん、おばあちゃんに喜んでもらいたい」という関心に変わっていきました。
芸能界への関心から、ずいぶん様変わりした感はありますが…、もしかしたら自分が身体を壊したことによって、いわゆる「弱者」と呼ばれる方々の気持ちが多少なりも理解できるようになったのかもしれません。
- 私
-
(高齢者の方々のお世話をする仕事をしてみたい
と、思うようになりました。
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3転職活動中
介護の仕事を見学して、思ったこと。感じたこと。
介護関連の会社は、私の実家の町にもたくさん増えていました。
近所の方からの情報で、求人を出していて、高待遇のところがあると聴き、お話を伺いに行きました。
伺った先では、担当者の方がとてもやさしい方で、とても親切に業務内容を教えてくださいました。
そこはデイケア中心で、一人暮らしをされている高齢の方々をバスで迎えに行って、お風呂にいれてあげたり、ゆっくりくつろげる場を提供していました。
実際に業務を目の当たりにした感想は、「かなり大変そうだな…」ということでした。
ですが、利用者の方々のうれしそうな顔を見ていて、
- 私
-
(やっぱり、この仕事はとてもやりがいがありそうだ)
と感じました。
私は実家で暮らしながら、そこの会社で働かせて頂こうと思いました。
初から「転職しよう」と意気込んでいたわけではなかったので、いわば「なりゆき的」な転職になってしまった感がありますが、結果的には良かったと思っています。
4転職後
未経験の介護の職場で、待ち受けていた環境は──。
想像以上に、大変なお仕事でした。
特に、お風呂に入れてあげる作業は、力もいるし、事故を起こしてはいけないし、くたくたになりました。
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しかし、一人暮らしで、いつも話し合いでがいないというおじいちゃん、おばあちゃんが楽しそうに話してくるのを聴いているのは、こちらも楽しくなりました。
そして、嬉しそうに帰っていかれる姿を見送ると、疲れも吹き飛びました。
仕事の醍醐味って、誰かに喜んでもらえるということだと思います。
メイクの時もそうでしたが、高齢者の方々と携わるなか、それ以上の喜び、やりがいを感じました。
さらに、もっと体が不自由な方も来られましたが、そういう場合はご家族方も付き添います。
そんな時は、ご家族の方と話をし、いろいろなことを聞くのですが、ご家族の方々もふだん、いろんな思いを口にする場がないとのことで、
- ご家族の方
-
「助かります」
とおっしゃられる方が多いです。
そして、その一言を頂いたときに、私自身も助けられたような、そんな気持ちになるのです。
5その後、どうなったか。
介護の業界に入って、今思うこと。そしてこれから目指していきたいこと。
私にもおじいちゃん、おばあちゃんがいましたが、皆、亡くなってしまいました。
住んでいる場所が離れていたので、なかなか触れ合う機会がなかったのですが、今回の転職によって、自分のおじいちゃん、おばあちゃんにできなかった孝行ができているのかなと思っています。
高齢化社会になるにつれて、お年寄りが「やっかいな存在」になったらいけないと思います。
お年寄りたちが、今の世の中を大変な思いをしながら作ってくださったという感謝と敬意を私たちはもつべきだと、この仕事をしながら思いました。
メイクの仕事をしていたときには、想像もしなかったようなことばかりですね(笑)
後悔はしていないのですが、メイクの仕事にまったく未練が無いということはありません。
ですので、仕事としてではなく、何かのお役に立てられる時がくればと思っています。
◇ ◇ ◇
今、介護に関する資格を取ろうと学んでいます。
今後、需要が増えていく業種ですし、その質が問われていくことになると思います。
同業のなかには、お年寄りを虐待したりという、残念なニュースを耳にすることがありますが、それは、介護の仕事を「単なる仕事」と捉えている結果だと思います。
現実は大変で、働く人の気持ちがいっぱいいっぱいになるのは理解できないことはないのですが、「給料をいただくためにしている仕事ではない」との、高い志を私たちがもつことが大事ではないかと思っています。
そのために、資格の勉強とともに、自分自身の心を磨く作業にも取り組んでいかなければならないと感じています。
それと、ゆくゆくは「自分自身で会社を立ち上げる」という夢もあります。
スキルを学んで、経験を積んだ後に、きっとまた新しい視界が広がっている──そう信じながら、日々の仕事を頑張っています。
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