OAインストラクターになるには?仕事内容・向いてる人・転職のポイント紹介
[最終更新日]2024/10/17
現代においては、どのような仕事に就く場合も「基本的なPCスキルは必須」と言われるようになっています。
PCの操作が不安な状態では選べる仕事が限定されてしまうため、「PCは苦手だけれど、使えるようになりたい」と考え、パソコン教室などに通うことを検討する人も少なくありません。
そういった人のためにPCの使い方を教える仕事がOAインストラクターです。これまで仕事でPCを使ってきた経験を活かして、人に教える仕事をしたいと考えている人もいるのではないでしょうか。
目次
1)OAインストラクターの仕事内容・やりがい・平均年収
OAインストラクターの活躍の場はパソコン教室の講師だけではなく、企業研修などさまざまな場面で需要のある職種ということをご存知でしょうか。
自分自身がOAインストラクターからPCを教わった経験がない人にとって、OAインストラクターとはどのような仕事なのか、どういった場所で働いているのかイメージがつきにくいかもしれません。
まずはOAインストラクターの主な仕事内容、仕事のやりがい、働く上で大変なことについて確認しておきましょう。
OAインストラクターの主な仕事内容
OAインストラクターが指導するのは、PCの操作だけではありません。一例として、次のようなことをオペレーターや事務担当者に教える仕事があります。
OAインストラクターが指導を担当するもの
- ExcelやPowerPointといったソフトの操作
- 関数やVBAの基本的な知識
- 業務用タブレット端末などの操作
- コピー複合機などの使い方
OAインストラクターが活躍している場所としては、街中にあるパソコン教室のほか、企業向けの研修、専門学校や大学といった教育機関、ハローワークや自治体が主催する求職者に向けたパソコン講座などがあります。
こうした場所に講師として配属あるいは派遣され、OA機器の操作を習いたい方々に向けて直接指導を行います。
PCなどの操作を覚えたい人の目的や年齢層もさまざまです。仕事でPCを使う必要がある人だけでなく、趣味でPCを使ってみたいという人もいます。年齢も中高年から若い人までさまざまですので、相手の目的や知識に合わせて指導することが求められるのです。
OAインストラクターの仕事のやりがい・大変なこと
OAインストラクターの仕事のやりがい
OAインストラクターが指導を担当する方々の多くはPCに苦手意識を持っています。場合によっては、これまでPCに触ったことがほとんどない人もいることでしょう。
そういった方々がPCに触れながら少しずつできることが増えていき、スキルが向上するのを目の当たりにできるのは、OAインストラクターにとって大きなやりがいになります。
PCが使えるようになることで選べる仕事の幅が広がったり、家族や知人とメールのやりとりをするようになったりと、できることが増えるのは間違いありません。
PCが使えるようになり、実生活での便利さを実感するようになると、生徒の学ぶ意欲も高まっていくでしょう。
できるようになったことで「ありがとう」と言ってもらえるのも、OAインストラクターとして働く大きな喜びの1つと言えます。
OAインストラクターの仕事の大変なこと
OAインストラクターの指導を受ける生徒の中には、PCをはじめとする機器の操作に強い苦手意識を持っている人も少なくありません。
「ダブルクリック」「ドラッグアンドドロップ」といった基本的な操作についても、「分からない」「やったことがない」人もいるでしょう。
正しい知識を伝えていても、「言葉が難しすぎて分からない」「何を言っているのか理解できない」と思われてしまうことも考えられます。
生徒の理解度や知識量は人によってまちまちですので、相手に合わせた伝え方・教え方を意識する必要があるのです。
また、OAインストラクターの仕事は教えることだけではありません。講座に必要な教材や資料の作成、見学者への対応、テスト作成、宣伝活動、教室の清掃といったことも含めて担当することになります。
残業が発生することがあるだけでなく、場合によっては業務時間外にこうした仕事をこなす必要に迫られることも考えられます。
OAインストラクターの平均年収
OAインストラクターの年収は220万円から270万円となる傾向があります。多くの場合、雇用形態は派遣社員かパート・アルバイトで、時給1,000円前後で就業するケースがよく見られます。
そのため、手当やボーナスの支給がなく、講座が少ない時期には収入が下がりやすいなど不安定な面があることも否めません。
ただし、OA機器の操作を覚えたいと考えている人は多く需要のある仕事ですので、仕事がすっかりなくなってしまうことは考えにくいでしょう。
長い目で見ていくと、安定的に収入を得られる職種とも言えます。
一方、一般的な事務用途のソフトだけでなく、PhotoshopやIllustratorといったクリエイティブ用途のソフトの扱い方を教えるなど、専門性が必要な講座を担当できる人の場合は時給が高めに設定されていることもあります。
あるいは講師として活躍するだけでなく、スクールの責任者に抜擢されるなど活躍の場が広がるチャンスを手にできれば、報酬も上げていくことも可能です。
2)OAインストラクターに必要なスキル・知識
実務未経験の状態からOAインストラクターを目指す場合、どのようなスキルや知識を身につけている必要があるのかイメージが湧かないかもしれません。
OAインストラクターは、シンプルに表現するなら「PCなどの使い方を教える仕事」です。
しかし、分かりやすく教えるためには知識を持っているだけは十分ではありません。教わる生徒となる方々が理解しやすいよう、説明の仕方や伝え方を工夫する必要があります。
このような視点から考えた場合、OAインストラクターにとって必要なスキル・知識は次の3点に集約されるでしょう。
PCに関する基礎的な知識
第一に、PCの使い方を教えるわけですから、自分自身がPCに関する基礎的な知識を持っている必要があります。
PCに関する知識は非常に幅広く、初心者向けの知識からデザイナーなどクリエーターが必要とする知識やエンジニアなど開発者が持っておくべき知識までさまざまです。
OAインストラクターに求められるのは、「初心者にとって必要な知識」です。ただし、PCの操作さえできればいいわけではなく、もう少し深いレベルまで知っておく必要があります。
たとえば、パソコン教室ではExcelの簡単な表計算までを教える場合であっても、関数を使うことでさらに複雑な処理ができることを知識として持っておくことは重要です。
レベルの高い生徒からの質問にも対応する必要があるだけでなく、生徒が上達していった先をイメージして教えられることが指導力につながっていくからです。
目安として、事務職などの一般的なオフィスワークが実務レベルでこなせるスキルは必須と考えていいでしょう。
受講者の理解度に合わせた「指導力」
OAインストラクターとして指導する生徒のレベルは、人によってまちまちです。
中には本当にPCに触れるのが初めてに近く、自分は何が分からないのかが分からない状態の人や、PCに関する用語を全く受けつけない人もいるかもしれません。
目の前の相手がどこまでの知識を持っていて、どんな伝え方をすれば最も理解しやすいか、瞬時に判断して臨機応変に対応する指導力が求められます。
人にものを教える仕事をする上で、「分かるようになってほしい」「上達してほしい」という思いを強く持ち続けられることも重要です。
自分の知識レベルを基準に考えてしまう人ほど、「こんなに簡単なことも分からないのはなぜだろう?」と思ってしまいがちですが、こうしたネガティブな気持ちは不思議と生徒にも伝わってしまいます。
上達のペースは人によって差があるかもしれませんが、1つでも上達したことがあれば一緒に喜んであげられるような、教えることへの情熱を持っていることも重要な資質と言えます。
老若男女に合わせた「コミュニケーション能力」
OAインストラクターの指導を受ける生徒の中には、講師よりずっと年上の人も少なくありません。年齢や性別を問わず、幅広い人々に受け入れてもらえるコミュニケーション能力を持っていることは非常に重要な資質です。
PCが苦手な人の中には、自分が分からないことをうまく言葉で表現できなかったり、一度聞いただけでは覚えられず何度も同じことを質問したりする人もいます。
相手が何に困っているのか、どのような心理状態にあるのかをよく見極め、相手の言葉に耳を傾けて根気よく対応する必要があります。笑顔ではきはきと対応できることや、人間味あふれる温かみのある対応ができることも、OAインストラクターとして重要な要素なのです。
生徒としては、分かりやすく教えてくれる先生を求めているのはもちろんのこと、「ささいなことでも気軽に質問できる」「いつも笑顔で接してくれる」といったことも潜在的に期待しているものです。
老若男女を問わず、相手に合わせた対応ができるコミュニケーション能力は、OAインストラクターとして核となるスキルと考えていいでしょう。
3)OAインストラクターに転職する際に意識したい4つのポイント
OAインストラクターを目指そうとしている人は、採用選考に際していくつか意識しておきたいポイントがあります。たとえ未経験者であっても、これらのポイントをしっかりと押さえていればポテンシャルを評価されて採用される可能性も十分にあります。
自分にとっての強みが生かせる場合もあるはずですので、どのようなことを意識して採用選考にのぞむべきなのかを知っておくことが重要です。
OAインストラクターに応募する前に、次の4つのポイントを押さえられているかどうか、セルフチェックしておきましょう。
特別に必要な資格はないが「MOS」の資格があると有利
OAインストラクターになるにあたって必須の資格はありません。教員免許のような免許制の職種ではないので、資格を必ず取得しなくてはならないわけではありません。
ただし、パソコン講座などで一般的によく扱われるOffice系の知識が豊富であることは、OAインストラクターとして評価されるポイントとなります。マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)の資格を取得しておくことで、WordやExcel、PowerPointといった指導に必要な知識がひと通り身についていることを証明できます。
知識や技能を客観的に伝えられる点で、MOS資格を持っておくと効果的です。求人によってはMOSの資格保有者は優遇してもらえたり、必須条件となっていたりするケースもないわけではありません。
また、MOSを取得する過程でOffice系ソフトの基本を学ぶことになりますので、体系的に知識を身につけておく上でも効果的です。自分自身の知識・技能に自信をつけておく意味でも、MOSの取得は検討してみる価値があるでしょう。
「自身も学び続ける姿勢」が必要になる
PCなどのOA機器は日々進化しています。OSやソフトがバージョンアップすると、操作方法が微妙に変わることも決してめずらしくありません。
「以前のバージョンなら操作できるけれども、新しいバージョンは使い慣れていないので教えられない」というようではOAインストラクターとしてふさわしくありません。自分自身も慢心することなく勉強を続け、向上心を持ち続けることが求められる仕事と言えます。
また、人にものを教えるスキルにはゴールはありません。より分かりやすく、より伝わりやすく、といったように上を目指していくと、際限なく追究し続けられるのです。「このレベルまで教えられればいい」と自分で決めてしまうことなく、指導者として教えるスキルの向上を研鑽していくことが大切です。
こうしたことを実現するには、そもそも新しいことを学ぶのが好きかどうか、1つのことに凝ってレベルを上げていくことに喜びを見出せるかどうか、といった資質も必要になってくるのです。
他業種であっても「人に教えた経験」はアピールポイントになる
OAインストラクターの実務経験がなくても、他業種で人に教えた経験があれば評価してもらえる可能性は十分にあります。
他業種であっても、人に分かりやすく説明するという本質の部分は同じだからです。たとえば、塾講師や学校教員、研修講師、スポーツインストラクターなどの経験があれば、講師としての適性をアピールできるはずです。
職業として指導にあたった経験がない場合でも、趣味やボランティアで人にものを説明したり、教えたりした機会があればアピールポイントにできます。
人に分かりやすく教えるということは、実は誰にでもできることではありません。適性や資質が大きく関わりますので、教えた経験があること自体が価値になる場合もあるのです。
33「教えた経験はあるけれど、あまり自信がない」「教えていたのはかなり前のことでブランクがある」といった場合も、客観的に見ると希少な経験として高く評価してもらえることがあります。人に教えた経験が何かしらあれば、臆することなくアピールしましょう。
サポートの手厚い派遣サービスを活用する
OAインストラクターが指導するソフトの種類や受講する生徒の目的、指導内容のレベルは就業先によって千差万別です。
とくに未経験者の場合、自分がどのレベルに対応できるのか自分では見分けにくいケースも多いと考えられます。
講座での指導以外にどのような業務をこなす必要があるのか、詳しい仕事内容をきちんと確認しておくことも欠かせません。いざ就業してみたら事前の想定よりも高いレベルの知識・スキルを要求されてしまうようでは大変です。就業開始後にミスマッチが生じることのないよう、利用する派遣サービスを厳選する必要があります。
派遣サービスでは就業前だけでなく、就業を開始してからも定期的に担当者と面談し、仕事の状況を共有していくことになります。
しっかりと手厚くサポートしてもらえる派遣サービスであれば、就業後にも相談しやすく、頼りになるはずです。未経験の職種に挑戦するからこそ、サポートの手厚い派遣サービスを活用するようにしましょう。
4)OAインストラクターへの転職におすすめの派遣サービス
OAインストラクターに転職するにあたって、おすすめの派遣サービスにはいくつかの特徴があります。
大手派遣サービスで案件が豊富にあること、担当者によるサポートが手厚いこと、知名度があり派遣先企業からの信用が厚いことなどが特徴として挙げられます。
これらの特徴を満たすものとして、次の4つの派遣サービスがおすすめです。派遣サービスは登録後すぐに就業先が確保できないこともありますので、早めに就業先を見つけたい場合は2つ以上のサービスに登録しておくと効果的です。
スタッフサービス
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都市部から地方まで満遍なくサポートを提供している派遣会社です。
デスクワーク系のほかメディカル・エンジニア案件を探したい人にもおすすめです。
スタッフサービスは創業1981年の大手人材会社であり、創業当初から派遣求人をメインに取り扱っている老舗企業です。
多くの企業との取引実績があることから、保有している求人数は派遣会社の中で最も多く、職種・業種ともに多様な領域をカバーしています。
OAインストラクターの求人数は、約200件(2024年10月現在)。国内の派遣会社のなかでトップクラスです。
スタッフサービスは47都道府県に97ヶ所の拠点を展開しています。そのため地方で働きたいと思っている人にも多くの選択肢があることでしょう。
また、WordやExcelなどのPCスキル、ビジネスマナー、ITスキルなどの全35種類の講座をネット環境があればどこでも受けられるため、働きながらビジネススキルの向上も目指せます。
スタッフサービスの特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
OAインストラクターの公開求人数(案件数) | 約200件(2024年10月現在) |
お仕事の案件数・スキルアップ制度ともに充実した派遣会社です。キャリアプランを立てたうえでの利用が有意義でしょう。
テンプスタッフ
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「案件の幅広さ」ならココ!とくにデスクワーク系・クリエイティブ系の好条件案件を多く見つけられます。
テンプスタッフは6万件を超える求人数を保有しており、数ある派遣会社の中でもトップクラスの求人数です(※2024年10月時点)。
OAインストラクターの求人は、約100件(2024年10月現在)。東京・大阪をはじめとする都市部に案件が多い傾向があります。
コーディネーターに関しては「穏やかで相談しやすいタイプの人が多く、登録スタッフの悩みや相談事にも親切に応じてくれる」という感想が多数見られます。
テンプスタッフの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
OAインストラクターの公開求人数(案件数) | 約100件(2024年10月現在) |
案件の豊富さと高単価のお仕事の多さが評判の人材派遣会社です。登録後はまず案件をチェックしてみましょう。
アデコ
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お仕事探しとあわせてキャリア相談を受けたい人におすすめ!紹介予定派遣・常用型派遣の案件も多いです。
アデコは30年以上にわたり日本で人材派遣を行ってきた老舗の派遣会社です。
長らく人材ビジネスに携わってきたこともあり、企業との信頼関係も強固に築いており、独自の求人紹介を行っています。
OAインストラクターの求人は約100件(2024年10月現在)とやや少なめでですが、紹介先は優良企業多いです。
職場環境を重視する人は、登録しておいて損はないでしょう。
アデコのサービス面の特徴としては以下が挙げられます。
アデコは日本だけでなく、世界60ヶ国以上で人材関係のビジネスを展開するグローバル企業で、本部はスイスにあります。
そのため、日本においても外資系企業の派遣案件が他社と比べて豊富で、「外資系企業で働きたい」という人にもおすすめです。
アデコの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
OAインストラクターの公開求人数(案件数) | 約100件(2024年10月現在) |
コーディネーターのサポート品質の高さが評判ですが、担当との相性もありますので、リスクヘッジに他の派遣会社にも登録しておくことをおすすめします。
まとめ)未経験からOAインストラクターとしての第一歩を踏み出そう
PC教室などを訪れる人の中には、「PCを使って仕事をしたい」「離れて暮らす孫とメールでやりとりをしたい」といった切実な思いを抱えている方々もいます。
PCスキルが上達して自分で扱えるようになることで、仕事の選択の幅が広がったり、身近な人とのつながりを実感できたりと、生活の質そのものが向上することも十分にあり得ます。
OAインストラクターは単にPCの扱い方を教えるだけでなく、多くの人の暮らしをより快適にするためのお手伝いができるのです。未経験からの挑戦は大変な面もあるかもしれませんが、それ以上に大きなやりがいを得られる仕事と言えます。
ぜひOAインストラクターへの第一歩を踏み出して、「PCが上達した」「使えるようになった」という喜びを多くの人へ届けてください。