転職面接で「何か質問はありますか?」と逆質問されたときのベストな対応は?
[最終更新日]2024/07/21
転職の面接時に「何か質問はありますか?」と聞かれることがあります。企業側から応募者に質問するという意味で「逆質問」と呼ばれることもある場面です。
面接で逆質問をするとしたら、どのような質問が適切なのでしょうか。
また、そもそもなぜ企業は応募者に逆質問を求めるのでしょうか。
目次
1)そもそも、企業が「何か質問はありますか?」と聞く意図は?
はじめに、なぜ企業が応募者に「何か質問はありますか?」と聞くのか、その意図を確認しておきましょう。
企業が逆質問をするのには、主に2つの理由があります。
転職者の疑問や不安を解消するため
1つ目の理由としては、純粋に転職者が抱えている疑問や不安を解消しておきたいという狙いがあります。
面接は、企業・転職者の双方にとってコミュニケーションを図るための貴重な場です。転職者に知りたいことや確認しておきたいことがあれば、面接の場で解消しておきたいと企業側は考えています。
もし疑問や不安が解消されないまま面接を終えてしまったら、「よくわからなかったことがある」という理由で辞退につながる場合もあるでしょう。辞退することなく入社したとしても、認識に食い違いがあればのちのちミスマッチが発覚することもあり得ます。
転職者の疑問や不安を解消し、辞退やミスマッチを防止することが逆質問の重要な意図の1つと考えてください。
転職者のことを「もっと深く知りたい」と考えているため
逆質問のもう1つの意図として、転職者の質問内容から興味関心や意欲面を推し量りたいという意図があります。実は、逆質問ではここが非常に重要なポイントです。
的確な逆質問ができるということは、それだけ企業研究を十分に行っていることの表れといえます。
入社意欲が高く、入社後の業務内容にも高い関心を持っている可能性が高いのです。
一方、企業Webサイトに書かれていることを質問するようなら、十分に企業研究ができておらず関心が低いと推測できます。
このように、企業側は逆質問を通じて転職者の興味関心・意欲をもっと深く知りたいと考えているのです。
したがって、逆質問を求められて「特にありません」と回答すれば、その企業には関心がないと自分から言っていることになります。
逆質問は純粋に「質問の場」と捉えるだけでなく、企業や業務内容への興味関心や意欲をアピールするための自己PRの場と捉えることが大切です。
2)こちらからの質問は「企業チェックと自己PRの場」と捉える
逆質問を求められるタイミングは、面接の終盤というケースが大半です。
面接は基本的に「企業が知りたいことを応募者に訊ねる」ための場ですので、質問に対して答えることの連続となります。
しかし、逆質問は応募者側から聞きたいことを提示できるわけですから、自由度が高く企業の対応や反応を知るには絶好のチャンスといえるのです。
よって、逆質問は自己PRの場であると同時に「本当にこの会社に入社を決めて問題ないか」を把握するための機会ともいえます。
こちらから質問を投げかけることで、自分に合った企業かどうかをチェックできるのです。
採用選考は「企業が応募者を判断する場」であるだけでなく、「応募者が企業を判断する場」でもあります。自分に合った企業かどうかを見極める材料をより多く得るためにも、適切な逆質問を用意しておくことが重要です。
逆質問で「純粋に聞きたいことだけを聞く」のでは、せっかくのチャンスを十分に生かせない可能性があります。逆質問は「企業チェックと自己PRの場」と捉えるようにしましょう。
3)「何か質問はありますか?」に対する効果的な質問例
では、面接で逆質問を求められた場合、どのような質問を投げかけるのが効果的なのでしょうか。
効果的な質問例として、主に3つのパターンが挙げられます。それぞれの具体的な質問例について見ていきましょう。
業務内容を詳しく聞きたい&やる気を見せたい
質問例
- 「採用していただけた場合、入社までに勉強しておくとよいことはありますか?」
- 「本日の面接を通して、私に現状欠けている経験があれば教えてください。」
- 「御社の(商品名)に関する仕事に携われる可能性はありますか?」
逆質問を通じて応募先企業のことをより知りたい・意欲を知ってほしい場合に活用できる質問例です。
入社までに準備しておいたほうがよいことや、現状欠けている能力・経験に関する質問は定番といえます。
業種・職種を問わず活用できる逆質問なので、事前に準備しておく逆質問としておすすめです。
また、具体的な商品名や企業理念を挙げて質問することで、十分に企業研究をしているとアピールできます。
入社後、実際にその商品に関わる仕事ができるかどうかは重要なポイントでもあるので、逆質問で確認しておくとよいでしょう。
事業内容や企業理念を事前にリサーチしておき、自身の仕事に対するスタンスと重なる点を逆質問にすると効果的です。
業務への適性を確認したい&自分の強みをPRしたい
質問例
- 「〇〇の資格が生かせたらと思っておりますが、必要とされる業務はありますか?」
- 「DXに関する知見を生かせたらと考えているのですが、必要とされる場面はありますか?」
- 「法人営業の経験を生かしたいと思っておりますが、さらに身につけたほうがよいスキルはありますか?」
経験やスキルを挙げつつ入社後に生かせるかどうかを逆質問することで、業務への適性を確認できると同時に自身の強みをPRできます。
自身の強みがどの程度評価されているのか、入社後に能力を発揮できるのかを知る手がかりにもなるでしょう。
特定の業務スキルや保有資格などの具体的なスキルだけでなく、汎用スキル(ポータブルスキル)も強みのPRに活用できます。たとえば「チームワーク」「コミュニケーション能力」といったことも、強みとしてアピール可能な要素となるはずです。
また、現状よりもさらに伸ばしておいたほうがよいスキルを訊ねることで、入社後の成長意欲を伝えることもできます。
たとえスキルや実績が十分にある人材であっても、入社後に成長していきたい気持ちがあるかどうかは重要な選考ポイントの1つです。
謙虚な一面があることを伝える効果もあるので、自身に足りない面や今後伸ばしておきたいスキルを聞いておくのもよいでしょう。
働きやすい環境か知りたい & 自身の業務スタンスを伝えたい
質問例
- 「繁忙期に相当する時期はありますか?もしあるようでしたら、どういった時期でしょうか?」
- 「前職では6割程度がリモートワークでしたが、配属先でリモートワークとなる可能性もありますか?」
- 「業務の効率を意識して働きたいのですが、月の残業時間はだいたいどのくらいでしょうか?」
働きやすさや職場環境を聞きたい場合、「働きやすい環境ですか?」といった抽象的な聞き方をすると先方は答えにくいはずです。
聞きたいポイントを具体的に絞り、なぜそれを知りたいのかも含めて質問することを心がけましょう。
たとえばリモートワークについて聞きたいのであれば、リモートでの業務コミュニケーションを過去に数多く経験していることや、過去に工夫したこと・成果を挙げたことを添えると質問の意図がわかりやすくなります。
残業時間などの就業条件について訊ねる場合も同様です。
単に「残業はありますか?」といった聞き方をするよりも、「効率化を意識していきたい」「オンとオフのメリハリを大切にしている」といった意思表示をすることで、自身の業務スタンスを伝えることができます。
このように、働く環境や業務スタンスに関する逆質問では、先方が質問の意図を把握しやすい形で問いかけることが非常に重要です。
4)「質問ありますか?=何でも聞いてOK」ではない。NGケースを知っておこう
「何か質問はありますか?」と面接で聞かれたからといって、何でも聞いてよいわけではありません。
逆質問の内容によっては、印象を悪くする恐れがあるため注意が必要です。逆質問としてNGのケースを知り、面接時には避けるようにしましょう。
大前提として、「調べればわかること」は聞かない
面接の場でわざわざ質問するわけですから、自分で調べればすぐにわかることは聞くべきではありません。
企業Webサイトに掲載されている基本情報をはじめ、経営理念や主力商品など、面接前に調べておくべきことを逆質問するのは控えましょう。
避けたい逆質問の例
- 従業員数は何人ですか?
- 上場していますか?
- 主な取引先を教えてください
- 直近の売上高についてお聞かせください
- どういった企業理念をお持ちですか?
- どのような商品を扱っていますか?
こうした質問をした場合、面接担当者は「事前に当社のことを調べていないようだ」「志望度が低いのでは?」と捉えるはずです。
企業としても自社への関心が薄い応募者を積極的に採用しようとは思わないでしょう。大前提として、調べればわかることは聞かないようにすることが大切です。
質問の意図を伝えないと、相手は戸惑いやすい
逆質問は、訊ねられた側の答えやすさに配慮することも重要です。
質問の意図がわからないと、具体的に何を知りたいのか判断できず面接担当者は戸惑ってしまいます。
質問の意図がわかりにくい例
- 残業は多いですか?(→なぜ残業時間を知りたいのか不明)
- 仕事はやりがいがありますか?(→「はい」以外では答えにくい)
- 私に合っている仕事でしょうか?(→自分自身で判断するべきことなので何ともいえない)
たとえば残業時間について訊ねるなら「オンとオフのメリハリをつけて働きたいのですが」など、理由を添えて質問しましょう。意図が伝わることで、相手も答えやすくなります。
また、コロナ禍に関わる質問も要注意です。
企業としての対応状況や在宅勤務の実態などはセンシティブな問題であり、人それぞれ捉え方や受け止め方が異なります。
タイミングによっては今後の対応を協議中のことも考えられますので、一般的なリモートワークに関する質問などに留めましょう。
的確な逆質問をするには、質問を受ける相手に対する配慮が必要です。相手にとって答えにくい質問になっていないか、想像力を働かせて逆質問を用意しましょう。
まとめ)逆質問は面接前に「複数」用意しておこう
面接での逆質問には、転職者の疑問や不安を解消するほか、意欲面など転職者自身のことをよりよく知りたいという意図が込められています。
面接の場で出てきた疑問点を訊ねるのも1つの方法ですが、事前に質問内容を複数用意しておくことでより的確な質問ができるはずです。
入社後も、質問力は重要なスキルの1つといえます。的確な逆質問をすることで、ぜひあなたの質問力を存分にアピールしてください。
相手への配慮が行き届いた逆質問ができれば、コミュニケーション能力や志望度の高さを印象づけることができるはずです。
また、転職面接においては前段のやり取りにおいて一定の質問の型があります。
これらについての理解を深めておくと、逆質問についても平常心で対応しやすくなるでしょう。
転職面接でよく質問される内容についても確認したい人は、あわせて以下記事もチェックしておくことをおすすめします。
参考:面接のフェーズ別「質問例&回答例」紹介記事
①序盤編(自己紹介・自己PR) 企業面接での自己PR・自己紹介をする際のポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介しています。 |
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②中盤編(志望理由・転職理由) 企業面接で必ず訊かれる「志望理由」・「転職理由」に関わる応答でのポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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③適性・職務要件確認編 企業面接で、面接官が転職者の適性、知識・スキルの確認時に訊かれる「適性・職務要件」の確認でのポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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④最終面接・役員面接・条件確認編 企業の最終面接、役員面接、条件確認時におけるポイント・注意点、およびよくある質問と回答例を紹介します。 |
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⑤「女性ならではの質問」編 企業面接において、女性転職者が受けやすい質問・確認について、ポイントと注意点、およびおすすめの受け答え方法を紹介しています。 |
参考:面接対策のフォローが厚い転職サービス
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