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転職時に強みとなる「調整力(利害調整力)」とは?自己PRでの伝え方を解説

[最終更新日]2024/07/21

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目次

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はじめに、「調整力」という言葉の定義について整理しておきましょう。

●調整力は…異なる人々、グループ、状況間でスムーズに調和を図り、衝突や摩擦を解消する能力 ●調整力はどんなところで役立つ?:・プロジェクトーミーティング ・クライアントとの交渉 ・組織・チーム内のコンフリクトの解消…など

調整力とは

調整力とは、「さまざまな立場・状況に置かれている関係者それぞれにとっての利害を汲み取り、できる限り全ての関係者にとっての利益となるよう納得度の高い落としどころを探る能力」を指します。

特定の立場の人から納得を得られる解決策を探るのではなく、全体最適に近い解決策へと導く能力という点がポイントです。

調整力を発揮するには、次の3つの能力が総合的に求められます。それぞれの能力について詳しく見ていきましょう。

  • 関係者の利害を把握するために、情報を収集する力
  • 得られた情報を活用し、利害を分析する力
  • 利害を適切に調整し、それぞれの関係者に配慮する力

関係者の利害を把握するために、情報を収集する力

#その1 関係者の利害を把握するために情報を収集する力

調整力を発揮するための前提として、そもそも仕事に携わっている関係者それぞれの利害を把握しておかなくてはなりません。

ある方面の関係者にとって利益を得られる判断を下したとしても、別の立場の関係者にとっては不利益をもたらす恐れがあるからです。

つまり、調整力を発揮するには、関係者それぞれの利害を正確に把握し、先入観なく理解するための情報収集力が求められます。

必然的に事象の全体像を見なくてはならないため、特定の担当者や部門にとってのメリットに囚われない柔軟な思考と情報収集力が求められるでしょう。

得られた情報を活用し、利害を分析する力

#その2 得られた情報を活用し利害を分析する力

調整が必要になるような利害関係においては、利害が真っ向から対立しているケースが少なくありません。

関係者それぞれの利害を一致させることはそもそも不可能に近く、一見すると「誰かが泣くことになる」「誰かを怒らせることになる」といった状況がほとんどでしょう。

調整力に長けている人の多くは、関係者にとって真の意味での利害がどこにあるのか、入念に分析することを重視します。

利害関係の渦中にある当人同士が表面的に対立している論点と、本音の部分で重視している問題点は異なる可能性もあるからです。

そこで、具体的に「誰が」「何を」「どのように」主張しているのか、といった事実関係を整理した上で、第三者にも見解をたずねるなどして中立的な立場で情報を整理・分析していく必要があります。

得られた情報を鵜呑みにするのではなく、実際は何が利害関係の核心部分となっているのか、分析可能な段階まで引き上げていくのがポイントです。

利害を適切に調整し、それぞれの関係者に配慮する力

#その3 利害を適切に調整しそれぞれの関係者に配慮する力

関係者それぞれの利害を分析した結果、各方面に少しずつ妥協を求める結果になるケースが多いはずです。

問題点は同じであっても、関わる立場によって不満を抱くポイントは異なることが想定されます。

そこで、それぞれの関係者の立場になって説明の仕方を考え、最終的に妥協案を飲んでもらう必要があります。

このとき、関係者ごとに説明の切り口や強調するポイント、あるいは妥協案を受け入れることで得られるメリットなど、伝え方は少しずつ変わるはずです。

忘れてはならないのは、利害調整の役割を果たす本人もまた、多くのケースで利害の只中にあるという点です。

自分自身の利益を優先して都合の良い説明をしているのではないか、結果の一側面だけを切り取って伝えているのではないか、などと勘ぐられてしまうと、利害調整はうまくいきません。

相手の感情面にも十分に配慮し、きちんと納得できる形で解決策を受け入れてもらうことを目指す必要があるでしょう。

調整力の概要と、具体的に必要とされる能力・資質は前述の通りです。では、こうした能力を転職時にアピールすると、なぜ自分の強みを伝えることができるのでしょうか。

実は、調整力は非常に汎用性の高いポータブルスキル(組織を超えて持ち運び可能なスキル)の1つです。

業種や職種に関わらず、調整力の高い人材は多くの企業で高く評価され、採用においてプラスに働く可能性を秘めています。転職時に調整力が強みとなりやすい理由として、次の3点が挙げられます。

  • 実用的・実践的なコミュニケーション力をアピールできるため
  • 広い視野を持ち、組織での立ち回り方を理解していることをアピールできるため
  • マネジメントに携わる上で重要な資質が備わっているとアピールできるため

実用的・実践的なコミュニケーション力をアピールできるため

#その1 実用的・実践的なコミュニケーション力をアピールできるため

コミュニケーション力と聞くと「伝え方」「話し方」といった部分が注目されがちです。

しかし、実際には相手の立場や状況にどれだけ配慮できているか、全体を俯瞰した上で状況に応じた発言ができるか、といった点が非常に重要になります。

表面的なパフォーマンスではなく、実際に人間関係を形成していく上で役立つ実践的なコミュニケーション力であるかどうかが、とくにビジネスにおいては重視されるからです。

調整力を発揮するには、関係者それぞれの立場や状況を十分に把握し、正しく分析する必要があります。

その上で、現実的な落としどころを探り、各方面に納得してもらえる伝え方を考えるわけですから、実践的なコミュニケーション力そのものといえるでしょう。

調整力にはコミュニケーション力も内包されているため、転職時に強みとしてアピールする効果が高いのです。

広い視野を持ち、組織での立ち回り方を理解していることをアピールできるため

#その2 広い視野を持ち、組織での立ち回り方を理解していることをアピールできるため

利害調整をするにあたって、自分自身の利益や立場を優先していては事態を解決へと向かわせることはできません。

組織や事業全体の中で利害がどのように対立しており、各関係者がなぜ妥協できずにいるのか、広い視野で捉える必要があります。

また、利害を調整するにはさまざまな手法を試みる必要があります。

事実をありのまま伝えるだけで全ての関係者が納得してくれるのであれば、そもそも利害は対立していないはずです。

それぞれの立場や置かれた状況に応じて、適した伝え方・タイミングで根回しをしたり、キーパーソンの周辺人物から説得を試みたりと、あらゆる手段の中から効果的なアプローチを選択する必要に迫られるでしょう。

当然、各関係者の立場や組織内での役割を正確に把握していなければ、適切に立ち回ることはできないはずです。

調整力をアピールすることで、前提となる視野の広さや適切な立ち回り方に対する理解度の高さをアピールすることにつながるでしょう。

転職後も組織にとって重要な役割を果たしてくれる可能性が高いことから、採用決定に向けての好材料となることが考えられるのです。

マネジメントに携わる上で重要な資質が備わっているとアピールできるため

#その3 マネジメントに携わる上で重要な資質が備わっているとアピールできるため

多くの組織において、役職が上がれば上がるほどマクロな視点で物事を捉える能力が求められます。

自身の担当業務や関わりの深い部門だけでなく、全社的な視点や顧客・取引先も含めた幅広い視野で物事を捉える能力が必要とされていくはずです。

こうしたマネジメントの適性は一朝一夕に身につくものではなく、応募者のパーソナリティと深く関わっていると考える採用担当者も少なくありません。

採用選考の自己PRにおいて調整力を発揮したエピソードを伝えることで、マネジメントに携わる上で重要な資質が備わっていることをアピールできる可能性があります。

より具体的には、「この人物を将来的に管理職として登用できる可能性があるか?」という視点で見た場合、調整力に長けた人材のほうがより高く評価される確率が高いでしょう。

管理職候補となる人材を求めている企業であればなおさらです。

このように、調整力を自己PRに取り入れることで、マネジメントに必要な資質を持つ人材であることをアピールする効果を得られます。

将来的に管理職としてのキャリアプランを考えている人にとって、調整力は核心的なスキルにもなり得るはずです。

ここからは、調整力を自己PRに取り入れるための具体的な伝え方について考えていきます。

調整力は指し示す範囲が幅広い概念のため、単に「私の強みは調整力が高いことです」と伝えただけでは、どのような点が優れているのかイメージしにくいはずです。

そこで、自分自身が考える調整力とはどのような能力か?を述べた上で、次の例のように具体的なエピソードを伝えると効果的でしょう。

社内で調整力を発揮したことをPRする例

CASE1 社内で調整力を発揮したことをPRする例

チーム内で意見が対立した際、双方の主張を中立な立場で聞いた上で、現実的な解決策を提案できることが私の強みと考えています。

私は開発部門でアプリのディレクションに携わってきましたが、営業担当者がお客様からヒアリングしてきた要望と、技術的な難易度や工数の折り合いがつかないことがよくありました。

そのようなとき、私は営業に同行させてもらい、お客様は何を要望されているのかを自分で確認するようにしていました。

実際にお聞きしてみると、お客様は決して無理難題を要望されているわけではなく、改修可能な範囲で対応できるケースが多く見られました。

そこで、開発部門に段階的に改善案を伝えていき、要望をどのレベルまで実装可能か相談した上で、営業担当者にフィードバックしていきました。

はじめから要望を聞き入れないわけではなかったため、できる限りの解決策を模索していることが営業担当者にも伝わったのだと思います。

貴社に入社後も、こうした調整力を発揮していきたいと考えております。

自己PRのポイント

利害関係の板挟みになったとき、双方の主張が真っ向から対立しているように見えるケースは少なくありません。

又聞きの情報を元に判断を下すのではなく、営業に同行して直接お客様から要望を聞くという行動が伴っている点が、この自己PRに具体性をもたらしています。

自分から行動を起こして利害関係を解決した事例があれば、具体性のある調整力としてPRすることができるはずです。

対外的に調整力を発揮したことをPRする例

CASE2 対外的に調整力を発揮したことをPRする例

取引先と利害の不一致が見られた場合に、担当者と誠実に話し合った上でお互いにとって最適な解決策を提案できることが、私の強みと考えています。

私はディレクターとして外部委託先の開発会社と面会する機会が多かったのですが、しばしば料金の面で折り合いがつかないことがありました。

そこで、具体的な作業内容や時間・労力を要する工程を委託先の担当者からヒアリングし、現状よりも簡略化できそうな工程や自社で引き取れそうな工程を提案したところ、当初要望していた料金よりもさらに引き下げていただけたことが何度かありました。

先方も根拠があって提示している料金のはずですので、具体的な作業工程まで掘り下げて交渉していくことで、負担を軽減できる場合もあるはずだと考えた次第です。

貴社に入社後も、取引先と誠実に話し合い、利害の衝突を逆に信頼関係を向上させるための機会へとつなげられるよう、調整力を発揮していきたいと考えております。

自己PRのポイント

取引先との関係を良好に保てることは、転職時に強みとしてアピールできる可能性が高いといえます。

上の自己PRでは、委託先へ一方的に要望を伝えるのではなく、協力者としてフラットな関係性を築けるよう誠実に話し合ってきたことをエピソードから伝えています。

調整力と言っても、策士のように抜け目なく立ち回れば解決できるとは限りません。
相手にじっくりと耳を傾け、お互いの立場や状況を再認識した上でより良い解決策を模索してきた経験もまた、調整力を発揮した事例といえるのです。

調整力は強力なポータブルスキルであり、自己PRに取り入れることで採用担当者に響くアピールにすることも可能です。

一方で、調整力をアピールするにあたって注意しておくべき点もあります。とくに次に挙げる点に関しては、自己PRを考えるにあたって見落としがないか念入りに確認しておきましょう。

「調整力」の解釈には幅があることを理解しておく

POINT1 「調整力」の解釈には幅があることを理解しておく

「調整力」という言葉から受ける印象は人によってまちまちです。広い意味では人当たりの良さや押しの強さも調整力の一種と捉えられるケースがあるため、解釈に幅があることは理解しておく必要があるでしょう。

自己PRでは、自分にとって調整力がどのような定義であるのか、発揮できる能力を具体的に伝える必要があります。

たとえ「調整力」の解釈が採用担当者との間で異なっていたとしても、自己PRの内容そのものが自社で求めている能力と合致していれば大きな問題はないはずです。

逆に「調整力」という言葉を軸に自己PRを組み立てようとすると、採用担当者が期待する調整力と異なっていた場合に落胆させてしまう結果にもなりかねません。

「調整力」という言葉に幅があることを理解した上で、自己PRでは具体的に解決した問題点や解消に導いた利害関係を具体的に挙げることが大切です。

自分自身の立場・考えを明確にして伝える

POINT2 自分自身の立場・考えを明確にして伝える

調整力に長けている人が陥りがちなのが、自身の意見や考えを押し殺してしまうパターンです。

利害関係を解消していくには、対立している双方の間に入って中立な立場でそれぞれの主張に傾聴していくことは非常に重要です。

ただし、主張を受け入れることと、自分自身の考えや方針が欠落していることはイコールではありません。

利害を調整しているようでいて、実は周囲の意見に流されているように映ったり、波風を立てないよう無難な落としどころを探っているように聞こえたりすると、自己PRとして逆効果にもなりかねません。

調整力を発揮するにあたって、自分自身はどのような立場・考え方で行動しているのかを伝えることが重要です。

たとえば、社内のメンバーや社外の取引先を信頼し、自分から歩み寄っていくことで解決の糸口が見つかると信じている、といったニュアンスが伝われば、信念を持って利害調整役を買って出ていることが明確になるはずです。

調整力の先にある仕事の目的から外れないように注意する

POINT3 調整力の先にある仕事の目的から外れないように注意する

利害を調整することはビジネスを推進する上で非常に重要な役割の1つですが、利害調整そのものが仕事の目的ではないという点に注意しましょう。

応募先企業の規模や成長フェーズによっては、いわゆる調整役よりも自ら事業を創っていく人材や、先頭に立ってリーダーシップを発揮できる人材を求めていることがあるからです。

ただし、どのような規模や成長フェーズの企業であっても、少なからず利害関係の対立は起こり得ます。

そのような場面に遭遇したとき、冷静に対処できる人材が必要とされることに変わりはありません。

調整力を自己PRに取り入れるのであれば、利害を調整した結果ビジネスが前進したことや、より良い結果をもたらしたことを同時にアピールしたほうが効果的です。

調整役に徹することで「人間関係が円滑になった」などの効果をもたらすのも仕事をしていく上で重要なことですが、少なくとも転職時の自己PRとしては「もう一歩踏み込んだ具体的な成果」が必要という感覚を持つべきでしょう。

まとめ)調整力は汎用的かつ強力なポータブルスキル

ポータブルスキルイメージ

調整力を自己PRに取り入れるメリットは、業界や職種を問わず必要になる能力の1つと捉えられる可能性が高いという点にあります。

人と人とが関わり合って仕事をしていく以上、社内外を問わず利害の不一致が生じることはほぼ確実にあります。そのようなとき、関係者の立場や状況を適切に判断して交渉できる人材へのニーズは高いといえるでしょう。

調整力は汎用的な能力であり、強力なポータブルスキルとなり得るのです。

自己PRに調整力を取り入れたいと考えている人は、今回解説してきたポイントや事例を参考に、ぜひ自分なりのエピソードを盛り込んだ自己PRを考えてみてください。

きっと、採用担当者の心に残る自己PRとなり、採用決定に寄与する要素の1つとなることでしょう。

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