デバッガーに未経験から転職するには?仕事内容・年収・キャリアパス・転職成功のポイント
[最終更新日]2024/08/12
ゲーム開発の「デバッグ」や「テスター」のお仕事に興味を持っている人は多いでしょう。
一時期と比べスマホゲームをはじめとするゲーム市場はやや落ち着きを見せていますが、それでもデバッガーの求人は今でも多くあります。
また、デバッガーやテスターの仕事の最大のメリットは、プログラミングの知識がない未経験者でも「ゲーム業界」に転職でき、そこで実務経験を詰めることでしょう。
目次
1)デバッガーとは、具体的にどんな仕事?
「デバッガー」は「ゲームテスター」と言われることもあります。
具体的には、開発されたゲームをプレイし、想定していた動作に不具合がないかどうかを確かめる仕事です。
ゲームの新商品が発売される以前に、必ずデバッガーが一役買っており、ゲーム開発になくてはならない仕事です。
ここでは、デバッガーの具体的な仕事内容をはじめ、転職してその業務についた場合に考えられるキャリア、平均年収などについて説明します。
デバッガーの具体的な仕事内容
デバッガーの仕事は、開発中のゲームをプレイすることで、バグと呼ばれるプログラム上の欠陥がないかどうかをチェックする仕事です。
ゲームをプログラミングは、特定の指示の下では同じ動きになるようにつくられています。
しかし、実際のゲームをする環境には個人差があり、OSのバージョンによってバグが出るのは難しいことではありません。
業界的には、「バグが出ないソフトウエアはない」といわれています。
さらに近年のゲームに対しユーザーは、リアリティや高度な操作性を求めます。
そうした業界全体の進化に対応するために、
- ゲームが仕様通りに仕上がっているかどうか
- デバイス別に操作した際に、想定通りの動作が実現できているかどうか
- どんなバグが発生するのか
- 同様のバグが発生する操作方法
- バグの発生頻度
- より良いサービスにしていくうえでの改善ポイント
などをチェックしたうえで、レポートとしてプログラマにフィードバックします。
デバッガーのキャリアパス
家庭用ゲーム機の普及以降、インターネットの導入によりパソコンからスマホに進出したことで、「ゲームユーザー」は世界に広がっています。
新たなゲームを開発する際にデバッガーが必要であり、ゲームアプリの開発が増加傾向を続けている今、需要があることは間違いありません。
デバッガーとして、より多くのバグやエラーを見つけられるスキルがつけば、企業からも重宝されることでしょう。
デバッガーの将来性に他する、懸念材料もあります。
現在はプログラムのデバッグ作業を人海戦術で行っているゲーム会社が殆どです。ですが、AIの台頭を考えるとこれが未来永劫続くとは言い切れない現状があります。
そうした背景もあり、プログラマやシステムエンジニアになるために、修行という意味でデバッガーを経験しておくという選択肢を念頭に置く人も多いです。
特に未経験でプログラマやシステムエンジニアに転職したいと考えているなら、適性を見る意味でも、プログラミング言語を勉強しつつ、実務においてはデバッガーを経験しておくという進め方もありでしょう。
実際、ゲームデバッガーから、ゲームプランナーやディレクター、そのほかプログラマーにジョブチェンジされる方も少なくありません。
デバッガーとしての転職・就職を検討される際は、「デバッガーのその後のキャリアパス」を描くことが大切です。
デバッガーの年収イメージは?
ゲームのデバッガーは、アプリケーションに関する初歩的な知識さえあれば、誰でも始められる仕事です。
そのため、プログラマやシステムエンジニアといった専門職と比べると、平均年収はやや低めです。
デバッガーとして正社員採用されても、年収は250万円から450万円程度といわれています。
また、デバッガーの採用は時給であることがほとんどです。
というのも、ゲームのデバッグを見つけるためには膨大な時間が必要なので、実際に業務にかかった時間で計算するという会社が多いからです。
デバッガーの時給は800円から1,000円と幅がありますが、実力によって変わります。
また、時給のアルバイトとしての採用であっても、デバッガーとして優秀であれば正社員採用されることも珍しくありません。
会社によっては、見つけたバグの分を歩合で支給してくれる会社もあるので、待遇や職務条件等について、応募前に求人の条件面をよくよく確認しておくと良いでしょう。
2)デバッガーの仕事に必要な知識やスキル
未経験者がデバッガーとして転職を考える際、必要な知識やスキルがあるかどうかは、気になるところでしょう。
基本的には、デバッガーになるために不可欠な知識やスキル、資格はありません。
しかし、将来のキャリアを見据えて転職をしたいなら、身につけておいた方がよい知識やスキルはあります。
ここでは、デバッガーとして身につけておきたい知識とスキルについて、具体的に説明します。
基本的なPCスキル
一つだけ、デバッガーに必須のスキルがあるとすれば、基本的なPCスキルです。
デバッガーはゲームをプレイした時に起こった不具合を、レポートにまとめて提出しなければなりません。
そうした報告業務の際に、WordやExcelを用いるのが一般的です。
また、複数のデバッガーが分担してバグを探すことも多く、情報共有を「Wrike」や「Redmine」といったプロジェクト管理ツールを用いて行うことが多くなりますので、PCでの作業はかなり多くなることが見込まれます。
さらに、可能であれば基礎的なプログラミング言語の知識を身につけておくと便利です。
ゲームのプログラマにレポートを報告する際、プログラミングの知識があれば、より具体的な内容を伝えられますし、「なぜそのバグが発生したのか」のイメージも付きやすくなるためです。
報告書の内容がバグの改善につながるだけでなく、それがいつもわかりやすく書かれているとなれば、社内での評価も上がっていくことでしょう。
問題発見能力
デバッガーの一番の仕事は、ゲームが仕様書通り動いているかどうかを確認することです。
一つひとつの操作がOSの違いに関わらず、想定通りに動いているか、バグがないかを細かく検証することが求められます。
そのために大切なのは「問題発見力」です。
ただ漠然とゲームをプレイするだけでは、バグを見つけることはできません。
バグを発見するためにはどのような点に気をつけたらよいのかという、疑いの目を持ってゲームをプレイし、一つバグを見つけたら似たような箇所がないかを検証するという、あらゆることを想定した仕事が求められます。
さらに、同じゲームを何度もくり返し行い、どんな状況のときにバグが発生するのか、そのタイミングや頻度がどうなっているかなど、細かなリサーチも必要です。
こうした問題発見能力が、デバッガーに求められるのです。
コミュニケーション能力
デバッガーは、ゲーム開発のプロジェクトやチームの一員として仕事をします。
デバッグ作業を複数で行うことも多いうえ、バグなどの報告をプログラマに直接説明することも珍しくありません。
チームで協働するうえで、「コミュニケーション能力」は不可欠なスキルです。
プロジェクトやチームのメンバーと円滑な人間関係が築けると、自分が見つけたバグについてどう対処すべきなのか、そうしたバグを見つけたときにどんなことに気をつけて行動すべきなのか、周囲の人にアドバイスが求めやすくなります。
未経験者がデバッガーになるうえで、気軽に質問や相談ができる人を見つけるのは大切なことです。
そうした人を見つけるためにも、コミュニケーション能力があることは大事なポイントです。
また、ゲームの改善報告は、否定的なニュアンスが含まれることも少なくありません。その際に、より良いゲームをつくりあげるためにも、プランナーやプログラマの感情を逆なでることなく前向きに受け止めてもらえるよう、報告するという意味でも、コミュニケーション能力の高さはプラスに働くはずです。
3)未経験からデバッガーに転職する際に、準備しておきたい3つのポイント
デバッガーは就業にあたって、必須な知識やスキルがある仕事ではありません。
しかし未経験者が転職をするにあたって、準備しておいた方がよいことはあります。
それが、以下の3つです。
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
最低限のプログラミング言語などは覚えておく
デバッガーは実際にプログラミングをするわけではありませんが、バグを見つけるうえで基礎的なプログラミング言語を理解しておくと便利です。
開発中のゲームのバグを見つけるのはプレイ中かもしれませんが、そのソースコードを読めると、エラーチェックしやすくなります。
また、プログラミング言語の一つである「Java」のなかの「eclipse」を使うことで、デバッグが行えます。
こうした知識があることで、プレイだけでは気がつかないバグが見つけられることもあります。
情報はあればあるほど、業務に役立つものなので、最低限のプログラミング言語は覚えておくことをおすすめします。
まず在宅バイトで適性を測ってみる
未経験者でも転職が可能なデバッガーですが、誰もが適性があるとは限りません。
プログラムのバグを見つける仕事と考えると、細部に至るまで何度も検証するために、長時間にわかって一つのプロジェクトの関わることになります。
またゲームの開発は協働で行いますが、デバッグ作業は1人で進めるものです。
チームでデバッグをする際には、スケジュールに則って作業を進めねばならず、入社後にミスマッチを感じる人も少なくないようです。
そうした事態を避けるためにも、まずは在宅アルバイトとして、業務に適性があるかどうかを確かめてみることをおすすめします。
参考:デバッガーの在宅アルバイトが探せるサイト
ランサーズ|案件数国内No.1&幅広い職種のお仕事に対応
サービス名 | ランサーズ |
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案件数 | 常時6,000~1万件 |
主な案件ジャンル | システム開発、Web制作・デザイン、ライティング、動画制作、翻訳、事務、コンサル、営業、その他専門職 |
特徴 |
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公式サイト | https://www.lancers.jp/ |
クラウドワークス|IT/Web向け案件多数&フリーランス初心者におすすめ
サービス名 | クラウドワークス |
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案件数 | 常時6,000~1万件 |
主な案件ジャンル | システム開発、Web制作・デザイン、ライティング、動画制作、翻訳、事務、その他専門職 |
特徴 |
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公式サイト | https://crowdworks.jp/ |
上記2サービスでは、ほぼ恒常的にデバッガーやテスターの業務の依頼が挙がっています。
実際にデバッガーの仕事を経験し、作業スキルや必要とする時間、発注先とのコミュニケーションなどに問題がないかを確かめられるでしょう。
デバッガーの適性が不安な方は、一度上記サイト等で実際にデバッグの仕事を体験し、そのうえで正社員転職を目指すかどうか、判断されると良いでしょう。
IT・Web・ゲーム業界に強い転職エージェントを活用する
デバッガーとして採用されたとしても、それぞれの会社の職場環境や待遇、社風によって働き心地が異なります。
未経験者がデバッガーとしてミスマッチのない転職を果たすためには、プロのサポートが不可欠です。
そこで、IT・Web・ゲーム業界に強い転職エージェントを活用することをおすすめします。
転職エージェントは応募企業と直接のパイプがあり、転職サイトには書かれていない働き心地などについての情報が豊富です。
また、応募者とのキャリアカウンセリングを通して、仕事に対する志向性などを理解したうえで、最適な求人を紹介してくれます。
そのため、入社後にミスマッチを感じるリスクが少なくなるのです。
転職エージェントによって得意分野が微妙に異なるので、複数に登録し活用するのがよいでしょう。
4)デバッガーへの転職におすすめの転職エージェント
未経験者がデバッガーに転職するにあたって、転職エージェントを活用するのがおすすめだと前述しました。
しかし、どの転職エージェントがデバッガーに求人に強いのか、わからない人も多いはずです。
ここでは未経験者がデバッガーとして就業するうえで、おすすめの転職エージェントを紹介します。
Hiraku agent(ヒラクエージェント)
ゲーム業界経験者向けの転職エージェント。とくにサービスの強みとしているのが、「書類添削」「面接対策」へのサポートです。
Hiraku agentはクリエイターへの転職支援に特化した転職エージェントです。
ゲーム業界経験者向けの転職エージェントですが、未経験者への支援もおこなっています。
デバッガーとして未経験からチャレンジしたい人はもちろん、これまでのゲーム業界での実務経験を活かしてキャリアチェンジしたい人にも、おすすめのサービスです。
Hiraku agentの評判・口コミとおすすめの人
Hiraku agentを利用した人たちからは、「候補者に寄り添って親身になってくれた」「丁寧に寄り添ってくれて大変心強かった」といった感想が多いです。
「以前利用していた転職エージェントと比較して、書類や面接の通過率が大きく改善された」という声も見られます。
寄り添い型のサービスを求めている人、丁寧な書類添削、面接対策を希望している人にマッチしやすいでしょう。
特徴 |
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ゲーム業界の公開求人数 | 約750件(2024年8月現在) |
主なゲーム業界求人職種 |
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サービス対応地域 | 関東・関西・福岡・北海道 |
ギークリー
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ゲーム・Webをはじめコンシューマ向け開発の転職支援に強いエージェント。「リモートワーク可」の求人も豊富です。
ギークリーは、Web・ゲームをはじめとするコンシューマ向け開発への転職支援に強い転職エージェントです。
ゲーム業界向けの求人では常時2,000件前後の案件を保有しており、また業界の動向や最新技術に詳しいエージェントがサポートしてくれるのがギークリーの強みです。
サービスを利用した人の評判・口コミで多いのは、「求人が多くて、転職先をじっくり検討できた」「希望にマッチした求人紹介をしてくれた」という意見です。
ギークリーの公式サイトより、直接求人検索も可能です。自身の経歴や保有スキルと照らし合わせつつ、気になる企業を探せるでしょう。
ギークリーの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京 |
ゲーム業界の公開求人数 | 約1,700件(2024年8月現在) |
ワークポート
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ゲーム業界において、常に豊富な求人。転職決定率の高さに定評があり、「転職活動をエージェントから力強くプッシュしてほしい」人におすすめのエージェントです。
ワークポートは、国内に52の拠点を持つ運営20年の大手転職エージェントです。
ほぼ全ての業種・職種の求人に対応しており、とくにWeb・ゲーム業界の求人が豊富です。
同サービスの活用メリットとして挙げられるのが、「転職決定率の高さ」です。
サービスを利用した人たちの評判・口コミからは「求人紹介から企業との交渉まで積極的に動いてくれた」「企業とのミスマッチを最小限に抑えようと働きかけてくれた」といった感想が目立ちます。
リクナビNEXT『GOOD AGENT RANKING ~2023年度上半期~』(2023年4月~2023年9月)にて、『転職決定人数部門 第1位』を受賞した経緯もあります。
「転職活動をエージェントから力強くプッシュしてほしい」というニーズのある人におすすめのエージェントです。
ワークポートの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 北海道、宮城、福島、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、神奈川、新潟、静岡、石川、岐阜、滋賀、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、加賀、愛媛、福岡、長崎、熊本、鹿児島、沖縄 |
ゲーム業界のの公開求人数 | 約1,000件(2024年8月現在) |
リクルートエージェント
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国内No.1の求人数の豊富さ!担当者からの的確かつスピーディな支援も受けられるので、「なるべく早く転職したい」人に特におすすめのエージェントです。
リクルートエージェントは国内No.1の求人数と転職支援実績を誇る転職エージェントです。
リクルートエージェントの強みでまず挙げられるのは、全業種・職種に対して豊富な求人を持つことです。
ゲーム業界の求人は常時6,000件以上、そのうちデバッガーを含むQC・QA系の求人は約200件あります。
また、担当アドバイザーもこれまでの実績をもとにゲームクリエイターへの転職に関する有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
リクルートエージェント登録後に無料で活用できる、職務経歴書を自動で作成できる「職務経歴書エディタ」や無料の「面接力向上セミナー」のサービスもおすすめです。
リクルートエージェントの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 北海道、宮城、福島、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、神奈川、新潟、静岡、石川、岐阜、滋賀、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、加賀、愛媛、福岡、長崎、熊本、鹿児島、沖縄 |
ゲーム業界の公開求人数 | 約6,000件(2024年8月現在) |
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まとめ 未経験でデバッガーを目指す際は、あわせて「その後のキャリアプラン」もイメージしておこう
未経験デバッガーになること自体は、そう難しいことではないでしょう。
ですが、先にも触れた通り、デバッグの仕事は「専属で数十年続けられる」というものではありません。
今後、AIにとって代わることもあるでしょうし、デバッグ以外のスキルが高まらなければ、将来のキャリアアップも難しくなります。
一方で、デバッグの仕事は未経験でゲーム業界やWeb業界の仕事に就くための「有効な手段」でもあります。その点を上手く活用しつつ、更にはご自身の今後のキャリアプランをイメージし、将来へと繋げていける働き方を目指すと良いでしょう。