転職体験談:日本郵政の仕事に就けて、ようやく「自分らしい生き方」を見出せた
転職前
- 職業
- 製造業
- 職種
- 技術職
- 従業員規模
- 100名
- 年収
- 230万円
転職後
- 職業
- 運輸サービス
- 職種
- 事務
- 従業員規模
- 1,000名以上
- 年収
- 280万円
目次
まさきちさんの転職ストーリー
1これまでの私
「出る杭を打つ」のが、私の仕事
2020年2月まで、製造業に関わっていました。
仕事内容は、「杭」の製造。建物を立てる前に建物が地震や土砂崩れで崩壊しないように地面に打ち込む、あの杭のことです。
地味な作業は得意な方でしたので、杭の製造の仕事は私に合っていると感じていました。
若い頃の私は退職、転職を繰り返していました。なんというか、働いていても技術をものにできる感覚や予感をほとんど持てない。それで、「この仕事は自分に向いていない」と思ってしまうんです。
ですが、このときの職場なら長く勤められそうだと感じていました。
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私は長男で、母と妹が1人います。父は生まれた時からいませんでした。
現在は妻と娘が1人います。娘の成長が、私のいちばんの生きがいでした。
2転職のきっかけ
こんな働き方のまま、このまま人生が終わるのは嫌だから。
残業はほぼ毎日でしたが、土日はしっかり休める職場でした。無理に仕事を強制させない、良い職場環境だったと思います。
ですが、2019年頃から会社の経営状態が悪化していくにつれて、環境も少しずつ変化していきました。
- 上司
-
「君、フォークリフト運転できるよね」
あるとき、上司は私にこう尋ねてきました。私は「運転はできるが免許は持っていない」と答えたところ、上司は「それなら大丈夫、お願いね」と強引にフォークリフト作業を私に任せたのです。
そうした、作業の無茶振りのようなことが頻繁に起きるようになりました。
そして更には、
- 上司
-
「明日(土曜日)、出勤できる?」
と毎週のように個別で訊かれるようになりました。
さすがに毎回断るのも気が引けたので、私は2週間に1回程度は休日出勤するようにしました。すると上司は「明日(日曜日)とかって、どうかな?」とまで尋ねてくるようになりました。
当時の会社がどれだけ厳しい状況だったのか──。一介の作業員であった私には知る由もありませんでした。ですが、休みも殆どなく、かつ毎日遅くまでの仕事となるとさすがにこっちだって厳しくなります。
ある時、同僚から
- 同僚
-
「こんな働き方のまま、このまま人生が終わるのは嫌だから」
と自分は退職するんだと伝えられたとき、私は(ああ、それはまさに私が考えていたことだ)と思いました。
これまで何度も転職を繰り返していましたので、また仕事を替えることに引け目もありました。でも、同僚の言うとおり「このまま人生が終わってもいいのか」と考えると、今の職場で定年まで働き続けることは絶対に避けたいと思いました。
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3転職活動中
『とりあえず』で務まるような仕事が、今まであったか。
転職を決意したのは、2020年1月のことです。
その日から、私は仕事を割りきるようにしました。
具体的には、上司からの残業や休日出勤の誘いをすべて断ること。無理な作業は勧められてもやらないこと。
上司には退職願いも出して、2月の末日まで働くことになっていました。
新しい職に就いたのは、その3ヵ月以上先の2020年4月。
退職してからは毎日のようにハローワークに通いましたが、なかなか次の仕事が決まらなかったのです。
その理由は、私自身が「仕事を辞めたい」とは強く思っていましたが、「では、次はどんな仕事をしたいか」についてまったくのノープランだったからです。
「現状を打破したい」という気持ちもあったのですが、気持ちだけが空回りしていました。
それよりも、「年齢的に手遅れではないだろうか」、「家族に迷惑をかけてしまっている…」といったプレッシャーや罪悪感が大きかったです。
とにかく行動し続けるしかないと思ってハローワークでピックアップした企業をとりあえず片っ端から面接を受けていたら、妻から
- 妻
-
「『とりあえず』で務まるような仕事なんて、今まであったの?」
と言われました。──いやあ、凹みましたね。
でも続けて、こうも言ってくれました。
- 妻
-
「これから一生続ける仕事を見つけるんだから、転職活動に時間が掛かるのは当然だと思うよ。焦らず、時間をかけて見つければいい」
この言葉に、私はすごく救われました。
それで私はようやく、「自分がどんな仕事をしたいか」というテーマに立ち戻って考えることができたのです。
それは、言葉にすると「人に必要とされ、程よく人と関わる仕事」でした。
あるとき、ハローワークの求人でまさにそれにピッタリ合うような仕事が紹介されていたのです。
それは、日本郵政の仕事でした。
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた環境は。
日本郵政の社員としての仕事が始まりました。
はじめは契約社員からのスタートです。その後、来年に正社員試験を受けて合格すれば、晴れて正社員になれます。
働き始めてまず感じたことが、労働環境がとても整備されていることです。
例えば1ヵ月にできる超過勤時間は明確に定められていて、越えてしまいそうな社員は他の社員がフォローに入って定時で帰社できるようになります。
また、週休2日に加えて有給休暇制度もしっかりしており、更には「特休」といって提示より早く帰っても時間給を消費せずに済む体制もあったりと(コロナ禍の感染防止対策の「不要な密を避ける」一環です)、前職まででは考えられないような体制でした。
給与はそれほど高い水準ではないのかもしれません。
ですが、こうした休暇の制度がしっかりしている点、そしてほかにも社員を護る仕組みがたくさん用意されている点に「はたらく人を大切に考えている」ことが伝わり、「転職して良かった」という気持ちになれました。
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5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うことは。そして、これから目指したいこと。
私は今までに合計で4つの会社を経験しました。
そして、今の会社が一番自分にマッチしています。
仕事内容、そして労働環境や職場環境──これまでの会社より断然良いです。
今回の転職では、周りから「また辞めたのか」、「どうせまた続かない」、「ここでやれなければどこ行っても務まらない」など、色々なことを言われました。
いま、私は胸を張って言えます。
今回転職をして、本当によかったと。
そして、今回の転職で気づいたことがあります。
それは、「企業を見る前にまず自分を見直すこと」です。
自分の興味が少しでもある仕事、あるいは自分の興味に近い仕事に関わると今まで苦痛と思っていたことでも案外楽にこなせます。
つまり、「自分で決めたこと」とはそれだけ力を持っているものなのでしょう。
誰かに勧められた仕事やなあなあで始めた仕事には限界がきます。
もっと早く、こうしたことに気付くべきでした。
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◇ ◇ ◇
今回の転職は、「これが最後の転職」という意気込みで臨みました。
今の職場でこのまま、定年まで勤め上げたいです。
そのためには、会社に少しでも多く貢献できる人材にならなくてはなりません。
覚えなくてはいけない処理や取引はまだまだたくさんあります。
そしてゆくゆくは、管理者としての業務にもチャレンジしていこうと思っています。
また、プライベートの時間も確保できるようになりましたので、家族、子ども達と有意義な休日を過ごしていきたいです。
最近は家の家事もよくするようになりました。まだまだ妻に注意されることも多いですが、いずれは「家事ができる夫」になれるよう、こちらも頑張っていきたいと思います。
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