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妻の妊娠をきっかけにうどん屋から精密板金会社の工員に転職|私の転職体験談

転職前

BEFORE
職業
うどん屋
職種
飲食業従業員
従業員規模
8名
年収
200万円

転職後

AFTER
職業
精密板金会社
職種
工員・その後営業
従業員規模
50人
年収
320万円

目次

ベンジャミンさんの転職ストーリー

1これまでの私

そうだ、うどん屋さんになろう

そうだ、うどん屋さんになろう

大学卒業後は、2年間の海外ボランティアを経て、それから実家の仕事を5年間手伝っていました。その後、

「うどん屋さんになろう」

と思い立って。将来自身のうどん店開業を目指して従業員として働きながら技術を学んでいる、いわゆるうどん修行をしていました。

性格はおっとり型で、お金に対する欲はなく生活ができればいいといった感じでした。

趣味は魚釣りで、休みになると朝の家の近くにある漁港に出かけて堤防から糸を垂らしてのんびり過ごしていました。

子供のころから料理が好きだったので、釣った魚は持ち帰って調理して妻と食べたりしました。

妻は老人ホームで介護の仕事をしており、2人で働いた給料の中から将来のうどん店開業に向けて貯金をしていました。

2転職のきっかけ

予定外の、妻の妊娠。

予定外の、妻の妊娠。

うどん修行2年目の時期、大きな転機がやってきました。

妻が妊娠したのです。

妻のお腹が大きくなり始め、動きが制限されたため、胎児への負担を考え妻は介護の仕事を辞めざるを得ませんでした。

仕事を辞めたため妻の収入は無くなりました。

もともと、私たち夫婦は子供を持たずに2人で生きていくつもりでした。
これから出産・育児・教育と子供に関する、いわば計画外のところで費用が発生することになり、そして私たちはその分のお金を持ち合わせていませんでした。

私の開業資金として貯めたお金はありましたが、それを全部子育ての費用に回したとしても十分な貯金ではありませんでした。

「うどん屋はもうあきらめて、将来安定した収入を得るために転職したほうが良いかもしれない」

私は、妻の大きくなったお腹を見ながら、そう考えるようになりました。

3転職中

求人はあれど、内定はもらえない──暗中模索の転職活動。

暗中模索の転職活動

転職をしよう──そう考え始めたときに、ひとつのことに気づきました。

それは、「私にはこれといった就職の役に立つスキルも資格がない」ということです。
持っている資格といったら、せいぜい自動車免許くらいでした。

ですが、だからといって諦めるわけにはいきません。就職情報誌を読み、ハローワークに登録し、求人のある会社を探しました。

2年間のうどん店修行を生かした仕事に就きたいという想いもあったのですが、将来のことを思い、探す範囲を飲食以外にも広げました。

「良さそうだな」と思える求人の数はいくつかありました。

(まあ、これだけ範囲を広げたんだから、きっと安定した働き口は見つかるだろう)

そう思っていたのですが、現実はそう甘くはありませんでした。

ネックとなったのは37歳という年齢だったのでしょうか、転職面接に行っても数日後に不採用の連絡が来る──そんな繰り返しの日々が続きました。

なかなか転職活動が決まらず大分まいっていたところ、大学時代の友人が

友人

「ひとつ、紹介できる企業があるんだけど」

と言ってきてくれまして。
それは、新潟県の板金会社の紹介でした。

板金会社なんて、これまでの人生で考えたこともありませんでしたし、もちろんどんな業務課もまったくイメージが付きませんでした。ですが、

「変わるなら今しかない!」

と決意し、私はその会社に飛び込んでみたのです。──面接後、すぐに内定の通知がありました。

4転職後

全く何も知らない状態で、未経験の板金業界へ転職して。

全く何も知らない状態で、未経験の板金業界へ転職して。

転職直後は思ったよりスムーズに進めることが出来ました。
と言いますのは、会社を紹介してくれたの友人が私のこと(これまでの経歴等)をその会社の社長に説明してくれていたのです。

入社後は板金部品製造の現場(工場)で勤務をしながら、社長自ら板金業界のこと、製造業のこと、ありとあらゆる仕事についての事柄をゼロから教えてくれました。

社長

「何も知らないほうがさ、教える側からするとかえって教えやすいんだよ」

社長はよく、そんなことをおっしゃってくれました。その言葉に救われたこともありましたが、教えられたこと以上に仕事を覚えなくてはいけないことは自覚していましたし、その言葉は結構なプレッシャーでもありました。

そんな状況にあって、他の従業員の協力と努力の甲斐もあり、2年ほど経って私は板金業界のことは大体分かるようになってきました。

そして私は、会社の花形部署でもある営業部に配属されることになりました。

5その後、どうなったか。

これからの人生。家族への想い。そして、うどん屋への想い。

うどん屋への想い。

板金会社に転職して大分の歳月が過ぎましたが、今でもふと考えることがあります。

あの時転職をせずに自分やりたいことを貫き、うどん店を開業していたらどうなっていたのだろうか。失敗していただろうか、成功していただろうか、と。

だからと言って過去に戻れるわけではありませんし、あの選択がなければ今の安定した生活はなかったでしょう。

転職は単に仕事を変えるだけに留まらず、その人の人生の充実度にも直結しているのだと思います。

私の場合は、全くの異業種への挑戦ということもあって、新鮮さや刺激を感じられて、そして子供の為を思って今まで振り返ることもなく前向きでいられましたが、これからは少しずつ、振り返る機会が増えていくような気がしています。


職業の選択は、学校を卒業と同時に迎える最初の選択機会、結婚して家庭を待った時に1回目の見直し機会があり、子供が生まれるときに2回目の見直し機会がある──そんな風に私は思っています。

私の場合は子供が生まれるときのタイミングで転職となったことから、今後も子供を中心とした生活を送って行くことになることでしょう。

子供を学校に通わせ、成人させるまでが親の仕事とするならば、これからの20年が、私の親としての責任期間です。

それが無事に終わったとき、またうどん店ができれば──そんなことをたまに考えたりしています。
それはきっと、今とはまた違う、人生としての楽しみを感じられるのではないかと思っています。

そうなれるよう、現在の仕事をひたむきに全うして、安定した収入を維持し続けること──それが、今の私のすべきことなのでしょう。

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