旅行業界からコンサルへ。営業アラサー女性が“今しかない”と決断できた理由|転職体験談
転職前
- 職業
- 旅行業界
- 職種
- 営業
- 従業員規模
- 70人
- 年収
- 330万円
転職後
- 職業
- コンサルティング業界
- 職種
- 営業
- 従業員規模
- 150人
- 年収
- 410万円
目次
kikiさんの転職ストーリー
1これまでの私
「誰かの役に立ちたい」——旅行業界で奮闘した営業時代

29歳のとき、私は東京都内の旅行会社で法人営業をしていました。中小規模の会社で、営業だけでなく手配や企画にも関わるなど、業務は多岐にわたっていました。
自分の長所は、相手の気持ちを察して動けるところや、人との関係を丁寧に築けるところ。ただその一方で、気を使いすぎて抱え込みがちで、几帳面な性格ゆえについ頑張りすぎてしまう場面も少なくありません。
実家は関東圏にあり、両親と妹がいます。平日は仕事に集中し、週末は友人とカフェ巡りをしたり、一人で映画を観たりと、メリハリのある暮らしを大切にしていました。
「誰かの役に立てること」にやりがいを感じ、クライアントからの「ありがとう」が何よりの原動力。安定よりも成長を。ぬるま湯よりも挑戦を。そんな価値観が、自分の中で静かに芽生えていたのかもしれません。
2転職のきっかけ
将来への不安と同僚の言葉。「今しかない」と思えた瞬間

転職を意識し始めたのは、コロナ禍が落ち着き旅行業界が再始動しはじめた頃でした。営業としての忙しさが戻る一方で「この先、この業界で自分の将来が描けるのだろうか?」という不安が膨らんでいきました。業界全体の回復はまだらで、給与面も先行きが不透明。会社の将来性にも疑問を感じていました。
決定打となったのは、同僚が立て続けに2人辞めたこと。そのうちの一人とランチをした際の「もっと評価される場所に行った方がいいよ」という言葉が強く胸に残りました。
成果を出しても待遇が変わらない現状にずっとモヤモヤしていた私にとって、その一言は大きな転機になりました。また、29歳という年齢も後押しになりました。30代に入る前にキャリアを見直したい、そんな思いが「今しかない」という気持ちをさらに強くさせ、転職を本気で考えるようになりました。
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3転職活動中
「言語化」がカギだった。試行錯誤の自己PRと支えになった言葉

当初は「営業経験もあるし、すぐに決まるだろう」と楽観的に考えていました。しかし、実際に動き始めると、コンサル業界や異業種で求められるスキルや視点の違いに戸惑い、思うように選考が進まず焦る日々が続きました。
特に苦戦したのは志望動機や自己PRの整理です。旅行業界での経験を、どう他業界にアピールすればよいのか分からず、何度も書類を練り直しました。加えて在職中の活動だったため、面接のスケジュール調整や書類準備にも苦労し、心身ともに疲弊する時期もありました。
そんな中、支えとなったのは転職経験のある友人でした。「前職の経験をどう“言語化”するかが大事だよ」というアドバイスのおかげで、自分の強みを再認識し、自信を取り戻せました。また、相性の良い転職エージェントにも出会い、求人紹介から面接対策まで丁寧にフォローしてもらえたのは心強かったです。
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結果的に、約3か月で内定を獲得。簡単ではありませんでしたが、自分としっかり向き合う貴重な時間になりました。
4転職後
未経験コンサル業界のスピードと壁。それでも前を向けた理由

現在はコンサル業界の営業職として、中小企業を対象に業務改善や組織改革の提案を行っています。契約から実行支援まで一貫して関わるスタイルで、これまでの旅行業界とはまったく異なる環境です。
抽象的な課題に対してロジカルに応える力や、社内コンサルタントとの連携が求められ、最初はかなり戸惑いました。また、職場は若く優秀な人材が多く刺激的である一方、プレッシャーも大きいです。
ただ、人間関係はフラットで上司とも気軽に相談できる雰囲気があります。その分、自ら動かなければ置いていかれるスピード感もあり、日々必死に食らいついています。
特に印象に残っているのは、初めて担当したプロジェクトで提出した提案書に「お客様の課題を深掘りできていない」と厳しく指摘されたことです。悔しさとともに、もっと学びたいという意欲が湧きました。
そんなとき支えてくれたのが、入社3年目の先輩。彼女の「失敗は恥じゃない、学ばないことが恥」という言葉に背中を押され、前向きに仕事に向き合えるようになりました。
半年を過ぎた頃にはようやく自分の言葉で提案できるようになり、「わかりやすかった」とクライアントに言ってもらえたときは、本当にうれしかったです。
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5その後、どうなったか。
転職で見えた新たな課題と、これから描くキャリアのかたち

この転職を通して、最も大きな学びは、自分の強みと弱みを客観的に見つめ直せたことです。以前は営業成績に重きを置いていましたが、コンサル業界で「論理的思考」や「提案力」の重要性を痛感し、これまでの経験だけでは足りない部分があることを強く実感しました。
特に、「どう伝えるか」だけでなく「何を伝えるか」をしっかり考える必要があることを学べたのは、大きな財産です。さらに、「どんな業界か、どんな会社か」よりも、「自分が成長できる環境かどうか」が何よりも大事だと気づきました。会社の将来性を気にする前に、この場所で成長できているかを問い直すべきだったと思っています。
コンサル業界のスピード感は想像以上で、時間管理やタスクの優先順位づけを自然と磨くことができました。一方で、仕事に夢中になるあまり、プライベートの時間が減ってしまったのは少し反省点です。今後は、仕事と私生活のバランスをうまく取りながら、より充実した日々を送りたいと感じています。
これからは、さらなるスキルアップとキャリアの深掘りを目指し、3年以内に専門資格を取得して、より高度なコンサルティングができる人材になりたいと考えています。そして、チームをまとめる力や戦略的な思考を養い、将来的にはプロジェクトマネージャーとして大規模な案件を手掛けることにも挑戦したいです。
若手の育成にも積極的に関わりながら、自分自身の成長を周囲や業界全体の成長につなげていきたいと思っています。将来的には業界全体に影響力を持てるよう、トレンドや新しいビジネスモデルの情報発信を積極的に行い、自分の存在感を高めていくことも視野に入れています。挑戦を続けながら、これからも成長し続けたいと思っています。