42歳シングルマザー。非正規事務職からカスタマーサポートの正社員へ。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 外郭団体
- 職種
- 一般事務
- 従業員規模
- 50名
- 年収
- 200万円
転職後
- 職業
- 通信サービス
- 職種
- カスタマーサポート
- 従業員規模
- 2,000名
- 年収
- 320万円
目次
まるさんの転職ストーリー
1これまでの私
シングルマザー。10歳になる息子と2人暮らし。
私が転職したのは、新型コロナウイルス感染拡大の真っ只中、2020年3月です。
ちょうどシングルマザー10年目くらいで、現在は10歳になる息子と二人暮らし。親族もなく頼るアテがないので、2人で必死に生きてきました。
20代は飲食業に従事していましたが、当時の配偶者に「専業主婦になってほしい」と言われて退職し、家庭に入ることに。
ところが、その後に配偶者の暴力癖が発覚して。「このままでは殺される」と0歳児の息子を抱えて家を出て、ほどなく離婚しました。
子どもを保育所に預けながら、お迎えに間に合う仕事を探しましたが、事務スキルもない30代子持ち女性に門戸を開いてくれる職場はなかなかありませんでした。
やっと見つけたのは、県の外郭団体の非正規事務員。1年ごとに契約更新で5年満期の仕事です。
外郭団体とは
外郭団体は、政府や自治体が設立した、公益性の高い業務を行う団体で、社会インフラの整備、産業振興、文化支援、環境保護など、特定の分野で公共の利益を実現することを目的としています。
外郭団体は独立して運営されますが、政府や自治体からの監督や資金援助を受けていることが多いです。
外郭団体の事務職の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
書類作成と管理 | 契約書や報告書、申請書などの書類を作成し、適切に管理します。必要に応じて、関係機関や企業とのやり取りも担当します。 |
予算管理と経理業務 | 予算の策定や管理、経費精算などの経理業務を行います。公的資金が使われることが多いため、正確な管理が求められます。 |
窓口対応と問い合わせ対応 | 一般の市民や関係者からの問い合わせや、窓口での対応を行います。公的サービスに関する説明や、必要な手続きを案内します。 |
会議やイベントの運営サポート | 団体が主催する会議やイベントの準備や運営をサポートします。資料の準備や会場手配、関係者への連絡調整が含まれます。 |
データの集計と分析 | 団体が行う事業や調査に関するデータを集計し、分析します。報告書の作成や、次年度の計画立案に役立つ資料を作成します。 |
収入は多くありませんでしたが、休みは週休2日で、有給も取りやすかったです。「仕事がないから時間休みをとって早く帰ります」、なんてことも日常茶飯事。
同僚の皆さんの多くがプライベートを優先している環境なので、一人で子育てする者には働きやすい環境でした。
仕事のお客様はご高齢の方が多く、親族のない私にはどの方も大切な祖父母のように思え、少しでもお力になれるよう尽力することが仕事のやりがいでした。
お役所の二次団体的な組織なので、基本的には素っ気ない対応を取る従業員が多いです。
その中でも、私は接客業出身ということもあり丁寧に応対することを心がけていました。
- お客様
-
「あなたの対応はとても親切ね。とても助かりました、ありがとう」
――と、そのことに、度々お客様からお褒めの言葉をいただくことができているのも、仕事のやりがいに繋がっていました。
シングルマザーで生きることは、世間の冷たい目にさらされ、自尊心を削られることも珍しくありません。
しかし、ここでの仕事は「私でも人の役に立てる」と思うことができていて、本当に救われていました。
2転職のきっかけ
任期満了を機に、「緩い仕事から抜け出そう」と。
新型コロナが蔓延した2020年は外郭団体の任期5年の最後の年で、3月で契約が切れました。
1ヵ月の待機期間を経れば別の県の外郭団体を紹介してもらえる可能性もありましたが、1ヵ月も無職でいることは現在の収支状況では考えられない選択だったので、転職活動を始めることにしました。
直接的な理由は、このように「契約満了」でしたが、他にも2つの理由がありました。
その一つは、「緩い仕事に慣れてしまうこと」です。
このまま公の仕事についたままだとこの緩い雰囲気に慣れきってしまい、厳しい現場では使い物にならなくなるということに不安を感じていたのです。
もちろん忙しい時もありますが、お菓子を食べながら同僚と話しながら仕事ができる環境でもありました。締め切りもあるようでない仕事のため、残業するか否かも自己判断。朝寝坊したら時間休みで有給を取ればOK。
こうした環境は楽である反面、20代を厳しい飲食店の現場で叩き上げられてきた私にとっては、同時に生温すぎて物足りなさも感じていました。
もう一つの理由は、「ステップアップをしたい」という想いです。
約5年間行ってきた仕事から培った事務スキルが、今の私にはあります。
それを活かして、「正社員で給料も良い仕事、責任のある仕事につけるのではないか」という、今で考えれば少し甘い気持ちも持っていたのです。
3転職活動中
スキルのない私にとって、40代の転職は甘くなかった。
実際に転職活動を始めて、当初の見込みが甘かったことを痛感しました。
求人サイトから応募しても、20社応募して書類選考に進むのは1社。
面接に行っても、こちらからお断りするような会社ばかりでした。
- 面接官
-
「民間で努めることができるの?子供のことはどうするの?残業したら子供がかわいそうだとは思わないの?」
などと言われることもありました。
精神的にも落ち込み、悔しく切ない思いをする日々が続きました。
また求人サイトに加えて、転職エージェントにも1社、派遣会社には3社登録しました。
転職エージェントでは、私の強みや面接でのアピールの仕方をアドバイスしてくれて有益な情報を得られました。
ただ、紹介してくれる会社は「誰が行きたいと思いのだろうか」と苦情を言いたくなるほどの交通の便の悪い職場ばかり。
派遣会社にも登録しましたが、「案件が出たらご連絡します」と言ったきり音沙汰無し。
コロナ禍という影響もあるとは思いますが、何よりも自分の市場価値の低さを思い知らされました。
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家族もなく、人を頼るのが苦手な私は、自分の価値がない事をただただ悲観し、どんどん自信をなくしていきました。
そんな中での唯一の希望は、息子との他愛もない会話。この生活を守るために頑張らなくてはと自らを奮い立たせる日々でした。
そして頑張り続けた結果、転職活動を始めてから約2ヵ月、カスタマーサポートの正社員として新しい職場を決めることができました。
カスタマーサポート(コールセンター)とは
コールセンター業務は、主に顧客の問い合わせ、商品やサービスに関するサポート、クレーム対応、注文受付などを担当します。
顧客からの電話やメール、チャットでの連絡に対して迅速かつ正確に対応し、企業と顧客とのコミュニケーションの窓口として重要な役割を果たしています。
コールセンター(インバウンド)の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
問い合わせ対応 | 顧客からの製品やサービスに関する質問に対応し、問題解決をサポートします。 |
注文受付 | 電話やメールを通じて、商品の注文を受け付け、注文内容をシステムに入力します。 |
クレーム対応 | 顧客からの苦情や不満に対して、適切に対応し、解決策を提示します。 |
サービスの説明 | 顧客に対して、提供しているサービスや商品の詳細を説明し、利用方法や利点をわかりやすく伝えます。 |
顧客情報の管理 | 顧客から得た情報を正確に記録し、データベースに登録・管理します。 |
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。
やっと決まった職場はカスタマーサポート。いわゆるコールセンターです。
正社員かつボーナスもあり、休み希望も月8日出せるので最初は働きやすい環境だと感じました。
ただ、シフト勤務では遅番があります。とはいえ、これまでの待遇と比べて格段に良かったので「多少のリスクはやむなし」と割り切ることにしました。
最初の1ヵ月は、朝から夕方まで研修だったのですが、夕方以降も任意で自習(この時間は無給)があります。
任意とは言っても、この先の自分の評価にひびくので、学習意欲をアピールするように言われました。
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1ヵ月の研修後、コールセンターの業務が始まりました。
鳴り止まない電話。時間との戦い。1秒でも早く終話することだけを考えて対応するのですが、少し話が長引くと責任者から叱責を受けます。
たしかにお客様はオペレーターに繋がるまでに3時間待ちといった日もありましたから、とにかくスピードと処理時間の短縮が求められたのです。
上司からのプレッシャーは、精神的に苦しいものでした。
そしてもっと苦しかったのは、残業を求められることでした。
私は通勤に1時間半以上かかるので、できれば息子のためにも早く帰ってあげたいのです。
とは言っても、残業をしなければ評価にひびくので、その間での葛藤があり、結局週の半分以上は残業することになっていましました。
加えて、休み希望に関しても「土日の休み希望は、新人のうちは2日しか出せない」と入社後に聞かされ、正直なところ騙されたと感じました。
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5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
今回の転職で感じたことは、「20代でスキルを身につけておかなければ30代以降は地獄を見る」ということです。
異業種で転職に成功する方は、異業種といっても何かしら関連性のあり、20代で身につけたスキルが活用できる業種に転職されているように感じます。
30代、ましてや40代でスキルがない人間は、使えない人材の扱いです。
私であれば、12年勤めた飲食業を辞めるべきではなかった。もしくは、20代でもっと社会的評価の高いスキルを身につけることのできる職種を選ぶべきでした。
仮に、20代で経理や人事のスキルを身につけていたのであれば、そういった道も開けたかもしれません。
現在、私はカスタマーサポートの職を辞めて、フリーランスで働いています。
会社組織の中に入っても、自分の満足できる働き方を実現するのは難しいと感じてたからです。
携わっているのは、WebライティングとWebサイト制作の仕事です。
子供の食事の用意や寝かしつける時間以外は仕事にかかりっきりの日々で、それでもコールセンターのときの給与額にギリギリ追いつくかどうかです。
でも、自分の裁量で自分の好きな仕事をできる生活に今はとても満足しています。
今はまだ学習中の身ですが、いずれはプログラミングで仕事をできるようになることが実現させたい未来像です。
不安定なフリーランスという立場だからこそ、日々鍛錬を積み重ねて時代に適応しながら自分で道を切り開いていきたいと思っています。
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他の転職エージェントにあるような「希望条件に合う求人がない」と断られるケースは殆どないでしょう。
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