40代女性の転職活動に疲れたときに。辛い気持ちを溜め込まない対策
[最終更新日]2024/07/15
男女の生涯独身率の高まり、または共働き世帯が専業主婦世帯を上回っている昨今、いろいろな事情で40代女性が転職活動を余儀なくされるのは珍しいことではありません。
労働人口の減少により新卒・若手における就職・転職は売り手市場ですが、40代以降のミドル世代の転職においてはまったく同じ状況とは言いきれない現実があります。
特に40代女性の場合、キャリアやスキルがあっても転職活動がスムーズにいかないケースが多々見られます。
目次
1)他の人達はどうしてる?40代女性の転職活動
はじめに、「みんなの転職体験談」に投稿いただいた40代女性の方々の転職エピソードを3つほど、紹介したいと思います。
紹介する3つの体験談は、どれも一筋縄ではいかない苦労をされており、「40代女性の転職モデルケース」とはあまり言えないかもしれません。一方で、そうした苦労とそこで得た気づきや想いは、私たちがこれから転職していくうえでの意識や心の準備にも、大きく役立てられるはずです。
または、「この人のケース、自分に当てはまる…」という方もいるかもしれません。ぜひ参考にしてください。
「ハローワークの面談の際に、【年齢の壁】を感じて」
PANKUN さん(女性 46歳 新潟県)のケース
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いざ、会社がなくなり求職活動を始めると今まで考えもしなかった現実に突き当たりました。
まず、生活の不安。
幸い失業保険がすぐに適用されたため、給付金を受け取りながら求職活動ができました。
ただ期限が決まっているので、段々あせりも出てきます。と、同時に年齢の壁が。肌で感じたのは、ハローワークでの面談の時でした。
まず、興味ある業種の企業を何社かピックアップして、面接官に電話してもらいます。応募可能か、可能なら面接のアポをとってもらうのですが、私の年齢を伝えると良い反応はまず返ってきません。
年齢問わずと書類に記載されていてもその場で断られたこともあります。「未経験者歓迎!」の応募条件は30代前半までがセオリーなんだなと認識。
PANKUN さんのように、会社の倒産を機に転職活動をせざるを得ない人もいることでしょう。
年齢や体力の不安もあって異業種での求人を探すためハローワークに出かけたものの、面接のアポがとれないという現実がありました。
そこで古巣のデザイン業界で求人を探すものの、今度は経験の長さが災いして採用に至らなかったそうです。
PANKUNさんは母子家庭だったこともあり、生活の不安を抱えながらの転職活動で、面接官から自分のキャリアまで否定されるようなことを言われたときはきっと言葉では言い表せないような辛い思いをされたはずです。
その後、自分を変える覚悟で転職活動を行ったPANKUN さんは、臨時採用ではあったものの児童指導員の職を得ましたが、そこでPANKUNさん以下の言葉には、響くものを感じられた方も少なくないのではないでしょうか。
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思い描いた道ではありませんでした。──でも、自分なりに、この新しい道を歩いて行きたい。
今はそう思っています。
この体験談で私たちが意識したい点は、「「自分はこうだ」といった枠組みを取り除くことで、新たな可能性が見える」ところにあります。
40代となると、誰しも自分の「枠組み」を持つものです。また、その枠組みの「外側」に出ることは、とても勇気のいることです。
ですが、40代の転職は、そういった枠組みの「外側に立つ」ことによって開かれていくことも、少なくないのでしょう。
「私の中の『正社員と契約社員の格差イメージ』は一層広がりました」
かなこ さん(女性 40歳 東京都)のケース
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リストラを言ってきたのは課の直接の上司でした。
その言葉を聞いた直後は、とにかく「どうしたら良いのかわからなくなってしまった」というのが正直な感想です。
思わず涙ぐみましたが、でも自分がどう感じて良いのかすら分からない──そんな感じでした。リストラの理由としては会社の経営不振と業績の悪化でしたので、社員はリストラできず、まず首を切りやすい契約社員にリストラの話がきたようです。
──たしかにリストラを言い渡されたのは多くが契約社員でした。ですが、リストラを言い渡されていない契約社員も数人いたのです。
まるで「あなたは無能なのだ」と言われているようで、とても辛かったです。
ですが、「あなたは要らない」と言われているのに続ける気力にもならず、会社が指定してきた末日までに辞める気持ちを固めました。
リストラされずに残る契約社員とは、(これまでは仲良くやってきましたが)ややぎこちない、不安定な関係になりました。
かなこさんは結婚を機に転居して、東京の旅行会社に契約社員として勤め、総務職を担当していました。
仕事内容は正社員とほとんど変わらず、また職場環境も良かったことからやりがいを感じていたにも関わらず、会社が経営不振に陥ったことでリストラを勧告されてしまいます。
そのとき、契約社員の中にもリストラされない人がいることを知ったとき、「あなたは無能だから要らない」と思われたと感じてしまう気持ちは、きっと体験した人にしか分からない程のものでしょう。
一方で、かなこさんは時を経てリストラの経験を振り返ったときに、「(自分が)リストラされたのは仕方がないことだった」と言っています。
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当時は自分なりに一生懸命に仕事をしていましたし、周囲から感謝もされていました。
でも、今から振り返ると、当時の私は、事務処理も接客も上手くなく、本当に言われたことだけをただ続けていただけだったのです。たいしたこともしていないのに感謝されていたということは、結局「甘く見られていた」ことだったのではないか──今となっては、そう思います。
つまり、私がリストラされたのは仕方がないことだったのかもしれません。
もっと「プライドを持ってしっかり働こう」という意識が必要だったのでしょう。
かなこさんがここで得た気づきは、きっとこれからの人生にも大きく寄与していけるものでしょう。
同時に、かなこさんに限らず40代女性の転職においては、まさしくこの「言われたことだけでない、自律的な(プライドを持った)働き方」が強く求められるのかもしれません。
皆さんは、どのように感じましたでしょうか。
「やっぱり、正社員として働きたい」という想い。
なあ さん(女性 49歳 福島県)のケース
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転職で苦労したことは、年齢が49歳でしたので、正社員としての求人がとても少なかったことです。
また、私は今まで事務歴が長く、他に自分にできる仕事(強み)はありませんでした。
そもそも私を受け入れてくれる企業があるかも不安でしたし、これまで民間企業に勤めた経験もないので、採用後も「自分は通用するだろうか」という不安も大きかったです。
案の定、書類審査で落とされる日がしばらく続きました。
焦りましたね。不安な気持ちは一層大きくなっていって。でも、そんなときにハローワークの紹介担当者の方が、「書類が通れば、あなたのお人柄だったら面接はきっと受かりますよ」と、心強い一言を言ってくれました。
その方は本当にそう思って言ってくれたのか、それとも私を元気づけようとして言ってくれたのかはわかりません。
もしかしたら、その両方かもしれませんね。ですが、いくつかの書類が通り採用面接になるなど、だんだんと流れが変わっていき、そしてとうとう、一社内定をいただくことが出来たのです。
父親の入院と、その介護で現職を退職することとなった、なあさん。
その後転職活動をはじめるもなかなか職場が決まらず、更にはようやく入社した会社ではヒステリックな「お局」上司の影響で、今度は自身の体調も崩してしまい──、大きな苦労をされながらの40代転職であったことが、非常によく伝わってくる体験談です。
そんな試練を経験して、なあさんは「これから先の将来」について以下のようにお話されています。
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思えば転職前の私は、「もっと良くしていこう」という意識がほとんどありませんでした。
今まで事務歴が長く、他にしたいと思える仕事も特になかったため、何となく今まで事務という職種を選び、働いてきました。
ですが、今こうやって新しいフィールドに立って、色んな障壁や悩みを受けて、「事務の仕事以外にも、他にもっと自分に向いている仕事は何だろう?一生やりがいのある仕事を見つけて働きたい」気持ちが強くなってきています。
つらいことが多かった中、なぜなあさんがここまでポジティブに自身の未来を描けているのか、不思議に感じられた方もいるかもしれません。
なあさんは転職時期における試練やつらさを「排除」することなしに、ある意味ひとつの「糧」として自身のなかに取り込んでいくことによって、自身の成長に繋げられてたように、私には感じられます。
誰しも、歳をとるごとに不安や悩みは大きくなるものです。
転職においても、20代や30代の転職と比べ、40代の転職は困難が高まるものでしょう。
ですが、そういった不安や悩み、困難を「あってはならないもの」と取り除くのではなく、それらも含めて自身の人生であると受け入れていく、そういった余裕や度量の広さが、40代の転職においても大切になるのかもしれません。
2)40代女性の、「転職活動が上手くいかない」と感じるときの背景とは
さて、ここまで3名の方の転職体験談をご覧いただきました。
どの方も相応の苦労をされており、もしかしたら「40代の転職って大変そう…」と不安になられた方もいるかもしれませんね。
また、女性の方が40代になって転職活動を始めた際、「若いときの転職と違ってうまくいかない」と感じることが多いそうです。
さて、それら40代女性の方々が転職活動で苦労したり「思うようにうまくいかない」という理由は、大きく以下の3つが考えられるでしょう。
- 求人企業に応募しても、書類審査や面接で落ちてしまいなかなか決まらない。
- 業界における「年齢制限」の壁。
- 情報収集が偏っている。
まず、女性に限らずミドル世代の転職は、「求人倍率が高くなりがち」と言われています。求人企業に応募しても、書類審査や面接で落ちてしまいなかなか決まらない方は多くいることでしょう。
これは2つめにあげた、業界における「年齢制限」の壁ともつながっています。
企業は中途採用者に対し、即戦力として活躍することを期待します。
合わせて社風になじみ、会社が求める働き方を実践してくれることを望んでいます。
40代女性の場合、未経験職種に応募すると即戦力にならない、キャリアが豊富だと自分のスタイルができあがっているので社風になじまないと判断されやすいのです。
そのため、入社後に社風になじむ20~30代前半の女性が優遇されるという年齢の壁があり、40代女性は書類審査や面接で落ちるケースが多いのです。
また、求人を探す際に決まった転職サイトやエージェントだけを使う、偏った業界や職種、雇用形態などにこだわって情報収集することで、応募先を自ら狭めている40代女性の方々も少なくありません。
こうした要因により、転職活動が難航してしまうのです。
3)40代女性が、「転職活動がうまくいかない」と感じたときに取り組みたい対策6つ
40代女性が転職活動についてうまくいかないと感じたとき、自分をふり返って考えることも大切です。
我流でがんばっていても、成果に結びつかないことは往々にしてあります。
そこで、思うように転職活動が進まないときに取り組んでみてほしい対策を6つまとめました。
それぞれ、順を追って見ていきましょう。
気持ちよく朝を迎えるための、「コンディション作り」を
忙しかったり不摂生が続くと、体調は崩れやすく、気持ちも落ち込みやすくなるものです。
また、自律神経が乱れると不眠や頭痛、生理不順などの不調もきたしやすく、それらの予防策として日々のコンディション作りはとても大切です。
転職活動を万全な体調で行えるよう、日々以下の取り組みを意識しておくと良いでしょう。
朝起きたら日光を浴びる
日光を浴びると、目から光の刺激が入り体内で「セロトニン」が活性化されます。
セロトニンは精神安定や安心感を高め、そのほか頭の回転をよくして直観力を上げるなど、脳を活発に働かせる効果を与えてくれる神経伝達物質です。ストレス耐性に対しても効果があります。
ちなみに、日光を浴びるタイミングは起床直後から30分以内が良いとされています。
また、日光を浴び続ければ無限にセロトニンが増えるわけではないので、1日の日光を浴びる時間は15~30分ほどで問題ありません。
散歩やストレッチ、ヨガなどの適度な運動
散歩やストレッチなどの適度な運動は、メンタルヘルスや生活の質の改善に効果をもたらすことが認められています。身体を動かした後に気分が爽快になった経験のある人は多いでしょう。適度な運動も、セロトニンをはじめとする神経伝達物質の活性を促します。
ただし、急にハードな運動をすると逆に心身に負荷を与えてしまうリスクがあるので、普段あまり身体を動かしていない方は、まずは無理のない運動から始めることをおすすめします。
ちなみに、厚生労働省の「運動施策の推進」では、18歳から64歳の男女に対して、1日8,000歩(1時間ほど)に相当する身体活動を推奨しています。
8,000歩というと大体6kmほどの距離になりますので、「普段からそんなに歩くのは無理」という方もいるかもしれませんが、例えば以下のような行動で運動を代替することもできるでしょう。
- 歩行と同等の運動:台所での家事、カーペット拭き、フロア掃除、床拭き、自転車に乗る…など
- 歩行よりやや強度の高い運:階段を昇る、子どもと遊ぶ(歩く/走る)、農作業、雪かき…など
毎日、37~39度のぬるめのお湯につかる
転職が長引くなどのストレスで心身の不調もある方は、なるべく毎日ゆっくりとお風呂に浸かるようにすると良いでしょう。
お風呂に浸かることにより、血管が拡張して血流量が増加し、温められた血液が身体じゅうをめぐって全身が温まり、更には疲労回復にも繋がります。
37~39℃のぬるいお湯に10分以上ゆっくり入ると、副交感神経が刺激されて精神の緊張がほぐれ、心身がリラックスした状態になりやすいです。
良質な睡眠(夜の睡眠時間の確保)
良質な睡眠は、その人の心身の健康状態に大きく関わることは言うまでもないでしょう。
心身の疲れを解消し、自律神経のバランスも整えてくれます。
また、快眠は先に挙げた光浴(日光を浴びる)、運動、入浴にも大きく関わります。現在「あまり快眠できていない」という方は、まずここまで紹介したポイントを意識して取り組んでみてください。
その他、以下の行為も快眠習慣の形成に有効です。
- 就寝の5~6時間前は、コーヒー・緑茶・チョコレートなどカフェインが含まれる飲食物を控える
- 就寝前のPC・スマホの作業・閲覧を控える
- 就寝前のタバコ、アルコールを控える(アルコールは寝つきを良くするが、明け方の睡眠を妨げるケースが多い)
栄養バランスのとれた食事
コンディション作りに睡眠・運動と並んで大切なのが、「食事」でしょう。
栄養バランスのとれた食事は、一日のエネルギーを養うだけでなく、自律神経を整えていくうえでも有効です。
その際に意識したいのは、「脳の疲労回復にDHA」「イライラしないためにカルシム」というような特定の情報だけにフォーカスしすぎず、バランスよく食事を取ることです。
例えばカルシウムを適切に身体に吸収していくためには、牛乳や大豆製品のほかに吸収を良くするために魚介類・卵類・キノコ類などで得られるビタミンDも必要となります。
厚生労働省では、「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」それぞれをバランスよく摂取することを推奨しています。
画像引用元:厚生労働省「e-ヘルスネット 食事バランスガイド(基本編)」
参考:
厚生労働省 「e-ヘルスネット 栄養・食生活」
厚生労働省 「e-ヘルスネット 食事バランスガイド(実践・応用編)」
「その道の専門」に相談を。女性向け・女性に強い転職エージェントの利用がおすすめ
女性の40代転職の成功確率を高めるためには、まずは「女性の転職に強いエージェント」に複数登録することです。
転職エージェントにも特徴があり、強い業界・職種、年齢が異なります。
40代女性の場合は、男性や若い女性と同じ土俵で勝負しても負ける確率の方が高いのが現実です。
また女性に強い転職エージェントの中には、幅広い年齢層のキャリアアドバイザーが配置され、きめ細かいサポートを行ってくれるところもあります。
そうしたプロのサポートを受ける方が、より多くの求人を得られるのです。
合わせてそれぞれの転職エージェントによって、扱う求人にも違いがあるので、複数に登録し相談先を増やすことをおすすめします。
自分の市場価値を知り、応募先の幅を広げる
40代女性に限らず、転職活動において自分の市場価値を知ることはとても大切です。
キャリアがある40代女性であっても、スキルや実績によって市場価値は変わります。
また未経験職種への転職を考えている場合、スキルやキャリアがないことは、自分に市場価値を下げる要因となってしまいます。
自分の市場価値を知ることで、応募しようとしている企業に採用してもらえる可能性があるかどうかを判断できるようになります。
本当は正社員採用が望ましくても、希望の業界や職種に就くために契約社員でも応募した方がよいケースもあります。
就職することが目的なら、自分の市場価値を理解したうえで、採用してもらえる可能性がある求人にどんどん応募すべきです。
市場価値の確認方法
人材の「市場価値」とは、お金や株価のような「誰もが共通認識を持てる価値」ではなく、その市場(業界、または個別企業)で「この人はこれだけの活躍をしてくれる」という客観的な評価をもって導き出されるものです。
注意すべきは、現在のあなたの年収が市場価値になるとは限らないことです。
社内でのあなたに対する評価は、過去の行動や取組み、実績・功績などをもとに判断されているものです。
一方、市場価値は将来的にどれだけの活躍ができるのかを見据えた上で決まります。
自身の市場価値を確認する方法は、以下の2点があります。
- ①求人情報をもとに確認する
- ②転職エージェントに確認する
ひとつめの「①求人情報をもとに確認する」は、応募企業(また応募予定の企業)の求人情報の人材要件・想定年収をもとに、あなたの市場価値を推定することです。
もうひとつの「②転職エージェントに確認する」は、転職エージェントに登録して、担当となったエージェントに以下のような質問をします。
- この業界では、私の市場価値はどのくらいでしょうか。
- 現在の私の経歴と保有スキルを、高く評価してくれる業界や領域があるとしたらどのようなところでしょうか。また、その際はどのくらいの年収が望めそうでしょうか。
ただし、担当となるエージェントが確実にあなたの市場価値を見極められるかは、その担当者の力量やあなたへの理解度の深さも関わります。
誤った評価で転職活動自体が難航しないように、可能な限り複数の転職エージェントを利用してセカンドオピニオンを得られる体制にしておいてください。
転職活動を始める前に資格取得などの準備をする
介護やITなど業界によっては、未経験者を積極的に採用するところもあります。
しかしまったくの未経験の40代女性を採用する企業は、全体的にはあまり多くはないでしょう。
若い世代と比べると、記憶力や体力がないと判断される傾向が強いからです。
そこで、未経験職種への転職を希望しているならなおのこと、必要なスキルを証明できる資格を取得しておくことをおすすめします。
事務系であればMOS(Microsoft Office Specialist)や簿記、介護系であれば介護初任者研修、金融・保険系であればファイナンシャルプランナー、IT系であればITパスポート試験などがおすすめです。
資格があるからといって即戦力として活躍はできませんが、仕事に対する意欲や姿勢を見せる意味では有効でしょう。
業界・職種別おすすめの資格
業界・職種 | あると有利な資格 |
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事務職 | ・簿記1級または2級 ・MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) |
IT業界 | ・ITパスポート |
介護職 | ・介護職員初任者研修 ・介護福祉士実務者研修 |
企画・マーケティング職 | ・ビジネス・キャリア検定 ・商品プランナー |
コンサルタント | ・中小企業診断士 ・キャリアコンサルタント |
経理職 | ・公認会計士 ・簿記1級または2級 |
企業研究と書類作成にかける時間をしっかり確保する
40代女性に限らず、ミドル世代の転職者の多くの方々が悩むことになるのが、上記図で示した通り「書類選考の通過」、および「企業リサーチ」です。
なぜ、ミドル世代の方々が企業リサーチや書類選考といった、いわば「転職の出だし」部分で苦労するのかというと、どうしても企業側が若手転職者を優先してしまうが故の、ミドル世代転職者の「求人倍率の高さ」が背景にあります。
かつ、40代転職者のなかには現職業務で忙しくて、なかなか転職活動にかける時間を持てない方も少なくありません。そういった時間的な制約もまた、上記要因にも関わってくるでしょう。
ただ、ここで満足いく転職を成し遂げるためには、企業リサーチや書類作成のための時間をしっかり確保すべきでしょう。
まずは、自身の生活サイクルをこれまでのものから変えていき、転職活動中心のサイクルにしていくことが大切です。
企業研究 見るべきポイント
企業研究をする際に、優先して見るべきポイントは以下の通りです。
チェック項目 | 確認ポイント | どこで確認するか |
---|---|---|
事業内容 | 自分自身の知識領域にあるか、また今後も興味・関心を持ち続けられる内容かを確認する | 企業HP |
主力商品・サービス | その商品・サービスの開発・運用を自身が携わることになる際に、どの範囲まで知っていて、どの範囲を知らないかを確認する | 企業HP、業界ニュース、四季報、業界地図、競合他社のHPなど |
強み・独自性 | 同業他社をいくつか確認し、「この会社ならではの特色・強み」がどこにあるかを見出す | |
企業理念 | 企業理念から、求められる人物像(主にスタンス面)をイメージし、自身との適合性を確認する | |
社風・雰囲気 | 歓迎される人物像や業務への取り組み姿勢をイメージする | インタビュー記事、口コミサイトなど |
求められる知識・スキル | 現在の自身の知識・スキルと照らし合わせて、過不足を確認する | 企業HP、求人票など |
こうしたリサーチを重ねた結果、「この企業で働きたい」「こういった文化の会社なら馴染めそうだ」といった手応えを得られれば、入社後のミスマッチを軽減する効果が期待できます。
「印象に残る職務経歴書」作成のポイント
- Point1)最初の職務要約ですべてを語る
- Point2)緩急をつける
- Point3)企業毎に職務経歴書を書く
- Point4)定量的に書く
- Point5)「ボランティアをやっています」などの副次的なものは程ほどに。
- Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く。
Point1)最初の職務要約ですべてを語る
採用担当はたくさんのレジュメに目を通すため、最初の職務要約しか見ない人もいます。逆にいうと、この部分は全員が見るということです。
そのため、「最初の職務要約ですべてを語る」くらいの気概で作成したほうが良いでしょう。
自分の強みが最初の数行でパッと分かるように表すなど、とにかくこの部分の品質に意識を集中して作成することが大切です。
Point2)緩急をつける
ある程度実務経験を持った人が陥りがちなミスが、「やってきたことを全部書いてしまう」ことです。
全部盛り込むと、強み(アピールポイント)が薄まってしまいます。
アピールすべきところとしなくてもいいところを分けて、しなくても良いところはバッサリ切る──、といったメリハリが大切です。
例えば総務部門を経験した転職者の場合、総務の幅広い業務範囲を全部書くとどうしても冗長になってしまいます。
その際に、例えば応募する企業の求人要件が「総務の資産管理」だった場合、そのポジションと関連する経験をアピールするのです。
「自分はそのほかにも人事、採用などを経験していた」という場合においても、応募企業側で人事、採用のポジションを求めていないようなら、その記載は軽く触れる程度に留めるなどの取捨選択を意識しましょう。
Point3)企業毎に職務経歴書を書く
職務経歴書は、基本応募企業毎に準備します。
テンプレートのようにひとつの職務経歴書を使いまわしていた場合、応募企業側はすぐにそれを見抜きます。
効果的な職務経歴書にしていくためにも、企業が募集しているポジションに合わせて書くことを意識すると良いでしょう。
イメージとしては、「60%は共通部分として、残り40%を企業毎にかき分ける」、「これまでやってきたことが20種類あったら、求人ポジションに合わせて12~3個に絞って、7~8個は削る」といった形で進めると良いと思います。
ポイントは、求人企業に対して「企業が求めているポジションと、自分の経歴がいかにフィットしているか」を伝えることです。
Point4)定量的に書く
よく言われることですが、職務経歴書は「定量的」に書くことが大切です。
例えば、「お客様に大変喜ばれた」といった表現は、第三者はその程度が分かりません。また、「主観的、感覚的にしか物事を捉えられていない」と評価されてしまうリスクもあります。
アピールする事柄は、なるべく「数値」に落とし込むことが大切です。
「売上や会員数、またはPV数などが何パーセント増えた」であったり、「結果として作業時間がこれだけ短縮できた」などの定量的な説明を意識すると良いでしょう。
Point5)「ボランティアをやっています」などの副次的なものは程ほどに。
プライベートでの活動(ボランティア)などは、書いても書かなくても、書類通過や採用にそこまで影響は無いと見たほうが良いでしょう。
他の候補者と比較検討になった際に、その人と甲乙つけがたいくらいの同評価だったら効果はあるかもしれませんが、その他ではあまり効果を期待しない方が良いと思います。
たまに、経営層の価値観とマッチしたなどのラッキーパンチもありますが、やや運要素の強いPRと言えます。
また、そうした副次的なPRをたくさん書いてしまうと、「仕事でアピールできないから、そこでアピールするのかな?」と思われてしまうリスクもあるでしょう。
Point6)「レジュメはラブレター」の意識で書く。
レジュメ(職務経歴書)は、「企業へのラブレター」と思って書くと良いです。
例えば、気になっている異性に「私はたくさんのスキルと知識があります。だから付き合ってください」とラブレターを書く人はいないでしょう。
それよりも、「あなたはきっと、こういう人を求めていますよね。私はまさにそういう経験をしてきています。つきましては、私と付き合ってくれませんか」といった形でアプローチする方が成功確度を高められるはずです。
ポイントは、「相手を基点」にあなた自身のペルソナを作っていくこと、──つまり、「顧客視点」を持って職務経歴書を書いていくことです。
自分の枠組みを広げるための、「妥協する点」を意識しておく
求人を探すにあたり、業界や職種、雇用形態、給料、福利厚生など、自分が求める条件を整理することも大事なプロセスです。
しかし40代女性が転職する際に、自分が求めている条件がすべて満たされることはないのが現実です。
そこで応募する際には、自分が考えている条件の優先順位と、どこまでなら妥協できるのかを決めておくことをおすすめします。
「妥協」という言葉はややネガティブな印象もありますが、妥協により人は「自分はこうしなければ行けない」といった枠組みが一旦取り除かれ、選択肢の幅や視点を広げるきっかけになりえるのです。
一方で、雇用形態や勤務条件、仕事内容を曖昧なままにすると、入社後にミスマッチがおきて短期間に退職を余儀なくされる可能性があります。
大切なことは、「あいまいにする」のではなく、「枠組みを広げること」です。そうすることによって、「前向きな妥協」にしていけるでしょう。
また、40代女性は短期間で退職した事実ができることで、次の転職活動がより難しくなることが多いです。
安易に転職先を決めてしまい後で後悔することのないように、十分に注意しましょう。
4)40代女性の悩める転職におすすめエージェント5選
40代女性が転職活動を始めるなら、プロのサポートを受けるのが一番です。
その際、女性の転職に強いエージェントを探すのがセオリーです。
また、キャリアを活かした転職なのか、未経験職種にチャレンジするのかによっても、適したエージェントは異なります。
ここでは、40代女性におすすめの転職エージェントを5つ、ご紹介したいと思います。
リクルートエージェント
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国内No.1の求人数の豊富さ!担当者からの的確かつスピーディな支援も受けられるので、「なるべく早く転職したい」人に特におすすめのエージェントです。
リクルートエージェントは、国内最多の求人数と転職成功実績を持つ、事実上No.1の転職エージェントサービスです。
年齢・性別を問わず、幅広い層へサポートを行っているため、どなたでも気軽に足を運べます。
リクルートエージェントはこれまでに30万人以上を転職成功へと導いています。
その理由は「リクルート」のブランド力による企業からの信頼と、在籍するキャリアアドバイザーのサポート力の高さにあります。
「転職活動がうまくいかない」「そもそも転職すべきかどうか」といった悩みや不安にも、有益なアドバイスをもらえることでしょう。
また、リクルートエージェントは独自のサービスも展開しています。
たとえば転職活動の難所である採用面接の必勝法を学べる無料のセミナーや、担当アドバイザーによる企業の情報や選考のポイントをまとめたレポートなど、様々なかたちで転職活動のバックアップを行ってくれます。
リクルートエージェントの特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約42万件(2024年7月現在) |
とくに多い職種 | 営業・販売・カスタマーサービス|企画・マーケティング・経営|管理・事務|物流・購買・貿易・店舗開発|コンサルタント|金融専門職|不動産専門職|クリエイティブ|SE・ITエンジニア|エンジニア(設計・生産技術・品質管理)|建築・土木|医療・医薬・化粧品など |
リクルートエージェントのサポートは効率的かつスピーディに進みます。日頃の活動にかけられる時間を確保しておくと、より有意義にサービスを受けられるでしょう。
パソナキャリア
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ひとりの転職者に平均20時間のサポート。「じっくり丁寧なサポート」を求める人におすすめです。
パソナキャリアは地域に根差し、幅広い年齢層の転職サポートをすることに定評があります。
もともと人材派遣業からスタートしている転職エージェントということもあり、自社の利益よりも登録者とクライアントの満足度を優先する姿勢でマッチングを行ってくれます。
パソナキャリアでは業種や職種別に専門のキャリアアドバイザーが対応してくれるのですが、そのなかに「女性の転職」というカテゴリーがあります。
キャリアやスキルの有無に関わらず、さまざまな業界・職種のなかから、登録者の希望にあった求人を紹介したうえで、内定獲得に向けたきめ細かなサポートを実践してくれます。
企業とのパイプも太く、個人では得られない社風や採用者に求めるニーズなどの情報を提供してもらえるのもうれしいポイントです。
UターンやIターンにも強いので、家庭の事情で転居先での仕事を探したい女性にはピッタリといえるでしょう。
パソナキャリアの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約3.7万件(2024年7月現在) |
とくに多い職種 | 営業職|管理・事務|IT・Webエンジニア|技術職(電気・電子・機械・化学)|クリエイティブ|マーケティング・企画|コンサルタント・士業|販売員・サービススタッフ|研究・開発(メディカル)|専門職(Web・IT・ゲーム|金融|不動産・建設)など |
転職するにあたって「これだけは譲れない」という希望条件を整理しておくと、担当エージェントも求人紹介がしやすくなります。
リブズ
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リモートやフレックス求人も豊富!時短OKの企業からエグゼクティブ案件まで、幅広い企業とのマッチングの可能性があります。
リブズは、女性の転職に特化した転職サイトです。
「ジョブマッチング」の形式をとっており、企業からのスカウトを待つのが基本的な利用方法です(企業への直接応募も可能です)。
対象エリアは全国で、サービスの対象年齢にも制限はありません。
求人数は非公開ですが、女性の活躍推進やキャリア形成に注力している企業が厳選されています。
女性のライフプランに合わせて、幅広いワークスタイルを選べるのがリブズの特徴です。一例として、次のような条件で求人を探し「興味がある」と募集企業に伝えられます。
- 時短勤務やフレックス勤務が可能な企業
- 業務委託による在宅勤務が可能な企業
- 管理職など重要なポジションで活躍できる企業
女性の活躍や社会進出を応援するWoman Bright Actionというプロジェクトに賛同する企業と提携しているため、ワークライフバランスを重視する大手企業や中小の有料企業の求人を紹介してもらえる可能性が高くなります。
また、紹介する案件は年収400万円からのものが多く、能力を正当に評価してもらいキャリアアップにつなげていきたい女性にマッチしやすいでしょう。
リブズの特徴
特徴 |
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サポート対象地域 | 全国 |
特に多い職種 | 経営企画・事業企画・商品企画・各種コンサル|人事・採用・広報・経理・法務・組織庶務・営業事務・秘書|法人営業・個人営業・代理店渉外・インサイドセールス・カウンターセールス|カスタマーサポート・クライアントサクセス・コールセンター・社内SE|Webディレクター・プロデューサー・コンテンツ編集・マーケティング・デザイナー|キャリアアドバイザー・ウェディングプランナー・店頭接客・講師・インストラクターなど |
公開求人数 | 非公開 |
リブズはスカウトの質の高さで定評があります。気になる企業へは「興味がある」ボタンを押すと、志望度の高さを企業側へ伝えられます。求人数はやや少なめなので、他の転職エージェントと併用しつつの利用がおすすめです。
JACリクルートメント
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ミドルクラス・ハイクラスの転職 満足度で6年連続No.1!(オリコン満足度調査2019-24年)利用者からは「相談の手厚さ」と「適切なマッチング」への評価が高いです。
キャリアと実績のある40代女性におすすめなのは、JACリクルートメントです。
JACリクルートメントは、営業職や管理部門、管理職の求人が豊富なことで有名です。
そのため待遇がよいハイクラス求人が多く、そのほとんどが非公開求人となっています。
転職サイトではお目にかかれないような優良求人を、紹介してもらえるのです。
またハイクラス求人の対象はミドル世代ですので、40代女性にも十分なチャンスがあります。
これまでの業界や職種に限らず、経験を生かして活躍できる求人を、キャリアコンサルタントが紹介してくれると評判です。
カウンセリング時のヒアリングが徹底しており、登録者の希望を踏まえてマッチングする求人を探してくれるのはもちろん、内定を獲得するまで書類作成から面接にいたるまで、アドバイスを具体的にしてくれるのも安心です。
外資系や金融系、海外勤務の求人も豊富なので、キャリアアップ転職を目指す40代女性はぜひ登録しましょう。
JACリクルートメントの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約1.3万件(2024年7月現在) |
とくに多い職種 | サービス|商社|流通|消費財|マスコミ|建設・不動産|金融|IT・通信|WEB|EMC|コンサルティング・シンクタンク・事務所|メディカル・バイオ|医療・介護・福祉など |
サポートの充実がウリのJACリクルートメントですが、求人数は少なめです。登録の際は希望条件をやや広めに&他の転職サービスにも登録しておくのがおすすめです。
まとめ) 自分の活動を振り返りながら、40代転職を成功させよう!
今回は、転職活動がうまくいかずに辛い思いを感じている40代女性の対策について、お話ししました。
転職活動がうまくいかないと感じたときは、以下の点を意識しておくことをおすすめします。
- まずは「その道の専門」に相談を。女性向け・女性に強い転職エージェントの利用がおすすめ
- 自分の市場価値を知り、応募先の幅を広げる
- 転職活動を始める前に資格取得などの準備をする
- 企業研究と書類作成にかける時間をしっかり確保する
- きちんと企業研究をしたうえで書類作成や面接に臨む
- 自分の枠組みを広げるための、「妥協する点」を意識明確にしておく自分の妥協点を明確にしておく
この記事を参考に、40代女性が自分で納得できる転職を実現してくれたら幸いです。