激務の仕事、乗り切るべき?転職すべき?判断軸と対策を解説
[最終更新日]2024/07/22
現在、激務の仕事に就いている人の中には、このまま今の仕事を続けるべきか迷っている人も多いのではないでしょうか。
体力的・精神的にきついことを理由に転職してよいものか、他の人はどうしているのか、気になっている人もいるでしょう。
目次
1)「激務」とされる仕事の特徴&直面した方々の体験談
はじめに、激務とされる仕事の特徴と、実際にそうした状況に直面した方々の体験談を紹介します。
ご自身の環境と近しいと思える特徴から、確認してみてください。
休日が少ない・実質的にほとんど休めない
休日が極端に少ない・休めないといった環境で働き続けていると、心身ともに疲弊しがちです。
体力に自信がある人や比較的ストレスに強い人でも、長期間休めないとボディブローのように疲労が溜まっていくため、気づかないうちに無理をし続けることのないよう注意する必要があります。
労働基準法で定められている年間休日の最低ラインは、一般的に年間105日とされています。この基準を下回っているようなら、激務の部類に入ると考えてよいでしょう。
休日が少ない・実質的にほとんど休めない状況に直面した体験談
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気がつけば、365日24時間、働いていました。
朝の5時に家を出て(職場まで自転車で5分)、一日取材して、会社には夕方の6時に到着して、原稿書いて、夜中の2時とかに帰る生活をしていました。
そして数年が経ち、私はスーパーに行っても母に牛乳を取ってもらうくらい疲弊していました。
朝に、お腹があまりに痛くなって気絶することもありました。その時期から会社に遅刻することも多くなってきて。丁度その頃は年末年始休暇の時期で、なんとか身体に無理を聞かせて元旦も取材の仕事をしていたのですが、さすがに「これからどうしていくのが良いだろう?」と考えるようになりました。
──この仕事は天職であり、私は書くのを、誰かに会いに行く(取材)のを辞めたくない。
有休や代休は2ヵ月分くらいありました。
──よし、1月からお休みをまとめてもらって、身体を治そう。そしてまた書こう。
そう思って会社に伝えると、「(一回退職して)ゆっくり休んだ方が良いんじゃないか」という反応。結局、5月まで働いて、退職することになりました。
激務で体調を崩しても、会社は責任を取ってくれない
年中休むことなく、睡眠も3時間ほどしか取らない生活を続けていたというHさん。日常生活にも支障をきたすほど体調を崩していたにも関わらず、好きな仕事だったので辞めたくなかったといいます。
激務には「休ませてもらえない」「公休日そのものが少ない」といったパターンもありますが、この体験談のように仕事にのめり込むあまり自らを追い込んでしまうケースもあるのです。
会社側が退職を勧めていることから、客観的に見て業務続行が困難な体調だったのでしょう。人の体力・気力は無限ではないことを踏まえて、働き方を考えていく必要がありそうです。
残業が多すぎる・長時間労働が常態化している
毎日のように残業が続いている・部署全体で長時間労働が常態化しているようなケースも、典型的な激務といえます。
一般的に過労死ラインの目安とされているのは、月の残業80時間です。この目安を上回る残業が恒常的に続いているようなら、激務と捉えて差し支えないでしょう。
長時間労働に耐え続けた結果、入院を余儀なくされたという体験談を紹介します。体調を崩した際の会社側の反応にも注目して読み進めてみてください。
残業が多すぎる・長時間労働が常態化している状況に直面した体験談
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1年ほど前、私は体調不良により3週間、会社を休みました。
体調不良の原因は、オーバーワークのため心身ともにボロボロになってしまったからです。
かかりつけ医に診てもらった際に、「入院した方がよい」と言われました。当時の会社は大手企業の下請けで、委託業務を多数抱えていました。
毎月80時間を超える残業、そして上司はほとんど不在、そのほかにも小さいお子さんがいる同僚の仕事の引き継ぎ、それらの対応は全部私が行いました。激務の中、相談する人や他の仕事を頼めるチームメイトもいませんでした。
そんな日々が続く中、もともと基礎疾患があったのですがそれが悪化してしまったのです。
退院して職場に戻ったとき、私の仕事はほとんどなくなっていました。
任されていた役割は他の社員に完全移行されることが決定され、残された業務は他の社員への引き継ぎだけでした。それからまた新しい業務が依頼されるのかと思って待っていましたが、一向にその話はやってきませんでした。
(ああ、これはつまり、退職を迫られているという状況なのだ)
私はそう悟りました。
会社は社員の「中長期的なキャリア」を考えているか
もともと業務過多になりがちだったところへ、事情を抱えた同僚の分の仕事も引き受け続けていった結果、持病が悪化して入院することになったというフシさん。
オーバーワークが続いている状況であれば、誰にでも起こり得る事態といえるでしょう。
職場に復帰してからは、仕事を与えられなくなってしまったといいます。
この職場に必要とされていたのは「当面働き続けられる人材」であり、従業員の人生や長期的なキャリアのことは考慮されていなかったように受け取れます。
残業や長時間労働が一時的なものか、会社として解決を図るべき課題と捉えているか、といった点は、転職を検討すべきかどうかの重要な判断材料となりそうです。
プライベートの時間が確保できない
業務やビジネス上の付き合いによって、プライベートの時間がほとんど確保できないケースもあります。
暮らしていくために仕事をしているのか、仕事をするために暮らしているのかが分からなくなるような状況であれば、激務の部類に入ると考えてよいでしょう。
職場の「飲みニケーション」なども、あまりにも高頻度になるとプライベートの時間を削られる一因となります。
プライベートを犠牲にし続けた結果、大切な人との関係性に亀裂が入りかけた事例を見ていきましょう。
プライベートの時間が確保できない状況に直面した体験談
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IT・エンジニア系の仕事と聞くと、あまり社員同士のコミュニケーションが希薄なイメージがありませんか?
私もそのようなイメージでいました。しかし私の入社した会社や出向先は違くて、上司からの圧が強いといいますか、「おし!今日は飲みに行くぞ!」みたいな声に絶対に逆らえない風潮があって。
「今日は」と言いつつも、実質的にはほぼ毎日が飲み会でした。
おかげで毎月末はいつも財布の中身の寂しい生活を送っていました。プライベートでは学生時代からの恋人と同じ部屋で暮らしていたのですが、向こうも新社会人ですし、こちらはこちらで毎日帰りが遅く、ほとんどすれ違いの日々が続いている状況でした。
転職のきっかけはやっぱり、体力的な面で追いつけなかったことと、恋人との時間が取れなくなったことへの不満です。
またそれ以外にも、ある時私の祖父が倒れたことがあったのですが、その際にも仕事のせいでお見舞いに行けなかったことがありました。
その時にショックだったのが、私の中で無意識にうちに、「やらなければならない仕事>祖父のお見舞い」という図式が完成されてしまっていたことです。
後に取り掛かっていた仕事を無事に済ませ、何日後かにお見舞いには行けたのですが、その時母から、「あんた、ちょっと冷たすぎるんじゃないの?」というふうに言われて。
そこで初めて自分でも(あっ、私、ダメだ)と、そう思ったのです。
転職体験談:毎日が激務&飲み会の毎日で、大切なものを見失っていた私。Webディレクターから営業事務へ。 くーちゃん さん(女性 26歳 東京都)
ときに自分を客観的に振り返っておくこと
仕事と職場での付き合いに追われるうちに、いつの間にか家族のお見舞いよりも仕事を優先する思考に染まっていたという体験談です。
多かれ少なかれ、誰もが思い当たる節のあるエピソードではないでしょうか。
自分自身は責任をもって職務を遂行しているつもりでも、身近な人から見ると「冷たくなった」「家庭を顧みなくなった」と映っている可能性は十分にあります。
家族よりも重要な仕事は存在するのか、そもそも何のために働いているのか、大切な人との間に不和が生じる前に振り返っておくことの大切さを伝えるエピソードです。
仕事量が多すぎる
「やりがいのある仕事」と「激務」は紙一重のこともあります。多くの仕事を任され、責任を負って職務を遂行していくのは、とても張り合いのあることでしょう。
一方で、やりがいがあると思っていたはずが、自分でも気づいていなかったところで無理をしている場合があります。
多くの仕事量をこなし続けていく中で、心が限界に達してしまったエピソードを紹介します。
今まさに同じような状況に置かれている人は、十分に注意しておきたい事例といえるでしょう。
仕事量が多すぎる状況に直面した体験談
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仕事に関しては、とてもやりがいがありました。
一つの案件が終わると、上司や同僚など多くのかかわった部署の人たちと喜びを共有できて。
それから、私たちが関わった仕事を街中で確認できて。見かけるたびに嬉しくなりました。
その一方で、仕事量はとてもとても多かったです。
退社時間は夜の10時過ぎになることがほとんどでした。もともと私は、体力がある方ではありませんでした。
ある時、大学時代の友人たちと仕事の話をしあっていた時に、その時の仕事の大変さを少しおどけた感じで話していたんですね。
そうしたら、段々おどけた気分どころか、辛い気持ちが高まってしまって。話を聴いてくれていた友人たちの表情も心配そうな様相になって。
気づいたら、ぽろっと涙が出てきて、そうしたらもう駄目でした。
一気に感情が止まらなくなって、泣き止まない私を友人たちがびっくりしながら介抱してくれて。ちょうどその時、残業の疲れや、会社内の部署間の摩擦、そして顧客のクレームなどに追われていて、自覚は無かったのですが、かなり情緒不安定だったんだと思います。
時期を同じくして、私が頼っていた上司の方が鬱病になってしまったのです。
ベテランの先輩社員からは、「うちの会社は結構ストレスで身体を崩しちゃう人が多くてね。君も気を付けて」と言われました。
その先輩も、「僕も寝れないときが多くてね」と苦笑いしながら言っていて。
先輩との会話を終えたときには、これまでぼんやりとして持っていた「退職したい」という思いが、「退職しよう」という決意に変わりつつありました。
私の転職体験談:激務の広告営業で「涙が止まらなくなる」くらい追い詰められていた私。 もここ さん(女性 27歳 埼玉県)
大切なことは、自分の「異変」に気付くこと
仕事にやりがいがあり、大変だけれども楽しい——。そう思っていたはずが、ふとした瞬間に「辛い」「本当は辞めたい」という自分自身の本音に気づいたというエピソードです。
上司の方も鬱病を患ってしまったという状況から、決して個人的に「仕事が大変だ」と思い込んでいたわけではないことが分かります。
人の心は、本人でさえ異変に気づかないことがあるほど繊細にできています。
気が置けない仲間と交流する機会を持つなど、仕事を離れて自身を客観視することの大切さを伝えているエピソードともいえるでしょう。
過度なプレッシャーやパワハラまがいの行為が見られる
職種や仕事内容によっては、プレッシャーを感じたり上司から叱咤激励を受けたりすることもあるでしょう。
しかし、どのような物事にも限度があります。過度なプレシャーやパワハラまがいの行為が見られるようなら、その職場は働く環境自体が適切ではないのかもしれません。
常識的には「おかしい」とされる職場環境であっても、退職や転職をなかなか決断できない場合があります。
自身がそのような状況に陥っていないか、次のエピソードを参考に振り返ってみてください。
過度なプレッシャーやパワハラまがいの行為に直面した体験談
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前職の勤め先は造船会社で、主に大型の船を製造する会社。
そこでの私の仕事内容は、工程管理で、船に使われるパイプの工程管理や船の煙突の塗装工程の管理などを行っていました。
古い会社ということもあり、月に100時間を超えるほどの残業や、一部の上司からはパワハラと捉えかねない高圧的な対応もあったりと、昭和の風潮が強い社風でした。
「あのさ、その会社おかしくない?」
あるとき大学時代の友人達と話をしていて、自分の勤務している会社について聞かれたので答えたところ、そのような返答を受けました。残業時間の多さや上司のパワハラの多発さ、時代遅れな仕事方法などには違和感は持っていましたが、友人から面と言われて、「やっぱりそうだよな…」と納得しました。
しかし、大企業であることや、残業代を含めた給料が低くはなかったこともあり、私はそれに対して何かすぐに行動を起こす気にはなりませんでした。
そんなある日、産業医面談を受けることになって、「あなたは、うつ病の疑いがあります」と、言われたのです。私はその週のうちに心療内科に行きました。
結果、うつ病の診断書を書かれました。
まさか、自分がうつになるなんて思いもしませんでした。
そして、続いて思ったのは、「このまま同じ会社に勤務してて良いのだろうか」ということです。何人かの友人に相談しましたが、誰もが転職を勧めてきました。
両親も仕事を続けることには反対でした。
そうして、恋人からも皆と同じ意見を言われて、とうとう私は転職を決意しました。
職場の「理不尽さ」に、当事者も自分も気づいていない場合がある
友人や家族から「おかしい」「辞めたほうがいい」と言われながらも、うつ病と診断されるまで退職に踏み切れなかったという体験談です。
勤務先が大手企業だったり、現状の給与水準に不満を感じていなかったりすると、職場で理不尽なことが起きていても受け入れてしまうことがあります。
近年はパワハラ防止法が施行されたこともあり、ハラスメント行為は「昭和の名残り」では済まされなくなっています。
企業としても重大なリスクとなり得るにも関わらず、こうした行為を続けているようであれば、その職場が「何かがおかしい」と捉えるべきなのかもしれません。
2)激務の仕事を乗り切るべきか、転職すべきかの判断軸
ここからは、激務の仕事を乗り切るべきか、転職すべきかの「判断軸」について説明します。
とくに意識しておきたいのは、以下3つの観点です。
判断軸1:部署全体・会社全体で残業・休日出勤が多い→転職がおすすめ
現在の職場が所属部署全体、あるいは全社的に残業・休日出勤が多いようなら、転職する方向で考えていくことをおすすめします。
激務が一過性の状況ではなく、今後も改善されない可能性が高いからです。
従業員を雇用する以上、雇用者は法令を遵守して事業を運営していくことが義務づけられています。
月間・年間の労働時間に関しても労働基準法で明確に定められているため、基準を大きく上回る状況が続いているようなら改善を図らなくてはなりません。
長時間労働や休日出勤が慢性化している状況が改善されないまま放置されているようであれば、そもそも遵法意識の低い職場である可能性も否定できないでしょう。
こうした企業の体質・文化が短期間で改善されることを期待するのは難しいかもしれません。よって、自分自身で環境を変えるアクションを講じていくほうが得策です。
判断軸2:仕事のやりがいよりもストレスが上回っている→一時的なストレスか見極める
仕事を通じて得られるやりがいよりも、抱えるストレスが上回っていると感じるようなら要注意です。
その状態が一時的なものか、あるいは慢性的に続いているのかによって、取るべきアクションが変わっていくでしょう。
一時的に関わっているプロジェクトなど、期間が限られている状況であれば、ひとまず現状を乗り切ることに専念するのも1つの考え方です。
スキルや経験を高めていくには、負荷がかかる時期を経験することも必要な場合があります。
高ストレスの状況があとどれだけ続く見込みかが明確になっているようなら、「乗り切る」という選択肢もありでしょう。
ただし、今後も負担が重い状態が続く可能性が高い場合や、ますますストレスがかかる状況になっていく可能性が高い場合は、環境を変えることも視野に入れておくことをおすすめします。
体験談でも紹介した通り、人が耐えられるストレスには限度があるからです。
判断軸3:ここ2〜3年、スキルや知識の積み上げができていない→転職がおすすめ
直近の2〜3年を振り返ったとき、スキルや知識の積み上げが着実に実現できているでしょうか。
もし「大変な思いをしている割にはスキルアップが図られていない」「これといって業務知識が増えたわけではなく、同じ仕事の繰り返しになっている」と感じるようなら、転職を意識しておくことをおすすめします。
実際、人は慣れた仕事や同じような作業に取り組んでいる際、ほとんど頭を使っていないともいわれています。
直近の2〜3年でスキルや知識の積み上げができていないとすれば、今後も同様の状況が続く可能性が高いでしょう。
日々の業務がいわゆる「マンネリ化」に陥っていると感じているのであれば、次のキャリアに向けて行動すべき時期が来ているのかもしれません。
3)激務に向き合う際におすすめの考え方3選
激務の仕事を続けるべきか、辞めるべきかを決める際の3つの判断軸について紹介しました。
一方で、「それでもまだ迷いがある」という方は、以下の3つの考え方も持っておくとよいでしょう。
後悔のない判断がしやすくなり、また現状を俯瞰して整理しやすくなるはずです。
常軌を逸した激務に耐えられるのは「短期間」のケースが大半
激務の向き合う際、「耐えて乗り切るべきか」「転職すべきか」に迷ったら、その状況がどれだけ続く見込みかを考えてみましょう。
人が一定以上のストレスや肉体的・精神的な負担に耐えられるのは、ごく短期間というケースがほとんどです。たとえ体力がある人やメンタル面が比較的強い人でも、長期間にわたる負担には耐えられない可能性が高いと考えられます。
現在の職場で、心身の不調を訴える従業員や、ストレスに耐えられず休職・退職する従業員が散見されていないでしょうか。
もしそのような状況であれば、あなた自身にも「その日」が訪れることは十分にあり得ます。重大な病気やメンタル面の不調に悩まされる前に、転職に踏み切ってみてはいかがでしょうか。
心身の不調は「STOP」のサイン
現在、すでに心身に不調が表れ始めているようなら、それは心や体が「STOP」のサインを送っている証拠かもしれません。
大した症状ではないからと軽く考えるのではなく、以前は見られなかった心身の不調には注意深く向き合っていくことをおすすめします。たとえば、次のような症状が表れているようなら要注意です。
- 寝付きが悪い・夜中に目が覚めてしまう日が多い
- 肩こりや腰痛、頭痛、目眩などの不調が悪化している
- 食欲が湧かない・食事がおいしいと感じない
- 以前は興味があったものに対して関心が薄れている
- 人と話すのが面倒・苦痛に感じるようになった
こうした症状は徐々に進行していくため、自覚症状が顕著になった時には重症化していることも想定されます。
無理をせず、早めに医療機関を受診するなどして適切なケアをしていくことが大切です。
人生100年時代の働き方は「長距離走」と捉えるべき
健康寿命が伸び、今や人生100年時代が到来したともいわれるようになりました。
近い将来、定年が70歳に引き上げられる可能性があるともいわれており、社会人人生はますます長期化することが見込まれます。
何十年という長い社会人人生を歩んでいくには、長距離走の構えで働き方を選択していくことが大切です。
フルマラソンを全力疾走できる人がいないのと同じように、先々の働き方を見据えてペース配分を考えていく必要があるでしょう。
現在取り組んでいる仕事を、10年後・20年後も続けている自身の姿を無理なくイメージできるでしょうか?
もし「絶対に無理」「かなり厳しい」と感じるようなら、長距離走が可能なキャリアへとシフトすることも検討しておくべきではないでしょうか。
4)激務の仕事からの転職におすすめの転職サイト・転職エージェント
ここまでの内容を読まれて、「転職について本格的に考えていこう」と思われた方は、いちど転職エージェントにも相談することをおすすめします。
また、その際は「転職の方針」も立てておきましょう。
とくに大切にしたいのは、「あなた自身が、仕事と生活のバランスを取れること」です。
そのうえで、目指したいキャリアやチャレンジしたい領域についてイメージを重ねていって、目指す企業・職場を見つけていきます。
ポイントは、ここで固めた「転職の方針」を、転職サイト・エージェントの担当者にもしっかり共有することです。
また、その想いを妥協することなく、一緒に並走してくれる担当者かどうかを見極められるよう、複数の転職エージェントに登録しておくことをおすすめします。
doda(デューダ)
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「原則定時退社」「年間休日120日以上」「土日祝休み」「残業20時間未満」といった条件から求人を探せます。
dodaは求人数・実績において国内トップクラスを誇ります。
実績で培ったノウハウがあり、「積極的に求人紹介をする」タイプのアドバイザーが多いため、「スピーディ」かつ「自分にマッチする求人が見つかりやすい」特徴があります。
dodaのサービスの主な特徴は、「転職サイト・転職エージェント両方の機能を利用できる」、「企業からのスカウトが多く届く」ことです。
アドバイザーにキャリア相談をしながら求人を紹介してもらえるほか、自分でも登録後のマイページから気になった求人をチェックして応募が可能です。
登録後には、現時点で募集中の求人に対して、「原則定時退社」「年間休日120日以上」「土日祝休み」「残業20時間未満」といった条件を絞り込んでの検索が可能です。
また、これら条件を担当エージェントに伝えて求人をピックアップしてもらうこともできます。
また、dodaは「レジュメビルダー(職務経歴書作成ツール)」や「年収査定」など、転職活動をサポートしてくれるツールも豊富です。これらを無料で利用するメリットだけでもdodaに登録する価値はあるでしょう。
dodaの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約25万件(2024年7月現在) |
とくに多い職種 | 営業職|企画・管理|技術職(SE・インフラエンジニア・Webエンジニア)|技術職(組み込みソフトウェア)|技術職(機械・電気)|専門職(コンサルティングファーム・専門事務所・監査法人)|クリエイター・クリエイティブ職|販売・サービス職|公務員・教員・農林水産関連職|事務・アシスタント|医療系専門職|金融系専門職など |
dodaは求人を自分から応募可能ですが、エージェント経由でのみ紹介される非公開求人も多いです。担当エージェントには初回面談時に希望条件をしっかり伝えておくことで、より有意義なサポートを受けられるでしょう。
マイナビエージェント
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書類作成、面接準備のサポートの手厚さが特徴。求人選びの際は、「平均残業時間」を細かく指定してのオーダーが可能です。
マイナビエージェントは専門知識を持つキャリアアドバイザーが一人ひとりの転職者に対して丁寧に向きあい、きめ細かなサポートをしてくれることで知られる転職エージェントです。
とくに20代〜30代前半の転職サポートを得意としており、志望動機のブラッシュアップや面接指導を的確に行ってくれます。
マイナビエージェントは非公開求人を含めると常時6万件以上の求人を抱えており、登録後はこれら求人を職種・業種ごとに「平均残業時間」などの条件で絞り込むことができます。
また、マイナビエージェントは業界ごとに専任のキャリアアドバイザーが在籍しており、専門知識を持つプロからアドバイスしてもらえるのが特徴です。
業界・職種に特有の転職事情を熟知したキャリアアドバイザーに相談したい人に適しています。
マイナビエージェントの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約6.1万件(2024年7月現在) |
とくに多い職種 | 営業職|マーケティング|広報|人事|経理|クリエイティブ(Web・編集・制作など)|ITコンサルタント|システムエンジニア|金融アナリスト|調査・分析|看護師|薬剤師|保育士|不動産専門職|建築・設計アシスタント|デザイナーなど |
業界・職種ごとの専任サポートチームが「じっくり親身になって」支援してくれるのがマイナビエージェントの強み。サービス入会時に登録する情報で担当が決まりますので、経歴・希望条件は丁寧に記入しておきましょう。
ヒューレックス
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地方転職に強みのある転職エージェント。働き方だけでなくライフスタイルへの相談も可能です。
ヒューレックスは地方銀行と業務提携していることから、その地域に根ざした企業求人を多く保有しています。
担当コンサルタントは地域情報や地元企業の動向を熟知した人材です。
幅広い年齢層を対象にサポートを行っているため、「他の転職サービスは若手優先の印象が強かったが、ヒューレックスでは丁寧に対応してもらえた」というユーザーも多くいます。
働き方だけでなくライフスタイルへの相談も可能で、とくにミドル世代以降の求職者から「親身に相談に乗ってくれた」という評判・口コミが多く見られます。
登録後に確認できる求人では、「残業少なめ」のものも多く見られます。
ヒューレックスの特徴
特徴 |
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サポート対象地域 | 全国 |
とくに多い職種 | 営業|経理・財務|法務・人事・総務・広報|一般事務|経営・管理職・企画・マーケティング|技術職(電気・電子・機械・医療・化学・食品・建築・土木)|ITエンジニア(システム開発・インフラ・SE)|Web関連職・メディア・ゲーム・デザイン|専門職(士業・金融・不動産・コンサルタント)|サービス・外食・販売|教育・保育・物流・購買など |
公開求人数 | 約2.5万件(2024年7月現在) |
丁寧なサポートゆえに、転職者のやる気、熱意も求められます。転職するにあたって「これだけは譲れない」という希望条件を持っておくと、担当エージェントも求人紹介がしやすくなります。
地域特化の転職エージェント
地方での転職活動になる人は、その地域に拠点を持つ「地域密着型」の転職エージェントも候補に入れておくとよいでしょう。
地域密着型の転職エージェントでは、「地場企業」といわれるその地域内に本社を構える企業への紹介に強いケースが多いです。
また、都市部の大手転職エージェントと比べてひとりひとりのサポートにかける時間をじっくり取る傾向にあり、担当エージェントの親身な対応に助けられた話す人は多いです。
各都道府県別のおすすめ「地域密着型」転職エージェント
都道府県 | 転職エージェント|都道府県内の拠点 |
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北海道 | |
青森県 | |
岩手県 | |
宮城県 | |
秋田県 | |
山形県 | |
福島県 | |
茨城県 | |
栃木県 | |
群馬県 | |
埼玉県 | |
千葉県 | |
東京都 | |
神奈川県 | |
新潟県 | |
富山県 | |
石川県 | |
福井県 | |
山梨県 | |
長野県 | |
岐阜県 | |
静岡県 | |
愛知県 | |
三重県 | |
滋賀県 | |
京都府 | |
大阪府 | |
兵庫県 | |
奈良県 | |
和歌山県 | |
鳥取県 | |
島根県 | |
岡山県 | |
広島県 | |
山口県 | |
徳島県 | |
香川県 | |
愛媛県 | |
高知県 | |
福岡県 | |
佐賀県 | |
長崎県 | |
熊本県 | |
大分県 | |
宮崎県 | |
鹿児島県 | |
沖縄県 |
まとめ)激務の仕事を乗り切るかどうかは中長期的な視点で考えよう
激務の仕事が辛い・耐えがたいと感じるのは、決して甘えや逃げなどではありません。
体験談で見てきた通り、人が耐えられるストレスや負荷には限度があり、無制限に堪え忍んでいくのは難しいのが実情です。
激務を乗り切るべきか、別の道を考えるべきか迷った際には、ぜひ今回紹介した体験談やポイントを参考に今後のキャリアを検討してみてください。
中長期的な視点で今後の働き方を捉え直した時、選択すべきキャリアの方向性が見えてくることもあるはずです。