自動車メーカーから夜間警備員に。幾度となく転職を繰り返した人生|私の転職体験談
やや失敗
転職前
- 職業
- 自動車メーカー
- 職種
- 自動車部品製作
- 従業員規模
- 3,500名
- 年収
- 250万円
転職後
- 職業
- 警備会社
- 職種
- 夜間警備員
- 従業員規模
- 100名
- 年収
- 250万円
目次
金さきさんの転職ストーリー
1これまでの私
幾度となく転職を繰り返した人生
思えば、幾度となく転職を繰り返した人生でした。
最後に転職したのは5年前の2017年。
当時は北海道のトヨタ自動車で、自動車部品製造の仕事をしていました。
自動車部品製造とは
自動車部品製造は、エンジンやブレーキシステムなど、自動車を構成する様々な部品を設計・製造し、安全性や性能を支える仕事です。
自動車部品製造の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
設計と開発 | CADソフトウェアを使って部品を設計し、性能シミュレーションを行います。 |
試作とテスト | 試作部品の性能や安全性を確認するためのテストを実施します。 |
製造プロセスの管理 | 量産時の製造ラインを管理し、効率的な生産を確保します。 |
品質管理 | 製造された部品の品質検査を行い、不具合の原因を特定・改善します。 |
納品とアフターサポート | 納品後の不具合対応や、部品の改良提案を行います。 |
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年収は250万円、妻と子どもの3人暮らしでしたが、母親が家を残してくれたので安い給料でもなんとかなりました。
実は、トヨタ自動車で働くのは3回目でした。
若い頃は宮城に住んでいたのですが北海道に移住して10年ほどあるメーカー企業に在籍していましたが、上司との折り合いが悪くなり、辞めました。
次の仕事はサービス業でした。ハローワークからの紹介で、「1年後には正社員になれる」ということでした。
(ようやくこれで安定した生活を送れる)と思ったものです。ですが1年後に保険加入の手続きがしたくて社長に話すと大揉めとなってしまって。
結局、会社は私を正社員にするつもりはなかったのです。1年だけ上手く使われて辞めることになりました。
ハローワークに文句を言いにいきましたが取り合ってくれませんでした。
どうやら前から保険の加入で揉めていた会社だったらしいのですが、就職の際には何も教えてくれませんでした。
そして次の職場が、トヨタ自動車の準社員です。
自動車部品製造の工場勤務なのですが、ここはいつも人手が足りず、言い方は悪いですが「誰でも採用される」ような職場でした。
準社員としての契約期間は3年でしたので、満期を迎えたらまた転職活動です。
その後も新しい職場に就きましたが、また同じように1年間働いたあとに使い捨てのように投げ出されました。
そしてまたトヨタの準社員となって、これを3回ほど繰り返して。
ふと気づくと、50歳に近い年齢になっていました。
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2転職のきっかけ
もう50歳。正社員になるには、転職するしかない。
「トヨタ自動車を辞めて、また転職しよう」と思った理由はいくつかあります。
まず、私は正社員を目指していたのですが、もう50歳近くでは正社員になることは無理だと思ったからです。
実際にその年齢で正社員になった事例は聞いたことがありませんでした。
分かってはいたことでしたが、社員と準社員の格差にいつも不満を感じていました。
震災やリコールなどで会社が休みになることもあり、そうなると準社員のわたしたちはお金が入ってこない毎日を過ごさねばなりません。
また仕事も体力的にハードでしたし、残業や夜間勤務もありましたので、この先長く働ける場所ではないだろうと考えていました。
極めつけだったのが、仕事でやや大きなミスをしてしまったことです。
普段だったら絶対しないようなミスです。同僚にも迷惑をかけてしまいました。
これまで度重なる転職の失敗もあって及び腰ではあったのですが、「これはもう早々に転職したい」と思ったのです。──まさに、逃げるように退職して、それが転職活動の始まりでした。
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3転職活動中
これが恐らく、最後の転職になるだろう。
転職活動を始めたとき、私は50歳を迎えました。
「これが恐らく、最後の就職となるだろう」と考えて、不安を胸の奥にしまい込んで精力的に活動を始めました。
転職活動は大変でした。
とにかく、50歳の私が応募できるような求人がないんです。
ハローワークの相談員も、私に対して本気で支援してくれるようには見えませんでした。
妻も心配して働き口を色々調べてくれ、とにかく求人が掲載されているところはすべてくまなく確認して、応募できるところには全部応募しました。
そこでようやく見つけたのが「夜間警備」、俗にいう「夜警さん」です。
自宅から車で1時間ほど行ったところに大きな石油備蓄基地があり、そこでの警備員としての仕事でした。
警備員とは
警備員は、施設や人物の安全を確保するために、商業施設や企業、工場など様々な場所で巡回、監視、アクセス管理、緊急対応などの業務を行う職業です。
警備員の主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
巡回 | 施設内外を巡回し、不審者や異常がないか確認します。 |
監視 | 監視カメラやモニターを使用して、施設の安全を常に監視します。 |
アクセス管理 | 施設への出入りを管理し、不正な侵入を防止します。 |
緊急対応 | 緊急事態が発生した際には迅速に対応し、関係機関と連携します。 |
報告書作成 | 巡回や監視の結果を報告書にまとめ、必要な情報を共有します。 |
応募して面接を受けたところ、すぐに採用の通知をいただけたのです。
年収は250万円、前職とほぼ同水準でした。
じつはもう一社、気になっている職場があったのですが警備会社から「早く決めてほしい」と急かされてしまい、私は(これで内定が取り消しになったら一大事だ)と思い、警備員として働くことを決めました。
全ては家族の収入を考えての就職で、やりがいや生きがいなどの期待はありませんでした。
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4転職後
はじめての、夜間警備員の仕事。
夜間警備員ははじめての仕事でした。
仕事内容は基本的に「巡回」です。
時間になったら施設内を巡回しての繰り返しで、誰もいない深夜の施設内を歩いて回ります。
仕事自体は楽ですが、拘束時間が非常に長いのには面喰いました。
土日は基本24時間勤務で、年末年始やゴールデンウイークは3泊以上。
ぎりぎりの人数で回しているため、大型連休のときはどうシフトを埋めるかを従業員同士で何とかやりくりする必要がありました。
職場にはお風呂もなければシャワーもありません。
職場からは1歩も外に出られず買い物もできないので、数泊分の食事や着替えを持っていきます。
今はもう慣れましたが、面接時にここまで拘束時間が長いことは知らされていませんでした。
最初に聞いていれば就職したかはわかりません。
仕事自体は過酷ではありませんが、家にいるよりも職場に泊まる方が多い毎日に、「こんな働き方で良かったのだろうか」と思うこともあります。
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5その後、どうなったか。
もし叶うのであれば、全く違う業種で働きたい。
会社にも会社の都合があることはわかります。
ですが、自分たちの利益のために人を使い捨てのように扱うのはどうなのだろうかと、いつも思うわけです。
これまでの会社もそうでしたし、今の会社では異常なまでの長い勤務時間。
それ以外にも、給与面でも不満がありました。
募集内容には、「賞与(ボーナス)1万円から、昇給0円から」と書いていました。
試用期間が終わり、1年が過ぎてようやくはじめてのボーナスを受け取りました。
1万円でした。
昇給は「0円」、つまり無しでした。
私より先に入った人たちに聞くと、「賞与の『1万円から』は1万円」、「昇給の『0円から』は0円」とのことです。
だったら、そんな紛らわしい表現はせずに正直に書けばいいじゃないか、と。──そう思いませんか?
警備会社に入って5年が経ちますが、それから給与は1円も上がることはありません。
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◇ ◇ ◇
もし叶うのであれば、全く違う業種で働きたいと思っています。
といいますか、夜間警備を死ぬまでやるのかと思うと耐えられない気持ちになるからです。
しかし、娘は高校生でお金もかかることで、妻は「今の仕事の方が安定していて良い」といっています。
何とか脱出したいと考えて資格取得も考えましたが、50歳で資格取得しても経験がなければ使ってくれるところはありません。
そこで、まったく目線を変えての遅ればせながらですが、コンピューター系の仕事ができないかと今更勉強しています。
幸いなことに、仕事は単調で拘束時間も非常に長いのですが、自分の時間を持つことができます。
それを読書の時間に使って、何とか知識を蓄えて異業種へ入ってみれないか挑戦したいと思っています。
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