スポーツジムの正社員は未経験から目指せる?仕事内容・キャリアパス・転職成功のポイント3点
[最終更新日]2024/08/11
健康な体づくりや体力づくりのために多くの人が利用するスポーツジム。近年では都市部の主要な駅の近くには必ず1店舗はあると言えるほど、スポーツジムの需要は高まっています。
皆さんの中には、スポーツジムで正社員として働いてみたいと考えている人もいるでしょう。
一方で、異業種から未経験で目指せる仕事なのか疑問を感じているかもしれません。
目次
1)業界未経験からスポーツジム正社員は目指せる?
結論:未経験からスポーツジムの正社員転職は、可能
結論からお伝えすると、業界未経験者がスポーツジムの正社員に転職することは十分可能です。
スポーツジムの正社員求人の中には「未経験歓迎」のものが多く、業界・職種経験のない人でも挑戦できる応募要件となっています。
そもそも、スポーツジムでの勤務経験がある人や、必要なスキルを備えている人は限られています。
スポーツジムの運営企業としても、経験者だけを採用していては人材が確保しにくいのが実情なのです。
したがって、「スポーツジムの仕事に興味がある」「運動やスポーツが好き」という思いがあり、意欲さえあれば採用される可能性があります。
ご自身がスポーツジムに通ったことのある人なら分かる通り、利用者層は必ずしも本格的なトレーニングを望んでいるわけではありません。
むしろ、健康や体力づくりのために少しでも運動不足を解消したいなど、幅広いニーズに応えるのがスポーツジムの役割です。
「スポーツトレーナー・パーソナルトレーナー」はトレーニングに対する知識・スキルが不可欠
スポーツジムの仕事と一口に言っても、担当する業務の種類や範囲は勤務先によってさまざまです。中にはスポーツトレーナーやパーソナルトレーナーなど、専門知識やスキルを活かしてトレーニングの指導をするケースもあります。
これらの職種に関してはトレーニングに関する知識・スキルが必須となるため、完全な未経験の状態から目指すのは現実的ではないでしょう。
近年はフィットネスの定義が多様化しており、音楽に合わせてエクササイズをするキックボクシングなどエンターテイメント要素を兼ね備えたプログラムも登場しています。
中にはスポーツの経験以上にパフォーマーとしての資質が問われるものも見られるなど、必要なスキル・能力は多種多様です。
一般的に、筋力トレーニングやランニングのための設備が整っている施設はスポーツジムと呼ばれるのに対して、スイミングプールやスタジオが併設されている施設はフィットネスクラブと呼ばれています。
未経験者が転職先として検討するなら、トレーナーとしての役割が求められるかどうかを確認しておく必要があります。
2)スポーツジム正社員の仕事内容
スポーツジムで正社員として就業すると、具体的にどのような仕事を担当することになるのでしょうか。主な仕事内容として、次の3つが挙げられます。
正社員の場合、上記の仕事を分担するのではなく全て1人で兼任するケースが少なくありません。それぞれの仕事内容について、より詳しく見ていきましょう。
事務・デスクワーク
事務・デスクワークと言っても、事務所での伝票処理など完全なデスクワークだけを担当するわけではありません。
スポーツジムで発生するあらゆる事務作業や接客を含む幅広い業務を担当する必要があると捉えてください。一例として、次のような役割を担うことになります。
- 入会・退会の手続き
- 会員のチェックイン・チェックアウトの確認
- コース変更の手続き
- 会費未納の会員へ督促電話
スポーツジムを訪れる顧客にとって、スタッフはジムの「顔」とも言える存在です。多くの会員を抱えるスポーツジムでは大量の事務作業が発生しますが、あくまでも顧客対応が最優先と捉えて気持ちの良い対応をすることが求められます。
入会を検討中の方が、スタッフの対応1つで入会を決める・取りやめることもめずらしくありません。
施設管理
スポーツジムの施設全体を維持・管理するのも社員の仕事です。
トレーニング器具に不備や破損が発生していないかチェックしたり、施設内で販売する飲料やプロテインなどの在庫管理を行ったりするのもスタッフの重要な役割と言えます。
また、施設内の清掃・美化もスポーツジムの評判を左右しかねない大切な仕事の1つ。
トレーニング器具やその周辺を清掃するだけでなく、シャワールームの排水口に溜まったゴミを除去したり、ブースごとに洗浄剤を使って磨いたりする仕事も担当することになります。
施設の規模によっては、すみずみまで管理・清掃するのはかなりの重労働になる場合もあるでしょう。お客様が気持ちよく利用できるよう、細かなところまで目を配る細やかさが求められます。
トレーナー・インストラクター
お客様にトレーニングメニューを提案したり、インストラクターとして実演したりする場合もあります。
トレーナーやインストラクターを務めるためには所定の研修を受けることが義務づけられている施設が多いでしょう。
ただし、トレーナーやインストラクターを担当する場合も、事務や施設管理の仕事は兼任するケースがほとんどです。
専属のトレーナーが在籍しているスポーツジムであっても、トレーニングマシンの使い方や注意点は一通り説明できるようにしておかなくてはなりません。
お客様から質問された際、答えられないようでは不信感を持たれてしまうからです。
お客様が筋を痛めたりケガを負ったりすることのないよう、安全面に十分に配慮したアドバイスができるようにしておく必要があります。
3)スポーツジム正社員の平均年収とキャリアパス
スポーツジム正社員の平均年収
スポーツジム正社員の平均年収は430万円前後(※1)といわれています。未経験で入社した場合、360万円前後となるケースもあるようです(※2)。
ただし、入社する企業の規模や経営方針によって給与水準は大きく異なる傾向があります。主要都市に多数出店している大手スポーツジムであれば、年収500万円以上を目指すことも可能です。また、RIZAPのようにコンセプトを強く打ち出したスポーツジムの場合、顧客単価が高額になることもめずらしくないため社員の給与水準も高くなりやすいでしょう。
全体的な傾向として、未経験者の場合は初年度から高年収を目指すのは現実的ではありません。将来的なキャリア形成を見据え、ゆくゆく到達可能な年収帯として捉える必要があるでしょう。
※求人ボックス 給料ナビ「フィットネスクラブ関連の仕事の年収・時給・給料」より引用
スポーツジム正社員のキャリアパス
スポーツジム正社員の主なキャリアパスとして、次のものが挙げられます。
① マネージャー・店長候補
各施設にはマネージャーや店長に相当するポジションがあります。
現場経験を積み、スタッフを統率するポジションを目指すのは1つの選択肢です。
マネージャーや店長に就任するとスタッフ管理が主な職務となるため、お客様と直接やりとりする機会は減る傾向があります。
② エリアマネージャー・本社勤務
スポーツジムの規模・拠点数によっては、マネージャーや店長として経験を積んだあとに複数の店舗を束ねるエリアマネージャーになる道もあります。
各店舗が抱える課題とその解決策を示し、店長と協力しながら改善を図っていく仕事です。
また、本社勤務スタッフとして商品開発やマーケティング、人事・総務といった仕事に就く方法もあります。
ただし、これらの職種は外部から経験者を採用するケースも多く、現場で経験を積めば必ず着任できるとは限りません。
③ トレーナーとして独立
トレーナーとして経験を積んでいけば、将来的に独立を目指すことも可能です。
フリーランスのトレーナーは複数の施設を掛け持ちして活動するケースが多いことから、契約先のスポーツジムを探して契約を取り付ける営業力も求められます。
高い人気と実績のあるトレーナーになれば、高収入を目指すこともできるでしょう。
4)スポーツジムへの正社員転職を成功するためのポイント3つ
未経験からスポーツジムの正社員転職を目指す場合、どのような点を意識しておく必要があるのでしょうか。主なポイントとして、次の3点を踏まえて転職活動を進めていく必要があるでしょう。
スポーツジムに入社してからの、その後のキャリアプランも考えておこう
スポーツジムに入社することをゴールとするのではなく、入社後にどのようなキャリアを形成したいかを考えておくことが重要です。
前述の通り、スポーツジム正社員は将来的にさまざまなキャリアパスが想定できます。たとえばエリアマネージャーや商品開発といった職種を目指すなら、一定以上の規模の企業を転職先として選んだほうがキャリアパスを実現しやすいでしょう。
自身の将来像やスポーツジムで実現したいことが明確になっていれば、転職先の必須条件や希望条件が絞り込みやすくなります。
転職先が見つかるかどうかだけでなく、その先のキャリアを見据えた職場選びをすることが大切です。
基本は「接客業務」。仕事の適性を知っておく
スポーツジムでの仕事は、お客様に対応する機会の多い接客業務が基本です。
施設によっては利用者の年齢層が幅広く、お客様に合わせた対応が求められることもあるでしょう。人と接することが好きな人や、相手に合わせた対応が得意な人に向いている仕事です。
反対に、トレーニングや体力作りに関心があったとしても、人にうまく説明できなかったり初対面の人と接する機会が多いことに負担を感じたりするタイプの人には向かない仕事です。
仕事の特性と自身の適性をよく見極め、スポーツジムで求められる対応が無理なくできるか考えておく必要があるでしょう。
スポーツジムでの実務が未経験であっても、これまでに異業種で接客の経験があれば活かせる可能性があります。
接客経験があれば積極的にアピールし、スポーツジムの仕事で持ち味を発揮できることを伝えましょう。
応募前にいちど職場見学を(利用者として)
応募先の候補となるスポーツジムをいくつか絞り込んだら、応募前にいちど利用者として職場見学をしておくことをおすすめします。
スポーツジムによっては単発利用ができたり、無料体験期間が設けられていたりすることも少なくありません。
事前に利用者として訪問しておくことで、スタッフ・上司の様子やどのようなマシン設備があるかなど、内部の様子を事前に把握できるのです。
事前に職場見学をした上で応募すれば、応募前の不安を払拭できます。
また、企業研究をした上で応募していることが分かり、志望度の高さを伝える効果もあるでしょう。
可能ならいくつかのスポーツジムを実際に利用してみて、自分に合いそうな施設を比較検討しておくと効果的です。
5)スポーツジム正社員の求人はどこで探すのがよい?
スポーツジム正社員の求人を探す場合、求人検索サービス選びが重要なカギを握っています。
サービスによっては求人がほとんど掲載されていないこともあるからです。次に紹介する方法で、効率よくスポーツジム正社員の求人を見つけましょう。
求人は定期的にIndeedでチェックするのがおすすめ
スポーツジム正社員の求人は、各求人サイトに数件掲載されているか、全く掲載されていないケースがほとんどです。つまり、単体の求人サイトをチェックしても探し当てられる求人数には限りがあります。
そこで、複数の求人サイトを横断的にチェックできるindeedを活用することをおすすめします。
indeedは複数の転職サイトや企業HP、ハローワークなどで募集中の求人を一括して検索できるため、希望職種の求人を効率よく検索できるからです。
また、indeedでは登録した希望条件に合致する求人情報をメールマガジンで無料配信するサービスも提供しています。検索条件のキーワードに「スポーツジム」を設定しておくことで、条件に合う求人を自動的に収集・配信してもらえるのです。
トレーナー志望の人は、トレーナー・インストラクター専用の求人サイト「フィットネスサロン」
スポーツジムの仕事の中でもトレーナーを志望している人は、トレーナー・インストラクター専用の求人サイト「フィットネスサロン」を活用することをおすすめします。
トレーナー・インストラクターの求人は希少ですが、フィットネスサロンには2024年8月時点で約150件の求人が掲載されています。
求人検索は下記の条件を指定して行うこともできます。
- ジャンル:パーソナルトレーナー、ジムインストラクター、その他
- エリア:全都道府県の勤務地
- 雇用形態:正社員、契約社員、業務委託など
- こだわり条件:未経験歓迎、資格支援、女性専用、オンラインなど
複数の条件を組み合わせて検索することで、自分が求める条件に合った求人を絞り込めます。
プロフィールを登録しておくと、興味を持った企業から特別なオファーが届くことも。トレーナー・インストラクターの専用求人サイトはめずらしいので、ぜひ活用してみてください。
まとめ)スポーツジム正社員の仕事内容への理解を深めておこう
スポーツジム正社員の仕事は、利用者から見えている範囲以外にも幅広い業務があります。転職後にミスマッチが生じないようにするには、事前に仕事内容への理解を深めておくことが大切です。
また、スポーツジムに転職することをゴールと捉えるのではなく、その後のキャリアパスについても十分に考えておく必要があります。
本記事を参考に、ぜひスポーツジムに転職した後の働き方やキャリアについてじっくり検討してみてください。