ホストクラブで6年間働いて、それから店舗運営コンサルタントに。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- 接待飲食店(ホストクラブ)
- 職種
- 店舗責任者
- 従業員規模
- 250人
- 年収
- 500万円
転職後
- 職業
- 店舗運営コンサルタント
- 職種
- コンサル営業
- 従業員規模
- 30
- 年収
- 400万円
目次
モサーンさんの転職ストーリー
1これまでの私
働いて、翌日また働いて、の繰り返しの日々。それでも、充実感はあった。
2021年の5月まで約6年間、接待飲食業(ホストクラブ)の店長として働いておりました。
プライベートは、離婚歴ありで子どもが一人。
いつも仕事・仕事・仕事の人生でしたので、別れたパートナーの気持ちもわかります。私自身も、結婚相手に当時の私みたいな人は選びたくありません笑。
ですが、その分仕事へのやりがいや充実感は人並み以上に感じていたと思います。
これまでいくつかの職を渡り歩いてきましたが、どの時もその仕事が嫌になったとか、トラブルがあっての退職はなく、「もう十分にやったな」と自分が満足するまで働き続けました。
当時も、仕事が終わって家に帰って風呂に入って寝て起きたらまた仕事という生活で、休みは週に一日、休日出勤もありという感じで、仕事以外の時間はほとんどない状態。
店舗責任者で替えの人間もいませんでしたので、「とにかく、自分がやるしかない」と。
もちろん上手くいかないことや辛いことも本当にたくさんありましたが、「いやでも、やりたいからこの仕事をやっているんだろ?」と自分に言い聞かせて、それから「落ち込んでもその日だけ」という楽観的な性格も手伝って、それほどストレスも感じずにやってこれました。
2転職のきっかけ
これから先の人生を、もっと考えよう。
6年間続けた仕事をやめようと思った理由は、店舗責任者として、自分にできることは全てやりつくしたという感覚を持ったからです。
それと40半ばになって、人生に対する考え方が少しずつ変わっていったこともありました。
具体的には、「これから先の人生を、もっと考えよう」と思うようになったこと。
これまでは、「その日その日を充実して過ごそう」という考え方で、将来に向けてのビジョンがあるかといえばほぼ皆無でした。
ちょうどそのころ父親と死別して、そして一人息子が高校へと進学して、人の一生について考えることが多かったというのもあったと思います。
とにかく、後悔のしない生き方をしたい。──そんな風に思うようになりました。
そして、どうすれば後悔のしない生き方になるかを考えたとき、私の答えは「プライベート時間の、余裕を持つこと」でした。
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3転職活動中
「コンサル、やってみませんか?」
「もっと余裕のある生活をするために」と前職を辞めるまではよかったのですが、そうはいっても次にやることは全く決まっていませんでした。
せいぜい、「営業職は時間拘束が長そうだから避けたい」「できれば次の仕事は週休二日で残業もほとんどなしのところがいい」といった、新卒社員並みの考えしかなくて。
ハローワークにも通いましたが、どの求人を見てもピンとくるものがありません。 ──実際は、よい求人もあったのだと思います。ですが私自身が明確なキャリアプランがありませんでしたので、どれもパッとしなく見えてしまうのです。
これは困ったぞと思った矢先、前職で付き合いのあった同業者から、
- 同業者
-
「〇〇さん(私のことです)、ホスト店舗経営の経験を活かして、店舗運営のコンサルやってみない?」
──と、誘われたのです。
まさか、私がコンサルタントという職業でスカウトされるとは思っていませんでしたので、たいそう驚きました。
一方で、本当にこの話に飛びついて大丈夫だろうかという不安もありました。
たしかに同業の会社に向けてアドバイス的なことはできるでしょうが、コンサルタントという働き方自体は全くの未経験です。
それに、私の転職時の目標であった「自分と身近な人たちとの時間を十分に持った生活」が、その仕事で叶うかもわかりません。
ですが、結局私はその仕事を受けることにしました。
なぜなら、その後も求人を見たり気になった会社への面接も受けたりしたのですが、どれも「本気でここに入りたい」と思えなかったこと、そして40半ばの転職市場の厳しさを、身をもって知ったからです。
そんな感じでしたので、「新しい仕事に就けた」という感動や興奮はあまりありませんでした。──なんというか、これで本当に良かったのだろうかという、少し喉のつかえが残ったような感情。
ですが、この時勢でこうした仕事のお誘いをいただくだけでも、とてもありがたいことです。きちんと感謝して、仕事の成果で恩返ししていかないとと思いました。
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4転職後
びっくりするくらいのホワイト企業。でも、やりがいはまだ見いだせない。
新しい職場がどうだったかというと、びっくりするくらいのホワイト企業でした。
残業もなければ早出勤もなく、きちんと土日祝日に休めます。
半年たった今では、有給も取得できるようになりました。
社内の人たちも穏やかな人が多く、人間関係で苦労することはありませんでした。
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一方、肝心の業務の方はというと、こっちは逆に大変でした。
顧客となる飲食店(多くは接待飲食店です)の話を聞いて、課題解決をするための提案を作成する──というのが大枠の流れですが、提案に至るまでの道のりが非常に長いです。
私の経験からのアドバイスができることもたしかにありますが、そんなのは全体の数パーセント程度。
顧客に納得してもらうために裏付けとなるデータを集めて資料を作り、実際に現場の人たちに動いていただけるように具体的なアクションプランまで含めて提案書にまとめます。
企画書の作成は今までもやったことがありましたが、レベルが違いました。
上司の指導を毎日受けながら、なんども手直しをしながら作成して、時間内で終わらなかったときはたまに家に持ち帰って仕事をしています。
また、苦心して作成した提案を顧客に伝えても、それを本当に実行に移してくれないことも多いです。
自分でやるのではなく、人にやってもらう難しさ、そしてもどかしさをいやというほど知りました。
あるとき、社長がこんなことを言っていました。
- 社長
-
「顧客の売上が上がることを、私たちは目指さないといけない。だが、もし売上が上がってもそれは私たちの力ではなく、顧客の努力によるものだ。コンサルタントとは、そういう意識で顧客に向き合うものだよ」
──たしかに、その通りだと思います。
端的に言うと、コンサルタントの仕事は「自分が成し遂げる」というものではなく、「相手に成し遂げてもらう」ために手助けするものということでしょう。
でも、私はどちらかというと「自分で成し遂げる」方にやりがいを感じるタイプです。
そもそもコンサルタントとしてのパフォーマンスも発揮できていませんし、やりがいや充足感もまだ見いだせていません。
5その後、どうなったか。
「こうしたい」「実現したい」ことを全部、現実にしていくこと
転職してはや7ヵ月が経ちました。
仕事はまだまだ覚えることが多く、「自分のものになる」には到底及んでいません。
また、年収は転職前と比べて100万円ほど下がったままです。
ですが、その代わりに得られた平日夜以降と休日の余暇の時間は、その100万円以上の価値があると感じています。
余った時間の有効活用はまだあまりできていませんが、最近は副業について考えています。
いくら稼げるかということよりも、自分のスキルアップに繋げられるものを探したいと思っています。
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また、今までほとんど取れなかった友人との付き合いの時間を増やして、疎遠になっている友達との交遊も再開して、これからの人生末永く付き合いを続けていける友達を増やしていきたいです。
そして、いまのコンサルタントとしての仕事の品質をもっと上げていくこと。
これから50代、60代になったときに変わらず働き続けられていて、かつ活躍の場を広げてもっと収入を増やしていくことを実現したいです。
これまで、私の楽しみややりがいといえば仕事しかありませんでした。
ですが、今は仕事への楽しみややりがいはあまり持てていない分、プライベートで楽しんだりチャレンジしたりしようという気持ちを持てています。
先日息子と、いつかエベレスト登頂と世界一周旅行をやりたいねという話をしました。
思えば、未来への目標をもって何か行動を起こすということはこれまでほとんどありませんでした。
そうした「こうしたい」「実現したい」ことを全部、現実にしていきたいと思っています。
そのときにはじめて、今回の転職は成功だったと言えるのだと思います。