フリーランスエージェントは複数登録・掛け持ちした方がよい?使い方のコツは?
[最終更新日]2024/06/26
現在フリーランスとして仕事をしている方の中には、複数のフリーランスエージェントを併用すべきか迷っている人もいるでしょう。
複数登録することでメリットを得られるのか、案件を抱えすぎてしまわないかなど、懸念点が解消されないままになっている人もいるはずです。
目次
1)フリーランスエージェントは「複数登録・掛け持ち」がおすすめの理由
結論からお伝えすると、フリーランスエージェントは「複数登録・掛け持ち」がおすすめです。
掛け持ちを推奨する主な理由として、次の3点が挙げられます。
エージェントによって保有案件の違いが大きい
フリーランスエージェントは、エージェントごとに保有案件数や案件の傾向に大きな差があります。
登録先によって保有案件に差があることは、フリーランスエージェントに限ったことではありません。
転職サイトや転職エージェントにおいても、登録先によって案件数や業種・待遇などに差が開くケースは多々見られます。
各フリーランスエージェントの保有案件の差は、転職サイト・転職エージェントよりもさらに顕著です。
そのため、複数のエージェントに登録しておくことで、保有案件のムラを解消できます。
案件が途切れた際に複数のエージェントから紹介してもらえる
案件を絶やさないようにすることが、フリーランスエージェントを活用する主な目的という人も多いでしょう。
「案件が途切れるかもしれない」というプレッシャーは、フリーランスには常につきまといます。
案件を絶やさないための「保険」として、複数のエージェントに登録しておくのは有効な活用方法の1つです。
あるエージェントから紹介された案件が終了した際、次の案件をブランクなく紹介してもらえるとは限りません。
この時、別のエージェントからも案件紹介を受けられる環境を整えておくことで、案件が途切れるリスクを軽減できます。
案件の掛け持ちがしやすい
複数のエージェントに登録しておくことで、案件の掛け持ちもしやすくなります。
たとえば「週3〜4日稼働の案件と週1日稼働の案件を掛け持ちしたい」という場合、それぞれの案件を別のエージェントから紹介してもらうことも可能です。
また、人によっては「週末に集中して稼働したい」といったように、副業・週末ワーカーとして働きたい人もいるでしょう。
エージェントによっては、稼働時間が限られているフリーランスに紹介可能な案件が少ないこともあります。
複数のエージェントを掛け持ちしておくことで、希望するワークスタイルに合った案件を紹介されるチャンスを広げることができるのです。
2)ケース別・おすすめフリーランスエージェント
豊富な案件から探したい場合
レバテックフリーランス
サービス概要 | ITエンジニア向けフリーランスエージェント
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取り扱い案件の主な職種 |
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対応エリア | 全国 |
公開案件数 | 約2,100件(2024年6月現在) |
料金 | 無料 |
企業名 | レバテック株式会社 |
公式サイト | https://freelance.levtech.jp/ |
フリーランスエージェントの中でもトップクラスの求人数を保有しており、他のエージェントにはない独自案件も豊富に扱っている点が大きな特徴です。
エンジニア向け転職エージェント「レバテックキャリア」などを運営するグループであることから、ITエンジニア向けの案件に強いことで知られています。
高単価・低マージンの案件が多く、サポート体制も充実しているため、フリーランスとして本格的に案件を開拓していきたい人におすすめです。
保有案件数にこだわってエージェントを選びたい人、週5日案件を中心に探している人に適したフリーランスエージェントです。
PE-BANK
サービス概要 | ITエンジニア向けフリーランスエージェント
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取り扱い案件の主な職種 |
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対応エリア | 全国 |
公開案件数 | 約5,700件(2024年6月現在) |
料金 | 無料 |
企業名 | 株式会社PE-BANK |
公式サイト | https://pe-bank.jp |
30年以上にわたり、フリーランスを支援し続けてきた実績を持つエージェントです。
全国に12拠点を構え、地方案件も豊富に保有していることから、地方でフリーランスとして活動したい人にも適しています。
登録しているフリーランスは22歳から67歳まで幅広く、平均年齢は41歳と比較的高めです。
若手エンジニアはもちろんのこと、今後も活躍し続けたいミドル・シニアエンジニアにもおすすめです。
PE-BANKの大きな特徴として、「共同受注契約」であることが挙げられます。
共同受注契約とは、受注金額・マージン率を閲覧でき、利用期間に応じて最大92%をフリーランスが受け取れる契約の仕組みです。
フリーランスエージェントとしての実績や報酬の透明性を重視したい人は、PE-BANKに登録しておくとよいでしょう。
週1日〜2日の案件を中心に探したい場合
ワークシップ
サービス概要 | フリーランス・副業向けマッチングサービス
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取り扱い案件の主な職種 |
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対応エリア | 全国 |
公開案件数 | 約2,500件(2024年6月現在) |
料金 | 無料 |
企業名 | 株式会社GIG |
公式サイト | https://goworkship.com |
多様な働き方の実現に向け、「フリーランス・副業人材専門の求人・案件検索プラットフォーム」を掲げているフリーランスエージェントです。
週1日〜週3日程度の案件が中心のため、副業として取り組みたい人や案件の掛け持ちを検討している人に適しています。
多様な働き方を掲げているエージェントのため、フルリモート案件も豊富に保有している点が特徴です。
稼働時間はフリーランス自身が決められるものも多いことから、他案件との掛け持ちもしやすいでしょう。
独自の報酬前払いオプションを活用することで、支払日を待たずに報酬の受け取りが可能です。
クラウドテック
サービス概要 | エンジニア・デザイナーを中心としたフリーランスエージェント
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取り扱い案件の主な職種 |
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対応エリア | 全国 |
公開案件数 | 約650件(2024年6月現在) |
料金 | 無料 |
企業名 | 株式会社クラウドワークス |
公式サイト | https://crowdtech.jp |
ITエンジニアのほか、デザイナーなどIT・Web関連分野の案件に特化しているエージェントです。
利用者の88%がリモート案件で稼働していることから、リモート案件を中心に探したい人に適してします。
フルリモートのほか、一部リモートなど幅広い案件を保有しており、希望するワークスタイルを実現しやすい点が特徴です。
また、フリーランスのデメリット面をカバーする福利厚生も魅力の1つです。
医療や育児のサポートに役立つサービスのほか、娯楽やヘルスケアなど幅広いメニューを取りそろえています。
万が一、病気やケガなどで稼働できなくなってしまった場合に備えて「クラウドワーカーあんしん保険」も用意。最長10年間、月5万円の補償を受けられます。
キャリア相談を受けつつ案件を探したい場合
テックストック
サービス概要 | ITエンジニア・クリエイター向けフリーランスエージェント
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取り扱い案件の主な職種 |
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対応エリア | 東京、大阪、名古屋、札幌、福岡 |
公開案件数 | 約8,000件(2024年6月現在) |
料金 | 無料 |
企業名 | INTLOOP株式会社(イントループ株式会社) |
公式サイト | https://tech-stock.com/ |
エンジニアを中心に、IT系職種のフリーランス向け案件を扱っているエージェントです。
月80万円以上の案件が全体の60%を占めており、かつ週5日稼働の案件は全体の90%にのぼります。
上流工程の案件を豊富に保有していることに加え、新たなプログラミング言語習得のための研修サービスや英語習得を目的とした留学サービスの割引利用も可能。
スキルを活かしてしっかり稼ぎたい人、キャリアアップを目指したい人におすすめです。
地方別案件特集ページでは、北海道・名古屋・大阪・福岡の各地域に絞った案件を探せます。
ハイプロテック
サービス概要 | ITエンジニア向けフリーランスエージェント
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取り扱い案件の主な職種 |
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対応エリア | 全国 |
公開案件数 | 約3,700件(2024年6月現在) |
料金 | 無料 |
企業名 | パーソルキャリア株式会社 |
公式サイト | https://tech.hipro-job.jp |
IT・テクノロジー領域に特化したフリーランスエージェントです。
短期〜中期、週3日〜5日稼働の案件を幅広く保有しています。事業会社の案件や直請けの案件も多く、高単価での契約になりやすいことが特徴です。
ハイプロテックを活用する大きなメリットとして、企業との直接契約が可能な点が挙げられます。
一般的なフリーランスエージェントでは、フリーランスとエージェント間で契約を締結します。そのため、企業との「距離の遠さ」を感じることも少なくありません。
ハイプロテックでは企業とフリーランスが直接やり取りできるため、温度感のあるコミュニケーションを実現できます。
高単価案件を求めている人、透明性の高いコミュニケーションを重視したい人におすすめです。
3)フリーランスエージェントを複数活用する際の注意点
スケジュールは適度にバッファを確保する
複数のエージェントを掛け持ちすることで、案件を大量に抱えて対処し切れなくなってしまうのではないか?と不安に感じている人もいるでしょう。
こうした不安を解消するには、スケジュールに適度なバッファを設けておくことをおすすめします。
偶然にも同時期に案件が集中した場合も、あらかじめスケジュールに余裕を持たせておくことで吸収できる余地を残しておくことが大切です。
また、エージェントごとに勤怠管理や請求処理といった事務作業をする必要があります。
こうした事務作業に費やす時間も考慮して、「1日でも稼働できない日があればパンクしてしまう」という状況を作らないことが大切です。
フリーランスエンジニア案件探しスケジュール例
ステップ | 詳細 | 期間目安 |
---|---|---|
情報収集・エージェント登録 | フリーランスエージェント比較サイトや口コミサイトで情報収集し、気になるエージェントを3~5社ピックアップ。各エージェントに登録し、面談日程を調整する。自己分析、スキル棚卸し、希望条件の整理を行う。 | 1週間 |
エージェント面談 | 各エージェントとの面談で疑問点を解消し、自分の希望やスキルを伝える。面談内容を振り返り、各エージェントの印象や提案された案件を比較検討する。 | 1週間 |
案件紹介・選定 | エージェントから紹介された案件を検討し、気になる案件があれば詳細情報を収集したり、面談を依頼する。技術的な要件、報酬、期間、働き方などを考慮し、優先順位をつける。 | 2週間 |
案件応募・面談 | 優先度の高い案件に応募し、企業との面談日程を調整する。面談に向けて準備を行い、企業情報を調べ、質問事項を整理する。 | 1週間 |
契約・稼働開始 | 企業との面談後、条件交渉などを行い、契約内容を確認する。契約書にサインし、稼働開始に向けて準備を行う。 | 1週間 |
二重応募しないよう細心の注意を払う
あるエージェント経由で応募した案件と別のエージェント経由で応募した案件のクライアントが重複していることを「二重応募」といいます。
異なるエージェントから同じクライアントの案件に応募した場合、双方のエージェントに迷惑がかかりますので、十分に注意しなくてはなりません。
フリーランスエージェントは、クライアントから支払われる仲介料によって利益を得るビジネスモデルです。
同じ案件に二重応募してしまうと、どちらかのエージェントが案件を手放すことになります。
手放した側のエージェントに仲介料は入らないため、担当者の努力が水の泡になってしまうのです。
応募する際にはクライアント名や案件の内容をよく確認し、二重応募が発生しないよう細心の注意を払いましょう。
他のエージェントも利用していることは率直に伝える
フリーランスエージェントに登録する際、「他のエージェントにも登録していますか?」と聞かれることがあります。
エージェントを掛け持ちしていることは正直に伝え、担当者に把握してもらうのがよいでしょう。
インターネット上で見かける情報の中には、「掛け持ちしていることが伝わると案件紹介の優先度が下がる」と書かれているものもあります。
たしかに、案件を複数抱えている可能性のあるフリーランスに対して、急な対応が必要な案件や短納期の仕事は頼みづらいでしょう。
一方で、末永く付き合うことになるエージェントとは、「こちらの仕事の進め方や対応可能な案件ボリューム」をきちんと分かってくれる人です。
掛け持ちを隠していては、相手からこうした理解を得られることは難しいでしょう。
担当者には他社での登録状況を率直に伝えておくほうが、長い目で見たときに良い結果につながる可能性が高くなるはずです。
4)フリーランスエージェントの複数登録・掛け持ちする際によくある質問
Q1 複数のフリーランスエージェントに登録するデメリットは?
登録するフリーランスエージェントが増えることによって、面談の日程調整や事務処理が増えることが想定されます。
とくに確定申告では申告すべき収入源が増えることになるため、やるべきことが増えるのはほぼ間違いないでしょう。
ただし、自分自身が把握できる範囲の登録数であれば大きな問題にはならないはずです。
もし記帳などに手が回らない・実務に充てるべき時間が割かれてしまうといった状況になった場合は、税理士や会計士に処理を委託する方法もあります。
Q2 案件が増えてきたら、スケジュールをどうやって調整すればいい?
案件を複数掛け持ちするようになると、スケジュールの管理が煩雑になるのでは?と不安に感じる人も少なくないでしょう。
案件数が増えてきた際には、エージェントごとに進行中の案件をスプレッドシートなどにまとめておくことをおすすめします。
自身のリソースを常に把握しておくことで、案件をこなし切れない・納期に間に合わないといったリスクが生じるのを軽減できるでしょう。
ほかにも、カレンダーアプリやタスク管理アプリなど、月間・週間・1日単位のスケジュールを管理するためのツールは数多くあります。
自分にとって使いやすいツール・管理しやすい方法を模索する意味でも、各種ツールを積極的に活用することをおすすめします。
Q3 他のエージェントに登録していると紹介案件が減るって本当?
他のエージェントと掛け持ちしていることが分かると、エージェントとしては短納期での対応が必要な案件や急遽発生した案件などを紹介しにくくなる場合があります。
つまり、紹介案件の減少につながる可能性は否定できません。
一方で、短納期の案件や急遽対応しなければならない案件を中長期的に受注し続けるのは、体力的・精神的に厳しいものがあります。
一時的に案件が増えたとしても、長続きしなければあまり意味がありません。良質な案件を厳選して紹介してもらえるほうが、長い目で見た場合にメリットが大きいという考え方もあります。
Q4 複数のフリーランスエージェントから、福利厚生サービスは受けられますか
他社エージェントに登録している場合であっても、基本的に福利厚生サービスは受けられるエージェントが多く見られます。
それぞれのエージェントが提供している福利厚生をうまく組み合わせることで、充実したサービスを受けることもできるでしょう。
ただし、一般的に福利厚生サービスを利用できるのは案件稼働後です。
フリーランスエージェントに登録しただけでは、福利厚生サービスは利用できないケースが多いです。
複数のエージェントで稼働実績を作り、福利厚生サービスを組み合わせて活用していくのがおすすめです。
Q5 フリーランスエージェントの退会方法を教えてください
フリーランスエージェントを退会する際には、大きく2通りの方法があります。
1つは、担当者に直接連絡して退会を申し出る方法です。各エージェントの専属担当者にメールや電話で連絡を取り、退会したい旨を伝えましょう。
もう1つは、エージェントの総合窓口や運営チームに連絡して退会申請をする方法です。案件ごとに担当者が異なる場合や、担当者が不明の場合はこちらの方法をおすすめします。
なお、フリーランスエージェントを退会すると、登録されていた情報は全て削除されます。
退会したフリーランスエージェントを再び利用したい場合には、再度登録手続きが必要です。
まとめ)複数のフリーランスエージェントを掛け持ちして各サービスの強みを引き出そう
フリーランスエージェントは複数登録・掛け持ちすることで、各エージェントの強みやメリットを存分に活かしやすくなります。
さまざまな案件に携われるフリーランスならではのメリットを活かしつつ、案件が途切れるリスクを最小限に抑えるためにも、フリーランスエージェントは掛け持ちがおすすめです。
今回紹介した6つのエージェントを中心に、希望する案件やワークスタイルを実現できるフリーランスエージェントを積極的に掛け持ちしてください。