SEO担当に未経験から転職するには?仕事内容・将来性・転職方法まとめ
[最終更新日]2025/10/26

「Webマーケティングの専門性を高めたいけど、AIの登場でSEOの将来性ってどうなんだろう?」
「未経験からでも、本当にSEO担当として活躍できるのかな?」
このように、キャリアの岐路に立ち、期待と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
AI技術が進化する今、SEO担当の仕事は単なる「検索順位を上げる作業」から、「データを読み解き、ビジネスの成長を導く戦略家」へと大きく変化しています。そして、その変化の波は、未経験から挑戦する方にとっても大きなチャンスを秘めています。
目次
1)そもそもSEO担当とは?AI時代のWebサイト集客を担う戦略家
「SEO」という言葉はよく聞くけれど、具体的にどんな仕事をする人なのか、イメージが湧きにくい方も多いかもしれませんね。
SEO(Search Engine Optimization)とは、Googleなどの検索エンジンで何かを調べたときに、自社のWebサイトがより多くの人の目に触れる場所(=検索結果の上位)に表示されるように、様々な工夫をすることです。日本語では「検索エンジン最適化」と呼ばれます。
この章では、SEO担当者の基本的な役割から、AIの登場によって変わりつつある最新の仕事内容まで、分かりやすく解説していきます。
SEO担当の主な仕事内容とは?(Webサイトの交通整理人)

SEO担当者は、Webサイトという「お店」に、GoogleやYahoo!といった「大通り」から、お店の商品やサービスを探しているお客様をスムーズにご案内する「交通整理人」のような役割を担います。
その仕事は、大きく分けて以下の4つのステップで進められます。
#1 調査・提案
まずは、クライアント(または自社)のWebサイトの現状をしっかり把握することから始めます。
「今、どんな人がサイトを訪れているのか」「ライバルとなるサイトはどんな状況か」「ユーザーはどんなキーワードで検索しているのか」などを、専用のツールを使って分析します。
その調査結果をもとに、「もっとサイトに来てもらうためには、こんな工夫をしませんか?」という具体的な改善策を考え、提案します。
#2 設計
提案が受け入れられたら、次はその改善策をどのように進めていくか、詳細な計画を立てます。これを「設計」と呼びます。
例えば、「ユーザーがもっと読みやすいように、記事の構成を見直そう」「新しい情報ページを追加しよう」といった具体的なタスクを決め、エンジニアやデザイナー、ライターなど、関係者と協力しながら進められるように準備をします。
この設計がしっかりしていないと、後々の作業がスムーズに進まなくなってしまうため、とても重要な工程です。
#3 実行
設計図が完成したら、いよいよ実際の改善作業に取り掛かります。
具体的には、Webサイトの内部的な設定(タグの最適化など)を見直したり、ユーザーの検索ニーズに合った新しい記事を作成したり、既存のページの情報をより分かりやすく書き換えたりします。
案件によっては、サイトのデザインを一部変更したり、ページの表示速度を改善したりと、Webサイト制作に関する幅広い知識が求められることもあります。
#4 評価
改善策を実施したら、それで終わりではありません。「その工夫で、本当にサイトを訪れる人が増えたのか?」を定期的にチェックします。
検索順位の変動やアクセス数の増減などをデータで確認し、レポートにまとめて報告します。そして、その結果をもとに、「次はこうしてみよう」と、さらなる改善策を考えていきます。
SEO対策は、すぐに結果が出ないことも多く、データと向き合いながら地道に改善を繰り返していく、根気強さが求められる仕事です。
AIは敵か味方か?SEO業務の最新トレンド

「AIが登場したら、SEOの仕事はなくなるんじゃない?」そんな不安を感じる方もいるかもしれません。
結論から言うと、その心配は不要です。むしろ、AIはSEO担当者にとって、仕事を奪う「敵」ではなく、業務を助けてくれる強力な「味方」になります。
- 効率化される業務:キーワードの洗い出し、記事構成案の作成、データ分析レポートの要約など、これまで時間がかかっていた作業をAIが手伝ってくれます。
- 人間にしかできない業務:AIが出した案が本当にユーザーのためになるかの最終判断、企業のブランドイメージに合った表現の調整、そして何より「このデザインでユーザーの心は動くか?」といった感性が問われる部分は、これからも人間の重要な役割です。
これからのSEO担当者には、AIを上手く「使いこなして」生まれた時間で、より戦略的な企画を考えたり、ユーザーの心を深く理解したりといった、人間にしかできない付加価値の高い仕事が求められていきます。
SEOコンサルタントやWebマーケターとの違いは?
SEO担当とよく似た職種に「SEOコンサルタント」や「Webマーケター」があります。転職を考える上では、これらの違いも知っておくと良いでしょう。
| 職種 | 主な役割のイメージ |
|---|---|
| SEO担当 | Webサイトの改善やコンテンツ作成など、SEO施策の「実行」に重きを置くことが多い、現場のスペシャリスト。 |
| SEOコンサルタント | より上流の戦略立案や課題分析が中心。クライアントのビジネス全体の視点からアドバイスを行う、戦略家・アドバイザー。 |
| Webマーケター | SEOだけでなく、Web広告、SNS、メルマガなど、Web集客に関する幅広い手法を担当するジェネラリスト。 |
もちろん、会社によってはこれらの役割を一人で兼務することもあります。未経験から目指す場合は、まず「SEO担当」として現場のスキルをしっかり身につけ、将来的にはコンサルタントやWebマーケターへとキャリアアップしていく道も描けます。
2)AIに仕事は奪われる?SEO担当のリアルな将来性とキャリアパス
「AIの進化でSEOの仕事はなくなるかも…」「この先もずっと活躍できるんだろうか?」
転職を考えるとき、その仕事の将来性は誰もが気になるところですよね。特に変化の速いWeb業界では、なおさらです。
この章では、年収などのリアルなデータと、具体的なキャリアパスを紹介しながら、SEO担当者の「今とこれから」を詳しく見ていきましょう。
SEO担当の平均年収と市場価値

まず、気になる年収についてです。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、SEO担当者も含まれる「Webサイト開発(Webマーケティング)」の平均年収は約657万円とされています。
もちろん、これはあくまで平均値です。未経験からのスタートであれば、350万円〜450万円ほどが一般的ですが、スキルや実績を積むことで、年収600万円〜800万円、さらには1,000万円以上を目指すことも十分に可能な専門職です。
年収に幅があるのは、それだけ専門性が評価される証拠とも言えます。裏を返せば、常に新しい知識を学び、成果を出し続けることで、自身の市場価値をどんどん高めていける、やりがいのある仕事だと言えるでしょう。
需要はむしろ拡大?データで見るSEO市場の将来性

AIチャットの登場により、ユーザーが情報を得る方法が多様化しているのは事実です。しかし、それが「SEOの仕事がなくなる」ことには直結しません。
考えてみてください。企業が自社の製品やサービスをユーザーに届けるために、Webサイトという「公式の窓口」を持つ必要性がなくなることはないでしょう。むしろ、情報が溢れる時代だからこそ、「信頼できる情報源」として自社サイトへユーザーを正しく導くプロフェッショナルの価値は高まっています。
実際に、矢野経済研究所の調査によると、国内のデジタルマーケティング市場は成長を続けており、多くの企業がWebからの集客を重要視していることがわかります。
Webサイトが存在し続ける限り、SEO担当者の仕事がなくなることはありません。求められる役割は変化しても、その需要は今後も拡大していく可能性が高いと言えるでしょう。
専門性を極める?マネジメントに進む?多様なキャリアパス

SEO担当者として経験を積んだ後には、様々なキャリアの選択肢が広がっています。あなたの興味や適性に合わせて、自分だけのキャリアプランを描けるのも、この仕事の魅力です。
- スペシャリストの道
テクニカルSEO(サイトの内部構造改善)の第一人者になったり、コンテンツマーケティングの専門家としてメディアを統括したりと、特定の分野を深く極めていくキャリアです。 - マネジメントの道
SEOチームのリーダーやマネージャーとして、メンバーの育成やチーム全体の戦略立案を担います。人に教えたり、チームで大きな目標を達成したりすることに喜びを感じる人に向いています。 - キャリアチェンジの道
SEOの知識は、他のWeb関連職種でも非常に価値があります。Web広告やSNSも含むWebマーケティング全体の責任者になったり、データ分析の専門家であるデータアナリストに転身したり、独立してフリーランスのコンサルタントとして活躍する道もあります。
このように、SEOのスキルはキャリアの可能性を大きく広げてくれる「潰しの効くスキル」です。まずはSEO担当者として確かな一歩を踏み出すことが、将来の豊かなキャリアに繋がっていきます。
参考文献:
・厚生労働省職業情報提供サイト(job tag):Webサイト開発(Webマーケティング)
・株式会社矢野経済研究所:「国内企業のデジタルマーケティング動向調査を実施(2023年)」
3)未経験からでも身につけたい!市場価値を高めるSEO担当の必須スキルセット
SEO担当者として活躍するためには、どのようなスキルを、どの順番で身につけていけば良いのでしょうか。
この章では、SEO担当者に求められるスキルを「土台となるスキル」と「これからの必須スキル」に分けて、分かりやすく解説していきます。
未経験から転職を目指す方は、まずは「土台となるスキル」から意識して学習を進めてみてくださいね。
【土台となる3大スキル】分析力・コンテンツ企画力・テクニカルSEOの基礎

時代が変わっても普遍的に求められる、SEO担当者の基本となるスキルです。
分析力(データから課題を見抜く力)
SEO対策は「数字」と向き合う仕事です。「なぜこのページの順位が下がったのか?」「どうすればもっとサイトに来てもらえるか?」といった問いに対して、感覚ではなく、データを根拠にして答えを導き出す力が求められます。アクセス数や検索順位などの客観的なデータから、Webサイトが抱える課題を論理的に見つけ出す手腕が問われます。
コンテンツ企画力(ユーザーの心に応える力)
ユーザーが検索する時、そのキーワードの裏には必ず「悩み」や「知りたいこと」が隠されています。その隠れたニーズを想像し、「この記事を読めば、あなたの悩みは解決しますよ」と応えられるようなコンテンツを企画する力は、SEO担当者にとって非常に重要です。ただキーワードを並べるだけでなく、ユーザーの心に寄り添った企画を立てられるかが、成果を大きく左右します。
テクニカルSEOの基礎知識
難しいプログラミングの知識は必須ではありませんが、検索エンジンがWebサイトの情報を正しく理解できるようにするための、基本的な技術知識は必要です。例えば、サイトの表示速度の重要性や、ページのタイトル(titleタグ)の付け方、内部リンクの構造など、Webサイトがどのように作られているかを理解していることで、より効果的な施策を打てるようになります。
【これからの必須スキル】AI活用能力・高度なデータ分析スキル・コミュニケーション能力

AI時代において、さらに市場価値を高めていくために重要となるスキルです。
AI活用能力(AIを「アシスタント」として使いこなす力)
ChatGPTなどの生成AIを、優秀なアシスタントとして使いこなす能力です。キーワード調査や記事構成案の作成といった時間のかかる作業をAIに手伝ってもらうことで、人間はより創造的で、戦略的な業務に集中できます。AIに指示を出す「プロンプトエンジニアリング」のスキルも、今後ますます重要になるでしょう。
高度なデータ分析スキル(GA4などを使いこなす力)
土台となる分析力から一歩進み、GA4(Googleアナリティクス4)などの高度な分析ツールを使いこなすスキルです。これらのツールを使うと、「ユーザーがサイト内のどのページを、どんな順番で見たか」「どこでサイトを離れてしまったか」などを詳しく知ることができます。データを深く読み解き、具体的な改善アクションに繋げる能力は、他の担当者と差がつくポイントです。
コミュニケーション能力(チームを動かす力)
SEO施策は、一人で完結することはほとんどありません。エンジニアにサイトの修正を依頼したり、ライターに記事の意図を伝えたりと、様々な職種の人と協力して進めます。専門的な内容を誰にでも分かりやすく説明したり、円滑に協力を仰いだりするコミュニケーション能力は、施策を成功に導くために不可欠です。
権威性・信頼性を示す「E-E-A-T」への理解

E-E-A-Tとは、Googleがコンテンツの品質を評価するために用いている、非常に重要な考え方です。
| 要素 | 意味・ポイント |
|---|---|
| Experience(経験) |
|
| Expertise(専門性) |
|
| Authoritativeness(権威性) |
|
| Trustworthiness(信頼性) |
|
簡単に言うと、「その情報は、確かな経験や専門性を持つ、信頼できる人(またはサイト)が発信していますか?」という点です。
小手先のテクニックで順位を上げようとするのではなく、「この記事は、本当にユーザーのためになるだろうか?」「発信者として、信頼される情報を届けられているだろうか?」という視点を常に持つことが、現代のSEOでは何よりも大切になります。
持っていると有利になるおすすめ資格
未経験からの転職では、スキルや知識レベルを客観的に証明することが難しい場合があります。そんな時に、以下のような資格を持っていると、学習意欲のアピールに繋がります。
Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)
Googleが公式に提供している、GA4の習熟度を証明する資格です。無料で受験できるため、まず最初に挑戦するのにおすすめです。データ分析の基礎知識があることの証明になります。
Web解析士認定講座
Webサイトのアクセス解析だけでなく、事業成果に繋げるためのコンサルティングまで、より体系的・実践的な知識を学ぶことができます。
もちろん、資格を取ることがゴールではありません。しかし、学習の過程で得た知識は、間違いなくあなたの力になります。
参考文献:
・Google 検索セントラル:有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成
・Google アナリティクス ヘルプ:Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)について
4)あなたはいくつ当てはまる?SEO担当に向いている人の特徴

必要なスキルが分かっても、「そもそも自分にこの仕事は向いているのかな?」と気になる方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、これが全てではありませんが、SEO担当者として活躍している人には、以下のような共通点が見られることが多いです。自分に当てはまるものがあるか、チェックしてみてくださいね。
地道な分析と改善のプロセスを楽しめる人
SEOの仕事は、一度施策を行ったら終わり、という派手なものではありません。
データを分析して「もしかしたら、ここが原因かも?」と仮説を立て、改善策を実行し、またその結果をデータで検証する…。この地道なPDCAサイクルを根気強く回し続けることが、成果への一番の近道です。
すぐに結果が出なくても焦らず、数字と向き合いながらコツコツと試行錯誤を続けることに、面白さややりがいを感じられる人は、SEO担当者に向いていると言えるでしょう。
ユーザーの「なぜ?」を探求するのが好きな人
SEO対策は、検索エンジンのためだけに行うものではありません。その先にいる、一人の「ユーザー」の悩みを解決するために行うものです。
「なぜこの人は、このキーワードで検索したんだろう?」
「この記事を読んだ後、どんな気持ちになるだろう?」
「本当は何に困っていて、どんな言葉をかけてほしいんだろう?」
このように、人の気持ちや行動の背景を深く考えるのが好きな、探偵やカウンセラーのような探求心を持っている人は、ユーザーの心に響くコンテンツを企画する才能があります。
最新情報を自ら追いかけ、学び続けられる人
Googleの検索アルゴリズムは、年に何度もアップデートされます。昨日まで正解だったことが、今日には通用しなくなることも珍しくありません。また、AIのような新しい技術も次々と登場します。
そのため、「一度スキルを覚えたら安泰」というわけにはいきません。国内外の専門サイトをチェックしたり、セミナーに参加したりと、常に新しい情報にアンテナを張り、自ら学んでいく姿勢が不可欠です。
変化を楽しみ、新しいことを知るのにワクワクするような、知的好奇心が旺盛な人にはぴったりの環境です。
数字を根拠に、粘り強く他者を説得できる人
サイトの改善には、エンジニアやデザイナー、ライターなど、様々な人の協力が必要です。時には、上司やクライアントに、新しい施策の必要性を理解してもらう場面も出てくるでしょう。
その際、「こうした方が良いと思います」という感覚的な意見だけでは、なかなか人は動いてくれません。
「このページの離脱率が〇%なので、ここを改善すれば、売上が〇%上がる見込みです」といったように、数字やデータを根拠に、論理的にメリットを伝え、粘り強く相手を説得する力が求められます。
もし、現時点ですべてに当てはまらなくても、心配する必要はありません。「こういう視点が大事なんだな」と意識することから始めて、これから強みに変えていけば良いのです。
5)未経験からSEO担当へ!転職を成功させるための4ステップ・ロードマップ
ここまでの内容で、SEO担当者への興味がさらに湧いてきた方も多いのではないでしょうか。
「でも、未経験から転職するとなると、何から始めればいいんだろう…」
そんな不安を解消するために、この章では、未経験からSEO担当者への転職を成功させるための具体的な道のりを、4つのステップでご紹介します。この順番で進めていけば、着実にゴールに近づけますよ。
Step1:基礎知識をインプットする(おすすめの学習方法)

何事も、まずは基本を知ることから始まります。幸い、SEOは独学でも学びやすい環境が整っています。
- 書籍で学ぶ:まずは初心者向けの定番書籍を2〜3冊読んで、SEOの全体像を掴みましょう。体系的に知識を整理できます。
- Webサイトで学ぶ:Googleが公式に発信している「Google検索セントラル」は最も信頼できる情報源です。少し難しい部分もありますが、ブックマークして何度も読み返す価値があります。
- 動画で学ぶ:YouTubeやUdemyなどの動画プラットフォームには、専門家が分かりやすく解説しているコンテンツがたくさんあります。通勤時間などを活用してインプットしましょう。
また、学習の目標として、前章で紹介した「Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)」などの資格取得を目指すのも、知識の定着に繋がるのでおすすめです。
Step2:スキルを証明する「ポートフォリオ」を作成する

未経験者の転職活動で最も重要なのが、このステップです。
学んだ知識を「知っている」だけでなく、「使える」ことを証明する必要があるからです。そのための強力な武器が「ポートフォリオ(=実績集)」です。
おすすめは「個人ブログ」の運営
ポートフォリオとして最も説得力があるのが、あなた自身で運営するブログです。
自分の好きなことや得意なことをテーマにブログを立ち上げ、キーワード選定、記事作成、順位チェック、改善(リライト)というSEOの一連の流れをすべて自分自身で経験できます。
面接で「ブログを運営し、半年で月間1万PVを達成しました」「『〇〇』というキーワードで検索1位を獲得しました」といった具体的な実績を示せれば、どんな言葉よりもあなたのスキルと熱意を証明してくれるでしょう。
Step3:未経験可の求人を見つける方法(事業会社 vs 支援会社)

基礎知識とポートフォリオの準備ができたら、いよいよ実際の求人を探し始めます。その際、Web業界に強い転職エージェントを活用するのが効率的です。
企業によってはSEO担当を「Webマーケター」などの職種名で募集していることもあり、自力で探すだけでは見逃してしまう求人を紹介してもらえる可能性があります。
事業会社と支援会社、どちらを選ぶ?
未経験からSEO担当を目指す場合、主な就職先として「事業会社」と「支援会社(代理店)」の2種類があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った環境を選びましょう。
| 事業会社 | 支援会社 | |
|---|---|---|
| 特徴 | 自社の製品やサービスのサイトを担当。 | クライアント企業のサイトを複数担当。 |
| 向いている人 | 一つのサービスに愛着を持ち、じっくりと向き合いたい人。 | 様々な業界に関わり、短期間で幅広い経験を積みたい人。 |
Step4:職務経歴書と面接で「ポテンシャル」をアピールする術

いよいよ最終ステップです。企業は未経験者に対して、現時点での完璧なスキルよりも「将来性(ポテンシャル)」や「学習意欲」を重視します。
職務経歴書には、Step2で作成したポートフォリオ(ブログのURLや実績)を必ず記載しましょう。自主的に学び、行動し、成果を出したという事実は、最高の自己PRになります。
また、これまでの職務経験も無駄にはなりません。
例えば、「営業職で培った顧客のニーズを理解する力」や「事務職で身につけたデータ集計・分析能力」など、一見関係なさそうな経験でも、SEOの仕事に活かせる要素は必ずあります。自分の経験をSEOと結びつけて、あなただけの強みをアピールしましょう。
6)SEO担当への転職におすすめの転職サイト・エージェント
Green


-
都市部のIT・Web企業の求人が非常に豊富な転職サイト。企業からのスカウト・オファーも多いため、転職の選択肢を広げたい人はぜひ登録しておきたいサービスです。
転職サイトGreenは、とくに東京はじめ都市部のIT・Web系企業の求人が豊富です。
採用意欲の高い新興ベンチャー企業の取り扱いが多く、これまでの経験を活かしたキャリアアップ転職も異業種からのチャレンジ転職も可能です。
同サービスのユニークな点は、企業からのスカウト・オファーが活性していること、そして気になった企業に対して「カジュアル面談」を申し込めることです。
実際、Green経由で転職先を決めた人のおよそ6割が、「スカウト経由の応募」であったといいます。
カジュアル面談は、選考とは関わりなく企業担当から情報集めができます。実際に話して意気投合することになれば、そこから選考にも進めるわけです。
SEO担当、SEOマーケターの求人も常時豊富に取り揃えています。他職種からのジョブチェンジを目指している人はとくに、Greenへの登録がおすすめです。
Greenの特徴
| Greenの特徴 |
|
|---|---|
| サービス対応地域 | 全国 |
| 公開求人数 | 非公開 |
Greenで企業から良質なスカウトをゲットする際は、登録時に記入するレジュメを充実させることが重要です。「アピールできる経歴が思いつかない」という人は事前に事前にキャリアの棚卸しをしておくとよいでしょう。
リクルートエージェント


-
SEO業務の求人は国内No.1の豊富さ!転職支援ツールも豊富で、「正しい転職活動を知りたい」人にもおすすめのエージェントです。
リクルートエージェントは国内No.1の求人数と転職支援実績を誇る転職エージェントです。
リクルートエージェントの強みは全業種・職種に対して豊富な求人数を持つこと、そして長年の実績で培われたノウハウ・転職支援ツールの充実さにあります。
支援ツールでとくに活用したいのは志望企業の特徴・評判といった分析から選考のポイントまでをまとめた「エージェントレポート」でしょう。
SEO担当の求人を扱う企業の詳細情報はネットで公開されていないことも多いです。そのため、レポート情報は企業研究の際に大いに役立つはずです。
また、担当アドバイザーもこれまでの実績をもとにSEO担当への転職に関する有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
全国の地域で対応が可能で、各都道府県の求人も豊富です。拠点も多く、オンライン・電話のサポートはもちろん対面での面談の受けやすさも強みの一つです。
| リクルートエージェントの特徴 |
|
|---|---|
| サービス対応地域 | 全国 |
| 拠点 | 北海道、宮城、福島、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、神奈川、新潟、静岡、石川、岐阜、滋賀、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、加賀、愛媛、福岡、長崎、熊本、鹿児島、沖縄 |
| 公開求人数 | 約63万件(2025年10月現在) |
doda(デューダ)


-
豊富な求人と、担当からの積極的な提案が特徴。「本気でSEO担当の求人を探したい!」ならぜひ登録しておきたい転職サイトです。
dodaは国内トップレベルの求人数と、担当アドバイザーから積極的な提案が評判の転職エージェントです。
保有求人は 約25万件(2025年10月現在) 、都市部だけでなく地方での転職支援にも強いです。
また、dodaは求人を自分で探して応募する「転職サイト」と、求人紹介から企業への応募、日程調整までアドバイスしてもらえる「転職エージェント」両方のサービスを利用できます。
「まずは自分でSEO担当の求人をじっくりチェックしたい」という人は、転職サイトのサービスを利用するとよいでしょう。
その後「応募や企業への交渉についてサポートしてほしい」となったときに、エージェントサービスに切り替えることもできます。
| dodaの特徴 |
|
|---|---|
| サービス対応地域 | 全国 |
| 拠点 | 北海道、宮城、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪、京都、兵庫、岡山、広島、福岡 |
| 公開求人数 | 約25万件(2025年10月現在) |
マイナビAGENT


-
書類作成、面接準備のサポートの手厚さが特徴。特に「はじめての転職で、不安…」という人におすすめです。
マイナビAGENTは専門知識を持つキャリアアドバイザーが一人ひとりの転職者に対して丁寧に向きあい、きめ細かなサポートをしてくれることで知られる転職エージェントです。
登録時の希望条件記入欄に「SEO担当を希望している」ことを記しておけば、Web業界への転職支援に強い担当が付きやすいでしょう。
とくに職務経歴書の作成支援や面接準備の対策支援に強みがあり、今回がはじめての転職の人や選考通過が不安な人ににおすすめのサービスです。
| マイナビAGENTの特徴 |
|
|---|---|
| サービス対応地域 | 全国 |
| 拠点 | 東京、神奈川、北海道、宮城、愛知、大阪、福岡 |
| 公開求人数 | 約9.0万件(2025年10月現在) |
7)転職前の不安を解消!SEO担当に関するよくある質問(FAQ)
最後に、未経験からSEO担当者を目指す方からよく寄せられる質問にお答えします。
あなたの心の中にまだ残っているかもしれない、最後の不安や疑問をここで解消していきましょう。
Q. AIの進化で、SEOの仕事は本当になくなりませんか?
A. ここ数年のうちになくなることは考えにくいです。むしろ、AIを使いこなせるSEO担当者の価値は、今後ますます高まっていくでしょう。
これからのSEO担当者の仕事は、AIを優秀な「アシスタント」として活用し、キーワード調査やデータ集計などの作業は効率化し、人間はより高度な「戦略立案」や「最終判断」に集中する形に進化していきます。
計算機が登場しても数学者が不要にならなかったように、AIは仕事を奪う敵ではなく、私たちの能力を拡張してくれる強力なパートナーなのです。
Q. 文系出身で、プログラミング知識がなくても大丈夫ですか?
A. まったく問題ありません。実際に、第一線で活躍するSEO担当者の多くは文系出身です。
もちろん、プログラミングの知識があれば役立つ場面もありますが、必須スキルではありません。それ以上にSEOで重要なのは、
- ユーザーの気持ちや検索の意図を深く理解する「読解力」
- 分かりやすく、心に響く文章を構成する「言語能力」
- データから課題を見つけ出し、解決策を考える「論理的思考力」
といった、文系出身者が強みを発揮しやすいスキルなのです。
Q. 「SEO担当はきつい・やめとけ」と言われるのはなぜですか?
A. このように言われる背景には、SEO担当者ならではの苦労があるのも事実です。
例えば、「Googleのアップデートで順位が大きく変動するプレッシャー」「施策の成果が出るまでに時間がかかる」「常に新しい情報を学び続ける必要がある」といった点が挙げられます。
しかし、これらは大きなやりがいの裏返しでもあります。自分の頭で考えた施策が実を結び、サイトの順位が上がって事業に貢献できた時の達成感は、何物にも代えがたいものです。
4章でご紹介した「向いている人の特徴」に当てはまる方にとっては、「きつい」以上に「面白い」と感じられる魅力的な仕事だと言えるでしょう。
Q. 最初のキャリアとして、事業会社と支援会社のどちらがおすすめですか?
A. これは非常によくある質問ですが、「絶対にこちらが良い」という正解はありません。あなたが将来どうなりたいか、というキャリアプランによって最適な選択は変わります。
| タイプ | 事業会社がおすすめな人 | 支援会社がおすすめな人 |
|---|---|---|
| 関わり方 | 一つのサービスに愛着を持ち、深く長く関わりたい | 多様な業界のサイトに関わり、幅広い経験を積みたい |
| 将来像 | 将来、その業界の専門家になりたい | 将来、コンサルタントとして独立も視野に入れたい |
| 成長・やりがい | 施策の結果が事業の売上に直結する手触り感が欲しい | とにかく早く成長したい |
どちらの環境が自分に合っているか、転職エージェントに相談しながら、両方の企業の詳しい話を聞いてみることをおすすめします。
【まとめ】AIを味方に、市場価値の高い専門家へ。未経験から始めるSEO担当への第一歩

ここまで、AI時代のSEO担当者の仕事内容や将来性、そして未経験から転職を成功させるための具体的なロードマップをご紹介してきました。
この記事を読む前のあなたは、「AIに仕事を奪われるかも…」「未経験の自分には難しいかも…」といった不安を抱えていたかもしれません。
しかし、今はどうでしょうか。SEO担当者とは、AIをアシスタントとして使いこなし、ビジネスの成長を導く戦略家であること。そして、その専門性は、これからの時代を生き抜くための強力な武器になることを、ご理解いただけたのではないでしょうか。
変化の激しい時代だからこそ、自らの手でキャリアを切り拓ける「専門性」の価値は、ますます高まっています。
「難しそう」と立ち止まるのではなく、まずは今日からできる小さな一歩を踏み出してみませんか。
紹介した本を1冊読んでみる。自分の好きなテーマで、ブログを1記事書いてみる。その小さな行動の積み重ねが、あなたを市場価値の高いSEO担当者へと導いてくれるはずです。






