ハイクラス求人の実態は?転職の企業選びで注意すべきポイントを徹底解説
[最終更新日]2024/08/09
転職が当たり前になってきた今、ハイクラス転職を検討する人が増えています。
ハイクラス転職は求められる水準は高いですが、その分自身の成長も期待できます。しかしハイクラス求人の場合、応募できる企業が複数あり何を基準に選べばいいか分からず悩む求職者も多いようです。
目次
1)ハイクラス転職の企業選びは「じっくり好機を窺う」待ちのスタイルがおすすめ
ハイクラス層の転職市場(人材流動)は非常に活性しているものの、そもそもの求人母数は多くありません。
そのため、ハイクラス層の転職を狙っていく際は「自分にフィットする求人が現れるまで、時間をかけてタイミングを窺う」スタイルが求められることが多いです。
現職転職エージェントの方々の話によると、ハイクラス層での転職成功する人の傾向としては、半年~1年以上かけてじっくり臨んでいる人が多いといいます。
ハイクラス層の転職成功者・失敗者に観られる傾向
成功者に多い傾向 | じっくり、中長期的に取り組む →自分にフィットする求人を見つけた際に活動する |
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失敗者に多い傾向 | 焦って、短期的に取り組む →現在ある求人の中で選定しようとするため、ミスマッチが起きやすい |
もちろん、必ずしも中長期的な転職が成功して短期的な転職が失敗するという訳ではありません。
また、諸状況によって「早めに次の職場を見つけないといけない」という方もいると思います。
ですが、好条件を目指しての転職は、時期を早めることによって難易度を高めてしまいやすいということは知っておくべきでしょう。
そうしたハイクラス層の転職を成功するためには、以下の3点を意識しておくことが大切です。
ハイクラス層向けの、実績豊富な転職サービスを活用する
ハイクラス層向けの転職サービスについては、以下の4サービスを優先的に検討しておくと良いでしょう。
サービス名 | doda X |
リクルートダイレクトスカウト |
JACリクルートメント |
ビズリーチ |
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メリット |
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デメリット |
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公開求人数 | 約5.7万件 | 約34万件 | 約1.3万件 | 約13万件 |
得意業界/職種 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 | ◎全業界 |
対象年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 | ◎全年代 |
対象地域 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 | 全都道府県 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
表内の求人数は2024年8月時点のものです。
また、転職サービスは担当者の得意分野や相性によってサポート品質自体が変わることが少なくありません。
リスクヘッジの観点から、はじめのうちに複数登録しておくことをおすすめします。
自身の市場価値を客観的に見つめ直す
ハイクラスの求人企業選びの際に併せて行っておきたいことが、「自身の市場価値の再認識」です。
たとえ現在高い年収を貰っている人でも、新しい会社でその年収分のパフォーマンスを出せるとは限りません。
大切なことは、「自分はどの分野(市場)で、価値を最大限高められるのか」を知っておくことです。
そのうえでまず行うことが、「キャリアの棚卸し」です。
これまでの実務経験を通して、自分はどんな知識・スキル分野において活躍できていたのか、逆にどんな点で周囲に助けられたか(または不足する知識・スキルは何か)について、しっかり整理しておくのです。
キャリアの棚卸しをすることによって、求人企業選びの際にミスマッチのない、「自分が活躍しやすい企業」を選びやすくなります。
「この企業なら、活躍できる・活躍したい」と思える求人をしっかり見極める
ハイクラス転職における求人企業選びでは、「急ぎの転職」や「条件面のみで判断しての応募」が失敗に繋がりやすいです。
以下図で示す通り、自分自身の技術力・実績と企業が求めている人材とがしっかりマッチするかどうかを見極め、そのうえで求人企業に応募すべきでしょう。
求人企業選びは、転職エージェントからの紹介だけに頼るのではなく、自分自身でも企業研究をしっかり行うことが大切です。
具体的な企業研究のポイントについては、次章「2)求人企業選びの際は、「ビジョン、社風、業績」をしっかりチェック!」で詳しくまとめていますので、確認してみてください。
2)求人企業選びの際は、「ビジョン、社風、業績」をしっかりチェック!
転職の軸が定まったところで、いよいよ具体的に企業選びを行っていくことになります。
企業選びをする際に、仕事の内容や待遇は誰しも必ずチェックするポイントですが、それ以上にその企業の「ビジョン」「社風」「業績」をしっかりチェックすることが重要です。
この3つは働く上で非常に大切になる要素ですが、実際のところ多くの求職者が企業選びの際に見落としてしまいがちです。
ここでは適切な企業選びにつながるビジョン・社風・業績のチェック方法を紹介します。
「ビジョン・将来像」からの、優良求人の選び方
企業の未来を考えるときに非常に重要なのが「ビジョン・将来像」です。
企業活動においてのビジョンはその企業が今行っている企業活動を積み重ねていった際に、世の中に対してどのような未来を実現したいかというものです。
例えばAppleは「テクノロジーを介して何百万人もの人の生活を変える。」というビジョンを掲げています。
企業のビジョンは社員みんなで目指せる「共通の行き先」を示すことに本質的価値があり、ビジョンがある会社とない会社では一人ひとりの仕事や組織のあり方に大きな違いが出てきます。
しっかりとしたビジョンが存在する組織は柔軟に変化しどんどん発展していきますが、ビジョンが存在しないと組織は存在意義を見失いやすくなってしまいます。
そのためビジョンを確認することは企業選びの際に非常に重要になるのです。
ビジョン・将来像は多くの場合企業のホームページから確認できます。
その他にも面談での質問や、過去の代表インタビュー記事などで確認できることが多いため、しっかりおさえておくようにしましょう。
「社風・環境」からの、優良求人の選び方
社風が自分と合っているかどうかは快適に働くために重要な要素であり、企業選びでも重視しなければならない部分です。
社風を重視して転職先を決める人は多いですが、以下参考記事にあるように入社後に感じたギャップの上位2項目が社風に関するものであるという実態もあります。
参照:エン・ジャパン「転職コンサルタントに聞く「転職後のギャップを避ける方法」 ギャップ低減には「入社前に社風や一緒に働く社員の情報収集」が鍵。―『ミドルの転職』コンサルタントアンケート集計結果―」)
理想の社風とは人それぞれ異なります。
そのため、まずは自分が転職先にどのような社風を求めるのかを自身の転職の軸と照らし合わせ、整理することが大切です。その上で応募先の企業の社風をチェックしていきましょう。
企業の社風を調べるには求人情報や企業ホームページから確認できるほか、面接で1日のスケジュールや社員の価値観や雰囲気などを質問してみるのも良い方法です。
また、企業が行っているサービスや商品の打ち出し方、販売戦略からもその会社の価値観を知れます。
例えば新事業を次々と立ち上げているような企業は高度応力がある人材が評価される傾向にある可能性が高く、製品・サービスの安全性や信頼性を売りにする企業であれば慎重さや正確さを評価される傾向にあると分析できます。
会社も自分も入念に分析してこそ有料企業とのマッチングは実現できますので、抜かりなく企業研究と自己分析を行いましょう。
「業績」からの、優良求人の選び方
規模が大きいから安定性があるだろう、知名度が高いからきっと成長性があるだろうなど、イメージだけで判断してしまうと入社した際に思っていたのと違ったというミスマッチが起こってしまう可能性があります。
企業の真の実力を見極める意味でも応募先の業績面のチェックは欠かせません。
業績面は「利益がちゃんと出ているか(赤字になっていないか)」「資産はしっかりあるか(資金繰りは問題ないか)」といった基本的な点はもちろん、財務諸表の詳細まで見るべきポイントは様々です。
特に上場企業は決算報告として財務諸表を公開することが義務付けられています。
財務諸表とは、税務署や株主、取引先、金融機関などの各方面に企業の経営状態を報告するために作成されているものです。
企業ホームページ上のIR情報に財務諸表が公開されていますので上場企業への転職の場合は確認しておくことが望ましいです。
さらにハイクラス転職ともなると多角的な視点からなるべく細部まで業績面を見ておくべきですが、少なくとも「競合他社との比較」はやっておくと良いでしょう。
3)ハイクラス転職での企業選びは、頼りになる転職エージェントを活用しよう
ここまでハイクラス転職の企業選びのポイントをご紹介してきましたが、忙しい日々の中で企業の情報収集をひとりで行うのはかなり大変な作業です。
そこで「一緒に考えて、かつアドバイスしてくれる」ハイクラス向けの転職エージェントを活用すると良いでしょう。
ハイクラスに特化した転職エージェントはハイクラス求人の情報量はもちろん、一般的な転職サービスと比べて企業への紹介フローやターゲットとしている人材、サポート体制など各社がより強く特徴を打ち出しています。
各転職エージェントの特徴を理解した上で活用するのがハイクラス転職成功への近道です。ここではおすすめのハイクラス向けの転職エージェントをご紹介します。
doda X
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年収800万円以上の企業からのスカウトが多く届く転職サイト。ヘッドハンターからのサポートも受けられます!
doda Xは、「キャリアに戦略を。」をキーワードにハイクラス人材に向けた支援をするヘッドハンティング型の転職サービスです。
doda Xに登録すると、ヘッドハンターがあなたの経歴と希望に合わせて厳選スカウト求人を提案してくれます。
紹介される求人の多くは、年収800万円以上の企業経営戦略や事業戦略に直結する重要なポジションのものが殆ど。
今よりさらに活躍できるフィールドで働きたいという人にマッチしやすいサービスでしょう。
doda Xに在籍するヘッドハンターは約6,300名(2024年8月時点)。レジュメ(職歴書)の効果的な見せ方や面接対策などの転職サポートもしっかりサポートしてくれます。
doda Xの活用メリットとハイクラス転職でのおすすめポイント
doda Xはヘッドハンターのサポートを受ける「ヘッドハンティングサービス」と、自分で求人を探して応募する「求人紹介サービス」の両方を利用できます。
ヘッドハンターからの提案をメインとする「じっくり、待ちのスタイル」で転職活動をしたい方はヘッドハンティングサービスを、積極的に求人を検索して企業にアプローチしていきたい方は求人紹介サービスを利用すると良いでしょう。
doda Xは幅広い職種の求人を扱っていますが、特に多いのがIT・通信、インターネット・広告・メディア、メーカー(機械・電気)です。
これらの業種でより責任あるポジションにチャレンジしたい人におすすめです。
dodaXの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京・埼玉・神奈川・愛知・静岡・大阪・京都・兵庫・広島 |
公開求人数 | 約5.7万件(2024年8月現在) |
とくに多い職種 | 事業企画・経営企画|営業|IT・Webエンジニア|経理・財務・人事・法務|マーケティング・販促・商品開発|技術職(機械・電気)|コンサルタント|金融系専門職|医療専門職|技術職(化学・食品系)|技術・専門職(建設・不動産系)|クリエイター・クリエイティブ職|サービス系(店舗管理・運営管理)|技術職(組み込みソフトウェア)|SCM・物流・購買系など |
dodaXでは登録後に職種別の経歴書のサンプルも入手できます。doda専属のキャリアカウンセラーのサポートを合わせて利用すれば、書類作成の準備は万全でしょう!
リクルートダイレクトスカウト
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「実績豊富なヘッドハンターに出会いたい」ならココ!企業・ヘッドハンターからのスカウトが届く転職サイトです。
リクルートダイレクトスカウトに登録すると、転職者は求人検索と応募のほかに企業からの直接スカウト・オファー、およびヘッドハンター(または転職エージェント)からのスカウトを受けられます。
リクルートダイレクトスカウトは特定の業種・職種に限定することなく、幅広い分野の求人を扱っています。
中でも求人数が多い業界としてIT・インターネット、メーカー、コンサルティング、建設が挙げられます。
いずれの業種・職種においても、高スキルの人材や管理職経験者など、優れた実績を持つ人材を求める企業が大半です。上記の業種・職種でキャリアアップを図りたい人は、とくにリクルートダイレクトスカウトを活用するメリットを感じられるでしょう。
また、ヘッドハンターは幅広い業種・職種で活躍している人が多く、希望する分野の支援実績のあるヘッドハンターに出会いたい人、管理職・役員としての働き方を実現したい人におすすめのサービスです。
リクルートダイレクトスカウトの活用メリットとハイクラス転職でのおすすめポイント
リクルートダイレクトスカウトでは「転職者がヘッドハンターを選ぶ」ことができます。
自分が希望する業種・職種に関する知識が豊富か、優れた転職支援実績があるか、といった点を見極めるために、ヘッドハンターのプロフィールを閲覧できます。
優秀なヘッドハンターを見つけたら、転職者のほうからヘッドハンターを選んで求人紹介を依頼できるのです。
また、ヘッドハンターは複数名を同時に指名することも可能です。
リクルートダイレクトスカウトの特徴
特徴 |
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サポート対象地域 | 全国 |
特に多い職種 | 経営ボード|経営企画・事業企画|管理|人事|マーケティング|広告|マスコミ・メディア・出版|クリエイティブ|営業|サービス|コンサルタント|ITコンサルタント|専門職(公認会計士、司法書士など、その他)|IT技術職|Webサービス・制作など |
公開求人数 | 約34万件(2024年8月現在) |
良質なスカウトをゲットする際は、登録時に記入するレジュメを充実させることが重要です。「アピールできる経歴が思いつかない」という人は事前に事前にキャリアの棚卸しをしておきましょう。
JACリクルートメント
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ミドルクラス・ハイクラスの転職 満足度で6年連続No.1!(オリコン満足度調査2019-24年)利用者からは「相談の手厚さ」と「適切なマッチング」への評価が高いです。
JACリクルートメントは「年収600万円以上」のミドル・ハイクラス向け転職エージェントです。一定以上の経験や実績のある人材を求める企業の紹介に優れており、ミドル層以上の転職活動におすすめです。
JACリクルートメントでは求人紹介だけでなく、キャリア面談やキャリアの棚卸し、キャリアプラン相談といった総合的なキャリアコンサルティングを行ってくれます。
在籍コンサルタントは人材業界の中でもベテラン勢が多く、これまでの豊富な転職支援実績をもとにキャリアコンサルティングを実施してもらえます。
JACリクルートメントの活用メリットとハイクラス転職でのおすすめポイント
JACリクルートメントを活用するメリットとして筆頭に挙げられるのが「ハイクラス向け求人の充実度」です。とくに年収600万円以上など好条件の求人を多数保有していることから、ハイクラス人材を求める企業と転職者のマッチングを得意としているのです。
様々な分野で高年収帯の求人や、重要なポジションを募集する求人を探している人にとって、登録を検討する有力な理由となるはずです。
JACリクルートメントは両面型サポートのため、コンサルタントが企業の採用担当者が直接コンタクトを取り、企業の情報や就業条件についてヒアリングを実施しています。
つまり、転職者に伝えられる企業情報はコンサルタント自身が収集した一次情報なのです。
このため、企業担当と人材担当の間で情報が分断されてしまう心配がなく、精度が高く確実な情報を得ることが可能です。
JACリクルートメントの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約1.3万件(2024年8月現在) |
とくに多い職種 | サービス|商社|流通|消費財|マスコミ|建設・不動産|金融|IT・通信|WEB|EMC|コンサルティング・シンクタンク・事務所|メディカル・バイオ|医療・介護・福祉など |
サポートの充実がウリのJACリクルートメントですが、求人数は少なめです。登録の際は希望条件をやや広めに&他の転職サービスにも登録しておくのがおすすめです。
ビズリーチ
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転職後の平均年収840万円!企業からのスカウトが非常に多い転職サイトです。
ビズリーチは主にハイキャリア人材を対象とした転職サービスです。
一般的にハイキャリア転職サービスは求人数が少なくなりがちですが、ビズリーチは近年求人数が増えており、首都圏はもちろんのこと地方での転職においても非常に豊富な求人を確認できます。
「ハイクラス転職サービスにはどんな求人があるのだろう?」「自分の場合、どのような企業からスカウトが届くのか?」といったことを知っておくだけでも、今後のキャリアプランを考える上で十分参考になるはずです。
現在の年収が500万円以上で、ゆくゆく転職を検討する可能性のある方であれば、登録する価値が十分にあるサービスです。
ビズリーチの活用メリットとハイクラス転職でのおすすめポイント
ビズリーチの登録者に届くスカウトには、企業からの直接スカウトとヘッドハンターによるスカウトの2種類があります。
紹介される求人は経営管理(管理職・役員)やプロジェクト管理、専門職といった事業の上流工程を支える重要なポジションのものが多いです。
カバーしている業種も幅広いため各業界の最前線で活躍するポジションへの転職が期待できます。
紹介される会社は大企業だけでなく、中小の優良企業の求人も扱っています。
また、独自に「BizReach創業者ファンド」を創設するなど、スタートアップ企業の支援も積極的に行っていることから、スタートアップ企業やベンチャー企業への転職支援にも強いのが特徴です。
ビズリーチの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約13万件(2024年8月現在) |
とくに多い職種 | 経営(経営者・CxO・事業推進など)|管理(経理・財務・税務・IRなど)|マーケティング|営業|コンサルタント|専門職(公認会計士・税理士・弁護士など)|IT技術職(SE・その他ITエンジニア)|ゲーム|電気・電子|半導体|機械|化学|金融|研究・臨床開発・治験|建築・土木など |
ビズリーチで企業からのスカウトを多く得るためには、レジュメ(職歴書)の品質を上げること!どのような自己PRが企業からの目にとまりやすいかをじっくり考えて、取り組んでみましょう。
まとめ)ハイクラス転職の企業選びは転職エージェントを積極的に利用しよう
転職活動は情報戦と言われますが、特にハイクラス転職の場合はより多角的な情報を得ながら、同時に自身が転職に対して何を望んでいるのか、今後どういったキャリアを積みたいのかという自己分析も進めていかなければなりません。
それらを一人で整理していくのはなかなか難しいため、企業選びの際にはハイクラス転職のプロであるハイクラス向け転職エージェントの力を積極的に借りていくのが得策と言えます。
自身の求める条件や転職活動の進め方にマッチした転職エージェントをパートナーにして、より自分自身が成長できる企業への転職を成功させましょう。