介護資格の種類を総まとめ!未経験から取るべきおすすめ資格とは
[最終更新日]2024/08/28
「これから介護士を目指したいけど、どんな資格があるの?」
「未経験だけど、取るべき介護の資格ってどれだろう?」
「給料や転職で有利になる介護の資格を知りたい…」
インターネットや本で調べても介護の資格は種類が多く、一体どれを取得すればいいか迷いますよね。
目次
1)介護資格の種類は大きく分けて3つ
介護業界では「国家資格」「公的資格」「民間資格」の3つの種類があります。
資格の種類 | 説明 |
---|---|
国家資格 | 国が認定している資格。信頼度が高い。 |
公的資格 | 国家資格・民間資格の中間に位置する資格。公益法人や民間団体が研修や資格試験を実施し、地方自治体が発行する。厚生労働省が定めるキャリアパスに含まれるものもあり、信頼度はやや高い。 |
民間資格 | 企業などが独自に作成している資格。法律などの規定がないため信頼度はそれほど高くないが、ニッチな分野を学習できるなどのメリットもある。 |
国家資格 > 公的資格 > 民間資格という順に信頼度が高く、上位になるにつれて取得難易度は上がります。
また、それぞれの主な資格は以下のとおりです。
資格・研修名称 | |
---|---|
国家資格 |
|
公的資格 |
|
民間資格 |
|
2)キャリアアップを目指す際のおすすめ介護資格4選
実務未経験から介護資格を取得するのであれば、まずは以下の4種類の資格を知っておきましょう。
これらは厚生労働省が定めるキャリアパスに含まれており、国が公式に取得を推奨している資格です。
そのため、就職や転職でも役立つことが多いです。また、それぞれの資格は内容が繋がっており、順に取得することで介護業務の理解を深められます。
それぞれの介護資格について、詳しく解説していきましょう。
介護職員初任者研修
受講資格 | 特になし |
---|---|
受講時間 | 130時間 |
取得条件 | 130時間の講習を受け、筆記試験に合格 |
受講料の目安 | 5万円~15万円ほど(研修実施校によって異なる) |
介護職員初任者研修は「介護のスタート資格」と言われている介護資格です。
介護に携わったことのない未経験者を想定している資格であり、研修では介護の基礎知識や、基本的な介助技術などを学べます。
取得時間も3ヵ月程度と短いため、介護業界への就職・転職を始めて検討している人は、介護職員初任者研修の取得も併せて検討しておくとよいでしょう。
介護福祉士実務者研修
受講資格 | 特になし |
---|---|
受講時間 | 450時間(初任者研修を修了している場合は一定時間の免除あり) |
取得条件 | 450時間の講習を受け、筆記試験に合格 |
受講料の目安 | 10万円~20万円(初任者研修を修了している場合は一定額の免除あり) |
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の次に取るべき資格です。介護職員初任者研修を取得していると、その分の講習時間や費用が免除されます。
「たん吸引」「経管栄養」などの、医療的ケアについても学べます。学習範囲は広がりますが、そのぶん就職活動や転職活動でアピールしやすいでしょう。
また、介護福祉士実務者研修は、上位資格である介護福祉士の受検資格の1つです。
そのため、介護士としてキャリアアップや給料アップを図る際は不可欠な資格の1つとなります。
介護福祉士
受験資格 | (実務経験ルートの場合)実務経験3年以上+介護福祉士実務者研修の修了 ※例外あり (養成施設ルートの場合)指定された養成施設を卒業 |
---|---|
取得条件 | (実務経験ルートの場合は)筆記試験での合格 |
受験手数料 | 約2万円(2024年8月現在) |
介護業界で唯一の国家資格が「介護福祉士」です。
実務経験が3年以上必要という受講資格を見ても分かるとおり、プロフェッショナルとして専門的な知識や技術を習得することが求められます。
また、介護福祉士の資格保持者は、人材育成などのリーダー的な役割に就くことが多いです。
仕事の幅が広がるのはもちろん、給料アップなどが図れるのは大きなメリットといえます。
認定介護福祉士
受験資格 | 介護福祉士として5年以上の実務経験 |
---|---|
取得条件 | 認定介護福祉士養成研修Ⅰ類・Ⅱ類の受講、修了 |
受験手数料 | 約60万円(※非会員の場合。都道府県の介護福祉士会の会員の場合は30万~40万円 2024年8月現在) |
介護福祉士のさらに上位に位置する資格が認定介護福祉士です。
2015年に認定機構である「一般社団法人認定介護福祉士認証・認定機構」が設立され、現在約100名の認定介護福祉士が誕生しています(2024年8月現在)。
認定介護福祉士は、介護士の最上位資格として専門的な知識・行動な技術を有するのはもちろん、他職種や地域との連携、現場の人材育成など総合的な能力が求められます。
3)介護福祉士の取得方法について
介護業界で唯一の国家資格である介護福祉士には、大きく分けて3つの取得ルートがあります。
実務経験ルート | 介護福祉士実務者研修の修了+実務経験3年以上。仕事しながら資格の取得を目指せる |
---|---|
福祉系高校ルート | 指定された福祉系の高校を卒業することで取得できる |
養成施設ルート | 専門学校など、指定された養成施設を卒業することで取得できる |
上記のうち「実務経験ルート」では介護士として実際に働き、生活費を稼ぎながら取得を目指すことが可能です。
実務経験3年などの条件を達成し、介護福祉士試験に合格すれば晴れて介護福祉士となります。
毎日学校に通うことが難しい社会人の人は、実務経験ルートを選択しましょう。
4)その他に取るべき介護系の資格6種類を紹介【職種紹介も】
これまでに紹介した資格以外にも、取得するとキャリアアップで有利となる資格はあります。
その主な資格は、以下のとおりです。
それぞれの資格と、それに伴う仕事内容について、詳しく見ていきましょう。
理学療法士
理学療法士はケガや病気で身体に障害を持つ方や、高齢者などに対して座る、立つなどの基本動作が行えるよう医学的なリハビリテーションをする仕事です。
理学療法士の資格を取得するためには4年制大学や短期大学などの養成施設に通うことが必要ですが、そのぶん業務の幅は大きく広がります。
通常の介護士より、給料が数万円程度アップするケースが多いです。
参考:理学療法士になるには|理学療法士を知る|公益社団法人 日本理学療法士協会
作業療法士
作業療法士は「食事をする」「文字を書く」といった生活動作が行えるよう、より細かい動作のリハビリテーションをする仕事です。
取得する際は、理学療法士と同じく養成施設に通います。1~2年次は理学療法士と共通の科目が大半であり、それ以降は「精神分野」などを学習するようになるという差があります。
なお作業療法士も理学療法士と同様、介護士より給料がアップすることが多いです。
社会福祉士
社会福祉士は、日常生活を送ることが難しくなった方に対して助言や相談・指導などをする仕事で、国家資格です。
介護施設はもちろん、児童相談所や学校、障がい者福祉施設、社会福祉協議会などさまざまな場所で需要があります。
人材としての市場価値が大きく上がるのはもちろん、生活相談員など職種としての幅も広がるのが特徴です。
参考:[社会福祉士国家試験]:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
介護予防運動指導員
高齢者の介護予防に向けたトレーニングやプログラムを考え、運動指導をするのが介護予防運動指導員です。
東京都健康長寿医療センターが資格認定を行っており、資格取得のための研修を受講するためには介護・医療関連の資格を所持している必要があります。
就職や転職で有利になるのはもちろん、運動や健康促進に興味のある人はやりがいが大きい仕事といえます。
参考:介護予防運動指導員 養成講座 – NPO介護予防研究会
介護事務(ケアクラーク)
介護事務(ケアクラーク)とは、介護施設などにおいて受付業務や、請求業務などの事務作業をする仕事です。
介護事務という職種に就くうえで、資格所持は必須ではありません。しかし、レセプト作成と呼ばれる介護報酬(市町村など介護サービス運営主体から支払われる、介護サービスの利用料)の請求業務を担うため、勉強という意味で介護事務関連の資格取得を目指す人は多いです。
なお、介護事務になる上で有利な資格としては、以下が挙げられます
- 介護事務管理士
- ケアクラーク
- 介護保険事務士
- 介護保険事務管理士
それぞれ実践的な知識を身につけられるため、比較検討したうえで取得を目指しましょう。
参考:ケアクラーク技能認定試験(ケアクラーク®)|資格試験/技能認定|日本医療教育財団
無資格でも介護の仕事はできる?
身体介助やたん吸引など専門的な仕事でなければ、介護資格を持っていなくても就職・転職することは可能です。
実際に筆者は無資格の状態でグループホーム、デイサービスなどでレクリエーション業務などを手伝っていました。
そのため介護現場で経験を積みつつ、今回紹介した介護資格の取得を目指すのもよいでしょう。
5)介護の転職エージェントに相談しよう
介護業界に就職・転職する上で最も重要なのは情報です。
今回紹介したような介護資格の有無はもちろん、介護施設の種類や地域によって仕事内容や雰囲気、福利厚生などは大きく変化します。
そこでここからは介護に関する情報を集め、就職や転職を有利に進められる介護転職エージェントを4つご紹介します。
レバウェル介護
-
介護系転職サービスでトップクラスの求人数。担当エージェントのサポート品質においても高評価の高いサービスです。
レバウェル介護は介護・福祉に特化した転職サービスの中ではとくに求人数が多く、「なるべく多くの介護求人を比較検討したい」という人におすすめです。
求人紹介やサポートを介護・福祉業界に詳しいエージェントが担当してくれるため、様々な希望条件を適えながら適切な求人紹介をしてもらえるでしょう。
なお、レバウェル介護では派遣社員として登録をする人向けに介護未経験・無資格の転職者のサポートも行っています。
転職を機に介護の仕事デビューをしたい人も、レバウェル介護はおすすめです。
サービスを利用した人の評判・口コミからは、「担当エージェントのサポート」に対する高評価が多数見受けられます。
レバウェル介護の特徴
特徴 |
|
---|---|
サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約23万件(2024年8月現在) |
レバウェル介護は正社員向け転職と派遣社員転職とで窓口が分かれています。派遣社員として働くことを予定している人はこちらよりご登録ください。
かいご畑
-
「介護職の仕事は未経験/経験が浅い…」という人におすすめのエージェントです。資格取得サポートなど、実務経験を積むための様々な支援を受けられます。
かいご畑は介護・福祉系の転職支援に特化した、転職エージェントです。
同サービスの大きな特徴は、「無資格/未経験からの転職支援に強い」、「働きながら資格取得できる仕組みがある」の2点。
サポートにあたっては転職者一人ひとりに専任のコーディネーターが就き、現在の経験と希望条件をヒアリングしたうえで、キャリアへのアドバイスと求人紹介を行ってくれます。
働きながら資格取得を目指せる「キャリアアップ応援制度」では、介護の中級・上級資格である「実務者研修」「介護福祉士」への対策講座を無料で学べます。
「まずは業務に慣れてから、徐々にキャリアアップを目指したい」という人に、かいご畑はとくにおすすめです。
かいご畑の特徴
特徴 |
|
---|---|
サービス対応地域 | 北海道、東京、埼玉、千葉、栃木、群馬、静岡、愛知、大阪、京都、神戸、広島、福岡 |
公開求人数 | 約9,000件(2024年8月現在) |
「まずは業務に慣れてから、徐々にキャリアアップを目指したい」という人は、かいご畑の「キャリアアップ応援制度」の活用がおすすめです。
マイナビ介護職
-
「福利厚生が充実」「教育制度が整っている」などのホワイト企業の求人が多いと評判のサービス。担当のサポートも手厚いです。
マイナビ介護職は、介護転職者からの認知度No.1(※GMPリサーチ株式会社調べ 2021年7月)を獲得した、介護職専門の転職エージェントです。
大手介護施設・事業所や待遇のよい求人が多いのが特徴です。
サービスを利用した人の評判・口コミからは、「担当エージェントのサポート」に対する高評価の声が多く見られます。
介護業界に詳しい担当エージェントがマンツーマンで、希望条件をヒアリングしたうえで、マッチする求人を紹介してくれます。
書類添削や面接対策といったサポートにも力を入れており、志望動機や自己PRの作成にも役立つでしょう。
マイナビ介護職の特徴
特徴 |
|
---|---|
サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約7.8万件(2024年8月現在) |
マイナビ介護職の活用メリットの一つに「離職率や職場環境などの、詳細の施設情報を知れる」ことがあります。企業研究の際は担当からの情報を有効活用しましょう。
ジョブメドレー介護
-
介護職向けの求人数は国内No.1!バリバリ正社員で働きたい人から未経験・復職向けまで幅広い案件を確認できます。
ジョブメドレー介護は、介護職専門の転職エージェントです。
同サービスのメリットは何といっても求人数の豊富さにあります。
介護職関連の求人約25万件(2024年8月現在)という数字は、国内の介護特化の転職サービスの中でもトップクラスです。
また、介護・福祉業界のおよそ18種類の職種から求人を絞り込むこともできるほか、「サービス形態」「給与・待遇・福利厚生」「こだわり条件」などから細かい検索が可能です。
なるべく幅広く求人を比較したい人に、ジョブメドレーは適しているでしょう。
サービスを利用した人たちからは、「求人の幅広さ」「スカウトメールが届く」ことへの高評価のコメントが多く見られます。
ジョブメドレー介護の特徴
特徴 |
|
---|---|
サービス対応地域 | 全国 |
公開求人数 | 約25万件(2024年8月現在) |
ジョブメドレー介護のサービスは求人サイトがメイン。担当者からのサポートはありませんので、不安な人はレバウェル介護やマイナビ介護職といった介護職向けエージェントを併用しておきましょう。
まとめ)介護資格の種類を把握し、自分にあった就職・転職を!
高齢化の影響もあり、現在も日々新しい介護資格が生まれています。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、「自分の望むキャリア」「理想の介護士像」などと比較検討しながら取得を目指しましょう。