「上司からの評価が低い・正当な評価をしてくれない」とき、どうすればいい?
[最終更新日]2024/07/05
上司とのコミュニケーションで、「上司からの評価が低い」、「自分のことをあまり評価してくれていない」と感じたことのある人は多いでしょう。
上司からの評価は昇給や昇格の査定にも関わりますので、大きな問題として捉えている人もいるはずです。
厄介なことは、他者からの評価というものは「こちらから簡単に変えることができない」点にあります。
低い評価を挽回しようと躍起になる前に、いちど今の状態を俯瞰して整理すること、そのうえで自分が取りうる最適なアクションを選択してくことが大切です。
目次
1)「上司からの評価が低い」と感じたときは、どうすればいい?
「上司からの評価が低い」と感じるときとは、その評価自体に何かしらの違和感を持っているということでしょう。
大切なことは、違和感の正体をはっきりし、そしてこれからすべき行動を明確にすることです。
そのためには、以下のプロセスが有効です。
①「なぜ自分は評価を気にしているのか」を考える
「上司からの評価が低い」と感じたとき、まずは「なぜ自分は上司からの評価を気にしているか」の理由について考えてみてください。
大抵の場合は、以下2つの理由のいずれかが当てはまると思います。
- 「昇給や昇格、または新たなポジションや役割を得るため」といった、目に見える理由
- 「承認欲求または安心感を得るため」といった、心理的な理由
「両方当てはまった」という人は、より優先度の高い理由はどちらかを考えます。
そして、その理由の更に背景にあるものを探求してみましょう。
「昇給や昇格」が理由に当たる人は「なぜ自分は昇給・昇格を求めているのか」を、「承認欲求や安心感を得たい」と思っている人はなぜそう思っているのかを探っていくのです。
ここでのアクションの目的は、今の状況を「一歩距離を取って、俯瞰する」ことです。
俯瞰することで、上司からの評価に固執していた自分に気付くこともあるでしょう。また、これから先何をすべきかについても明確になりやすいです。
②自分のこれまでの貢献度合を振り返る
続いては、自身の任された業務についての取り組みと貢献度合を振り返り、評価していきます。
振り返る際は、以下の3つの軸で行うと整理しやすいです。
- ①知識・スキル
- ②情意・スタンス
- ③成果・業務進捗
「自身でも評価する」と表現しましたが、ここでは自己評価よりも他者評価を多く集めることを意識するとよいと思います。
社内でマルチサーヴェイや360度評価を実施されている場合は、その評価結果も参考になるでしょう。
また、評価結果の文面のみで判断するのではなく、実際に同僚や社外の同職種の人たちをイメージして、自身と比較することが大切です。
社外の同職種の人との比較が難しいという人は、リクナビNEXTやdoda、ビズリーチなどの求人サイトで現業務と類似する仕事内容の求人を探して、そこで「求められる人物像(スキル・実績等)」から比較するとよいでしょう。
ここでのアクションによって、上司からの評価の「適正」さについての判断を持ちやすくなります。
③上司との面談の機会を持つ(上司のリクエストを知る)
①と②を経たあとは、上司と実際に話す機会を持つことをおすすめします。
定期的な1on1の面談機会がある人は、その際に確認するとよいと思います。
具体的には、以下のような聞き方をしてみるとよいでしょう。
-
●●さんから、現在の私への業務上のリクエストはありますか
-
●●さんが私だったら、どんな点を優先して仕事に取り組みますか
逆に、以下のような聞き方をしてもあまり良い効果を得られないことが多いです。
-
●●さんは、私のことを現在どう評価していますか
-
この前の評価で、一部納得できない評価結果があったので、評価理由について詳しく知りたいです
上の2つの聞き方は上司の「育成・指導」への働きかけを促す聞き方で、下の2つの聞き方は「評価」への働きかけを促す聞き方です。
どちらもあなたの現状を知るための質問ですが、上司の方では育成・指導の観点のほうが答えやすいことが多いです。
このアクションによって、上司の視点をより明確に知ることができます。
多くの場合上司は部下の業務をより中長期的に見ています。
その視点を得ることによって、あなた自身の業務品質を高めることに役立ちますし、(やや打算的な考えですが)上司の評価を得やすい働きかけもイメージしやすくなります。
◇ ◇ ◇
ここまでの①~③のアクションを取ると、上司からの評価が低いこと自体の対策よりも、もっと優先度を高く取り組むべきこと(=あなたにとって、大切な目標)が明確になると思います。
評価は一部の人間があなたの「過去」についての見解をまとめたものであり、あなたの未来を縛り付けるものではありません。「縛られている」と感じるとしたら、それはあなた自身の固執から来ていることが多いです。
上司からの評価は、あなたの望む未来を実現するための「材料」にするくらいの感覚で受けとめるのが、ちょうどよいのではないでしょうか。
上司の評価よりもより大切と感じられる「人生の軸」を持っておけば、必要以上に上司評価を恐れずに、日々の活動に専念できるはずです。
2)自分自身の「人生の軸」とやりがいを持って、働くためのポイント3つ
ここまで、上司からの評価が低いことが気になった時の対策について説明しました。
ここからは、上司からの評価を気にせずに、自分自身の「人生の軸」を持ち、より高い満足とやりがいをもって働くためのポイントについてお話していきます。
自分の将来実現したい像(キャリアビジョン)をイメージする
人は、明確な目標や目的がないと目先の事柄に意識を奪われがちです。
また、仕事をする際に「上司からの評価」を最優先目標に掲げる人は少ないでしょう。
つまり、上司からの評価が気になっているときは、働く目標・目的への意識が弱まっているときに起きやすいのです。
では、働く目標・目的を持つにはどうすればいいかというと、「仕事における、自分の将来目指したい像(キャリアビジョン)」をイメージすることが一番です。
キャリアビジョンをどうイメージしていくかについては、様々な方法があります。
ここでは、代表的な方法を3つ、紹介します。
キャリアビジョンの立て方①「5年後、10年後にどうなっていたいか」で考える
「5年後、10年後にどうなっていたいか」を考えたときに、いくつかプランやイメージが出てくる人はその流れでキャリアビジョンを考えていくとよいでしょう。
やり方は、一定の時系列ごとに「仕事で実現したいこと」と「そのためにやるべきこと」を考えます。
下の図のように表を作って埋めていくと、考えを整理しやすいでしょう。
上の図では時期を「1年後・5年後・10年後」に区切っていますが、思考を進めやすいように時期を変更してもかまいません。
ただし、「●か月後」などあまり短い期間に設定してしまうと現在の延長線上の仕事内容しか出てこなくなることが多いです。そのため、最短でも3年後までイメージするようにした方がよいでしょう。
「3年も先のことなど思いつかない」という人は、次の方法「キャリアビジョンの立て方②「4つの視点分析」で考える」で考えるのがおすすめです。
キャリアビジョンの立て方②「4つの視点分析」で考える
「4つの視点分析」とは、自身の過去と未来を、表層と深堀りに分けて整理する思考法です。
①→②→③→④の順番で、考えていきます。
たとえば、現在事務職で働いており、「最近新しい知識・スキルが獲得できていない」という課題感を持っている人は、以下のようにまとめることができるでしょう。
この思考法のポイントは、④の「自分はどうしたい?」について「べき論」では考えないことです。
実現したい未来像をポジティブに描くことはとても重要であり、それはその過程に対しても同様です。
上記例では「資格の取得」とありますが、仮にその人にとって資格の取得が大きな苦痛としか感じられない場合は、目指したとしてもうまくいかない可能性が高いでしょう。
4つの視点分析は、より良い未来のイメージを描き、具体的な行動を模索していくための思考法です。
自分らしい働き方・生き方ができることを目指しつつ、取り組んでみてください。
キャリアビジョンの立て方③「ロールモデル」で考える
ロールモデル(a role model)とは「自分の模範となる人物像」を意味します。模範となる側面は仕事の進め方や姿勢の他にも、考え方やライフスタイルなど多岐に渡ります。
人は多かれ少なかれ身近な人の影響を受けますので、意識・無意識問わずロールモデルをすでに持っている人も多いでしょう。
ロールモデルでキャリアビジョンを考える場合、「将来像に重ねてのイメージを付けやすい」、「向上心を掲げやすい」といったメリットがあります。
ただし、近年においては働き方の多様性と業務内容の専門化が進んだこともあり、「身近にロールモデルとなる人を見つけられない」ケースが多いといいます。
そのため、ロールモデルを活用してキャリアビジョンを立てる際は、以下を意識するとよいでしょう。
- 人との出会いの機会を多く持つ
- 関心分野の本を多く読む
- 「モザイク型ロールモデル」(複数の模範になる人物をパート毎に持つ)を取り入れる
ひとつ目とふたつ目は説明不要でしょう。
最適なロールモデルを見つけるには、自分自身が外部に対してより「開かれた状態」である必要があります。
また、みっつ目の「モザイク型ロールモデル」とは、複数の人の参考にしたい面を統合させたものを、目指すべき将来像にするということです。
□ □ □
以上、キャリアビジョンの立て方について3つの方法を紹介しました。
「これが自分に合いそう」と感じた方法から試してみてください。
また、興味のある人は複数の方法を試してみるとよいと思います。
普段あまり意識していなかった思考法を取り入れることで、これまで想像していなかった将来像を見つけられることもあるでしょう。
社内評価だけでなく、市場価値にも目を向ける
キャリアビジョンを立てたとしても、自分の現状把握ができていないと適切な行動はしにくいものです。
上司からの評価(社内評価)も現状把握に一定役立つこともありますが、それだけではなく「市場価値」についても目を向けておくとよいでしょう。
社内評価は多くの場合、過去の行動・取組み、そしてその結果としての実績・功績で判断されます。
それに対して、市場価値とはいわばその人の「将来価値」です。現状の知識・スキル・経験値から、これから先どれだけの活躍ができるかで価値が決まります。
なぜ社内評価だけでなく市場価値も大切なのかというと、社内評価が市場価値と連動していないケースは意外に多いからです。
キャリアビジョンで掲げた将来像と、現在の自分ぞれぞれの市場価値をイメージすると、現状把握とこれから取り組むべき行動をより明確にできます。
市場価値の測り方について一番確実なのは、リクナビNEXTやdoda、ビズリーチなどの求人サイトの求人情報(必要なスキル、経験などの人材要件と年収等の待遇条件)で確認することです。
自分自身が今持っているスキルや経験が、他社でどれくらいの待遇条件で求められるかわかれば、それがイコール「あなたの市場価値」になるのです。
市場価値の見定め方
同様に、キャリアビジョンで掲げた将来像に近い求人情報も見つけてチェックすると、その市場価値と、あわせて現時点とのギャップも見えてきます。
転職は、将来実現したい像(キャリアビジョン)に近づくための「手段」と捉える
「上司からの評価が低い」ことを発端に、転職を検討している人もいると思います。
ですが、発端がどうであったとしても、転職は将来実現したい像(キャリアビジョン)に近づくための「手段」と捉えるべきでしょう。
「今回の転職は、これから実現したい将来像に近づくために必要なものだ」と充分に思えるのなら、チャレンジする価値は十分にあると思います。
「上司からの評価が低い」という理由だけでの転職は、明確な転職方針が掲げづらくうまくいかないケースが多いです。
転職が最適な手段かを見極めるためにも、いちどここまで説明した内容を読み返してみてください。
ただし、上司からの低い評価だけでなくパワハラやモラハラを受けているという場合は、その限りではありません。
心理的安全のない職場環境は充分なパフォーマンスを出しにくいだけでなく、心身の健康状態に悪影響を及ぼすことがあります。
よりよい職場環境を目指しての行動を、すぐにでも始めることをおすすめします。
「まずは相談から」でおすすめの転職エージェント
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まとめ)「その評価は、自分にとってプラスにしていけるか」を考える
上司からの評価に限らず、「人の評価」は気になるものです。
他者からの評価をまったく気にせずにいられる人は、きっと少数派でしょう。
ですが、自分にとってプラスにならない評価を気にすることに意味・メリットはありません。
上司からの評価が気になったとき、それが「自分の為になっているか」をいちど考えてみるとよいと思います。
そして、「為になっているかどうか」の判断軸を持つためにも、自分が仕事で目指したい将来像(キャリアビジョン)を掲げておくことは非常に大切です。
今回紹介したキャリアビジョンの立て方の方法を参考に、あなたならではのキャリアビジョンを描き直してみてください。