未経験からクラウドエンジニアへ!転職成功の4ステップと必要なスキルを解説
[最終更新日]2025/10/03

クラウドエンジニアは、現在IT業界で特に注目されている人気職種のひとつです。クラウドエンジニアに憧れ、転職を目指す人も少なくありません。
高い収入が得られ将来性もある一方で、クラウドエンジニアには、インフラエンジニアやシステムエンジニア以上に幅広い技術力が求められることがあります。
目次
クラウドエンジニアへの転職におすすめの転職エージェント
対象エンジニア層 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務未経験~2年 | 実務未経験~2年 | 実務未経験~2年 |
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サービス名 | マイナビIT AGENT![]() |
リクルートエージェントIT![]() |
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メリット |
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デメリット |
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特に多いエンジニア職種 | アプリケーションエンジニア、インフラエンジニア、社内SE、SE・PG、PM・PL | プログラマー・Webエンジニア、社内SE、製品開発・ASP、組込み・制御エンジニア、ITコンサル | プログラマー・SE全般、PL・PM | プログラマー、SE、PL・PM、その他トレンド性の高い分野(エンタメ、ディープテック、SaaSなど) | SE・PG、PL・PM、インフラエンジニア、社内SE | Webエンジニア、インフラエンジニア、社内SE、クラウドエンジニア | Webエンジニア、インフラエンジニア、SE、PM、機械学習・AIエンジニア |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | 関東(東京・神奈川・千葉・埼玉)・関西(大阪府) | ◎全都道府県 |
おすすめの人 |
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公式サイト |
【1章】いまさら聞けない!クラウドエンジニアの仕事と役割の「今」

「クラウドエンジニア」という言葉を耳にする機会が増えましたが、具体的にどのようなお仕事なのでしょうか?
ひとことで言うと、クラウドエンジニアは、AWS(Amazon Web Services)などに代表される「クラウドサービス」を利用して、アプリケーションやシステムが動くための土台(インフラ)を設計・構築し、安定して動き続けるように支える専門家のことです。
そもそも、なぜ今「クラウド」が注目されているのでしょうか。従来のように自社でサーバーなどの機械を持つ方法に比べて、クラウドにはたくさんのメリットがあるからです。
クラウドの主なメリット | 説明 |
---|---|
コストを柔軟に調整できる | 必要な時に必要な分だけリソース(サーバーの性能など)を借りられるので、短期間の利用でもコストを抑えられます。 |
スピーディーに始められる | 物理的な機器の購入や設置が不要なため、Webサイトの管理画面から数クリックするだけで、すぐにサーバーを用意できます。 |
運用や保守の手間を減らせる | OSのアップデートなど、面倒なメンテナンスの一部をクラウドサービス側が自動で行ってくれるため、管理の手間が軽減されます。 |
故障に強いシステムを作れる | クラウドの巨大なデータセンターではデータが複数の場所で管理されており、万が一の故障にも強い構成になっています。 |
こうしたメリットから、多くの企業で新しいシステムを導入する際にクラウドを最優先で考える「クラウドファースト」という考え方が広まっており、クラウドエンジニアの重要性もますます高まっています。
従来のインフラ管理との根本的な違いは「操作方法」
クラウドエンジニアの仕事を理解する上で大切なのが、従来のインフラ管理との違いです。
これまでは、データセンターに設置された物理的なサーバーやネットワーク機器を、エンジニアが直接ケーブルを繋いだり、コマンドを打ち込んだりして設定していました。これを「オンプレミス」と呼びます。
一方、クラウドでは物理的な機器に触ることはありません。Web上の管理画面や「API」と呼ばれるプログラムの連携口を通じて、まるでソフトウェアを操作するようにインフラを構築・管理します。
この「操作方法」の違いが、求められるスキルの変化、つまり手作業から「コードを書くことによる自動化」へと繋がっているのです。

仕事内容①:設計・構築は「IaCによるコード化」が新常識
クラウドエンジニアの中心的業務である「設計」と「構築」。ここにも、今の時代ならではの特徴があります。
システムの土台を考える「設計」
まずは、お客様や自社のサービスが求める要件をヒアリングし、「どのようなインフラが必要か」を考える設計から始まります。安定性やセキュリティはもちろん、将来のアクセス増加なども見越した、拡張性の高い設計が求められる、非常に重要な工程です。
コードでインフラを組み立てる「構築」
設計図が完成したら、次はその通りにインフラを組み立てる「構築」のフェーズです。
ここで現在の主流となっているのが、「IaC(Infrastructure as Code)」という考え方です。これは、サーバーの台数やネットワークの設定といったインフラの構成情報を、プログラムのコードのようにテキストファイルで管理する手法です。
IaCを利用することで、手作業による設定ミスを防いだり、一度作った環境をボタン一つで何度でも正確に再現したりできます。このIaCを実現するためのツールとして、「Terraform(テラフォーム)」や「Ansible(アンシブル)」などが広く使われています。
仕事内容②:運用は「サービスの信頼性向上」と「コスト最適化」へ
クラウドは手間が少ないとはいえ、もちろん運用・保守の仕事がなくなるわけではありません。むしろ、その役割はより高度で、ビジネスに直結するものへと進化しています。
従来のインフラ運用は、サーバーが停止しないか監視し、問題が起きたら対応する「守り」の側面が強いものでした。
しかし現代のクラウドエンジニアは、それに加えて、より「攻め」の運用も担います。
役割 | 概要 |
---|---|
SRE/DevOps (サイト・リライアビリティ・エンジニアリング / デブオプス) |
開発チームと密に連携し、新しい機能をより速く、より安全にユーザーへ届けられるような仕組み作りや自動化を推進します。サービスの信頼性を高め、成長を支える重要な役割です。 |
FinOps (フィンオプス) |
クラウドは使った分だけ料金が発生するため、無駄なコストがかかっていないか常に監視・分析します。コストパフォーマンスを最大化し、会社の利益に直接貢献する、経営的な視点も求められる役割です。 |
活躍のフィールドは?「事業会社」と「SIer」それぞれの魅力
クラウドエンジニアが活躍する場は、大きく分けて「事業会社」と「SIer(エスアイヤー)」の2種類があります。どちらを選ぶかによって、働き方やキャリアの築き方が変わってきます。
事業会社で働く魅力
自社でWebサービスやスマートフォンアプリなどを開発・提供している会社です。自社のサービスのインフラ担当として、企画段階から深く関わり、サービスの成長をダイレクトに感じられるのが大きな魅力です。一つのサービスにじっくり向き合い、専門性を高めていきたい方に向いています。
SIerやコンサルティングファームで働く魅力
お客様(クライアント企業)の課題をITで解決する会社です。「クラウドを導入したい」というお客様を専門家として支援します。金融、製造、小売など、様々な業界の案件に携われるため、短期間で幅広い知識や経験を積むことができるのが魅力です。多様な環境で自分のスキルを試したい方に向いています。
【2章】データで見るクラウドエンジニアのリアルな年収と圧倒的な将来性
新しいキャリアを考えるとき、やはり気になるのは「お給料」と「将来性」でしょう。
ここでは、クラウドエンジニアがどれくらいの年収を期待できるのか、そして今後も長く活躍し続けられるお仕事なのかを、具体的なデータを交えながら見ていきましょう。
結論:年収は上がる?最新データに見る給与レンジ

結論から言うと、クラウドエンジニアは他のITエンジニア職種と比較しても年収が高い傾向にあります。
大手求人サイト「求人ボックス」の調査によると、正社員のクラウドエンジニアの平均年収は596万円となっており、ITエンジニア全体の平均年収よりも高い水準です。
参考:求人ボックス 給料ナビ「クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報 2025年9月時点」
特に注目したいのが、最も多くの人が該当する年収帯(ボリュームゾーン)です。下の表で他のエンジニア職と比較してみましょう。
職種 | 正社員の平均年収 | ボリュームゾーン |
---|---|---|
クラウドエンジニア | 596万円 | 535万円〜612万円 |
インフラエンジニア | 549万円 | 393万円〜462万円 |
システムエンジニア | 506万円 | 409万円〜476万円 |
平均年収もさることながら、ボリュームゾーンが他の職種と大きく異なっているのがわかります。
これは、クラウドエンジニアという職種が専門性を高く評価されており、多くの人が高待遇で迎えられている証拠と言えるでしょう。ITエンジニアとしての経験を活かして転職する場合、大幅な年収アップも十分に期待できます。
「+αのスキル」が年収アップの鍵!市場価値を高める技術とは
クラウドエンジニアとしてさらに高い年収を目指すには、「+αのスキル」を身につけることが重要です。
AWSなどの基本的なクラウドスキルはもはや「できて当たり前」の世界になりつつあります。その上で、以下のようなモダンな技術を扱えるエンジニアは、企業から引く手あまたとなり、年収も上がりやすい傾向にあります。
スキル | 概要 |
---|---|
IaC (Infrastructure as Code) |
Terraformなどを用いてインフラ構成をコードで管理・自動化するスキルです。効率化と正確性を高めるため、もはや必須と言っても過言ではありません。 |
コンテナ技術 (Docker / Kubernetes) |
アプリケーションを効率的に開発・実行するための技術です。特にKubernetes(クバネティス)を扱えるスキルは、現在の市場で非常に高い評価を受けています。 |
SRE / DevOpsの経験 | サービスの信頼性を高めたり、開発からリリースまでの流れを自動化・高速化したりする経験です。多くの企業が強く求めているスキル領域です。 |
これらのスキルは、クラウドをただ「使える」だけでなく、「いかに効率よく、安全に、そしてビジネスの成長に貢献できるように使いこなせるか」という、一歩進んだレベルの証明になります。
5年後、10年後も安泰?DXとAIが需要を後押しする理由

クラウドエンジニアは、将来性も非常に高い職種です。その背景には、社会全体の大きな2つの流れがあります。
① 企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進
一つ目は、あらゆる企業が取り組んでいる「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。これは、デジタル技術を使ってビジネスのやり方を根本から変革しようという動きのことで、その基盤としてクラウドの活用が不可欠となっています。
実際に、情報処理推進機構(IPA)の調査によると、日本企業の7割以上がすでに何らかの形でクラウドサービスを利用しているというデータもあり、この流れは今後ますます加速していくでしょう。
② 生成AIブームによるインフラ需要の拡大
二つ目は、近年の「生成AIブーム」です。ChatGPTのような高度なAIを動かすためには、膨大な計算能力を持つ高性能なインフラが必要です。これを自社で用意するのは非常に困難なため、ほとんどの企業がクラウドのパワフルな計算資源を利用します。
AIの活用が広がれば広がるほど、その土台となるクラウドを扱えるエンジニアの需要も比例して高まっていくのです。
これらの理由から、クラウドエンジニアは今後も社会に必要とされ続ける、将来性の高い仕事であると言えます。
参考文献:
・独立行政法人情報処理推進機構(IPA):「DX白書2023」
求人動向は?未経験でも挑戦できるポジションはあるのか
「クラウドエンジニアに興味はあるけど、未経験からでもなれるの?」という疑問を持つ方も多いかもしれません。
結論として、未経験からクラウドエンジニアを目指すことは十分に可能です。
求人サイトで目にする「未経験者歓迎」の文字。これは「社会人経験やIT業界の経験が全くない」という意味であることは稀で、多くの場合「クラウドの実務経験は問わないが、何らかのIT関連の経験や知識がある方」を指しています。
例えば、以下のような経験は、クラウドエンジニアへの転職において大きなアピールポイントになります。
経験内容 | 補足説明 |
---|---|
サーバーやネットワークの運用・保守経験 | クラウド環境は物理サーバーやネットワークの仕組みを基盤としているため、この経験があるとクラウドの構成やトラブル対応を理解しやすくなります。 |
プログラミングやWebアプリケーションの開発経験 | クラウド上で動くシステムやアプリの仕組みを理解できるため、開発チームとの連携や自動化スクリプトの作成にも役立ちます。 |
社内のITサポートやヘルプデスクの経験 | IT全般の基礎知識やトラブル対応力が評価されやすく、クラウド環境での運用サポート業務への応用が可能です。 |
もちろん、最初はシステムの監視や簡単な運用業務からスタートすることが多いですが、そこで経験を積みながら学習を続けることで、将来的にはインフラの設計や構築といった、より上流の仕事にステップアップしていく道が拓けています。具体的な学習方法や転職の進め方については、次の章以降で詳しく解説していきます。
【3章】ライバルと差をつける!クラウドエンジニア必須のモダン・スキルセット
クラウドエンジニアになるためには、どのようなスキルを、どの順番で学んでいけばよいのでしょうか?
求められる知識は多岐にわたりますが、ここでは「これだけは押さえておきたい」という必須スキルを、学習のステップに沿ってご紹介します。IT経験者の方も、未経験の方も、ご自身の現在地と照らし合わせながら読み進めてみてください。
【土台】全ての基礎!必須となるOS・ネットワーク知識
家を建てるのに土台が大切なように、クラウドという最新技術を扱う上でも、その根底にあるOSやネットワークといった基礎知識は欠かせません。
クラウド上のサーバーも、元をたどればLinuxなどのOSで動いていますし、サービス同士の通信にはTCP/IPといったネットワークのルールが使われています。
もしあなたがインフラエンジニアなどの経験者であれば、この知識は大きな武器になります。未経験の方も、まずはOS(特にLinux)とネットワークの基礎から学習を始めるのが王道です。この土台がしっかりしているほど、後々のクラウド技術の理解がスムーズになります。
【必須】まずはコレ!3大クラウド(AWS, Azure, GCP)の基本
土台となる知識を身につけたら、いよいよ主役であるクラウドサービスそのものについて学んでいきましょう。世の中には多くのクラウドサービスがありますが、特に「3大クラウド」と呼ばれる以下の3つを押さえておくことが重要です。
クラウドサービス | 特徴 |
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AWS (Amazon Web Services) |
世界No.1のシェアを誇るクラウドサービスのパイオニア。機能の豊富さや導入事例の多さが特徴で、求人数も最も多いです。 |
Microsoft Azure (アジュール) |
Windows ServerやOffice 365など、Microsoft製品との連携に強みを持つクラウドサービス。多くの企業で導入されています。 |
GCP (Google Cloud Platform) |
Googleの強力なインフラを活かし、データ分析やAI関連のサービスに強みを持つクラウドサービスです。 |
特にこだわりがなければ、まずは国内シェアNo.1のAWSから学習を始めるのが最も効率的です。情報量も多く、学習しやすい環境が整っています。具体的には、仮想サーバー(EC2)、ストレージ(S3)、データベース(RDS)、仮想ネットワーク(VPC)といった、インフラの根幹をなす基本サービスの使い方からマスターしていきましょう。
【新常識】インフラ自動化の2大スキル(IaCとコンテナ技術)

基本的なクラウドの操作を覚えたら、次は「いかに効率よく、安全にインフラを管理するか」という、ワンランク上のスキルを身につけます。ここで登場するのが、現代のクラウドエンジニアにとって「新常識」とも言える2つの技術です。
① IaC (Infrastructure as Code)
IaCは、第1章でも触れた通り、サーバーやネットワークの構成をコードで管理する技術です。
Webの管理画面を何度も手作業でクリックするのではなく、「こういう設定のサーバーを3台作る」といった内容をコードとして記述します。
インフラを「職人の手作業」から「誰でも再現できる設計図」へと進化させるこの技術は、作業のスピードと正確性を飛躍的に向上させます。代表的なツールには「Terraform」があります。
② コンテナ技術 (Docker / Kubernetes)
コンテナ技術は、アプリケーションをOS環境ごとパッケージ化して、どこでも同じように動かせるようにする技術です。
「自分のパソコンでは動いたのに、サーバー上では動かない…」といった開発でよくある問題を解決してくれます。
コンテナを作成する「Docker(ドッカー)」と、そのコンテナを大量に管理・運用する「Kubernetes(クバネティス)」は、セットで使われることが多く、今や多くのWebサービスの開発現場で標準的に利用されています。
【+α】キャリアを広げる応用スキル(サーバーレス・セキュリティ)
基本をマスターした先に待っている、さらに市場価値を高めるための応用スキルもご紹介します。これらを身につけることで、キャリアの選択肢が大きく広がります。
① サーバーレス技術
サーバーレスとは、その名の通り「サーバーの存在を意識することなく」プログラムを実行できる技術です。
サーバーの管理やOSのアップデートなどを全てクラウドサービス側にお任せできるため、開発者はアプリケーションのコードを書くことに集中できます。AWSの「Lambda(ラムダ)」などが代表的で、特定の処理を効率的に実行したい場合などに活用されます。
② セキュリティに関する知識
クラウドは非常に便利ですが、設定を一つ間違えるだけで、情報漏洩などの重大なセキュリティ事故に繋がりかねません。
そのため、クラウド環境を安全に保つためのセキュリティ知識は、エンジニアのレベルが上がるほど強く求められます。誰がどこまでアクセスできるかを管理する仕組み(IAM)や、不正なアクセスからWebサイトを守る仕組み(WAF)など、学ぶべきことは多岐にわたりますが、非常に重要なスキルです。
【4章】未経験からクラウドエンジニアへ!転職を成功させる4ステップ実践ロードマップ
さあ、いよいよ最後の章です。ここからは、憧れのクラウドエンジニアになるための具体的な行動計画を、「4つのステップ」に分けてご紹介します。
IT経験者の方も、これからチャレンジする方も、このロードマップに沿って一歩ずつ進んでいけば、着実に目標に近づけるはずです。
ステップ1:自身のスキルを棚卸し、学習の「軸」を決める

何事も、まずは「現在地」を知ることから始まります。
これまでのご自身の経験を振り返り、「何ができて、何が足りないのか」を客観的に把握しましょう。これは、今後の学習を効率的に進めるための、とても大切な準備運動です。
例えば、「サーバーの運用経験があるから、ネットワークの知識を重点的に学ぼう」とか、「プログラミング経験を活かして、インフラを自動化するスキルを身につけよう」といった形で、自分だけの学習計画を立てていきます。
ご自身の経験を「強み」としてどう活かすかを考えた上で、どのクラウド(まずは求人数の多いAWSがおすすめです)を学ぶか、どんなエンジニア(SRE、DevOpsなど)を目指すか、学習の「軸」を決めましょう。
ステップ2:手を動かして学ぶ!クラウド資格を「学習マイルストーン」にする

学習の軸が決まったら、いよいよ実践です。クラウド技術の習得で最も大切なのは、参考書を読むだけでなく、実際に手を動かしてみること。
AWSなどのクラウドサービスには、一定期間無料でサービスを試せる「無料利用枠」が用意されています。これを活用しない手はありません。まずはアカウントを作成し、実際に仮想サーバーを立ててみることから始めましょう。
とはいえ、闇雲に触ってもなかなか知識は体系化されません。そこで活用したいのが「認定資格」です。
資格の取得そのものが目的ではありません。資格の勉強は、広大なクラウドの世界で何を学ぶべきかを示してくれる「学習の地図(マイルストーン)」として、非常に優秀なのです。
未経験から始めるなら、まずは以下の最も基本的な資格から目指すのがおすすめです。
クラウド | おすすめの入門資格 |
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AWS | AWS 認定クラウドプラクティショナー クラウドの概念やAWSの主要なサービスについて、基本的な知識を問う入門資格です。 |
Microsoft Azure | Microsoft Certified: Azure Fundamentals Azureの基本的な概念や主要なサービスに関する知識を証明する入門資格です。 |
ステップ3:「作ったもの」で技術力を証明する。ポートフォリオの作り方

資格を取得して知識を証明できたら、次のステップは「その知識を使って何ができるのか」を形にすることです。
これが、転職活動における最強の武器となる「ポートフォリオ(=成果物)」作りです。
「自分にはそんな立派なものは作れない…」と不安に思う必要はありません。大切なのは、完成度の高さよりも「学んだ技術をどう活用したか」というプロセスを示すことです。
例えば、以下のようなポートフォリオが考えられます。
- 学習したIaCツール(Terraformなど)を使って、AWS上にWebサーバーの環境を構築し、そのコードをGitHubで公開する。
- 簡単なWebアプリケーション(自分のブログなど)を、コンテナ(Docker)化してクラウド上で動かしてみる。
こうした「作ったもの」は、あなたの学習意欲と技術力を何よりも雄弁に語ってくれます。履歴書や職務経歴書だけでは伝わらない、あなたのポテンシャルをアピールしましょう。
ステップ4:自分の強みを正しく伝える。クラウド転職に強いエージェント活用術

ポートフォリオが準備できたら、いよいよ転職活動の開始です。
ここでぜひ活用したいのが、IT業界、特にクラウド分野に詳しい「転職エージェント」です。
転職エージェントは、ただ求人を紹介してくれるだけではありません。あなたの経験やスキル、そしてステップ3で作成したポートフォリオを、企業の採用担当者にどうアピールすれば最も響くのか、プロの視点から客観的にアドバイスをくれます。
企業が公開していない「非公開求人」を紹介してくれたり、面接対策や書類の添削を手伝ってくれたりと、一人で活動するよりも心強く、成功の確率をぐっと高めてくれるはずです。
自分に合った企業との出会いは、まさに「縁」です。信頼できるキャリアの伴走者を見つけ、理想の転職を実現させましょう。
5)未経験からクラウドエンジニアへの転職におすすめのエージェント
ここからは、未経験からクラウドエンジニアとして活躍できる職場への転職を検討している方向けに、おすすめの転職エージェントを紹介します。
紹介するサービスはどれもクラウドエンジニアへの転職支援実績のあるエージェントです。
エージェントによってサポートの傾向や担当となるアドバイザーのタイプも変わりますので、まずは自分に合うエージェントを見つけていくうえで2~3社登録し、「ここがフィットする」というエージェントに利用を絞っていくとよいでしょう。
クラウドエンジニアへの転職におすすめの転職エージェント
対象エンジニア層 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務経験3年以上 | 実務未経験~2年 | 実務未経験~2年 | 実務未経験~2年 |
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サービス名 | マイナビIT AGENT![]() |
リクルートエージェントIT![]() |
レバテックキャリア![]() |
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特に多いエンジニア職種 | アプリケーションエンジニア、インフラエンジニア、社内SE、SE・PG、PM・PL | プログラマー・Webエンジニア、社内SE、製品開発・ASP、組込み・制御エンジニア、ITコンサル | プログラマー・SE全般、PL・PM | プログラマー、SE、PL・PM、その他トレンド性の高い分野(エンタメ、ディープテック、SaaSなど) | SE・PG、PL・PM、インフラエンジニア、社内SE | Webエンジニア、インフラエンジニア、社内SE、クラウドエンジニア | Webエンジニア、インフラエンジニア、SE、PM、機械学習・AIエンジニア |
対象地域 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | ◎全都道府県 | 関東(東京・神奈川・千葉・埼玉)・関西(大阪府) | ◎全都道府県 |
おすすめの人 |
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マイナビIT AGENT
マイナビ社が運営する、ITエンジニア転職に特化した転職エージェント。好条件求人の紹介、書類作成・面接準備へのサポートの手厚さに強みがあります。
マイナビIT AGENTは人材紹介会社の大手マイナビが運営する「IT/Webエンジニア専用」の転職支援をするエージェントです。
サポート対応地域は全国。オンラインでの面談も受け付けています。
マイナビIT AGENTの大きな特徴は、エンジニア向け求人数の豊富さ、そしてシステム会社から事業会社まで幅広い業界の求人に対応している点が挙げられます。
また、マイナビIT AGENTの所属アドバイザーは、全員がIT・Web業界に精通したプロフェッショナルです。
幅広い職種に対応している総合型転職エージェントとは異なり、エンジニアの転職事情を十分に理解しているため、転職者一人ひとりに適した開発環境や企業へのアプローチ方法についてアドバイスしてもらえます。
マイナビIT AGENTの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
リクルートエージェント
クラウドエンジニア求人数は国内最多!豊富な転職ノウハウと支援ツールで、「スピーディな転職」を実現できます。
リクルートエージェントは国内No.1の求人数と転職支援実績を誇る転職エージェントです。
これまで培ったノウハウをもとに開発された「サービス体制」と「支援ツール」が非常に高品質であることが、リクルートエージェントの強みです。

たとえば、リクルートエージェントでは志望企業の特徴・評判といった分析から選考のポイントまでをまとめた「エージェントレポート」を用意してくれます。
別職種からクラウドエンジニアへの転職の際は、その職場の必要なスキルから開発環境まで、入念な企業研究が欠かせません。その際に、レポート情報は大いに役立つはずです。
また、担当アドバイザーもこれまでの実績をもとにクラウドエンジニアの転職に関する有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
リクルートエージェントの特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
レバテックキャリア
レバテックキャリアの担当エージェントは全員エンジニア経験者。「希望の企業に転職」96%、「転職後の年収アップ率」80%以上の高い実績を誇ります。
レバテックキャリアは「エンジニア実務経験者」のサポートに特化した転職エージェントサービスです。
保有求人数もIT・Web業界特化型サービスの中ではトップクラスで、クラウドエンジニアの求人も豊富に取り揃えています。
また、クラウドエンジニアの専門知識を持つ担当エージェントからサポートを受けられます。
とくに書類添削サポートおよび企業への交渉力に強みがあり、「希望の企業に転職」96%、「転職後の年収アップ率」80%以上と、非常に高い実績を誇っています(※公式サイトより)。
「年収アップなど待遇面での改善をしたい」、「エンジニアとしてのキャリアプランを掘り下げたい」、「書類や面接で評価してもらえるようアドバイスを欲しい」というエンジニアは、レバテックキャリアがおすすめです。
レバテックキャリアの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
ユニゾンキャリア
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IT業界、Web業界について詳しく教えてもらいながら転職活動をしたい人におすすめの、「寄り添い型」転職エージェントです。
ユニゾンキャリアは、主にIT・Webエンジニアを目指す人向けの転職エージェントです。
未経験者向けの支援も積極的におこなっており、転職活動に不安を感じている人や経歴に自信がない人にもおすすめです。
同サービスの特徴でとくに押さえておきたいのが、「書類作成・面接対策をじっくり支援」してくれること。一人あたり最低5回以上の面談機会を設けつつ、転職者の活動を力強く支援します。
ユニゾンキャリアを利用した人たちの評判・口コミからは、「未経験に対して優しく、かつ的確なアドバイス」、「キャリア相談が手厚かった」「自信を持って面接に臨めた」といった意見・感想が多く見られます。
ユニゾンキャリアの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 関東(東京・神奈川・千葉・埼玉)・関西(大阪府) |
クラウドエンジニアの公開求人数 | 非公開 |
ワークポート
キャリアチェンジの支援に強い転職エージェント。PG→SE、SE→PLといったエンジニアのキャリアチェンジの際にも積極的な支援が期待できます。
ワークポート(WORKPORT)は全国都道府県に拠点を展開し、キャリア相談はじめ対面での面談に力を入れています。なかでもIT・Web業界の支援に強い転職エージェントです。
全都道府県の地域を対象としており、オンライン面談も受け付けています。
また、ワークポートに登録した際に担当となってくれる転職コンシェルジュ(アドバイザー)は、積極的な求人提案をしてくれることでも知られています。
転職先を検討するにあたって、できるだけ多くの求人を比較した上で応募先を決定したい人や、担当アドバイザーからの提案を多く受けたい人は、ワークポートのサポートがマッチしやすいでしょう。
他の転職エージェントに登録したものの、想像していたほどクラウドエンジニアの求人を紹介してもらえなかった人や、担当者のレスポンスが鈍く転職活動が進まないと感じていた人にこそ、ワークポートを利用するメリットを実感できるはずです。
ワークポートの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
ギークリー(Geekly)
ギークリーはIT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェント。各職種別に専門コンサルタントが在籍しており、目指す領域の最新トレンドをキャッチしながらの転職活動が実現できます。
Geekly(ギークリー)は、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントサービスです。
他の転職サービスには掲載されていない「非公開求人」の数も豊富で、独自のノウハウにより転職者の希望の条件にマッチする企業の紹介を行っています。
ギークリーのキャリアコンサルタントは、最低でもIT業界で3年以上のコンサルティング経験を持っています。中には未経験からクラウドエンジニアへの転職に成功した事例をいくつも持っているコンサルタントもいることでしょう。
特化型エージェントだけにIT業界への転職支援に強く、企業のコアな情報を転職希望者に提供していることに定評があります。キャリアコンサルタントの専門性も高く、エンジニアの経験やスキルレベルをしっかりと把握してくれるので、マッチングの精度が高いのも大きな特徴です。
また、エンジニア、クリエイター、ゲーム、営業など、分野ごとに専門チームを設けて、それぞれの分野の知見の深いカウンセラーがキャリア相談やおすすめの求人を紹介してくれます。
クラウドエンジニアへの転職は、「どの業界で目指すか」の観点も重要です。目指す業界が明確にある場合、ギークリーの専門サポートは大いに役立つでしょう。
ギークリー(Geekly)の特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
拠点 | 東京 |
【まとめ】必要なスキルを確実に身につけ、クラウドエンジニアを目指そう
クラウドエンジニアは将来性や年収が高い職種ですが、そのぶん多方面での高いスキルが求められます。
クラウドエンジニアに必要なスキルは高度かつ多岐にわたるため、計画的な学習と実務経験の積み重ねが重要です。
まずはインフラエンジニアとして経験を積むことは、必要なスキルを確実に身につけるおすすめの方法です。
クラウドに関するプロジェクトに携われると、さらによいでしょう。
さまざまなプロジェクトで経験を積みつつ、クラウドエンジニアに必要なスキルは自ら率先して学ぶ姿勢も必要です。
資格の取得もよい方法です。
その上で、クラウドエンジニアをよく知る転職エージェントを活用し転職活動を進めることがおすすめです。まずは必要なスキルを確実に身につけることから始めましょう。