ホステスから介護士へ。「置かれた場所で咲く」ということ。|私の転職体験談
転職前
- 職業
- ホステス
- 職種
- サービス業
- 従業員規模
- 30人
- 年収
- 300万円
転職後
- 職業
- 介護士
- 職種
- 介護・福祉
- 従業員規模
- 60人
- 年収
- 230万円
目次
ゆかさんの転職ストーリー
1これまでの私
世間一般のイメージに負けることなく。
私は47になる歳まで、親戚の経営する飲食店で、ホステスを務めていました。
その店は業界でもかなりの高級店、お越しになるお客様も、お金持ちの方が多かったです。
はじめは世間体なども気にし、なかなか表立って自分の職業について話をすることができませんでした。
女手一つで娘を育ててきたのですが、娘が幼い頃、夜遅くに家を出て行く私を、彼女はどれだけ寂しい思いで待っていることか。
それを思うと、はたしてこのまま仕事を続けるべきか、悩むこともありました。
しかし、同時によかったこともあります。
それは、お客様との会話を通じて、かなりの接客スキルを身につけられたことです。
お客様もいろいろな方がいらっしゃいますが、皆一様に、お酒を飲んで、日頃のストレスや迷いを吹き飛ばし、楽しい気分に浸りたくてお店に来てくださるのです。
私たちホステスは、そんな雰囲気づくりをお手伝いするお仕事。
世間一般にイメージされるような「いやらしい」仕事ではまったくないのだと、長年勤める中で誇りのようなものを感じてもいました。
2転職のきっかけ
背中を押してくれた娘のひと言。
私が転職をする覚悟を決めたのは、今から約2年前、私は47歳、娘は大学を卒業し、社会人になる年でした。
私自身、仕事で「年齢」を意識し始める頃合いでしたし、いつまでも親戚の庇護のもと生活するのも、気が引ける思いでした。
娘は成長していくにしたがって、私の仕事への理解を自分なりにつけていたようですが、彼女が家を出て行く際に、
- 娘
-
「私も一人で頑張れるからさ、お母さんももう、好きなことしていいんだよ?」
と声をかけられて。
私は「なに生意気言って!」と笑って彼女を見送りましたが、そのあと一人になった家で、泣きました。
数年前に母がくも膜下出血で入院し、世話をしているうちに、私はひそかに介護の仕事への憧れを自分の中で育てていました。
娘の言葉に甘え、私自身も自分の人生を新たに歩みだそうと、転職を決意しました。
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3転職活動中
転職活動は、焦らず、じっくりと。
娘の学費や養育費の負担がぐんと減った分、経済的には楽になりました。
同時に独り暮らしの寂しさも募りましたが。
しかし総じて、気持ち的には余裕のある状態で、転職活動が進められたと思います。
「介護職」のあたりはつけていましたから、あとは機会を待つのみ。
フリーペーパーを片手に、来る日も来る日も求人を見つめ続けました。
転職エージェントに頼らなかったのは、ひとえに私自身の意地みたいなものがあったのかもしれません。
「もう誰かに頼ってばっかでいたくない」という気持ちと、「自分の力で、自分にふさわしい場所を見極めたい」という気持ちと。
気持ち的に余裕があったからこそ、焦らずじっくりと、いろいろな求人を吟味できたのだと思います。
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4転職後
新しい職場で、待ち受けていた状況は。
私が転職することになったのは、自宅から車で10分ほどの距離にある、特別養護老人ホームでした。
開放感のある明るい施設で、施設長の方も、人柄がにじみ出るような温厚な顔立ちをされていたのが印象的でした。
未経験というハンデはありましたが、長年接客業で、自分よりも年上の方との接し方には自信もあったので、入所早々、私は利用者10人の担当になりました。
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気になったのは、職員同士のギスギスした雰囲気ですかね。
どこもこういう感じなのかもしれませんが、前の職場がとても和気あいあいとした雰囲気だったので余計にそう感じられました。
右も左も分からない私をつかまえては「どうしてこんなこともできないの?」とお小言をもらう日々でした。
5その後、どうなったか。
転職を振り返って、今思うこと。これから、目指したいこと。
当たり前のことですが、「誰でもできる仕事なんてない」ということです。
それぞれの場所で皆努力して、その仕事をこなしているのだと、改めて気づきました。
あと、長く働き「ベテラン」と呼べる方ほど、実は小さなミスをしやすい、ということにも気づきました。
その小さなミスは、大抵笑って誤魔化されています。
周囲からしたら、「そのキャリアでそんなミスをするはずがない」と思われているので、許されてしまうんですよね。でも、ミスはミスです。
実は私も、前職ではうっかりミスが多かったでのですが、「あぁ、私も前の職場では、若い子からこういう風に見られていたのかな」と、反省しました。
今後取り組んでみたいことは、介護職員としてレベルを上げることです。
介護関係の資格を取るのももちろんですが、「人間対人間」という気持ちをいつも忘れず持っていたいと思います。
介護職員をしていると、利用者さんを自然と「下」に見るようになる方も見受けられます。
それを見ると、とても胸が苦しくなります。
たとえ認知症の利用者さんでも感情はきちんとあるんです。
自分が雑に扱われていることだって、きっと伝わっていると思います。
私自身も人間性を磨くことで、利用者さんが気持ちよく生活できるように努力していきたいと思っています。
利用者さんが何を求めているのか、それをいち早く察知できるアンテナを磨きたいですし、もっともっと優しい人間になりたいと思っています。
今の職場が、笑顔であふれる場所になったら嬉しいです。
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