私たちは「グローバル人材」になれるのか?そもそもグローバル人材はなぜ必要?
[最終更新日]2024/07/21
経済や産業のグローバル化という言葉は、いまや広く一般的に使われるようになりました。
国内だけでなく海外の需要に応える方向へと舵を切る企業をはじめ、日本人に限らず多国籍の従業員を受け入れる企業も増えてきた中、しばしば耳にするようになったのが「グローバル人材」の必要性です。
これまでも、商社や外資系企業など、グローバル社会を舞台に活躍する人材は存在していました。一方で、内需をターゲットとしてビジネスに携わってきた人からすると、グローバル人材という言葉が自分とは縁遠いもののように思えてしまうことがあるかもしれません。
目次
1)「自分はグローバル人材だと思う」「グローバル人材になりたい」という人はどれくらいいる?
今回、私たちは20〜30代のビジネスパーソンを対象にアンケートを行い、グローバル人材に関する意識調査を実施しました。アンケートでは、次の質問項目を設け、回答してもらうことにしました。
・あなた自身は、「グローバル人材」に当てはまると思いますか?
・あなたは今後「グローバル人材」になりたい(またはそうありつづけたい)と思いますか?
グローバル人材になりたい・なりたいとは思わないと答えた理由もあわせて紹介していきますので、ご自身の考えとも比べながら、いまビジネスパーソンはどのようなことを考えているのかを知る手がかりにしていただければ幸いです
20~30代の5人に4人は、「自分はグローバル人材に当てはまらない存在」だと思っている
現状、20〜30代のビジネスパーソンは自分自身のことをどう見ているのかを知るために、「あなた自身は、『グローバル人材』に当てはまると思いますか?」という質問を投げかけてみました。この質問に対する回答は、下のグラフの結果となっています。
参考:20~30代の方へのアンケート「あなた自身は、「グローバル人材」に当てはまると思いますか?」
「まったく当てはまらない」「ほとんど当てはまらない」と答えた人を合わせると、およそ5人に4人のビジネスパーソンは「自分はグローバル人材ではない」と考えていることが分かります。
グローバル社会になりつつあるとはいえ、今なお多くのビジネスパーソンにとってグローバル人材は決して低くないハードルであり、自分には縁遠いものと考えている節があることが見て取れます。
一方で、「当てはまる部分もある」「少なからず当てはまる」と答えた人が全体の2割以上いたことから、現状ですでにグローバル人材として活躍している人がいるという事実も見えてきます。
この結果だけを見ると、「一部の人がグローバル人材として活躍している」という事実を示していることになり、多くの人が抱いている日本のビジネスパーソンのイメージとそれほど大きな開きはないかもしれません。
しかし、今回の調査で注目すべきは、次の「グローバル人材になりたい(あり続けたい)と思いますか?」という質問に対する回答です。
現状ではグローバル人材に該当しないと考えている人の中にも、グローバル人材を少なからず意識している事実が浮かび上がってきたのです。
一方で、「今後グローバル人材になりたい(またはグローバル人材であり続けたい)」人は全体の約70%
現状では5人中4人が「自分はグローバル人材に当てはまらない」と考えているとはいえ、グローバル人材を目指す必要性を感じていないわけではないようです。
下のグラフに表れている調査結果を見てください。
参考:20~30代の方へのアンケート「あなたは今後「グローバル人材」になりたい(またはそうありつづけたい)と思いますか」
実に7割弱の人が「今後グローバル人材になりたい・今後もあり続けたい」と答えているのです。
つまり、「現状ではグローバル人材ではないけれども、今後はグローバル人材を意識していく必要性は感じている」という人が少なからずいることが分かります。
グローバル人材を目指す必要性を感じている人は、なぜそのように考えているのでしょうか。
「今後「グローバル人材」になりたい(またはそうありつづけたい)」と答えた人の理由内訳
最も多かった回答としては、「これからの働き方で求められるから」です。
次いで「自身の活躍の場を広げたい」と考えている人も数多くおり、グローバル社会における働き方はこれまでビジネスパーソンに求められてきた資質とは異なることを意識している人が少なからずいることを示しています。
また、「視野の広がりや人生の充足」「他者との繋がり・交友関係の幅を広げたい」といった理由を挙げる人もいることから、グローバル人材を目指すことによって自身のキャリアにプラスに作用すると感じている人もいることが確認できます。
「今後「グローバル人材」になりたい(またはそうありつづけたい)」と答えた人の理由コメント(一部抜粋)
「今後、グローバル人材になりたい」タケヒコさん
自身の活躍の幅を広げたいから
まずは日本語以外の言葉が喋れてそれを仕事に活かしていることと、日本と外国を繋げるような仕事もやっているために自分自身はグローバル人材に当てはまると思っています。
個人レベルで日本だけで働いて生活していくことは問題なくできると思いますが、これからは海外に出ていった方が確実にできることは増えるでしょう。
自分の視野を広げるためにもグローバル人材でありたいなと思っています。
上のお二人に共通するのは、日本の世界の中での立ち位置が変化していることや、産業構造が変化していることへの危機意識と言えるでしょう。
ある意味、「致し方なく」グローバル人材を目指さざるを得ないと感じていると言えるかもしれません。
一方で、グローバル人材を目指すことでプラスの効果を得られると考える人もいます。
「今後、グローバル人材になりたい」sansanさん
視野の拡がりや人生の充足に繋げられそうだから
わたしの考えるグローバル人材のイメージの一つに「視野が広く異文化に理解がある」があります。
この思想的観点ではグローバル人材でありたいと思いますが、おそらく一般的にイメージされる「海外で活躍する日本人」的なグローバル人材になりたいとは特に思いません。
日本にいて外国の方と接する機会があれば、もちろんお互いに良い関係でありたいですが、積極的に海外に出て関係を築くようなことはしたいと思いません。
「今後、グローバル人材になりたい」りんさん
視野の拡がりや人生の充足に繋げられそうだから
以前、カンボジアへ何度かボランティアで行き、向こうの学生や障害を持つ方に作業療法士という職種について紹介したりした事があります。私はこの活動が気に入っていましたし、行ける機会があるなら、また行きたいと思っています。ですので、グローバル人材には多少当てはまる部分があるのではないかと感じました。
グローバル人材の方は、どんな事にも前向きにチャレンジ出来る自信やメンタルを持ち合わせていると思います。 私自身も、カンボジアへ行ってからは、より広い視野で、かつ前向きに物事を考えられるようになりました。
自分自身の成長にもなると思い、グローバルな考え方が常に出来るようになりたいと思います。
「今後、グローバル人材になりたい」marimocさん
他者との繋がり・交友関係の幅を広げたいから
「グローバル人材」とは「他言語が話せる」ということですよね。仕事の幅が広がることにつながるので憧れます。今後、グローバル人材は多くの場面で必要とされると思うので仕事に困らないでしょうし。
また、仕事に生かせるかどうかだけでなく、他言語が話せると世界中の人と意思疎通が可能になるので非常に魅力的に感じます。
自身の視野や交友関係を広げる上で、グローバル人材としてのものの見方が役立つと考えていることが分かります。
実際に海外で働くかどうか、外国語を使うかどうかという点については、人によって考え方に差があることもお分かりいただけるはずです。
「今後「グローバル人材」になりたいとは思わない」と答えた人の理由内訳
一方で、グローバル人材になりたいとは思わないと回答した人の理由についても確認してみましょう。
「今後「グローバル人材」になりたいとは思わない」と答えた人の理由コメント(一部抜粋)
「グローバル人材になろうとは思っていない」うえさん
自分にはその資質が無いから
やはり人から認めてもらえることは嬉しいし誇りに感じるので、他者からグローバル人材だと思われたいのですが、私にはそのような能力はないと思います。
昔から誰かに指示したりすることが苦手で、リーダーシップとは程遠く、誰かの下で働くことが私には合っていると思うからです。
「グローバル人材になろうとは思っていない」たけむらさん
自分には必要ないと思っている
私自身英語を勉強するのは好きなのですが、あくまで趣味の話であって、ビジネスの面から考えてみると自分はグローバル人材にあてはまらないと思いました。
そして今は日本国内で自分達の商品を売るように努力して進んでいくだけですので、グローバル人材になりたいとはあまり思いません。
「グローバル人材になろうとは思っていない」ゆうごんさん
自分にはその資質が無いから
海外で頑張れるような自信ではないですし、気持ちも弱いのでグローバル人材にはなりたくないなと思っています。
最初から海外で頑張るような強い気持ちがあったとしたら、グローバル人材になりたいかなとは思っていたかもしれませんね。
自身の適性や能力の面で、いわゆるリーダー的な立場で活躍する自信がないと感じている人もいるようです。
また、現状で内需への対応でビジネスが成立していることから、無理にグローバル人材を目指さなくてもよいと考える人もいます。
このように見ていくと、「グローバル人材」とひと口に言っても、その定義や求められる能力には人によって認識の差があることが分かります。では、そもそもグローバル人材とはどのような人のことを指すのでしょうか。
2)グローバル人材のそもそもの定義は?
グローバル人材とは、言葉通りに捉えるとすれば「グローバル社会を舞台に活躍できる(またはその資質を持つ)人物」ということになります。
多国籍企業で通用する人材、あるいは国際色豊かな職場でリーダーシップを発揮できる人材、といったイメージになるでしょうか。
ここ数年、グローバル人材という言葉が広く使われ始めたことに伴って、グローバル人材の定義や解釈に幅が生じています。
そこで、グローバル人材という言葉が示すそもそもの定義をいったん整理し、求められている能力がどのようなものであるかを明確にしておきたいと思います。
「グローバル人材 = 語学力を駆使してビジネスをすること」ではない?
グローバル人材についてよく言われているイメージの1つに「語学力」があります。
英語が堪能だったり、中国語などいくつかの言語を操ってビジネスミーティングを進められるような人材——。こうしたイメージが独り歩きしている感がは否めません。
実は、グローバル人材について、総務省と文部科学省がそれぞれ定義を公開しています。
総務省のグローバル人材の定義
日本人としてのアイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身に付けて様々な分野で活躍できる人材
文部科学省のグローバル人材の定義
グローバル化が進展している世界の中で、主体的に物事を考え、多様なバックグラウンドをもつ同僚、取引先、顧客等に自分の考えを分かりやすく伝え、文化的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の差異を乗り越えて、相手の立場に立って互いを理解し、更にはそうした差異からそれぞれの強みを引き出して活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み出すことができる人材
総務省・文部科学省ともに、「文化」への深い理解を重要視していることが読み取れます。
また、コミュニケーションや相互理解によって新しい価値を生み出し、幅広い分野で活躍できる人材が求められていると考えている点では一致していると考えられます。
ここで重要なのは、少なくとも「英語が話せればよい」「語学力が最重要である」とは述べられていない点です。
たしかに異国・異文化のバックグラウンドを持つ人々と共に仕事をしていく以上、語学力は必要なスキルの1つになることは間違いありませんが、語学はツールの1つに過ぎず、その先にあるコミュニケーションや相互理解こそが重要とされているのです。
グローバル人材と聞くと、どうしても「語学力」がイメージとして先行しがちですが、語学力を駆使してビジネスに携わることが主軸になっているわけではないことに注意が必要です。
3)グローバル人材は、この先どんどん求められるようになる?
グローバル人材について考える上で、もう1つ重要な視点として「果たして本当にグローバル人材が今後ますます求められるようになるのだろうか?」という点があります。
グローバル人材を目指す必要性を感じながらも、どう目指せばいいのか分からない・本気で目指すべきかどうかと言われると二の足を踏んでしまう、という人は、このあたりが漠然としているのかもしれません。
グローバル人材の必要性が今後増していくとすれば、主に次の3つの理由によるものと考えられます。
「国内マーケットの縮小に伴う、ビジネス・事業の海外展開の必要性」という考え
バブル経済期には、世界での企業が占める時価総額トップ10のうち、ほとんどの地位を日本企業が占めていたこともありました。
ところが、とくにリーマンショック以降、日本の国際的な存在感がみるみる小さくなっており、国内マーケットが急激に縮小しつつあることはもはや疑いようのない事実となっています。
下のGIF画像は、この35年の間に国同士の経済規模がどのように変化してきたかを如実に表しています。
Uhh, a pie chart, I guess
画像引用元:Uhh, a pie chart, I guess – GIF on Imgur
とくに2010年代に入ってからというもの、日本の占める面積が急速に小さくなり、変わって中国の存在感が大きくなっていることが明らかです。
このように、国内だけを対象にしていたのではマーケットの縮小は避けられるものではなく、海外への事業展開も視野に入れていかざるを得ない状況になりつつあるというのが、グローバル人材が重要視されるようになった1つの理由と言えます。
「インターネットの普及に伴うビジネス・コミュニケーションのグローバル対応の為に」という考え
私たちを取り巻くビジネス環境は、この20年ほどの間に急激に進歩しました。
たとえば、Skypeを使えば世界中どこにいてもインターネットに接続さえできれば音声通話・ビデオ通話ができてしまいます。
チャットツールであれば、時間を問わずいつでも相手にメッセージを送ることができ、すでにコミュニケーションにおいて国と国の壁は(技術的な意味において)なくなったと言えるでしょう。
また、一般消費者から企業に至るまで、もはや海外の製品を購入・利用するのは当たり前の時代になっています。PCやスマートフォンの分野では海外製のデバイスが日本勢を圧倒していますし、GoogleやAmazon、Facebookなど日本で広く利用されているサービスも海外発のものです。
ビジネスに携わっていく上で、すでに日本国内での需給で完結しているもののほうがめずらしくなっており、海外企業との取引や協力がごく自然に求められる時代になっていると言えます。
「各国の人たちに、『日本に来よう』『日本で働こう』と思ってもらえる為に」という考え
出生率の低下は、将来的に日本の人口が減少していくことを示しています。超高齢化により、今後は労働人口が減少していくのを避けることはできないため、外国人労働者や外国人旅行者の受け入れは喫緊の課題となっているのです。
ただし、これまで長らく日本人による日本人のためのサービスを展開してきた日本は、必ずしも外国人から見て「働きたい」「暮らしたい」と思える国にはなり切れていないのかもしれません。経済学者の井出英策氏は、自著にて次のように述べています。
そもそもの話、経済学的に言うと、成長を決めるファクターは明確なんです。一つ目は労働力人口、働く人口が増えること、あるいは生産年齢人口が増えること…だけど、これらは(日本は)減るに決まってますよね。
<中略>
どの国でも人材不足になったとき、本当に他の国の人たちが日本を選んでくれるのでしょうか。「日本に来てくれるというだけでもありがたい」という話になるかもしれません。
だけど、ヘイトスピーチはもちろん、外国人労働者に対するケアの不十分さを見ても、日本は本当に外国人に冷たい国だと感じてしまいます。ここをどう乗り越えるのかが問われます。
「いまこそ税と社会保障の話をしよう」(井出 英策著 東洋経済新報社)p120-121より抜粋
日本は、もはや「外国人が憧れる国」としての地位を失いつつあるのかもしれません。
これが現実なのであれば、私たちはビジネスシーンに留まらず、日常生活における振る舞いや行動もまた、外国人に選ばれる国になれるかどうかの重要な分かれ目になっているのかもしれません。
国際理解と聞くと難解なもののように思えるかもしれませんが、実は私たちの日々の暮らしにおいても、多様性を受け入れる視野の広さやバランスの取れた感覚を身につけることこそが、グローバル人材に求められる資質の1つであるかもしれないのです。
4)グローバル人材としての資質を高めていく為のポイント4点
グローバル人材は資格や免許ではありません。「これを身につければグローバル人材になれる」という何かがあるわけではないのです。
一方で、グローバル人材に求められる資質として、代表的なものがいくつか考えられます。そこで、グローバル人材としての資質をたかめていくために意識しておきたいポイントについてまとめました。
グローバル人材として求められる資質には、次の4つが挙げられます。
- 語学力
- 積極性
- 異文化への理解
- コミュニケーション力
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
語学力
多くの人にとって高いハードルと感じられるのが「語学力」でしょう。とくに、学生時代に英語が苦手だった人や、そもそも外国語を聞いたり読んだりすることに苦手意識がある人にとって、語学を習得するのは非常に大変なことのように思えるかもしれません。
ただし、よく言われていることの1つとして、ビジネスシーンで使われる英語にもさまざまなレベルがあり、簡単な打ち合わせや定型的なやりとりであれば、主だった表現さえ押さえてしまえば聞いたり話したりすることはそれほど難しいものではありません。
もちろん、商談を取り仕切って複雑な交渉をするとなると相応の語学力が必要になりますが、グローバル人材として活躍する人の全てがこのレベルの英語を身につけているわけではありません。
まずは自分の仕事に関わる表現や語彙を身につけることから気軽に始めてみましょう。表現できることが少しずつ増えていくと、やりがいや面白さが実感できるようになり、語学を学ぶことが楽しくなってくるはずです。
積極性
グローバル人材にとって、積極性は非常に重要な要素の1つです。異文化のバックグラウンドを持つ人同士で仕事をするとなると、自身の考えを明確に伝えると同時に、相手の主張を能動的に理解しようとする姿勢が求められます。
自分から物事に関わっていこうとする姿勢や、未知の情報を積極的に知りたい・取り入れたいと考えるマインドは、グローバル人材として不可欠な資質と言えるでしょう。
ビジネスにおいては、どのような知識や経験がのちのち線でつながって役立つか予測できるものではありません。
「これは自分には関係のないことだ」「今の仕事に当面必要ない情報だ」と決めつけず、興味関心を幅広く持っておくことが大切です。
これは人に対しても同様で、相手が持つバックグラウンドや置かれている状況に対して常に関心を持っていることが、結果的に積極性となって表れていくのです。
異文化への理解
人が生まれ育った環境から受ける影響は決して小さくありません。ある国や地域では当たり前とされていることであっても、別の国や地域では目新しいもの・奇異なものとして映るということは十分にあり得ます。
マナーや礼儀というレベルになると、国によってさまざまなルールや暗黙の了解があり、場合によっては無意識のうちに失礼な態度を取ってしまうこともあり得ます。
相手が持つバックグラウンドを「良い・悪い」「正しい・間違い」というゼロイチの思考で片付けてしまうのではなく、多様な文化や習慣があることを受け入れる姿勢を持つことがグローバル人材には求められるのです。
同時に、自国の文化や習慣について理解を深めることも重要です。「外から見た日本」という視点を持ち、自分が当たり前だと考えてきたことを客観視する必要があります。
そのためにも、自国の伝統や歴史的な背景に対する理解を深め、教養として持っておくことは重要なのです。
コミュニケーション力
グローバル社会を舞台としたビジネスと言っても、結局のところは人と人とが関わり合って築かれていくものであることに変わりはありません。
コミュニケーション力という言葉は、ともすると自身の考えをいかに伝えるかという視点で語られがちですが、会話の1つ1つに込められた相手への配慮や、場の雰囲気を和らげる気の利いたユーモアなど、コミュニケーションが指す範囲は実際にはもっと広いと考えたほうがいいでしょう。
コミュニケーション力は一朝一夕に身につくものではありませんが、逆を言えば外国語によるコミュニケーションに限ったものではありません。
日本人同士で日本語を介してコミュニケーションを図っているときでも、コミュニケーション力を伸ばすことを意識していくことは可能です。
日頃から、相手の意図をしっかりと汲んで話せているか、一方的に話してしまっていないか、相手の話をきちんと聞けているか、といったことを意識していくようにしましょう。
まとめ)目指したい未来を実現する方法の1つとしてグローバル人材を捉えよう
グローバル人材と聞くと、とてつもなくスキルの高い特別な人材をイメージしがちです。
しかし、「あるレベル以上の資質を身につければグローバル人材になれる」というものではなく、あくまで目指したい方向の1つとして、グローバル人材という選択肢があるに過ぎません。
ビジネスに限らず、私たちの暮らしは今後グローバル化が進んでいくと思われます。
多様な価値観を認め合い、未知の情報を柔軟に受け入れていくことは、私たちの人生をより豊かな実りあるものにしていくためにも有効なはずです。
今後、実現したいキャリアや成し遂げたい目標がある人は、グローバル人材という資質も考慮しつつ、方向性を考えてみてはいかがでしょうか。
個人としての視野をさらに広げると同時に、世の中をより良くしていくためのヒントの1つになるはずです。
「今後、グローバル人材になりたい」リチャードさん
これからの働き方で求められるから
海外赴任又は海外の企業で働くことにあこがれを持っています。このため、最低限必要される英語の勉強はしています。
また、これからは働くフィールドは日本だけでなく、海外も含まれ、雇用に関しても終身雇用などの安定がなくなるボーダーレス化が叫ばれるので、日々、スキルアップを行わないと生き残ることができないため、「グローバル人材」と呼ばれるほどのスキルを身に着ける必要があると考えます。