Webコーダーへの転職は要注意!未経験でWeb業界を目指す人へ
[最終更新日]2024/08/16
IT系の職種にはさまざまな仕事がありますが、なかでもWeb系とアプリ系は普段からユーザーとして触れる機会が多く、身近に感じる人が多いのではないでしょうか。
「Web系エンジニアの仕事に興味があるけれども、HTMLを少しかじった程度で実務経験がない」といった人が目指しやすい職種の1つにWebコーダー(HTMLコーダー)があります。
目次
1)そもそも、Webコーダーってどんな仕事?
Webコーダーの仕事とは
私たちがPCやスマホで目にするWebサイトは、HTMLで書かれています。
HTMLはマークアップ言語と呼ばれる言語の一種で、ページのスタイルを指定するCSSと組み合わせてWebページのレイアウトやデザインの処理をします。
Webコーダーは、ライターが書いた原稿やWebデザイナーがデザインしたデータを最終的にブラウザ上で問題なく見られるように設計を考え、HTMLをコーディングしてWebページを完成させます。
完成したWebページがChrome、Safari、Firefox、Bingといったさまざまなブラウザで問題なく表示・動作するかどうかをチェックするのも、Webコーダーの大切な役割です。
また、Webサイトは紙の本とは違い、公開後も随時新たな情報を追加して更新したり、内容に誤りや変更があれば修正したりといった管理をする必要があります。
場合によっては、サイトへのアクセス数を伸ばすためのSEO対策を求められることもあります。
Webコーダーの主な仕事内容
仕事内容 | 説明 |
---|---|
HTMLコーディング | ライターが書いた原稿やWebデザイナーがデザインしたデータを基に、HTMLを使ってWebページを作成する。 |
CSSスタイリング | CSSを使用して、Webページのレイアウトやデザインを指定し、視覚的に魅力的なページを作成する。 |
クロスブラウザチェック | 完成したWebページがChrome、Safari、Firefox、Bingなどの複数のブラウザで正常に表示・動作するかを確認する。 |
サイトの更新と管理 | 公開後のWebサイトに新たな情報を追加したり、誤りや変更があれば修正したりといった管理を行う。 |
SEO対策 | サイトへのアクセス数を伸ばすためのSEO対策を行うことが求められる場合がある。 |
Webコーダーの仕事の魅力・やりがい
Webコーダーの仕事の主な魅力・やりがいは、以下の2点が挙げられるでしょう。
- Webサイトのクオリティ・完成度の向上に直接関われる
- 広範なスキルと知識が身に付き、プロフェッショナルとして活躍できる
Webサイトが不具合なく表示され、ユーザーの利便性を保てるかどうかはWebコーダーの働きにかかっています。
そのためにはWebサービスにおける広範なスキル・知識が必要となり、自然とスキルアップする機会に恵まれやすいでしょう。
また、苦心して制作されたWebサイトが公開された際の達成感はひとしおです。
このように、Webサイトとしてのクオリティ・完成度を高めることに直接寄与できることも、Webコーダーのやりがいのひとつです。
Webコーダーの平均年収
Webコーダーの平均年収はおよそ350万円前後です。※
※リクナビNEXT,dodaなどの転職サイトの同職種求人の年収帯から算出(2024年3月)
WebコーダーはIT系エンジニアの仕事の中でも比較的、未経験者も目指しいやすい職種のため、給与ベースもプログラマーやデザイナーなどに比べるとやや低い傾向が見られます。
もちろん、年代や経験値によって、年収は上がっていきます。
未経験でのスタートであっても、新しい技術を積極的に学び、腕を磨いていくことで充実したキャリアを歩むことは決して難しくありません。
2)Webコーダーに向いている人の特徴
コツコツとした作業、集中力の必要な作業が得意な人
Htmlコーディングの作業は、ある程度決まった型があり、基本はそれに沿って作業を進めていきます。
そのため、常に変化のある環境というよりは、むしろ地道でコツコツとした仕事であり、必要な資質のひとつであると言えるでしょう。
また、「集中力」も同様に求められる仕事です。
時には長時間コーディング作業に専念することもあるでしょう。その際に集中力を途切れずに遂行できるかどうかも、Webコーダーの資質のひとつと言えます。
自ら学んでいく姿勢を保てる人
Webコーダーに関わらず、ITエンジニアは「自分から学んでいける」ことがとても大切です。
また、コーダーは技術職なので、教本を買ったりweb上でプログラミング練習を重ねたりといったことがしやすい仕事でもあります。
コーディングに関するスキルや知識が上がっていくと、次第に日常的に目にするWebサイトに関しても、流行や「自分だったらこうするかも」といったアイデアが自然と湧いてくるようにもなります。
コミュニケーションが苦ではない人
>エンジニアの仕事は、デザイナーやプログラマーなど、様々な役割の人と連携して進めていくことが多いものです。
そのため、相手の求めているものを正確に把握し、必要な際にはミーティングの機会を持つなど、一定のコミュニケーション能力は不可欠です。
3)未経験からWebコーダーを目指す際に注意すべき5つのポイント
HTMLコーディングだけでは、スキルアップはしにくい
Webコーダーという呼び方をされる仕事ですが、実際にはHTMLのコーディングだけを専門に行っている人はごく少数と考えていいでしょう。
現在ではWebサイトのデザインを定義するスタイルシートを作るにはCSSの知識が不可欠です。
また、近年のWebサイトではJavaScriptやPHPを駆使した動きのあるページが一般的になっています。
そのほか、データベース連携やそれに伴ってのセキュリティ対策などが求められることもあります。
言ってしまえば、「いかにWebコーダーからWebエンジニアとしての働き方に推移していけるか」が重要となるのです。
Webエンジニアとしてスキルアップしていくためには、プログラミングやサーバー・ネットワークなどWeb開発に関する知識を吸収し続けていくことが求められているのです。
参考:Webエンジニアに必要なスキル・知識
スキル・知識 | 説明 |
---|---|
HTML & CSS | HTMLはWebページの構造を定義し、CSSはデザインやレイアウトを設定するために必要なスキル。 |
JavaScript | Webページに動きを与えるためのスクリプト言語。インタラクティブな要素や動的コンテンツを実装するために不可欠。 |
PHP | サーバーサイドスクリプト言語で、動的なWebページやWebアプリケーションの開発に使用される。 |
データベース | データの管理と操作に関する知識。MySQLやPostgreSQLなどのデータベース管理システムを理解し、使用できることが重要。 |
セキュリティ対策 | Webアプリケーションのセキュリティを確保するための知識。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)などの脅威に対する防御策。 |
サーバー管理 | Webサーバーの設定と管理に関する知識。ApacheやNginxの設定、運用が求められる。 |
ネットワーク基礎知識 | インターネットやネットワークの基本的な仕組みを理解すること。HTTP/HTTPSやDNSなどのプロトコルの理解が必要。 |
バージョン管理 | ソースコードの変更履歴を管理するためのツール。GitやGitHubの使用方法を理解することが重要。 |
Webコーダーの給与は、他のIT職種と比べて低め
Webコーダーの給与水準は、他のIT職種と比べてやや低めとなるのが一般的です。
契約社員や派遣社員としてWebコーダーを募集する企業も少なくありません。
正社員として年収アップを目指していく際は、前述のとおりWebコーダーからまずはWebエンジニアへのキャリアアップを目指すべきでしょう。
毎日の業務とあわせて、仕事の幅を広げていくためのスキルの蓄積が大切です。
Webコーダーの、その先のキャリアプランをしっかり描くこと
Webコーダーは先につながるキャリアプランをしっかりと描いておくことが大切です。
Webコーダーからのキャリアパスでは、代表的なものに以下があります。
- マークアップエンジニア
- フロントエンドエンジニア
- Webデザイナー
- UI/UXエンジニア
マークアップエンジニア
コーディング、CMSの設計/構築、SEO(検索エンジン最適化)を主業務とする職種です。Webコーダーと比べてよりWebサイトのプランニングにも関わる領域に携わります。
フロントエンドエンジニア
Webコーダーの代表的なキャリアパスの1つです。
Webコーダーの上位職種にあたり、JavaScriptやPHPなどのプログラミング言語を用いてWebサイト全般の構築に携わります。
Webデザイナー
Webページ全般のレイアウトの制作や、グラフ、バナー画像などの制作を行います。
小規模な現場ではWebデザイナーがコーダーを兼務していることも少なくありません。
UI/UXエンジニア
サービスのUI(ユーザーインターフェース)およびUX(ユーザーエクスペリエンス)の設計・構築をする職種です。
サービスのユーザー体験を向上するための企画から実装まで手掛ける為、デザイン・プログラミングのスキルとあわせてマーケティング的思考が欠かせません。
前述のフロントエンドエンジニアおよびWebデザイナーとしての知識・経験を経たうえで目指せる職種といえます。
企業選びも重要。スキル・実績のステップアップが望めそうな企業を転職先に
未経験の業種に転職する場合、最初に経験する企業が先々のキャリアに影響を与えることはめずらしくありません。
たとえば、教育体制のしっかりした企業、中長期的な視点をもって人材育成に取り組んでいる企業の場合、ある程度経験を積んだ後に上位職種へのキャリアパスが提示されることもあるでしょう。
またはその逆で、エンジニアを「人力」として扱う企業であった場合は、HTMLコーディング以外の業務機会を持てないなど、スキル向上がしにくくなる可能性があります。
Webコーダーへの転職の際は、こうした企業の特性をしっかり見据えたうえで応募先を絞っていくことが大切です。
企業研究のポイント
企業研究をする際に、優先して見るべきポイントは以下の通りです。
チェック項目 | 確認ポイント | どこで確認するか |
---|---|---|
事業内容 | 自分自身の知識領域にあるか、また今後も興味・関心を持ち続けられる内容かを確認する | 企業HP |
主力商品・サービス | その商品・サービスの開発・運用を自身が携わることになる際に、どの範囲まで知っていて、どの範囲を知らないかを確認する | 企業HP、業界ニュース、四季報、業界地図、競合他社のHPなど |
強み・独自性 | 同業他社をいくつか確認し、「この会社ならではの特色・強み」がどこにあるかを見出す | |
企業理念 | 企業理念から、求められる人物像(主にスタンス面)をイメージし、自身との適合性を確認する | |
社風・雰囲気 | 歓迎される人物像や業務への取り組み姿勢をイメージする | インタビュー記事、口コミサイトなど |
求められる知識・スキル | 現在の自身の知識・スキルと照らし合わせて、過不足を確認する | 企業HP、求人票など |
こうしたリサーチを重ねた結果、「この企業で働いてみたい」「こういった文化の会社なら馴染めそうだ」といった手応えを得られれば、入社後のミスマッチを軽減する効果が期待できます。
Web業界へのサポートに強い転職エージェントの活用
転職活動を効率よく進めていくためには、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントは、転職者への求人紹介のほか、キャリアプランのアドバイスや書類添削・面接対策などのアドバイスを無料で行ってくれます。
「Webコーダーの転職を成功したい」という人が転職活動を進めていく上で、強力なパートナーとなってくれるのです。
特にIT系分野に特化した転職エージェントであれば、求人の紹介だけでなく、業界の最新情報やキャリアアップへのアドバイスなど、より具体的なサポートを期待できます。
次の章では、Webコーダーを含むITエンジニア職へのサポートに強い、代表的な5サービスを紹介します。
4)未経験からWebコーダーを目指す際のおすすめの転職エージェント
マイナビIT AGENT
マイナビ社が運営する、ITエンジニア転職に特化した転職エージェント。好条件求人の紹介、書類作成・面接準備へのサポートの手厚さに強みがあります。
マイナビIT AGENTは人材紹介会社の大手マイナビが運営する「IT/Webエンジニア専用」の転職支援をするエージェントです。
マイナビIT AGENTの所属アドバイザーは、全員がIT・Web業界に精通したプロフェッショナルです。
幅広い職種に対応している総合型転職エージェントとは異なり、エンジニアの転職事情を十分に理解しているため、転職者一人ひとりに適した開発環境や企業へのアプローチ方法についてアドバイスしてもらえます。
「Web開発の知識・経験はあるけれど、Webコーダーとしての実務は初めてになる」という人は、マイナビIT AGENTでこれまでの経験を活かした転職先を見出しやすいでしょう。
また、マイナビの転職サービスは「サポートの丁寧さ」にも定評があり、職歴書の作成や面接対策に不安を感じている人におすすめです。
マイナビIT AGENTの特徴
マイナビIT AGENTの特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
Webエンジニアの求人数 | 約7,000件(2024年7月現在) |
ワークポート
「未経験からの転職に強い」と評判の転職エージェント。非エンジニア職種からWebコーダーに向けてのキャリアチェンジの際にも積極的な支援が期待できます。
ワークポート(WORKPORT)は「業界・職種未経験者」のサポートに優れており、なかでもIT・Web業界の支援に強い転職エージェントです。
また、ワークポートに登録した際に担当となってくれる転職コンシェルジュ(アドバイザー)は、積極的な求人提案をしてくれることでも知られています。
他の転職エージェントに登録したものの、想像していたほど求人を紹介してもらえなかった人や、担当者のレスポンスが鈍く転職活動が進まないと感じていた人にこそ、ワークポートを利用するメリットを実感できるはずです。
ワークポートの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
Webエンジニアの求人数 | 約9,000件(2024年7月現在) |
doda
dodaのITエンジニア転職に特化した転職エージェント。幅広いエンジニア職種と地方求人の豊富さに強みがあります。
dodaは国内トップレベルの求人数と、担当アドバイザーから積極的な提案が評判の転職エージェントです。
保有求人は20万件以上(※2024年7月時点)、都市部だけでなく地方での転職支援にも強いです。
また、dodaは求人を自分で探して応募する「転職サイト」と、求人紹介から企業への応募、日程調整までアドバイスしてもらえる「転職エージェント」両方のサービスを利用できます。
「まずは自分でWebコーダーの求人をチェックしたい」という場合は、転職サイトのサービスを利用するとよいでしょう。
その後「応募や企業への交渉についてサポートしてほしい」となったときに、エージェントサービスに切り替えることもできます。
dodaの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
Webエンジニアの求人数 | 約1.1万件(2024年3月現在) |
リクルートエージェント
ITエンジニア求人数は国内No.1!豊富な転職ノウハウと支援ツールで、「スピーディな転職」を実現できます。
リクルートエージェントは国内No.1の求人数と転職支援実績を誇る転職エージェントです。
リクルートエージェントの強みは全業種・職種に対して豊富な求人数を持つこと、そして長年の実績で培われたノウハウ・転職支援ツールの充実さにあります。
Webコーダーを含めたWebエンジニアの求人は約6.5万件と、国内トップの保有数です(2024年7月現在)。数多くの選択肢から応募先を検討できるでしょう。
リクルートエージェントでは、志望企業の特徴・評判といった分析から選考のポイントまでをまとめた「エージェントレポート」を用意してくれます。
業界・企業情報はネットで公開されていないものも多いため、レポート情報はあなたの活動に大いに役立つはずです。
また、担当アドバイザーもこれまでの実績をもとにWebコーダーへの転職に関する有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。
リクルートエージェントの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
Webエンジニアの求人数 | 約6.5万件(2024年3月現在) |
まとめ)未経験からWebコーダーへの転職は、その先のステップも見据えておこう
Webコーダーは、Web系の職種の中でも初心者に門戸が開かれています。そのため、未経験者がWeb業界でキャリアをスタートさせるには、最適な職種です。
その反面、Webコーダーだけを今後何十年と続けるのは現実的ではありません。プログラマーやデザイナー、あるいはマネージャーを目指して仕事の幅を広げる努力を続けることが大切です。
Webコーダーを目指すからには、Webコーダーとして採用されて安心してしまうのではなく、3年、5年と先を見据えてキャリアプランを考えておきましょう。