生活支援員の仕事内容と向いている人・転職の進め方・注意点を紹介!
[最終更新日]2024/07/08
生活支援員の働き方や仕事内容について気になっていませんか?
「名前は聞いたことがあるけど、具体的にどのような職種か分からない」
という方もいるでしょう。
この記事では、障がい者施設等における生活支援員についてご紹介致します。
目次
1)「生活支援員」とは
生活支援員とは、その名の通り「生活を支援する人」のことです。障がい者施設などで身体や知能・精神に障がいを持つ方々の、日常生活における支援や就労の支援などを行ないます。
未経験歓迎の求人も多いため、障がい分野の施設に就職・転職したい方にも、生活支援員はおすすめの職種です。
それでは、生活支援員が実際にどのような仕事なのか、主な勤務先や、やりがい・大変なことについて、詳しく見ていきましょう。
生活支援員の主な業務内容
生活支援員の活躍の場や業務内容は多岐にわたります。本人がより自立した生活を送れるよう、日常生活上の支援や、職業訓練(創作・生産活動)、相談対応などを行ないます。
大きくは以下3つの業務に整理できます。
日常生活における支援 | 例えば、食事、衣類の着脱、入浴・排泄などの生活習慣が身につき、快適な日常生活を送れるよう支援します。 残存機能を活用するため、本人が行なえることは過剰に支援せず、必要に応じた見守りや支援を行ないます。 |
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職業訓練(創作・生産活動)の指導 | 農耕・園芸・木工・紙工・織物など、各種下請け作業(軽作業など)の、支援をします。 |
相談への応対 | 様々な相談に乗ります。例えば、人間関係の悩みや不満、障がいに対する不安などについて相談に応じ、日常生活が安心して送れるよう支援します。 |
無資格でも生活支援員として就くことは可能ですが、直接支援や介助をする場面が多く障がいへの理解が問われるため、基礎知識は身に付けておいたほうがよいでしょう。
生活支援員の主な勤務先の施設形態
障害支援の主な勤務先の施設形態は、以下が挙げられます。
グループホーム(共同生活援助)
障がいを持った方が少人数で、介護を受けながら共同生活を送る場所です。施設タイプは、通常下記の3種類に分けられます。
①介護サービス包括型:家事・入浴・排泄・更衣など、日常生活全般の介護を生活支援員などから受けられる施設です。
②外部サービス利用型:身体的な介護は、外部の介護事業者と契約を取り交わし、そこの事業所職員が行ないます。家事や相談対応については、グループホームの生活支援員が行ないます。
③日中活動サービス支援型:平成30年の法改正により新たに創設されたタイプのグループホームで、それまでは対応外であった重度心身障害者の短期間の入所や、一時的な宿泊施設として利用できます。
※ちなみに、高齢者向けのグループホームもありますが、そちらは「認知症対応型共同生活介護」と言い、介護保険の適応施設です。
就労継続支援事業所(A型・B型)
就労を希望する障がいを持った方が仕事をする場です。一般企業への就職に不安があったり、困難である方が対象の事業所です。
①A型:雇用契約あり。給与あり(例:月約7万円)。
②B型:雇用契約なし。給与なし(例:月約1~2万円)。
就労移行支援事業所
就労を希望する障がいを持った方が、一般企業へ就職するために、必要なスキルを身に付ける事業所です。原則、給与は発生しません。
2)生活支援員の仕事のやりがい・大変なこと
生活支援員の仕事のやりがい
生活機能の向上やスキルアップに立ち会える
障がいのある方は、これまで出来ていたことが出来なくなってしまうなどの理由により、施設や事業所を利用します。
しかし、出来なくなったことは、この先もずっと出来ないことばかりではなく、訓練や工夫次第で出来るようになることもたくさんあります。そういった訓練などの現場に関われることは、大きなやりがいを感じられるはずです。
感謝の言葉を頂ける
福祉業界で働く上で、非常に大きなウエイトを占めるのがこの点ではないでしょうか。
利用者からの「ありがとう」が仕事を続けていく上でのモチベーションに繋がります。人の役に立っていると感じられる仕事です。
生活支援員の仕事の大変なこと
人間関係が難しい
職場では、身体、知的、精神など、様々な障がいを持つ利用者を支援するにあたり、一人ひとりにあった対応が求められます。
障がいが原因で起こってしまうトラブルも少なくありません。利用者と職員や、また利用者同士のトラブルに巻き込まれることもあります。
そういった状況が続くと、今度は職員同士の人間関係もトラブルが起きやすく、精神的に参ってしまう事があるため、常に相談できる職員仲間などとの人間関係を日頃から作っておく必要があります。
給与水準が低い
仕事を長く続けることにより多少の給与アップはあるものの、生活支援員の給与は決して高いとは言えません。
その経験を重ねる前に嫌になって辞めてしまうパターンも少なくないようです。
さらに、職場にもよりますが、土日祝日は関係なくシフト制で、地域のイベントに参加する際などは休日を返上して出勤することもあります。
3)生活支援員に向いている人
明るく、前向きに取り組める人
障がいには、大きく分けて2パターンあります。先天的なものか、後天的なものか。
特に後天的な障がいの場合、健常だった頃の自身をベースに物事を考えてしまうため、自身の障がいを受け入れるのに、とても時間が掛かります。
長い期間を掛けて、徐々に受け入れていくわけですが、想像もできないほどの苦悩を乗り越えて、前を向いて歩いて行っているはずです。
そういった方を支援する職員が、もしも暗くて後ろ向きな人だったら、どうでしょうか。
前を向いて歩いて行こうとしている利用者の足を引っ張るだけです。特に福祉の仕事をしていく上でこの明るく、前向きに取り組める点は非常に大事なポイントです。
そして、障がいを持つ利用者に対し、「介護をする」意識ではなく、支援にあたり「自身も生活支援員として学ばせてもらう・成長する」意識を持つことが大切です。
常に明るく、前向きで、謙虚に学ぶ姿勢を持つことが、生活支援員としての自分を成長させる大事なポイントとなります。
利用者に対して誠実に向き合える人
利用者に対して、誠実に向き合うことはとても重要です。障がいを持つ方は、純粋で繊細な心を持っていることが多く見受けられます。
時には何かが原因で、利用者に八つ当たりをされてしまうこともあるかもしれません。
トラブルが発生した際、例え9:1で、9利用者に原因があったとしても、自身の1を見つめなおし、9はなぜそのような事に至ったのか、よく傾聴し誠実に向き合う姿勢が重要です。そういった日頃からの誠実な姿勢を、利用者はよく見ているのです。
また、業務が忙しいからと言って、利用者の話をよく聞かず、聞き流していると、信頼関係を築くことは難しいでしょう。
利用者の立場に立って傾聴し、悩み事などに対し一緒に向き合っていくことで、その誠実さが必ず利用者に伝わるはずです。
障がいのある方は、健常者では想像もできないような深い悩みや不安を抱えて日々を過ごしています。そんな時に、優しく誠実に向き合うことで、お互いを必要とする存在になれることでしょう。
周囲と円滑なコミュニケーションが取れる人
生活支援員に求められる能力の一つとして、コミュニケーション能力が挙げられます。
生活支援員からの直接的な支援だけでなく、家族や各関係事業所などとのスムーズな『連絡・調整』が取れるかどうかも業務を行なっていく上で、重要になってきます。
また、相手の立場に立って物事を考えられるかどうか、も重要です。利用者だけでなく、家族や、他の職員、他の関係事業所との連携においても同様のことが言えます。
時には利用者の家族から一見、理不尽とも思えるようなことを言われてしまう場面に出くわすかもしれません。しかし、家族が利用者をどのような思いでこれまで支えてきたのかなどを考えてみると、納得できることも多々あるはずです。
相手の立場に立って物事を考えられ、連絡・調整がしっかりと行なえることは、生活支援員の業務を行なう上で、とても重要なポイントです。
4)生活支援員をめざす際に意識しておきたい3つのポイント
ここまでは、生活支援員の業務内容、主な勤務先、やりがいや大変なこと、どのような人が向いているのかについて紹介しました。
利用者への直接的な介護や支援だけでなく、施設内外での連絡・調整まで、その時の状況に合わせた臨機応変な対応力や、社会福祉の総合的な知識や技術が求められる生活支援員。
そんな生活支援員を目指す際、事前に意識しておきたい3つのポイントについて順に述べていきます。
生活支援員をめざす際に意識しておきたい3つのポイント
特別な資格は必要ないが、あった方が有利
生活支援員として就くために、特別な資格はありません。
無資格・未経験OKという事業所も少なくありません。しかし、介護や支援にあたり、やはり基礎的な知識は最低限必要になってくるのも事実です。
一般的には、国家資格である社会福祉士や精神保健福祉士、介護福祉士の資格を持っていることが理想とされています。
また、介護福祉士実務者研修(旧ヘルパー1級)や、介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)、社会福祉主事任用資格なども持っていると良いでしょう。
送迎などが業務に含まれる事業所であれば、普通自動車運転免許も求められます。他にも、福祉の資格を持っている場合や、福祉関連の事業所での実務経験がある場合は、採用試験の際のアピールポイントとなります。
やはり就職・転職を有利に進めたい場合は、明確に評価されやすい資格を取得しておくことをお勧めします。
雇用形態・会社の業態などを見て求人を探す
自身の考えやライフスタイルに合わせ雇用形態を選ぶと良いでしょう。正社員、パート社員、派遣社員が主な3種となります。
正社員は、様々な場面での判断を任されたり、責任が出てきます。責任を持って積極的に働きたい方に向いているでしょう。
パート社員は、正社員の指示を受けつつ業務に就くことが多いため、正社員に比べると精神的負担は軽くなります。給与は正社員に比べると低くなりますが、育児などライフスタイルに合わせ選ぶと良いでしょう。
派遣社員は、契約期間毎に継続するかどうか検討できるため、自身に向いていないと思った場合は、思い切って職場を変えることができるところが利点です。
また、会社の業態などについて調べておくことも大切です。事業所の法人は、医療法人、社会福祉法人、NPO法人など様々。
どういったところで、どの程度の規模なのか。勤務先は、グループホーム、就労継続支援事業所A型・B型、就労移行支援事業所など、様々な種類が存在します。人事異動の可能性はあるのかなども含め、知らべておくと良いでしょう。
介護・福祉の転職支援に強い転職エージェントを活用する
沢山ある職場から、自身の希望する職場を見つけるのはとても大変な作業です。
そこで、介護・福祉の転職を専門とした転職エージェントを活用すると、自身の希望に合った就職・転職先を見つけられるはずです。
他業界から転職を考えている方、どのようなポイントを押さえて探せば良いか分からない方、専門の転職エージェントに相談しながら転職を進めたい方などにおすすめです。
介護・福祉専門の転職エージェントを利用するにあたり、下記のポイントを押さえておくと良いでしょう。
- 希望の地域が対応エリアに入っているか
- 雇用形態・求人の数・サポートの手厚さはどうか
それと、転職エージェントに丸投げせず、相談しながら探していくことも大切です。しっかりとしたコミュニケーションを通じ、自身の希望をしっかりと伝えておきましょう。
さらに、介護・福祉専門の転職エージェントは、1か所だけの登録ではなく、複数登録しておくと良いでしょう。それぞれの転職サービスには得意分野があるため、様々な角度から情報を入れることができるからです。
5)生活支援員への転職におすすめの介護・福祉専門の転職エージェント
介護・福祉専門の転職エージェントは、これまで多くの福祉・介護職の転職を支援してきた実績とノウハウを持っています。それらを活用し、忙しい転職時期を上手く乗り越えましょう。
また、以下に紹介するサービスは、特に実績や求人数の豊富なおすすめの転職エージェントです。それぞれ特徴が違うため、一つずつ順番に見ていきましょう。
レバウェル介護
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介護系転職サービスでトップクラスの求人数。担当エージェントのサポート品質においても高評価の高いサービスです。
レバウェル介護は介護・福祉に特化した転職サービスの中ではとくに求人数が多く、なるべく多くの介護求人を比較検討したい人におすすめです。
求人紹介やサポートを介護・福祉業界に詳しいエージェントが担当してくれるため、様々な希望条件を適えながら適切な求人紹介をしてもらえるでしょう。
なお、レバウェル介護では派遣社員として登録をする方向けに介護未経験・無資格の転職者のサポートも行っています。
転職を機に介護の仕事デビューをしたい人も、レバウェル介護はおすすめです。
サービスを利用した人の評判・口コミからは、「担当エージェントのサポート」に対する高評価が多数見受けられます。
レバウェル介護の特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
生活支援員の公開求人数 | 約7,800件(2024年7月現在) |
レバウェル介護は正社員向け転職と派遣社員転職とで窓口が分かれています。派遣社員として働くことを予定している方はこちらよりご登録ください。
マイナビ介護職
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「福利厚生が充実」「教育制度が整っている」などのホワイト企業の求人が多いと評判のサービス。担当のサポートも手厚いです。
マイナビ介護職は、介護転職者からの認知度No.1(※GMPリサーチ株式会社調べ 2021年7月)を獲得した、介護職専門の転職エージェントです。
大手介護施設・事業所や待遇のよい求人が多いのが特徴です。
サービスを利用した人の評判・口コミからは、「担当エージェントのサポート」に対する高評価の声が多く見られます。
介護業界に詳しい担当エージェントがマンツーマンで、希望条件をヒアリングしたうえで、マッチする求人を紹介してくれます。
書類添削や面接対策といったサポートにも力を入れており、志望動機や自己PRの作成にも役立つでしょう。
マイナビ介護職の特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
生活支援員の公開求人数 | 約850件(2024年7月現在) |
マイナビ介護職の活用メリットの一つに「離職率や職場環境などの、詳細の施設情報を知れる」ことがあります。企業研究の際は担当からの情報を有効活用しましょう。
介護ワーカー
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介護ワーカーは、保有求人数5万件を超える(2024年7月現在)、国内でも最大規模の転職エージェントです。
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介護ワーカーの特徴
特徴 |
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サービス対応地域 | 全国 |
生活支援員の公開求人数 | 約900件(2024年7月現在) |
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ジョブメドレー介護
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なるべく幅広く求人を比較したい人に、ジョブメドレーは適しているでしょう。
サービスを利用した人たちからは、「求人の幅広さ」「スカウトメールが届く」ことへの高評価のコメントが多く見られます。
ジョブメドレー介護の特徴
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サービス対応地域 | 全国 |
生活支援員の公開求人数 | 約1.3万件(2024年7月現在) |
ジョブメドレー介護のサービスは求人サイトがメイン。担当者からのサポートはありませんので、不安な方はレバウェル介護やマイナビ介護職といった介護職向けエージェントを併用しておきましょう。
まとめ)生活支援員を目指すなら、基礎知識を身に付け、転職サービスの活用を!
障害者施設などにおける、生活支援員についてご紹介してきました。生活支援員は、障がいのある方の、日常生活における支援だけでなく、職業訓練の指導や、相談対応まで行ないます。
やりがいだけでなく、大変なこともありますが、明るく前向きに取り組める人や、利用者に対して誠実に向き合える人、周囲と円滑なコミュニケーションが取れる人が生活支援員に向いていると考えられます。
生活支援員として働くには必要な資格はありませんが、専門職として基礎的な知識は身に付けて、雇用形態や会社の業態なども確認しておくと良いでしょう。
生活支援員への理解が深まったところで、生活支援員への転職について気になっている方は、転職サービスを活用し、まずは相談するところから始めてみてはいかがでしょうか。